バスは最も身近な公共交通機関であり、一般市民の生活を支えている便利な乗り物ですが、今までに衝撃的な事故を起こしてきた歴史があります。
日本のバス事故一覧と衝撃度ランキングをまとめました。
この記事の目次
日本のバス事故一覧
日本で起こった主なバス事故を一覧にしてまとめました。ここでは1950年から現代までの主なバス事故をご紹介します。
発生日時 | 事故 | 場所 | 死者 | 負傷者 |
1950年2月 | 熊本バス養殖池転落事故 | 熊本県松尾村 | 22名 | |
1950年4月 | 横須賀トレーラーバス火災事故 | 神奈川県横須賀市 | 50名 | |
1950年11月 | 物部川バス転落事故 | 高知県香美市 | 33名 | |
1950年12月 | 大宮東北線バス列車衝突事故 | 埼玉県大宮市 | 13名 | |
1951年7月 | 天竜川バス転落事故 | 静岡県磐田郡浦川町 | 28名 | |
1951年7月 | 札幌バス火災事故 | 北海道札幌市 | 12名 | 32名 |
1951年11月 | 国鉄バス炎上事故 | 愛媛県貝吹村 | 32名 | 7名 |
1954年10月 | 嬉野国鉄バス転落事故 | 佐賀県藤津郡嬉野町 | 13名 | 38名 |
1955年5月 | 北上バス転落事故 | 岩手県北上市 | 12名 | |
1956年1月 | 長浜町バス転落事故 | 愛媛県大洲市 | 9名 | |
1956年9月 | 武生市バス転落事故 | 福井県武生市 | 10名 | 32名 |
1960年7月 | 比叡山バス転落事故 | 滋賀県大津市 | 28名 | |
1962年10月 | 北海道山津波バス事故 | 北海道乙部町豊浜 | 14名 | 14名 |
1963年5月 | 長崎北松浦バス転落事故 | 長崎県田平町 | 6名 | 15名 |
1968年8月 | 飛騨川バス転落事故 | 岐阜県加茂郡白川町 | 104名 | 3名 |
1972年9月 | 鳥居川バス転落事故 | 長野県信濃町 | 15名 | |
1975年1月 | 青木湖バス転落事故 | 長野県大町市 | 24名 | 15名 |
1977年8月 | 昇仙峡バス転落事故 | 山梨県甲府市 | 11名 | 34名 |
1985年1月 | 犀川スキーバス転落事故 | 長野県長野市 | 25名 | 8名 |
1985年3月 | 九重バス事故 | 大分県玖珠郡九重町 | 3名 | 31名 |
1989年7月 | 越前海岸岩盤崩落事故 |
福井県丹生郡越前町
|
15名 | 0名 |
1994年5月 | JR貸切バス事故 | 千葉県富津市湊町 | 1名 | 27名 |
1995年8月 | 東名山北バス事故 | 神奈川県山北町 | 3名 | 41名 |
1996年2月 | 豊浜トンネル岩盤崩落事故 | 北海道古平郡古平町 | 20名 | 0名 |
2007年2月 | 吹田スキーバス事故 | 大阪府吹田市 | 1名 | 26名 |
2008年4月 | 脱輪タイヤ衝突バス事故 | 静岡県牧之原市 | 1名 | 7名 |
2012年4月 | 関越自動車道高速バス居眠り運転事故 | 群馬県藤岡市 | 7名 | 39名 |
2016年1月 | 軽井沢スキーバス転落事故 | 長野県軽井沢町 | 15名 | 26名 |
2022年8月 | 名古屋高速バス横転炎上事故 | 愛知県名古屋市 | 2名 | 7名 |
これらの事故は、日本のバス事故の中でも重大事故と言われているものです。細かい事故まで含めると、これ以上にたくさんの事故が起こっています。
日本のバス事故衝撃度ランキング:29位~26位
第29位:吹田スキーバス事故
吹田スキーバス事故
発生日時:2007年2月18日
