鹿児島の「指宿シーサイドホテル」のプールで当時21歳の女子大生・山田絢子さんが溺死した事故で遺族側が裁判を起こしました。
この記事では指宿シーサイドホテルのプールの水深や事故原因、亡くなった山田絢子さんの死因、心霊の噂や遺族側が起こした裁判の現在についてまとめました。
この記事の目次
指宿シーサイドホテルプール女子大生溺死事故の概要
2022年7月24日の15時20分頃、鹿児島県指宿市十町の老舗観光ホテル「指宿シーサイドホテル」のプールで、当時21歳の女子大学生・山田絢子さんが亡くなる事故がありました。
24日午後3時20分ごろ、鹿児島県指宿市十町の指宿シーサイドホテルのプールで、福岡県筑紫野市の大学生、山田絢子さん(21)がおぼれ、病院に運ばれたが約2時間後に死亡した。指宿署によると、山田さんは家族で旅行に来ていた。おぼれかけた妹を助けようとして深さ約2メートルの場所にいきおぼれたという。
亡くなった女子大生の山田絢子さんは福岡県の方で、大学の夏休みを利用して祖母と母親と7歳下の当時中学生の妹と鹿児島県の指宿シーサイドホテルを訪れていました。
事故当時、プールの利用者は山田絢子さんと妹の2人だけで、監視員は配置されていませんでした。最初、水深が深い場所で妹が溺れたため山田絢子さんが助けようとして自分も溺れました。
自力でプールサイドに上がった妹が近くにあった浮き輪を投げて助けようとしているのにホテル従業員が気がつき、近くにいた男性客が飛び込んで山田絢子さんを引き揚げました。
当時プールにいたのは山田さんと妹だけで、監視員はいなかった。妹が自力でプールサイドに上がり、山田さんに浮輪を投げて助けようとしているのにホテルの従業員が気づいた。近くにいた男性客が飛び込んで山田さんを引き揚げた。
しかし、山田絢子さんにはすでに意識がなく、通報を受けた救急車で近くの病院に搬送されましたが約2時間後に死亡が確認されました。
指宿シーサイドホテルのプールの水深は最大で約2メートル
女子大生の山田絢子さんが亡くなる事故があった指先シーサイドホテルのプールの水深は、最も深いところで約2メートルでした。
事故のあった指宿シーサイドホテルのプールの水深については、片側の最も浅いところが1メートルほどで、反対側に向かうあるポイントで水深が一段深くなり最大で2メートルほどになる構造になっていました。(下画像は事故のあった指宿シーサイドホテルのプールの水を抜いた状態)
山田絢子さんは水深が最も深い2メートルほどのところで溺れている妹を助けようとして向かい、自分も溺れたという事です。
プールは片側が水深1メートルだが、だんだん深くなり逆側は2メートルほどの深さになっている。プールサイドの中央に「2メートル←ふかさ→ 1メートル」と書いた矢印のついた看板が置いてある。
深さ2メートル付近で妹が溺れかけたため、絢子さんが助けに向かった。
指先シーサイドホテルプール溺死事故の被害者は女子大生の山田絢子さん
指宿シーサイドホテルのプール事故で亡くなった山田絢子さんは、福岡県内の大学に通う女子大生で当時21歳でした。
山田絢子さんが通っていた大学など詳しい事は明かされていませんが、取材に応じた父親によると妹想いの優しい人物だったとの事です。
山田絢子さんの父親:妹思いの優しい子でした。妹が溺れそうになっているのを見て、助けずにはいられなかったのかなあと…
また、取材に応じた母親は、山田絢子さんがとても妹想いで姉妹仲も良く、事故の2日前の妹の誕生日にも服をプレゼントしていた事などを明かしています。
絢子さんの母親:年が7歳離れているので、ケンカしたりとかはもう全然なくて。事故の2日前が妹の誕生日でしたので、妹に服を買ってきてくれて、妹もすごくそれを気に入って、今回の旅行にも着ていっていました。妹を助けたい一心で、自分がどうなろうと、(助けに)行こうっていう気持ちがあったからこそ、こうなったんだなと思います
指宿シーサイドホテルプール女子大生溺死事故の原因
指宿シーサイドホテルのプールでの女性大生溺死事故の原因にも関心が集まっています。
事故後にメディアの取材に応じた両親によれば、山田絢子さんも先に溺れた妹さんも2人とも泳ぎは出来たという事です。
そのため、何らかの不測の事態が原因となったのではとの推測も出ましたが、そうした内容は特に報じられていません。
事故のあった指宿シーサイドホテルのプールは、片側の水深が1メートルほどで、反対側のあるポイントから一段深くなって2メートルの水深になる構造だと報じられています。
この事から、妹さんは水深が急に深くなって足がつかなくなりパニックになって溺れ、それを見た山田絢子さんも急いで駆けつけたものの、同じように突然水深が深くなったためにパニックになったというのも事故の原因の可能性として考えられるかも知れません。
ただし、これはあくまでも現在までに明らかになっている情報からの推測です。本当の事故の原因は裁判で明らかにされると思います。
指宿シーサイドホテルプール溺死事故の女子大生・山田絢子さんの死因
指宿シーサイドホテルでの女子大生溺死事故で亡くなった山田絢子さんの死因については「溺死」と鹿児島県警から発表されています。
福岡県筑紫野市の大学生、山田絢子さん(21)が溺れ、搬送先の病院で死亡が確認された。溺れかけた妹を助けようとして、自身が溺れたとみられる。妹は自力でプールサイドに上がり無事だった。
鹿児島県警指宿署によると、死因は溺死。プールの水深は最大2メートル。
指宿シーサイドホテルプール女子大生溺死事故の心霊の噂
