2025年8月に刑務所内で殺人事件が起こりました。その犯人は、過去にも極悪非道な殺人事件を起こしていました。
2回も殺人事件を起こした犯人の那須野亮の生い立ちや親・家族、経歴と過去の世田谷女性強姦殺害事件、無期懲役の判決とその後の刑務所での藤江彰殺害と現在をまとめました。
この記事の目次
那須野亮は2人殺害の極悪犯罪者
出典：megalodon.jp
那須野亮（なすのまこと）
生年月日：1978～1979年生まれ
出身：福岡県
職業：アルバイト（逮捕前）
那須野亮は2人を殺害した極悪犯罪者です。
1回目は2006年12月に22歳の女性を強姦して殺害しました。そして、この事件で無期懲役の判決を受け、千葉刑務所に服役していましたが、2025年8月24日に刑務所内で殺人事件を起こして逮捕されました。
那須野亮は20年近く刑務所で服役していましたが、再び殺人事件を起こした（しかも刑務所内で）ことで、「更生できていない」「完全にサイコパス」という感想を持った人も多いようです。
那須野亮の生い立ち
那須野亮は福岡県糟谷郡志免町で1978～1979年頃に生まれました。
高校は福岡市にある私立東福岡高校を卒業しています。
これ以外の那須野亮の生い立ちはわかっていません。
ただ、東福岡高校から東京の青山学院大学理工学部に進学していますので、高校までは学力が高く真面目な学生だった可能性が高いです。
那須野亮の親・家族
那須野亮の親や家族の情報はほとんどありません。ただ、経済的にはある程度裕福だったと考えられます。那須野亮は私立の東福岡高校に通っていましたし、そこから上京して私立の青山学院大学に通っていますから。
また、那須野亮が1回目の殺人事件を起こした後に、父親がコメントを出しています。
そのコメントは、次のようなものです。
那須野容疑者の父親はインタビューに「息子はもう社会人だから、自分の責任は自分で取りますよ」と語った。
もし、これが本当に那須野亮の父親のコメントなら、那須野亮はこの時点で完全に親から見放されているのか。それとも毒親タイプだったのかもしれません。
那須野亮の出身大学など経歴
那須野亮は高校卒業後に上京し、青山学院大学理工学部に入学しました。大学ではクラストスキー愛好会というサークルに入り、大学生活を楽しんでいました。
このクラストスキー愛好会というサークルは「飲み会大好きサークル」とホームページに書いてあるので、体育会系のサークルではなく、楽しく学生生活を送るためのサークルのようです。
那須野亮はこのサークルのホームページでOBとして紹介されています。その紹介文には「もっと勉強がしたいため、学校に残る→決して留年ではない」と書いてあるので、4年以上は大学に通っていたことは間違いないでしょう。
しかし、ニュース報道では大学中退と書かれています。
青山学院大学に4年以上通って留年もして、結局は中退。この時点で、もしかしたら那須野亮の親は「もう面倒を見れない」と見限ったのかもしれません。
大学中退後は那須野亮は公認会計士を目指していました。理工学部から公認会計士というのも、なかなか大きな進路変更ですが…。
公認会計士の資格取得のための勉強をしながら、アルバイトをして生計を立てていたようです。
2006年10月には居酒屋チェーンの「はなの舞」でアルバイトを始めます。その後、同年12月中旬にオープンしたばかりの「はなの舞｣新宿西口大ガード店に配属になり、調理担当として勤務していました。そして、それからすぐ後に殺人事件を起こすのです。
那須野亮の世田谷女性強姦殺害事件①：斉藤静香に好意を持ち合鍵を作る
那須野亮（当時28歳）は2006年10月に居酒屋「はなの舞」のアルバイトに採用され、研修を受けることになりました。そこで事件の被害者になる斉藤静香さん（22歳）と知り合います。
斉藤静香さんは青森県出身で高校卒業後に上京し、渋谷のメイクアップ系の専門学校を卒業し、一度就職したものの、事件当時は飲食店のアルバイトなどをしていました。
この斉藤静香さんと那須野亮は他の店舗で2ヶ月間の研修を受け、2006年12月中旬にオープンした「はなの舞｣新宿西口大ガード店でオープニングスタッフとして働くのですが、研修中に那須野亮は斉藤さんに好意を抱き、食事に誘うなどのメールをたくさん送るようになりました。
一部報道では、斉藤静香さんに60通ものメールを送ったのだとか。しかし、斉藤さんからは積極的に返事が来ることはなく、食事の誘いも断られました。
斉藤静香さんはこの那須野亮のメール攻撃を迷惑に思っていたようで、友人に相談したこともありました。
那須野亮は食事を断られたことで、「もうダメだ…」と犯行を決意します。
