スタジオジブリの長編映画はたくさんありますが、その中で異彩を放っているのが2014年に公開された「思い出のマーニー」です。
思い出のマーニーの裏設定やトリビア、怖い謎の考察・解説、都市伝説をまとめました。
この記事の目次
- 思い出のマーニーとはジブリ映画
- 思い出のマーニーのあらすじ
- 思い出のマーニーの裏設定&トリビア①:主人公は日本名に変化
- 思い出のマーニーの裏設定&トリビア②:絵を描くことで杏奈の心を表現
- 思い出のマーニーの裏設定&トリビア③:瀬戸内はポニョと被るから変更
- 思い出のマーニーの裏設定&トリビア④:風車小屋がサイロに変更
- 思い出のマーニーの裏設定&トリビア⑤:2人のアニメーターで表現
- 思い出のマーニーの裏設定&トリビア⑥:TEAM NACSが大活躍
- 思い出のマーニーの怖い謎の考察・解説①:杏奈がマーニーに会えたのはなぜ?
- 思い出のマーニーの怖い謎の考察・解説②:マーニーはなぜ姿を消した?
- 思い出のマーニーの怖い謎の考察・解説③:マーニーに会えなくなった理由は?
- 思い出のマーニーの怖い謎の考察・解説④:マーニーは許されたから消えたのか?
- 思い出のマーニーの都市伝説①:杏奈はメンタルを病んでいた?
- 思い出のマーニーの都市伝説②:まさかのユリ設定?
- 思い出のマーニーの都市伝説③:アナと雪の女王をパクった?
- 思い出のマーニーの都市伝説④:脱宮崎駿を図ったが大失敗?
- 思い出のマーニーの都市伝説⑤:マーニーのせいで長編アニメなし?
- 思い出のマーニーの都市伝説⑥:その後はすべて宮崎駿の思惑通り?
- 思い出のマーニーのまとめ
思い出のマーニーとはジブリ映画
出典:ghibli.jp
思い出のマーニーは、2014年7月19日に公開されたスタジオジブリの映画です。
・監督:米林宏昌
・公開日:2014年7月19日
・原作者:ジョーン・G・ロビンソン
・原作:思い出のマーニー
・主題歌:プリシラ・アーン「Fine On The Outside」
・制作会社:スタジオジブリ
・配給:東宝
・上映時間:103分
・興行収入:35.3億円
もともとイギリスの小説「思い出のマーニー」を原作として映画化しています。
スタジオジブリの長編アニメ映画ですが、スタジオジブリの中心人物である宮崎駿・鈴木敏夫・高畑勲の3名が一切参加していないことでも話題になりました。
また、この思い出のマーニーは映画の声優陣が豪華であることも特徴です。
・杏奈:高月彩良
・マーニー:有村架純
・佐々木頼子:松嶋菜々子
・山下医師:大泉洋
・大岩清正:寺島進
・彩香:杉咲花
・晩年のマーニー:森山良子
・久子:黒木瞳
ただ、思い出のマーニーはあまりヒットしたとは言えませんでした。
2014年の興行収入ランキングは11位であり、2014年のアニメ映画に限定しても7位とあまり芳しくないものでした。
思い出のマーニーのあらすじ
出典:amazon.co.jp
札幌在住の12歳の少女・佐々木杏奈は両親と祖父母は幼い頃に亡くし、里親の佐々木頼子に育てられていました。しかし、杏奈と頼子の関係はとある出来事からギクシャクしていて、杏奈はよりこのことを「おばちゃん」と呼んでいて、あまり感情を表に出さず、学校でも浮いた存在になっていました。
そんな杏奈を見て、主治医の山下医師は夏休みの間だけ環境の良いところで療養させることを提案し、杏奈は北海道の海辺の田舎の街で暮らすことになりました。
杏奈は海辺の街で生活を始めますが、ふとした時に入り江にある古い屋敷「湿っ地屋敷」を見つけます。その古い屋敷は初めて見たはずなのに、杏奈は「知っている気がする」と直感的に感じました。湿っ地屋敷は廃屋のようでしたが、杏奈は夢の中でその屋敷を何度も訪れ、部屋に金髪の少女がいるのを目撃しました。
その翌日、地元の七夕祭りに参加しますが、杏奈は一緒に行った友達にいひどいことを言ってしまい、湿っ地屋敷がある入り江へと逃げてしまいます。そして、そこにあったボートで湿っ地屋敷を目指しました。途中でオールが動かなくなってしまいましたが、それを助けてくれたのが、夢の中に出てきた金髪の少女でした。
金髪の少女はマーニーと名乗り、マーニーは自分たちのことは2人だけの秘密にしてほしいとあんなにお願いします。2人は仲良くなりましたが、杏奈はマーニーと一緒にいる時だけ、自分の感情を出せるようになっていきます。