発生場所:大阪府吹田市津雲台の大阪中央環状線
死者:1名
負傷者:26名
2007年2月18日の早朝にサン太陽トラベル主催・あずみ野観光バス運行のスキーバスが大阪府吹田市の大阪中央環状線を走行中に中央分離帯にある大阪モノレールの高架支柱に激突しました。この事故で添乗員として乗車していた16歳の男性が死亡、運転手や乗客など26名が重軽傷を負いました。
このバスは前日の夜に長野県各地にあるスキー場から乗客36名を乗せて京都駅・大阪駅経由で天王寺駅に向かっていました。
運転手はバス会社の長男で、人員不足のために、道路交通法で義務付けられている交代要員は同乗していませんでした。また、添乗員はバス会社の三男でアルバイトとして車掌業務を行わせていたとのことです。運転手の長男は、「居眠り運転をしていた」と供述していて、バス事故の原因は過労運転とされています。
第28位:東名山北バス事故
東名山北バス事故
発生日時:1995年8月10日
発生場所:神奈川県山北町向原の東名高速道路
死者:3名
負傷者:41名
1995年8月10日午前8時25分、山北町を走る東名高速上り線で追越車線を走っていたトラックが隣の走行車線を走っていた観光バスの右後方に追突し、観光バスは追突の衝撃でバランスを崩して、右側の壁に衝突した後、左側の壁に衝突し、バスは大破しました。
観光バスには静岡県富士市の小学4年生~6年生の児童38名と、市の職員やバスガイドなど合計43名と運転手が乗っていて、児童1名、市の職員1名、バスガイドが亡くなり、運転手とそのほかの乗客41名が重軽傷を負っています。
事故の原因はトラックの過積載です。追突したトラックは最大積載量の2倍近い量を積んでいました。
第27位:JR貸切バス事故
出典:jreu.or.jp
JR貸切バス事故
発生日時:1994年5月26日
発生場所:千葉県富津市湊町の国道127号線
死者:1名
負傷者:27名
1994年5月26日の午前4時30分ごろ、千葉県富津市の国道127号線で、JRバス関東の貸し切りバスと2トントラックが正面衝突しました。この事故でバスの運転手が亡くなり、27名が負傷しています。事故の原因はトラックの運転手の居眠り運転です。運転手が居眠り運転をしていたトラックが、センターラインを越えてバスに衝突した形になります。
大型バスと小型トラックの正面衝突でしたが、バスが低運転台構造だったために、バスの運転手だけが亡くなるという結果となりました。
第26位:脱輪タイヤ衝突バス事故
脱輪タイヤ衝突バス事故
発生日時:2008年4月11日
発生場所:静岡県牧之原市の東名高速道路下り車線
死者:1名
負傷者:7名
2008年4月11日、ツアー客39名とバス運転手+添乗員の41名を乗せた名阪近鉄バスの貸し切りバスが、静岡県牧之原市を走る東名高速上り車線を走行していたところ、上り車線を走っていた大型トラックのタイヤが脱輪し、それがバスに直撃して事故が起こりました。
タイヤは直径1m重さ100kgという大きさで、バスのフロントガラスを突き破ってバス運転手にあたり、運転手はほぼ即死で死亡しています。バスはタイヤが衝突してから約60m進んで停車しました。
運転手はハンドルを握り、ブレーキペダルに足を置きサイドブレーキを引いた状態で亡くなっていて、バスガイドがサイドブレーキをひこうとしたらすでに引いてある状況でした。警察は「あの状況でよくブレーキを引いた」とコメントしていたということです。
バスの運転手がタイヤの直撃を受けながらもブレーキを引くことができたから、この大事故でも犠牲者は運転手のみで済んだんですね。
日本のバス事故衝撃度ランキング:25位~21位
第25位:名古屋高速バス横転炎上事故
