新城島(パナリ島)の現在!怖い話や都市伝説と事件・立ち入り禁止場所の人魚神社なども総まとめ

沖縄で最も怖い場所、禁断の島などと噂される新城島(パナリ島)が話題です。

 

この記事では新城島(パナリ島)の場所や地図、怖い話や都市伝説、実際に起きた事件、立ち入り禁止場所である人魚神社の中に何があるのかや、現在は観光可能な事などについてまとめました。

新城島(パナリ島)は沖縄で一番怖いと言われている八重山列島にある島

 

 

「新城島(あらぐすくじま)」とは、沖縄県の八重山列島の島で、上地島(かみじしま)と下地島(しもじしま)の小さな2つの島を合わせてこの名前で呼ばれています。

 

離れた2つの島で成り立っている事から、八重山地方の方言で「離れ」という意味である「パナリ」から「パナリ島」の呼称でも呼ばれています。

 

この新城島(パナリ島)は美しい海と自然に溢れた美しい島で、周囲の海はシュノーケリングとダイビングの隠れスポットとして知られているのですが、その一方で、神聖で神秘的な雰囲気のある島で立ち入り禁止場所が多くある事、部外者を拒む秘祭の存在、過去に実際に起こった事件などによって、「沖縄で一番怖い場所」、「部外者を拒む禁断の島」などとも呼ばれており、怖い話や都市伝説なども伝わっています。

 

 

 

 

新城島(パナリ島)の形状や上地島と下地島の位置関係

 

出典:https://upload.wikimedia.org/

 

新城島(パナリ島)2島のうち北東の場所に位置する上地島は、最大の縦幅が約2.5km、最大の横幅が約700mほどです。西岸真ん中あたりに集落がありますが島の大部分が森で覆われています。

 

上地島から南西約420mの場所にある下地島は、南北方向の幅が約1.3km、東西方向の幅が約1.5kmの概ね半円形の島で、ほぼ全域で食用牛の牧場が営まれています。

 

上地島と下地島の東側は浅瀬になっており干潮時にはリーフを歩いて渡る事ができます。

 

 

新城島(パナリ島)の歴史

 

新城島の存在が史料上で初めて確認できるのは1477年で、李氏朝鮮の歴史書である「李朝実録」に、遭難した済州島の住民が与那国島の島民に救助された後に、新城島を経由して送還された事が記録されています。

 

当時の新城島では、キビや粟、麦などの穀物が栽培され、米は西表島から手に入れていたという事です。家屋は40戸あまりあり、住民は男女ともに青い玉の腕輪や足輪を装着していたのだそうです。

 

近世初頭の記録によれば、水源に乏しく水田での耕作が難しかったため、新城島の住民は船で西表島にあった南風見村に船で通い、東の海岸の耕作地で稲作を行なっていたようです。

 

太平洋戦争勃発前の1938年には、新城島から西表島への入植が始まり、これによって大原集落が形成されています。太平洋戦争末の沖縄戦では、新城島の島民は大原集落への疎開が命じられましたが、この時に大勢がマラリアに感染し、当時の人口255人のうち24人が亡くなっています。

 

戦後、新城島の人口は減少の一途を辿り、1953年に大原中学校下地分校が廃校になり、翌1954年には大原小学校下地分校が廃校になっています。翌1955年になると、新城島から西表島や石垣島へと転居する者が相次ぎました。

 

1962年に下地島の住人が1人もいなくなったため、1965年10月にパナリ牧場組合により、下地島全体が牧場として整備され牧畜が営まれるようになりました。

 

1975年には、西表島からの海底送水が実現するも、過疎化は止まらず、同年3月に上地小学校も廃校となっています。その後、1988年3月に海底送電が開始され新城島の24時間給電が実現しています。

 

現在も新城島には人が住んでおり、2022年の住民基本台帳によると、上地島の人口が11人、下地島の人口が2人(牧場の管理人)となっています。

 

 

 

新城島(パナリ島)の場所と地図

 

新城島(パナリ島)の場所は、西表島の南東約7km、石垣島の南西約23kmの地点で、石西礁湖と呼ばれる国内最大の珊瑚礁海域に位置し、全域が西表石垣国立公園に含まれています。

 

下が新城島の地図です。

 

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部外者を拒む島として知られている新城島ですが、現在はそれほど厳しく外部を拒んでいるわけではなく、島内の簡略な地図なども一般向けに公開されています。

 

出典:https://nihonshima.net/

 

新城島には上地港と下地港の2つの港湾が整備されていますが、いずれも定期航路は設定されておらず、上陸するためにはツアーを利用するか、船のチャーターを頼む必要があります。 

 

また、空港はなく上地島にヘリポートが整備されているものの、こちらもは急患をヘリで搬送するために整備されているもので一般利用のためのものではありません。

 

 

 

新城島(パナリ島)の怖い話や都市伝説① 黒い影に遭遇すると死ぬ

 

新城島(パナリ島)にはいくつかの怖い話や都市伝説が伝わっているので紹介していきます。

 

新城島で最も有名な怖い話が、上地島にある立ち入り禁止場所に入るとシャドーマンと呼ばれる黒い影に遭遇すると言われており、この黒い影に遭遇すると1年以内に死ぬというものです。これは沖縄のシャーマンであるユタであっても命の危険があるほどの強い力なのだそうです。

 