しかし、ある日マーニーは姿を消し、湿っ地屋敷には東京から彩香とその家族が引っ越してきました。彩香は杏奈のことをマーニーだと勘違いします。杏奈が彩香になぜ「自分をマーニーだと思ったのか?」と聞くと、マーニーの日記帳を見せられました。そして、マーニーと自分の思い出が書かれていたのです。
杏奈はマーニーに再び出会いました。お互いに悩みを打ち明け、マーニーが子どものころからサイロを恐れていることを知った杏奈は、恐怖を克服するために2人で嵐の夜にサイロに向かいます。サイロの中でマーニーはひどく怯え、杏奈のことを取り乱しながら「和彦」と呼ぶようになります。2人は疲れて、サイロの中で眠ってしまいますが、杏奈が目を覚ますと、そこにはマーニーの姿はありませんでした。
杏奈は置いていかれた怒りと悲しみで家に帰るために嵐の中を走り続けますが、途中で転んで気を失ってしまいます。彩香たちに発見されたものの、ずぶ濡れの状態だったために、高熱を出してしまいます。
熱にうなされた中で杏奈は夢を見ます。その夢の中で杏奈はマーニーと再会します。マーニーは杏奈にもう会えないことを伝え、サイロに杏奈を置いていってしまったことを涙ながらに詫びて許してほしいと懇願しました。杏奈はマーニーを許し、マーニーは微笑みながら消えていきました。
杏奈はマーニーの友人だった老婦人の久子から、マーニーの話を聞きます。マーニーは子供のころから両親や家政婦に冷たくされていて、その後札幌に移り住み、幼馴染だった和彦と結婚しました。一人娘の絵美里が生まれますが、夫の和彦は病気で亡くなり、マーニーはメンタルを病んでサナトリウムに入ります。
両親と離れることになった絵美里はマーニーを恨んでいました。マーニーが退院して一緒に住むようになってもうまくいかず、絵美里は家出をしてしまいます。そのまま絵美里は結婚して子供を産みましたが、絵美里とその夫は交通事故で命を落とし、絵美里の一人娘を年老いたマーニーが引き取って育てることになりました。
マーニーはたくさんの愛情を注いで絵美里の一人娘を育てましたが、絵美里を失ったショックから立ち直れずに、翌年には病気で亡くなってしまったのです。そして、マーニーのことを話してくれた久子は、杏奈に「あなたもマーニーに逢ったのね」とささやくのでした。
杏奈は頼子と和解し、頼子が杏奈を引き取る時に杏奈が持っていた写真を、杏奈に渡しました。その写真には湿っ地屋敷が映っていて、「私の大好きな家 マーニー」と書いてありました。そこで、杏奈はマーニーが自分の実の祖母であることを知るのです。そして、杏奈はマーニーの幻影に手を振りながら頼子と一緒に札幌に戻るのでした。
思い出のマーニーの裏設定&トリビア①:主人公は日本名に変化
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思い出のマーニーの裏設定の1つ目は、主人公は日本名に変化したことです。原作の小説では、主人公の名前はアンナ(Anna)でした。イギリスの小説なので、英語名になっています。ただ、ジブリ映画の「思い出のマーニー」は舞台が日本の北海道でしたので、Annaでは話のつじつまが合わなくなってしまうため、杏奈(あんな)という日本名に変えたのです。
発音は同じ「あんな」ですから、それほど違和感はありません。原作をリスペクトしつつも、日本で違和感がないように見事にフィットさせていますね。
思い出のマーニーの裏設定&トリビア②:絵を描くことで杏奈の心を表現
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杏奈は絵を描くという趣味を持っていました。これは、原作の主人公にはなかったことです。
杏奈は物語の最初では、鉛筆のみを使ってスケッチをしていました。モノクロの世界を描いていたのです。しかし、マーニーと知り合い仲良くなってから、人物(マーニー)を描くようになり、さらに色を使うようになっていきました。
思い出のマーニーの中で、米林監督は杏奈の心情・精神的な安定・成長などをこの「杏奈の絵」で表現したかったものと考えることができます。
思い出のマーニーの裏設定&トリビア③:瀬戸内はポニョと被るから変更
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思い出のマーニーは海辺にある入り江が舞台となっている作品です。