名古屋高速バス横転炎上事故
発生日時:2022年8月22日
発生場所:名古屋高速11号小牧線・豊山南出口付近
死者:2名
負傷者:7名
2022年8月22日、愛知県名古屋市の名古屋高速11号小牧線の豊山南出口付近で、空港に向かう名古屋空港連絡バスが横転して炎上しました。この事故で、運転手と乗客1名が死亡、乗客6名と後続の車の運転手1名が死亡しています。死亡した2名は焼死の可能性が高いとのことです。
事故原因はバスが中央分離帯に接触したことです。
事故の前からバスが走行中にふらつく様子が見られていて、さらブレーキ痕や中央分離帯に衝突する前に回避操作などが行われた様子がなかったことから、運転手が何らかの原因で正常に運転できない状態に陥っていたと推測されています。
第24位:九重バス事故
九重バス事故
発生日時:1985年3月9日
発生場所:大分県玖珠郡九重町の大分県道40号
死者:3名
負傷者:31名
1985年3月9日17時40分ごろに大分県玖珠郡九重町の大分県道40号飯田高原中村線上で、長崎県の貸し切りバスと大型クレーン車が衝突しました。事故現場はヘアピンカーブで下り坂を走行していたクレーン車のアームが対向のバスの右側面に突き刺さる形での事故です。
クレーン車のアームがバスに突き刺さるなんて、とても恐ろしい事故です・・・。。
第23位:長崎北松浦バス転落事故
長崎北松浦バス転落事故
発生日時:1963年5月13日
発生場所:北松浦郡田平町深月免馬ノ元の国道
死者:9名
負傷者:12名負傷
1963年5月13日午前11時15分ごろ、長崎県北松浦郡田平町深月免馬ノ元の国道で佐世保行きの定期バスがカーブを曲がる際に、路肩が崩れて崖下20mに転落しました。雨が降っていたことで、地盤が弱くなり、路肩が崩れてしまったとのことです。
第22位:長浜町バス転落事故
長浜町バス転落事故
発生日時:1956年1月28日
発生場所:愛媛県喜多郡長浜町櫛生の三ツ石海岸
死者:9名
事故当日の1956年1月28日は低気圧の影響で強風が吹いていました。1922年以来の平均・瞬間最大風速が計測されていましたが、バスは運行することになります。海岸沿いの道は、路面まで波が届いていて、とても危険な状態でした。1月28日20時ごろ、海に突き出たカーブに差し掛かったところで、バスは海に転落してしまいます。
なぜ転落したのかは不明ですが、波にさらわれたとも、視界不良による運転ミスとも言われています。
バスは20時ごろに転落しましたが、すぐには発覚しませんでした。バスが終点に到着していないことをバス営業所は把握しておらず、翌日になってようやく発覚したんです。
捜索活動が行われ、運転手と乗客7名の遺体は見つかりましたが、車掌は発見されないまま捜索は打ち切られ、記録上は運転手と車掌・乗客全員(合計9名)が死亡したとなっています。
第21位:北上バス転落事故
北上バス転落事故
発生日時:1955年5月14日
発生場所:岩手県北上市飯豊町の国道4号
死者:12名
負傷者:28名
1955年5月14日午後7時39分ごろ、修学旅行中の小学6年生34名、教員3名、付き添い家族12名、運転手2名の合計51名を乗せたバスは、花巻方面に向かって岩手県北上市の大堰川に架かる橋を走っていた時に、運転手が前から来た自転車をよけようとして運転をミスして橋の欄干に激突しました。
橋の欄干がもろくなっていて、バスは欄干を突き破って大堰川の河川敷に転落して大破しています。この事故で児童4名を含む12名が死亡しています。
日本のバス事故衝撃度ランキング:20位~16位
第20位:札幌バス火災事故
札幌バス火災事故
発生日時:1951年7月26日
発生場所:北海道札幌市
死者:6名(12名?)