前述のとおり、2人の職場である「はなの舞｣新宿西口大ガード店はオープンしたばかりで、オープンから数日間は更衣室は男女兼用でした。
これを利用して、バイト中に斉藤静香さんのカギを盗み出して合鍵を作り、元のカギを戻していました。非常に陰湿で卑劣なやり方で、那須野亮は斉藤静香さんの合鍵を手に入れたのです。
しかも、那須野亮は3回目でようやく斉藤静香さんの自宅の合鍵を手に入れています。斉藤さんの鍵束には鍵が複数ついていて、どれが自宅の鍵かはわからなかったので、那須野亮は前述の方法で合鍵を作っては、こっそり斉藤さんの自宅に行って鍵が合うかどうかを試していました。
こっそり更衣室から鍵を盗み合鍵を作って、鍵を戻す。合鍵が自宅の鍵かどうかを斉藤さん宅に行って試す。これを3回も繰り返したなんて、本当に陰湿で気持ちが悪いですね。
那須野亮の世田谷女性強姦殺害事件②：待ち伏せして強姦殺害
斉藤さんの後をつけてアパートを特定し、斉藤静香さんの合鍵を手に入れた那須野亮は、シフト表で斉藤さんの出勤日を調べました。
そして、目出し帽や睡眠薬、ビニール紐を用意して、2006年12月28日未明に斉藤静香さんの自宅に侵入し、目出し帽を被り、明かりを付けられないように部屋の蛍光灯を外して、息をひそめて斉藤さんが帰宅するのを待ちました。
午前5時にバイトを終えた斉藤静香さんが帰宅すると、那須野亮は襲いかかります。
斉藤さんは激しく抵抗したため、首を絞めて意識を失わせます。そして、衣服をはぎ取り乱暴をして、斉藤さんが意識を取り戻すと、首を手やビニールヒモで繰り返し首を絞め、最終的に殺害したのです。
強姦した時に、那須野亮は斉藤静香さんの裸の写真や恥ずかしい写真を携帯電話で撮影していました。
那須野亮の世田谷女性強姦殺害事件③：逮捕される
斉藤静香を殺害した那須野亮はそのまま昼過ぎまで現場である斉藤静香さんの自宅に居座ります。
そして、合鍵で鍵をかけて逃亡しました。
その後、那須野亮は斉藤さんの携帯電話に「警察に言ったら、この写真をバラまく」と脅すメールを送っています。
また、斉藤ささんの自宅には自分の指紋が残っていることに気づき、翌朝に斉藤さん宅を放火する計画を立てました。この放火はラッシュアワーに重なるようにしようと考えていたようです。その理由は渋滞に巻き込まれて、消防車の到着が遅れるからです。
しかし、放火する前に事件が発覚します。事件当日の2006年12月28日午後6時頃に斉藤静香さんの姉が斉藤さん宅を訪れ、全裸で亡くなっている斉藤さんを発見したからです。
そして、斉藤さんの携帯に脅迫メールを送っていた那須野亮が捜査線上に浮上し、事件翌日の12月29日に那須野亮が逮捕されました。
那須野亮のその後：判決は無期懲役
移送時には笑顔を見せた
逮捕された那須野亮は翌日の12月30日に送検され、2007年1月19日に殺人と強姦致死罪で起訴されました。
起訴されて護送用のワゴン車で移送される時、警視庁北沢署には那須野亮の知人が集まっていました。そして、その知人らは那須野亮を「先輩！」と呼び、手を振っていました。
那須野亮はそれを見て嬉しそうにしていたとのこと。
警視庁北沢署。護送用のワゴン車の中、報道陣に混じって「先輩！」と手を振る知人らにニヤニヤとうれしそうに笑顔を返す男がいた。
バイト仲間の女性を世田谷区の自宅アパートで待ち伏せ殺害するなどしたとして１９日、殺人と強姦致死罪で起訴された那須野亮被告（２８）だ。
「先輩！」と呼んだのは青山学院大学時代の後輩たちでしょうか…。斉藤静香さんを残忍な方法で殺害しておきながら、ニヤニヤと嬉しそうにしているなんて、ただただ気持ち悪いですね。
判決は無期懲役
那須野亮の裁判は2007年6月6日から始まりました。那須野亮は殺意を否定しています。
しかし、裁判の判決では裁判長が次のように那須野亮を厳しく非難しています。
・「襲い方や手順、口止めの方策を考え抜くなど周到に計画された犯行で、殺害態様も残忍」
・「馬乗りになり繰り返し首を絞めるなど未必の殺意が認められる」
・「証拠を消すために部屋を燃やす準備をするなど被害者を悼む気持ちはみじんも感じられない」
そして、2007年6月28日に無期懲役の有罪判決が言い渡されました。
那須野亮は控訴することなく、無期懲役が確定したようです。殺意を否認しておきながら、無期懲役の判決に控訴しなかったということは、やはり家族や親からは見放されていた可能性が高いですね。
家族が那須野亮に親身になっていて、少しでも減刑を願っているなら、とりあえずは家族が弁護士に控訴を依頼するはずですから。それなのに、控訴しなかったということは、家族からは見放され、（国選？）弁護士からも半分くらい見放されていたのでしょう。
那須野亮のその後：刑務所で藤江彰を殺害