そのため、最初の企画の打ち合わせ段階で会議に参加していた宮崎駿は、瀬戸内海の風景をイメージしていたそうです。しかし、米林監督はそれでは2008年に公開された宮崎駿監督の「崖の上のポニョ」と被ってしまうということで、北海道の湿地に変更しました。
思い出のマーニーは、スタッフたちが釧路や根室、厚岸などのロケハンをして、それらをもとにした架空の町を舞台としています。宮崎駿監督のイメージに「No!」と言えるのはすごいですね。
思い出のマーニーの裏設定&トリビア④:風車小屋がサイロに変更
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映画の思い出のマーニーではマーニーが子どものころから恐怖心をいただいていたものは「サイロ」です。サイロとは、農産物や家畜の飼料を置いておくための倉庫で、北海道の酪農地帯などに多く見られるものです。
実は、このサイロは原作には登場しません。原作ではマーニーのトラウマはサイロではなく風車小屋になっています。日本の北海道には風車小屋はないことから、北海道に存在していて、さらに異国情緒があって、原作の世界観を壊さないものとして、サイロが採用されたのでしょう。
思い出のマーニーの裏設定&トリビア⑤:2人のアニメーターで表現
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思い出のマーニーは杏奈とマーニーの2人が主人公です。この2人を軸にストーリーが進んでいくのですが、実はこの2人のキャラクターは違うアニメーターが制作しているんです。
杏奈の作画は作画監督の安藤雅司さんが担当していて、マーニーの作画は米林監督が担当しています。一般的にアニメのメインキャラクターは同じ人が作画を担当することが多いのですが、この思い出のマーニーは別々の人が担当しています。それはなぜなのでしょうか?
杏奈担当の安藤雅司さんは立体的にキャラクターを描くことが得意なアニメーターでした。そのため、杏奈の作画はかなり立体的に描かれています。それに対して、米林監督は一般的なアニメーターと同じく平面的な描き方をするタイプでした。
スタジオジブリのプロデューサーの鈴木敏夫氏は次のように語っています。
杏奈とマーニーって二人のキャラクターがいるでしょう、マーニーを描いたのは米林。それで、杏奈を描いたのは、安藤なんですよ。そうすると、平面的なキャラクターと、立体的なキャラクターが、どうやって二人で芝居をするか。そこを見ていくと、けっこう面白いんですよ。
引用:鈴木敏夫が語る『思い出のマーニー』の見どころ | スタジオジブリ 非公式ファンサイト【ジブリのせかい】 宮崎駿・高畑勲の最新情報
思い出のマーニーではあえて、杏奈とマーニーの2人を別々の描き方の特徴を持つアニメーターに描かせているということですね。この狙いは、杏奈とマーニーのそれぞれのキャラクターを際立たせようとしたと言われています。
杏奈は「今を生きる」少女だから立体的に描き、マーニーはすでに亡くなっているキャラクターだから平面的に描いて幻のような幻影のような雰囲気を作り出しているのではないでしょうか。
思い出のマーニーの裏設定&トリビア⑥:TEAM NACSが大活躍
思い出のマーニーの裏設定・トリビアの6つ目は、TEAM NACSが大活躍していることです。TEAM NACSは日本で一番チケットを取れないと言われている演劇ユニットです。
北海学園大学演劇研究会出身の森崎博之・安田顕・戸次重幸・大泉洋・音尾琢真の5人からなるユニットで、2000年前後に伝説のバラエティ番組「水曜どうでしょう」で大泉洋さんがブレイクし、その後は5人全員が人気俳優となりました。以前から、TEAM NACSの5人はスタジオジブリのアニメの声優をやっていましたが、この「思い出のマーニー」では超大活躍しているんです。
・森崎博之:美術教師
・安田顕:十一
・戸次重幸:マーニーの父
・大泉洋:山下医師
・音尾琢真:町内会役員
5人それぞれが声優で登場人物を演じているのですが、この名前が付いた役以外にも5人で20人近くの男性の声を演じているそうです。
子どもを除いたサブの男性の役はほとんどTEAM NACSの皆さんで、5人で20役近くを演じ分けています!探してみてください!