負傷者:32名
1951年7月26日13時ごろ、北海道札幌市でバスの車両火災が発生しました。札幌発石狩市の路線バスが始発のバス停を発車して40m進んだところで、運転席の後ろから炎が噴き出し、一気に車内に燃え広がって6名(12名という情報もあり)が死亡し、32名が重軽傷を負いました。
このバスは非常口がなく、バスの乗降ドアはパニック状態の客が障害になって十分に開かず、さらに窓には鉄パイプがつけてあったために、乗客が脱出できなくなり、死傷者が増えることになりました。
このバス事故は整備不良が原因ではないか?と言われていますが、きちんとした原因は解明されていません。また、可燃性の映画フィルムが22巻積まれていて、しかも発車前2時間は強い日差しに晒されていて、加熱状態になっていたことが事故の被害を大きくした要因の1つとされています。
第19位:大宮東北線バス列車衝突事故
大宮東北線バス列車衝突事故
発生日時:1950年12月18日
発生場所:埼玉県大宮市の原市街道の東北線の踏切
死者:13名
負傷者:2名
大宮駅を出発した東部中型バスは東北線の踏切に差し掛かります。この当時、踏切は自動警報機は普及しておらず、踏切番と呼ばれる人がハンドルを回して遮断機を上げ下ろししていました。この時、この踏切番は遮断機を下ろすのが遅れてしまい、バスが踏切内に進入します。
そこに郡山発上野行きの列車が時速80kmでバスに衝突し、バスは200mくらい列車に引きずられてしまい、バスの運転手と車掌、さらに乗客11名が死亡し、2名が負傷しています。(バスの乗客は13名)
第18位:関越自動車道高速バス居眠り運転事故
関越自動車道高速バス居眠り運転事故
発生日時:2012年4月29日
発生場所:群馬県藤岡市岡之郷の関越自動車道上り線
死者:7名
負傷者:39名
2012年4月29日、JR金沢駅発ディズニーランド行のツアーバスが関越自動車道の上り車線藤岡ジャンクションに差し掛かった時、バスは防音壁に正面から突っ込み突き刺さる形で事故を起こしました。
この事故で、乗客7名が死亡、39名が負傷しています。この事故の原因は運転手の居眠り運転です。現場にはブレーキ痕やスリップ痕はなく、時速90~100kmで防音壁に突っ込んだと見られています。運転手は過労の状態で、さらに慣れていない道での運転だったそうです。
第17位:武生市バス転落事故
武生市バス転落事故
発生日時:1956年9月9日
発生場所:福井県武生市の国道8号線
死者:10名
負傷者:32名
1956年9月9日6時ごろ、愛知県からの温泉ツアーに来ていた貸し切りバスが福井県武生市の国道8号線を走っていた時、運転手が朝日に目がくらみ、運転を誤って70m下に転落しました。この事故で10名が死亡、32名が負傷しています。
第16位:昇仙峡バス転落事故
昇仙峡バス転落事故
発生日時:1977年8月11日
発生場所:山梨県甲府市郊外の昇仙峡
死者:11名
負傷者:34名
1977年8月11日、慰安旅行中の静岡県の保険会社員ら45名が乗った静鉄観光バスが山梨県甲府市郊外の昇仙峡で45m下の谷底に転落しました。
45名のうち11名が死亡し、34名が重軽傷を負っています。事故の原因は運転手のスピードの出し過ぎですが、運転手も死亡したため被疑者死亡のまま書類送検しています。
日本のバス事故衝撃度ランキング:15位~11位
第15位:鳥居川バス転落事故
鳥居川バス転落事故
発生日時:1972年9月23日
発生場所:長野県上水内郡信濃町の県道
死者:15名
負傷者:67名
1972年9月23日12時ごろ、戸隠神社行のバスが50m下の鳥居川に転落して大破し、15名が死亡・67名が負傷という大事故が起こりました。この事故のきっかけはダンプカーとバスがすれ違う際に、運転ミスがあって崖下に転落したとして、バスの運転手が逮捕・起訴されました。