那須野亮は2007年6月28日に無期懲役の有罪判決を言い渡され、刑務所で服役することになりました。那須野亮が服役していたのは千葉刑務所だったようです。
そして、2025年8月24日に千葉刑務所で那須野亮が事件を起こしました。その事件とは殺人事件です。
2025年8月24日午前7時5分ごろ、那須野亮は就寝中の男性受刑者（51歳）の頭を金属製の水筒で複数回殴って殺害しました。
この金属製の水筒は熱中症予防のために、他の受刑者に貸し出されていたもので、高さは22cm・直径7cmのものでした。この部屋では5人が収容されていました。つまり、同じ部屋に被害者と那須野亮以外に3人がいた状態で、犯行が行われたのです。
事件が起こった後、複数人が大声で職員を呼び、それに気づいた職員が駆けつけると、頭から血を流していた被害者を発見し、病院に搬送されたものの死亡が確認されています。
被害者の藤江彰は連続強姦魔
千葉刑務所で那須野亮に殺害された被害者は、藤江彰（当時51歳）でした。
藤江彰は山梨宿泊施設連続強姦事件で逮捕され、服役していた受刑者です。
藤江彰は東京都大田区在住でしたが、2017年から2021年にかけて山梨県の山中湖村や富士河口湖町の民宿に侵入し、就寝中の女性11人にわいせつな行為・暴行をして逮捕されました。
藤江彰は、大学生のサークルの合宿を行っている民宿を狙って、鍵がかかっていないドアや窓から侵入し、10代後半など若い女性を狙ってわいせつ行為を行っていました。
発表によると、男は２０１９年８月２２日午前５時頃、山中湖村の宿泊施設の客室に侵入し、室内で就寝中の当時１０歳代後半の女性にわいせつな行為をした疑い。
わかっているだけで、藤江彰は11人の女性にわいせつ行為を行い、5件で起訴されています。ただ、これは判明している人数です。大学のサークルの合宿だった場合、泥酔して寝ていて、レイプされたら「サークル内の誰かにレイプされたかも」とか「夢だったのかも」と思って被害届を出せないケースも多々あったはずです。
藤江彰は逮捕後に懲役14年の実刑判決を言い渡されました。
加害者も被害者も性犯罪者…
2025年8月24日に起こった千葉刑務所内での殺人事件は、犯人は性犯罪者（＋殺人）。被害者も性犯罪者（＋連続）。ある意味、一切救いのない事件です。
もちろん、性犯罪者だから殺されても仕方がないというわけではありませんが、一般的な殺人事件に比べると、一切救いのない事件であると言えるのではないでしょうか。
藤江彰にレイプされた被害者の女性たちは、藤江彰がもう絶対に自分の目の前に現れることはない・社会復帰することはないことに、少なからずホッとしたのではないでしょうか。
那須野亮の現在
出典：sankei.com
那須野亮は2025年8月24日に千葉刑務所内で藤江彰を殺害して逮捕されました。
那須野亮は容疑を認めているとのことです。
那須野容疑者は「間違いないです」と容疑を認めており、県警は何らかのトラブルがあったとみて動機や経緯を調べている。
刑務所内で一体何があったのか。那須野亮の動機は何だったのかはまだ明らかになっていません。
ただ、いわゆる「カッとなって殺した」という犯行ではないと思われます。被害者の藤江彰は寝ている時に殺害しているのですから。しかも、殺害時刻は午前7時過ぎ。一晩経ってもまだ藤江彰を殺害したいほどの恨みを持っていたことになります。
動機などは明らかになっていませんが、那須野亮が刑務所内で殺人事件を起こしたことは間違いのない事実ですので、今後どのような判決が言い渡されるのかに注目が集まるはずです。
「殺害した人数」で言えば、過去の判例から無期懲役の可能性もゼロではありませんが、すでに那須野亮には2007年に無期懲役の判決が言い渡されていて、服役中でした。その状態でさらに無期懲役の判決だったら、藤江彰殺害については、何の罰も与えられていないことになります。
日本の法律において、無期懲役よりも重い刑は死刑しかありません。となると、那須野亮は死刑判決を受ける可能性があります。2人殺害で死刑になった判例はありますから。
那須野亮のまとめ
那須野亮のプロフィールや生い立ちや親・家族、上京後の大学や経歴、世田谷女性強姦殺害事件の概要や被害者の斉藤静香の合鍵入手方法、無期懲役の判決とその後の刑務所内での藤江彰殺害や現在をまとめました。
刑務所内で殺人事件なんて前代未聞です。那須野亮の動機の解明や今後の判決などを待ちたいと思います。
また、那須野亮は20年近く刑務所にいても更生しなかったのですが、そのような受刑者は那須野亮以外にもいるはずです。そういう人たちが今後も社会復帰してくる可能性があると思うと、とても怖いですよね。