引用:【思い出のマーニートリビア第1弾】マーニーと杏奈の声優オーディション秘話とは?実はTEAM NACSが20役近く演じている?作品がもっと楽しめる制作裏話公開中!|金曜ロードシネマクラブ|日本テレビ
サブの男性キャラクターのほとんどをTEAM NACSの5人が演じているなんて、かなり豪華な映画ですよね。
思い出のマーニーの怖い謎の考察・解説①:杏奈がマーニーに会えたのはなぜ?
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思い出のマーニーは怖い映画という見方もあります。なぜなら、杏奈はなぜマーニーに会えたのでしょうか?マーニーは杏奈の実の祖母でもう亡くなっているのに、杏奈は少女時代のマーニーに会えた。普通に考えるとおかしいし、怖いですよね。
思い出のマーニーは幽霊映画なのかと思いきや、そういうわけではないようです。マーニーは杏奈が作り出した幻影である可能性が高いです。
杏奈は幼い頃に祖母のマーニーと1年間暮らしています。その時にいろいろな話をマーニーから聞かされたのでしょう。その時の記憶の中に、精神的に不安定で孤独を感じていた杏奈が入り込んでいったのではないでしょうか。
子供の頃に、実際にマーニーから聞かされことが混ざっていったので、実体験のように感じられたのでしょう。
思い出のマーニーの怖い謎の考察・解説②:マーニーはなぜ姿を消した?
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マーニーはなぜ嵐の夜にサイロで杏奈の前から姿を消したのでしょうか?
夢の中で再会できた時、あの時、マーニーの視点では杏奈の方がサイロから忽然と姿を消したように映っていることが明らかになっています。つまり、マーニーが杏奈を置き去りにしたわけではなく、お互いに消えてしまったということでしょう。
これはなぜなのか?サイロがマーニーにとってトラウマの場所であることが関係しているのかもしれません。
杏奈が少女のマーニーに出会うことができたのは、幼少期にマーニーの話を聞いていたことが関係していると思われます。
となると、サイロでマーニーが消えてしまった(お互いに消えてしまった)のは、その後のことを杏奈がマーニーから聞いていなかったからかもしれません。サイロはマーニーにとって怖いところ。だから、老婦人マーニーは孫の杏奈に話していなかった。
「杏奈がマーニーから聞いていない部分だった=記憶の奥底にも残っていない状態=全く知らないこと」だったから、そこで杏奈の幻影(夢?)が終わって、お互いの視界からお互いが消えてしまったのかもしれません。
思い出のマーニーの怖い謎の考察・解説③:マーニーに会えなくなった理由は?
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サイロで消えてしまったマーニーでしたが、杏奈が高熱にうなされている中で見た夢の中で2人は再会します。その時、マーニーは杏奈にもう会えないことを告げました。
なぜ、このタイミングで杏奈とマーニーは会えなくなるのでしょう?
これは、マーニーが杏奈に話した内容が底をついたということもあるかもしれません。でも、それ以上にマーニーが自分の存在が必要ないことを感じたと思われます。
杏奈はマーニーに出会うまではとても不安定な状態でした。里親の頼子とはギクシャクし、絵は風景画のみでモノクロの世界の中に生きていたのです。
しかし、マーニーと出会ってからは感情を出すことができ、絵も彩色を使えるようになっていきました。だから、祖母のマーニーは孫の杏奈を見て「もう杏奈は大丈夫ね」と思って姿を消したのかもしれません。
思い出のマーニーの怖い謎の考察・解説④:マーニーは許されたから消えたのか?
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マーニーが消えた理由は、「孫の杏奈に許してもらえたから」という可能性もあります。
マーニーがサイロから消えて杏奈が高熱を出して寝込んでいた時、夢の中で2人は再会しますが、この時マーニーは最後に「許してほしい」と涙ながらに懇願しています。
また、マーニーは娘の絵美里が和解できないまま死んでしまったこと、さらに孫娘の杏奈を置いて死んでしまったことに大きな後悔が残っていたと思われます。
これを考えると、マーニーは最後に孫の杏奈に許してもらえたこと、さらに「マーニーの存在と、彼女と一緒に過ごしたことを忘れない」と言ってもらえたことで、安心して消えることができたのではないでしょうか。
ある意味、マーニーにとっては「救い・懺悔」のお話だったもかもしれません。そうすると、「救いの映画」とは言えども、思い出のマーニーはやっぱりちょっと怖い映画・ホラー要素がある映画ということになるのかもしれませんね。
思い出のマーニーの都市伝説①:杏奈はメンタルを病んでいた?