しかし、道路の幅は4.6mしかなく、大型車両同士のスレ違いは困難であり、未舗装でガードレールの設置もなかったことから、運転手は無罪となり、バス会社と長野県が遺族に対して損害賠償を支払うことになりました。
第14位:熊本バス養殖池転落事故
熊本バス養殖池転落事故
発生日時:1950年2月11日
発生場所:熊本県飽託郡松尾村
死者:22名
負傷者:18名
1950年2月11日午前9時40分ごろ、熊本行の定期バスが松尾村要江でカーブを曲がり切れずに崖下13mにある養魚池に転落しました。この事故で22名が死亡、18名が負傷しています。
この事故の原因は、運転手の運転ミスです。そもそもこのバスには定員35名のところ60名以上も乗車していて、定員オーバーの状態でした。そして、乗客の荷物が車体が揺れた時に運転手の体にあたり、その拍子に運転手がハンドル操作ミスをして転落してしまったようです。
第13位:嬉野国鉄バス転落事故
嬉野国鉄バス転落事故
発生日時:1954年10月7日
発生場所:藤津郡嬉野町不動山大船の県道
死者:13名
負傷者:38名(70名?)
1954年10月7日午前7時25分ごろ、佐賀県藤津郡嬉野町不動山大船の県道で皿屋谷発嬉野行きの国鉄定期バスが走行中、運転手が降雨のためにハンドル操作を誤って15m下の崖下に転落し、乗客14名が死亡し、38名が負傷した事故です。
負傷人数は70名という情報もありますが、負傷者70名と考えると、1台のバスに84名が乗っていたことになりますので、38名のほうが現実的な数字かもしれません。ただ、時代的に「定員」という概念があまりなかったかもしれませんので、70名負傷も十分にあり得ます。
第12位:北海道山津波バス事故
北海道山津波バス事故
発生日時:1962年10月17日
発生場所:北海道乙部町の豊浜トンネル
死者:14名
負傷者:25名
1962年10月17日午前11時45分ごろ、北海道の乙部町の豊浜トンネル付近での海岸で大規模な地滑りが発生しました。
現場では、数日前から落石が観測されていたそうです。さらに、事故当日の朝8時にも護岸壁が92mに渡って崩壊し、130mの亀裂が入っているのが発見されています。
そのような状況の中、久遠発江差行きの函館バスの定期バスは運転手1名と乗員1名、乗客36名が乗車していましたが、そのバスが豊浜トンネルに差し掛かった時にその地滑りが起こり、バスが通行する道をふさいでしまいました。
バスは現場の作業員の合図で引き返すべくバックし始めましたが、土石流(山津波)が発生して、バスを飲み込み、バスはそのまま海の中に転落してしまいました。
乙部と熊石側を結ぶトンネル間で約600メートルにわたって大規模な地滑りが起き、通りかかった函館バス車両と現場作業員を土砂が襲った。6歳の女児を含む乗客11人が遺体で見つかり、函館開建職員ら3人が行方不明、重軽傷者14人の大惨事となった。
引用:「山津波事故きょうで半世紀、犠牲者を慰霊 」2012/10/17 函館新聞社/eHAKO函館地域ニュースアーカイブ
自衛隊や海上保安庁、地元の消防団などが捜索を行いましたが、まだ行方不明のままの方もいらっしゃいます。また、バスの車体もまだ見つかっていません。
第11位:越前海岸岩盤崩落事故
出典:isabou.net
越前海岸岩盤崩落事故
発生日時:1989年7月16日
発生場所:福井県越前町玉川の国道305号線
死者:15名
1989年7月16日15時30分ごろ、福井県越前町玉川の国道305号戦で高さ40m(約1,500トン)に渡る大規模な岩盤崩落が発生しました。落石防止用のロックシェードはありましたが、岩盤はそれを突き破って、ちょうど現場を走っていたマイクロバスを直撃し、押しつぶしました。このマイクロバスには15名が乗っていましたが、全員の死亡が確認されています。