匿名の掲示板など一部ネット上では、指宿シーサイドホテルのプールの溺死事故の原因は心霊的なものではといった噂も見られるようです。
これについては、亡くなった山田絢子さんも、先に溺れた妹さんも共に泳ぎができるのに、相次いで溺れたのは不可解だとして、何かに足を引っ張られるなどの心霊現象があったのではとの噂に発展したのが原因のようです。
また、事故のあった指宿市は古くから温泉街として栄えた歴史のある場所で、付近に鹿児島県で最も有名な心霊スポットと言われる「開聞トンネル」がある事もこうした噂につながったようです。
しかし、指宿シーサイドホテルの事故の原因が心霊現象だという根拠は全くありません。事故のあった指宿シーサイドホテルは現在も営業中のホテルで営業妨害になりますし、何よりも実際に人が亡くなっている事件で心霊現象などと面白おかしく騒ぎ立てるのは不謹慎なので絶対にやめましょう。
指宿シーサイドホテルプール女子大生溺死事故の裁判
指宿シーサイドホテルのプールの女子大生溺死事故は、事故として処理されており事件としては扱われていないため刑事裁判は行われていません。
しかし、事故で亡くなった山田絢子さんの遺族が2023年5月19日に、ホテル側に損害賠償1億4800万円を求める民事裁判を起こしています。
鹿児島県指宿市のホテルのプールで昨年7月、福岡県内の女子大生(当時21歳)が溺れて死亡した事故で、安全管理措置を講じていなかったとして、女子大生の遺族がホテルや代表取締役らに約1億5000万円の損害賠償を求め、福岡地裁に提訴したことがわかった。提訴は5月19日付。
山田絢子さんの遺族側は、水深が急激に変化するプールの構造に対して、安全対策は小さな標識を設置する程度で、監視員も配置などもしておらず、ホテル側が安全対策や事故を防ぐ体制整備の義務を怠ったと福岡地裁に訴えています。
遺族側は訴状で、水深1・3メートルから同2メートルに急な傾斜で変化するプールの構造を挙げ、「通常のプールより極めて危険性が高かったにもかかわらず、安全対策は水深を表示した小さな標識を設置する程度だった」と主張。利用者への注意喚起が不十分で監視員の配置などもせず、未然防止や事故に備えた体制整備の義務を怠ったと訴えている。
指宿シーサイドホテルプール女子大生溺死事故の現在…ホテル側は争う構え
山田絢子さんの遺族が、プールの安全対策に不備があったとして指宿シーサイドホテルを訴えた民事裁判ですが、これに対して指宿シーサイドホテル側が損害賠償請求の棄却を求めて裁判で争う構えを示している事が2023年7月25日に報じられています。
2022年7月、鹿児島県指宿市の指宿シーサイドホテルのプールで、福岡県の女子大学生=当時(21)=が溺死し、遺族がホテル側に約1億4800万円の損害賠償を求めている訴訟で、ホテル側が請求棄却を求め争う構えを示したことが25日分かった。
これについては、指宿シーサイドホテル側が争う構えを見せたのは当然だと言えそうです。
まず、ホテルに設置されているプールに監視員を配置するのかどうかは法的な決まりはなく、ホテル側の判断に委ねられており、法的にはホテル側に過失はありません。
また、水深2メートルのプールは特に珍しくなく、1メートルから2メートルに水深が深くなる構造も特に珍しいものでもないため、この裁判で遺族側の訴えが認められる可能性はかなり低いのではないかと見られています。
一方、元検事で元衆議院議員の若狭勝弁護士は、「めざまし8」にゲスト出演した際にこの事故について言及し、「ホテル側の注意義務違反や刑法上の業務上過失致死にあたる可能性もある」と説明されています。
若狭勝弁護士は、ホテル側の責任について、「プールでは溺死の可能性(危険)があり、損害賠償が認められるケースが多い」「水深2メートルとなると、ホテルの責任は重い。注意義務違反に当たるのではないか。そのポイントは、予見・回避できたか、で、今回は刑法上の業務上過失致死にあたる可能性もある」。
法律の専門家である若狭弁護士は遺族側の訴えが認められる可能性も考えられるとの見解を示しており、どういった司法の判断が下されるのか今後の裁判の展開にも注目が集まっています。
まとめ
今回は、2022年7月24日に、鹿児島県指宿市十町の老舗観光ホテル「指宿シーサイドホテル」のプールで、当時21歳の女子大学生・山田絢子さんが溺れて亡くなった事故についてまとめてみました。
事故のあった指宿シーサイドホテルのプールの水深は片側が1メートルで、反対側に行くと最大で水深が2メートルになる構造になっていました。
事故内容は、亡くなった女子大生の山田絢子さんの当時中学生の妹さんが水深2メートルのところで溺れたため、山田絢子さんが助けに行って自分も溺れてしまい亡くなったという痛ましいものです。
事故の原因ははっきり明らかにされていませんが、水深が急激に深くなる構造になっていたため、突然足がつかなくなった事でパニックになったのではないかとも推測されています。
山田絢子さんの死因については警察により「溺死」と発表されています。
この指宿シーサイドホテルのプール溺死事故の原因については、心霊的要素があるのではといった噂も一部見られますが、現在も営業中のホテルでの死亡事故について面白おかしく騒ぐのは不謹慎なので絶対にやめましょう。
指宿シーサイドホテルのプール溺死事故では、亡くなった女子大生の山田絢子さんの遺族が、ホテル側が安全対策を怠ったとして、損害賠償約1億5000万円を求める民事裁判を起こしています。ホテル側は争う構えを見せており、現在、裁判の行方に注目が集まっています。