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思い出のマーニーの都市伝説の1つ目は、杏奈はメンタルを病んでいた可能性があることです。ジブリ映画のヒロインがメンタルを病んでいて、精神疾患持ちだったなんて意外ですよね。
この都市伝説は次のような理由から噂されています。
・空想・幻想の世界で少女だった頃の祖母のマーニーと出会った
・一緒にお祭りに行った子に「太っちょ豚」と暴言を吐く
・感情を表に出さずにムスッとしている
・学校で浮いた存在になっている
杏奈は統合失調症のような病気で、幻覚を見るからマーニーに会うことができたし、感情のコントロールができないから「太っちょ豚」なんてひどい暴言を吐くし、感情を表に出さないと言えるのではないでしょうか。
もし、そうだとしたら、ジブリ映画のヒロインが精神疾患を患っていたなんて、あまりにも衝撃的ですし、斬新な設定ではあります。
思い出のマーニーの都市伝説②:まさかのユリ設定?
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思い出のマーニーは、杏奈とマーニーの百合設定(女性同士の恋愛)のストーリーと言われています。2人は一般的な友達以上にボディタッチが多いですし、ほほを赤らめるような場面もあります。また、2人だけの世界を作っていますよね。
また、キャッチコピーは「ふたりだけの禁じられた遊び」、「ふたりだけのいけないこと」が候補だったと鈴木敏夫氏は語っています。
「今回はキャッチコピーで悩んだんですよね。女の子ふたりの話ということで、最初は『ふたりだけの禁じられた遊び』。もうひとつ考えたのが『ふたりだけのいけないこと』だったんです」(鈴木氏)
「ふたりだけの禁じられた遊び」、「ふたりだけのいけないこと」がキャッチコピーの候補になるなんて、鈴木敏夫氏の中では完全に百合的なストーリーだと考えていたのかもしれません。
結局は「あなたのことが大すき。」や「あの入り江で、わたしはあなたを待っている。永久に――」(※三浦しをん作)に落ち着いたのですが、このようなキャッチコピーの可能性があったことを知ると、思い出のマーニーは百合設定にしか思えなくなってしまいます。
https://twitter.com/ePuy0lEFg6CqMMc/status/1585481903045767169
https://twitter.com/nashinomyao/status/1307542206580797440
思い出のマーニーの都市伝説③:アナと雪の女王をパクった?
出典:disney.co.jp
思い出のマーニーはアナと雪の女王をパクったのではないか?という都市伝説もありました。思い出のマーニーは2014年公開。超大ヒット映画のアナと雪の女王も同じく2014年公開です。そして、女性2人が主人公という共通点があり、さらにどちらも前述のような「百合っぽい」雰囲気がありました。
そのため、思い出のマーニーはアナと雪の女王のパクリだ!と言われることがあったのですが、この都市伝説は完全にデマです。
ジブリ最新作
「思い出のマーニー」っていう映画やるけどこの映画Wヒロインなんだってー
絶対アナと雪の女王のWヒロインの考えパクった感じじゃない?— ゆUリ (@yu1ri1yu6ri) June 20, 2014
なぜなら、アニメを制作するには長い時間をかけるからです。「アナ雪いいじゃん!」と思ってすぐにパクって制作し、公開できるわけではありません。そもそも、アナ雪にも思い出のマーニーにも原作がありますので、パクリなわけがありません。
思い出のマーニーの都市伝説④:脱宮崎駿を図ったが大失敗?