この事故の瞬間はマイクロバスの後方を走っていた乗用車が偶然撮影していて、その様子はテレビでも放送されています。
この事故の後に、国道305号線は迂回路が建設され、現在は事故現場は立ち入り禁止となっています。
日本のバス事故衝撃度ランキング:10位~6位
第10位:軽井沢スキーバス転落事故
軽井沢スキーバス転落事故
発生日時:2016年1月15日
発生場所:長野県北佐久郡軽井沢町国道18号碓氷バイパスの入山峠
死者:15名
負傷者:26名
2016年1月15日1時55分ごろ、長野県北佐久郡軽井沢町国道18号碓氷バイパスの入山峠付近で、運転手2名・乗客39名を乗せたツアーバスが左カーブを曲がり切れず、ガードレールをなぎ倒して道路わきに転落する事故が起こりました。
このバスには大学生32名が乗っていて、犠牲者の年代が若かったことからも、大きく報道されています。このバス事故の直接的な原因は急な下り勾配の左カーブを時速95kmで走行して曲がりきれなかったという運転ミスです。
事故現場の前の右カーブの時にスピードを出し過ぎて左側のガードレールに接触し、次の左カーブで曲がり切れずに対向車線にはみ出して、右側のガードレールに衝突して、3m下に転落しています。
しかし、この運転ミス以外にも、運転手の勤務体系やツアー会社とバス会社の委託内容、新生していた経路とは異なるルート選択などの不備が多く発覚し、社会問題として格安バスツアーの是非が問われるきっかけとなった事故でした。
第9位:比叡山バス転落事故
比叡山バス転落事故
発生日時:1960年7月24日
発生場所:滋賀県大津市の比叡山ドライブウェイ
死者:28名
負傷者:18名
1960年7月24日午後12時25分ごろ、滋賀県大津市の比叡山ドライブウェイでバス事故が起こりました。
神戸市葺合区遺族会の会員が比叡山を参拝するために観光バス2台に分乗し、比叡山ドライブウェイを回っていたところ、2号車のバスが三叉路で京阪バスと衝突し、ガードレールを突き破ってがけ下に転落しました。
転落した2号車は20m下の道路にたたきつけられ、さらにその130m下の谷底に落下していきました。この事故で28名が死亡し、18名が負傷したとのことです。目撃者の証言によると、高齢者や子供は窓から飛び出ていったとのことで、かなりの衝撃があった事故のようです。また、150m下にバスが転落したこともあり、現場はひどい惨状で、現場を見て気を失った新聞記者もいました。
事故の原因はブレーキの故障です。事故直前にいはスピードを出し過ぎていて、エアブレーキの空気圧力が危険な状態にあったことがわかっています。
第8位:物部川バス転落事故
物部川バス転落事故
発生日時:1950年11月7日
発生場所:高知県香美郡美良布町国道195号線
死者:34名
負傷者:29名
1950年11月7日午後6時55分ごろ、高知県香美郡美良布町(現香美市香北町)橋川野を走る国道195号線から、乗客61名・乗務員2名を乗せた国鉄バスが物部川に転落しました。道路から川までの高低差は63mあり、バスは途中の岩盤にもたたきつけられたため、車体は木っ端微塵に粉砕されています。
この事故で34名が死亡(うち27名が即死)、29名が重軽傷を負っています。驚きなのは岩盤に叩きつけられながら63mを落ちたのに、軽症者がいて、自分で崖を這いあがってきた人たちがいたことです。
この日は秋祭りが行われていて、バスは店員の2倍近い人数が乗っていてぎゅうぎゅうの満員状態だったとのこと。しかも、運転手もお祭りでお酒を飲んでいて酔っぱらっていたという情報もあります。
第7位:天竜川バス転落事故
天竜川バス転落事故
発生日時:1951年7月15日
発生場所:静岡県磐田郡浦川町
死者:28人前後(30人以上?)
1951年7月15日、梅雨の長雨で飯田線浦川駅-佐久間駅間が不通になったため、国鉄はバスによる代行輸送を行うことにしました。電車の乗客を2台の小型バスに分乗させて、佐久間駅に向かわせましたが、そのうちの1台が県道のカーブの路肩が崩れて20m下の天竜川に転落しました。
この日は電車が不通になるくらいの長雨で天竜川は増水していたため、バスはすぐに濁流にのまれて流されてしまいました。この事故で助かったのは運転手と運転助手、乗客の5人だけです。
残りの人たちは流されて、行方不明になりました。潜水士なども動員されて捜索が行われましたが、遺体もバスの車体も発見できませんでした。
バスが発見されたのは事故から3年経った1954年のことです。車内からは人骨が発見されたそうです。
この天竜川バス転落事故では、代行バスが転落していて、誰がこのバスに乗っていたかが不明であるため、正確な被害者数は不明となっています。死者数は28名が定説となっていますが、30名以上の犠牲者がいたという説もあります。
第6位:豊浜トンネル岩盤崩落事故
出典:mainichi.jp
豊浜トンネル岩盤崩落事故
発生日時:1996年2月10日
発生場所:北海道古平町の豊浜トンネル
死者:20名(バスの乗員乗客は19名)
1996年2月10日午前8時10分ごろ、豊浜トンネルの古平町側坑口直上の斜面で、岩盤(最大高さ70m・最大幅50m・最大厚さ13m・体積11,000m3・重さ27,000t)の崩落が起こりました。このあまりにも大きな岩盤はトンネルの天井を突き破り、トンネル内を走行中だった北海道中央バス(乗客18名・運転手1名)を直撃しました。
この岩盤崩落でバスはトンネル内に閉じ込められ、内部には入ることができない状態だったため、岩盤に火薬を仕掛け、発破をして岩盤を海に落として救出することになり、事故から4日後の2月14日になってようやく内部に入り救出作業を始めることができました。しかし、バスに乗っていた19名は全員ほぼ即死状態でした。
この事故で現場トンネル・道路は閉鎖され、旧道を使う迂回路が作られました。そして、2000年には新しい豊浜トンネルが作られたため、現在は事故現場は船で海上からのみ見学することができ、陸路では近づくことができなくなっています。
日本のバス事故衝撃度ランキング:5位~1位
第5位:青木湖バス転落事故
青木湖バス転落事故
発生日時:1975年1月1日
発生場所:長野県大町市青木湖畔
死者:24名
負傷者:15名
1975年1月1日午前11時20分、長野県大町市の青木湖畔にある市道の急カーブ部分で、ホテルのスキー客の送迎バスが運転ミスによりがけから転落して、33m下の青木湖に転落しました。
この事故で24名が死亡、15名が負傷しています。
事故を起こした時、バスには定員の2倍近い62名が乗っていて、ぎゅうぎゅうのすし詰め状態で、運転手は乗客が邪魔で左のミラーを確認できない状態でした。この左のミラーが見えないことで、車体左側をこすらないように右にバスを寄せてからカーブを曲がろうとしたため、右前輪が脱輪して青木湖に転落してしまったとのことです。また、タイヤチェーンをつけていませんでした。
運転手や乗客合計38名は自力で脱出することができましたが、24名は逃げ遅れ溺死しました。
第4位:犀川スキーバス転落事故
犀川スキーバス転落事故
発生日時:1985年1月28日
発生場所:長野市信更町の国道19号線
死者:25名
負傷者:8名
1985年1月28日午前5時45分、体育科の授業でスキー教室を実施するために、日本福祉大学の学生ら46名らを乗せたバスは北志賀高原の竜王スキー場へ向かっていました。しかし、犀川に架けられた大安寺橋手前のカーブでバスはガードレールに衝突して突き破り、そのまま犀川に転落しました。