出典:j-cast.com
思い出のマーニーは前述のように、宮崎駿・高畑勲・鈴木敏夫と言ったジブリの中心メンバーは制作にかかわっていません。
これは、スタジオジブリが脱・宮崎駿を図ったのではないか?という都市伝説があります。
宮崎駿氏は2014年には73歳になっていました。しかも、それまでにも何度も引退宣言をしています。そのため、スタジオジブリは今後のことも考えて、脱・宮崎駿、脱・高畑勲、脱・鈴木敏夫の方針で行こうとしたのではないでしょうか。
宮崎駿は、米林監督に「自分が築き上げたジブリをぶっ壊してほしい」と語っていたとも言います。スタジオジブリは、思い出のマーニーで世代交代をもくろんだのかもしれません。
ただ、前述のように興行収入は35億円程度で、2014年の映画興行収入ランキングは11位というスタジオジブリとしては「失敗作」と言っても良い結果となりました。そして、次に述べる「長編アニメ制作小休止」につながっていきます。
ということは、「思い出のマーニー」でのスタジオジブリの世代交代は完全に失敗に終わったと言えるのです。
思い出のマーニーの都市伝説⑤:マーニーのせいで長編アニメなし?
出典:ghibli.jp
思い出のマーニーの都市伝説の5つ目は、スタジオジブリの長編アニメーション映画の製作についてです。
思い出のマーニーは2014年に公開されましたが、それ以降はジブリの長編アニメ映画は公開されていません。
2016年と2021年に映画は公開されていますが、いずれも80分程度の中編映画です。
2022年までの8年間で、スタジオジブリの長編アニメ映画は1作も作られていません。
公開から約1ヶ月後の2014年8月には鈴木敏夫氏がスタジオジブリの長編アニメは小休止すると述べています。
これは、思い出のマーニーを公開したけれど、思ったほどに話題にならず、興行収入も伸びなかったため、このような「長編アニメ小休止」発言につながったのではないでしょうか。
思い出のマーニーの都市伝説⑥:その後はすべて宮崎駿の思惑通り?
思い出のマーニーでスタジオジブリは世代交代を図ろうとしたけれど、興行収入的に失敗し、長編アニメ制作は小休止という状態に追い込まれました。実は、これは宮崎駿監督の思惑通りではないか?という都市伝説があります。
宮崎駿監督は何度も引退宣言をしていますが、そのたびに復帰していて、いまだにカリスマ的な人気を誇っています。
しかし、70代になった頃、引退が現実味を帯びてきました。ただ、まだ引退するつもりはないし、第一線でやりたいと思っていました。
周囲の引退説をねじ伏せるには、ジブリにとって自分が必要であることを見せつける必要があります。そこで「思い出のマーニー」です。
宮崎駿監督は自分は全く手を出さずに、思い出のマーニーを制作させました。これで、思い出のマーニーがヒットしなかったら、「やっぱりジブリは宮崎駿」となるはずです。
そして、その通り、思い出のマーニーはいまいちヒットしませんでした。その後、長編アニメは作られず、長い時を経て、ようやくジブリが長編アニメ制作を開始します。その監督は宮崎駿です。2023年ごろに完成予定の「君たちはどう生きるか」という映画が約10年ぶりのジブリの長編アニメ映画として制作されています。
となると、やっぱり思い出のマーニーに手を出さなかったことで、宮崎駿監督の狙い通りの展開になったのではないか?と疑ってしまいます。
実際に、宮崎駿監督や鈴木敏夫氏は、思い出のマーニーにあまり良い感情は抱いていなかったという情報があります。
米林宏昌の描いたマーニーの絵を宮さんは批判していた。
「麻呂は、美少女ばかり描いている。しかも、金髪の……」
そして、米林監督への挑戦状のようにマーニーをモチーフにしたポスターを描いています。
出典:ghibli.jp
さらに鈴木敏夫氏も思い出のマーニーを批判しました。
「何でこういうことにしたの」と聞いたら、「最初の本は、原作から離れているから」というんですが、それは嘘だと思った。最初の本の方が明らかに原作に近い。だから「君たちのやったことは、原作の傍に寄って行くことによって、遠く離れてしまったよ」と言わざるを得なかったんです。
宮崎駿監督も鈴木敏夫氏も、思い出のマーニーを応援するふりをしつつ、あまり高い評価はしていなかった。
ということは、やはり・・・?「やっぱりスタジオジブリは宮崎駿」という方向に持っていこうとした宮崎駿監督の思惑通りに物事は進んだのかな?と思ってしまいます。
思い出のマーニーのまとめ
思い出のマーニーの裏設定やトリビア、怖い謎の考察や解説、都市伝説などをまとめました。思い出のマーニーは、スタジオジブリの中ではあまり人気のない映画ではありますが、それでも素敵な映画です。
裏設定や謎などを考えながら見ると、より楽しめるはずですよ!