現場は雪が積もり路面が滑りやすくなっていて、バスのスピードの出し過ぎが直接の原因でしたが、運転手(事故で死亡)は事故当日まで2週間の連続勤務をしていて、過労による居眠り運転をしていたと推測されています。
この事故で25名が死亡し、21名が自力で脱出して助かっています。
第3位:横須賀トレーラーバス火災事故
出典:miuken.net
横須賀トレーラーバス火災事故
発生日時:1950年4月14日
発生場所:神奈川県横須賀市県道鎌倉三崎線(現・国道134号)
死者:19名
負傷者:31名
1950年4月14日、横須賀市の県道(現在の国道134号線)を走る京浜急行電鉄のトレーラーバスが進駐軍武山部隊南門前に差し掛かった時に、突然客席内で火災が起こり、一気に燃え広がりました。この事故で19名が亡くなり、31名が重軽傷を負っています。
この事故の原因はガソリンとマッチです。1人の客が車内にガソリンを持ち込んでいました。車内はなんとなくガソリン臭かったとのことです。そして、違う乗客が煙草を吸い、煙草に火をつけたマッチをポイ捨てしたんです。そのマッチの火がガソリンに引火して、一気に燃え広がり、19人の犠牲者を出す大惨事となりました。
トレーラーバスという運転席と客席が分離している構造のため、運転手が火災に気づくのが遅れたことも被害が大きくなった一因とされています。また、この事故がきっかけで、バスにも非常口がつけられるようになっています。
第2位:国鉄バス炎上事故
国鉄バス炎上事故
発生日時:1951年11月3日
発生場所:愛媛県東宇和郡野村町
死者:32名
負傷者:7名
1951年11月3日午前8時5分、愛媛県東宇和郡野村町を走行していたロマンスシート型の国鉄バスで、運転席の後部で映画フィルムが引火して炎上しました。この日は、この地域で秋祭りが行われていて、バスは定員の1.5倍以上の乗客がいて、車内はギュウギュウの満員でした。
そこにセルロイド製の映画フィルムが積み込まれていて、補助バッテリーの熱で引火し、一気に燃え広がりました。この事故で、バス車内には「100グラムを超えるフィルムその他のセルロイド類」の持ち込みは禁止されることになりました。
この事故の原因は、引火しやすいセルロイド製映画フィルムが持ち込まれていたこと、定員以上の乗客が乗っていて、ぎゅうぎゅう状態だったこと、さらに乗降口が1か所しかなく、しかも内開きだったことが挙げられます。
第1位:飛騨川バス転落事故
出典:tokai-tv.com
飛騨川バス転落事故
発生日時:1968年8月18日
発生場所:岐阜県加茂郡白川町河岐の国道41号
死者:104名
1968年8月18日午前1時20分、「海抜3000メートル乗鞍雲上大パーティー」というツアーに参加するため、15台のバスが乗鞍岳に向かっていました。
しかし、当日は悪天候の豪雨で、途中で引き返す途中で、6台の観光バスが走行不能に陥り立ち往生していたところに大規模な土石流が襲います。3台に土石流が直撃して、1台は1m流されたもののガードレールに抑えられましたが、残り2台はガードレールを突き破り、15m下の飛騨川に転落しました。
この事故で、2台のバスに乗っていた107人のうち104人が死亡し、助かったのは3人だけでした。
飛騨川は増水していて、バス・犠牲者は濁流にのみ込まれてしまい、総勢36,000名以上の人たちが捜索に当たりましたが、8名の遺体は発見できませんでした。
日本のバス事故のまとめ
日本のバス事故の一覧と衝撃度ランキングをまとめました。日本の都市部からへき地までをカバーしている最も身近な公共交通機関であるバスですが、このような事故を見ると、乗るのが少し怖くなってしまいますね。