新城島の立ち入り禁止場所に立ち入って黒い影に遭遇した者は、その後もシャドーマンと呼ばれる黒い影やドッペルゲンガー(自分と全く同じ姿をした人間)、子供の姿をした霊などを見るようになり、最後は心臓麻痺や心筋梗塞などでもがき苦しみながら死ぬのだとか。

 

また、この怖い話に類似して、新城島の立ち入り禁止場所で黒い影に遭遇すると事故に遭って命を落とすというパターンもあり、これは霊的な力の強い者がお経などを読む事で回避できるという話もあるようです。

 

新城島には「御嶽(うたき)」と呼ばれる神聖な場所がいくつかあり、立ち入り禁止場所とされているのはこの御嶽のようです。御嶽は神聖な場所とされ、土着の信仰での祭祀が行われる場所で、新城島だけでなく沖縄本島や周辺の島々にも点在しています。

 

特に新城島においては御嶽は神様が通る道だとされ、人間は通ってはいけない禁断の地とされています。部外者が勝手に歩き回る事は許されず、特別な許可を得て入らせてもらう場合にも必ずガイドの指示に従うよう厳しく決められています。

 

 

 

新城島(パナリ島)の怖い話や都市伝説② アカマタ・クロマタの秘祭は部外者は絶対に立ち入り禁止

 

出典:https://pbs.twimg.com/

 

新城島(パナリ島)を含む八重山列島では、アカマタ・クロマタと呼ばれる2柱の来訪神が信仰されています。

 

アカマタ・クロマタは、背丈が2メートルから2.5メートルもあり怖い形相の仮面をつけ、植物で作られた蓑のようなものを被った姿で現れます。赤い面を被っているアカマタには髭があり男の神様。黒い面を被ったクロマタは女性の神とされています。

 

そして、新城島では上地島で旧暦の6月に「豊年祭」という秘祭が行われます。この豊年祭は、「ニライカナイ」と呼ばれる異界から訪れたアカマタ・クロマタが、島の五穀豊穣や大漁をもたらしてくれるという内容のようですが、この祭りは絶対に部外者に立ち入り禁止とされる秘祭として知られています。

 

新城島の秘祭である豊年祭が行われている期間は、島への立ち入りは島の出身者かそれにかなり近しい関係者のみが許され、そうでない人は島の港についても追い返されるとされています。無理に立ち入ろうとすれば命の危険すらあるとまで言われています。

 

完全に外部をシャットアウトしたお祭りであるため、何が行われているのかを部外者は知る事ができず、怖い噂や都市伝説のようにして語られています。

 

ちなみに、石垣島などでもこのアカマタ・クロマタが来訪するお祭りは毎年行われています。こちらも撮影や音声録音は絶対に禁止ですが祭りを見る事は許可されています。

 

 

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新城島(パナリ島)の怖い話や都市伝説③ 秘祭を無断撮影した記者が暴行殺害された事件の噂

 

出典:https://img05.ti-da.net/

 

新城島(パナリ島)の秘祭である豊年祭を無断で撮影した記者が、島の人々に袋叩きに遭ってそのまま帰る事ができなくなったという怖い話も噂されています。

 

新城島では豊年祭を含む祭祀や神聖な場所のカメラでの撮影や音声の録音が絶対に禁止とされており、メモを取ったり、祭りの内容を口外する事すらも禁止とされています。

 

このルールを破って新城島の豊年祭を取材するためにやってきたテレビ局のリポーターとカメラマンが、チャーター船で上陸しようとした時に、島の男らに取り囲まれて取材道具を全て海に投げ込まれるという事件があったとも噂されています。

 

他にも都市伝説的な噂として、祭りの秘密を取材しようとしてカメラを持って新城島に入った男が不自然な水難事故で死亡したり、祭りの当日に島民とトラブルを起こしたよそ者が、その後行方不明になったといった話も伝わっています。

 

ただ、こうした怖い話はあくまでも都市伝説で、実際にはこのような物騒な事件が頻繁に起こっているという事はありません。

 

新城島の豊年祭が秘祭とされている理由は、ただ単に純粋な「神事」であるためで、観光資源として利用していないからです。

 

神様を祀るために行うものであり、関係のない部外者を入れる理由がないために立ち入り禁止とされているというだけです。

 

また、過去に琉球王朝が豊年祭を禁止した歴史があり、新城島では禁止令が出た後も秘密裏に豊年祭を続けいていたという経緯がありました。その名残として部外者の立ち入りを禁止している面もあるようです。

 

こうした背景から、秘密を知ろうとすれば命の危険もある怖いお祭りという噂へと発展していったようです。

 

 

集団暴行事件は1968年7月に実際に起こっている

 

 

出典:https://web.archive.org/

 

新城島の豊年祭を部外者が取材しようとすると危険な目に遭うという怖い話、都市伝説がよく知られていますが、これは1968年の豊年祭の日に実際に起こった事件によるところが大きいようです。

 

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1968年7月の豊年祭の日に波照間島から訪れて、アカマタ・クロマタを覗き見た青年が、新城島の住民に集団暴行を受けた事件が実際に起こっています。

 

当時の八重山毎日新聞の記事によると、暴行を受けた青年がショックで精神障害になったと青年の親族が訴え出て、警察が捜査に乗り出しています。

 

実際に1968年7月には暴行事件すら起きている。同年8月17日付の八重山毎日新聞によると、新城島のアカマタ・クロマタを覗き見た波照間(はてるま)島の青年が暴行を受けた。親族が「殴られたショックで精神障害になった」になったと訴え出たことで、八重山署が集団暴行の疑いで捜査したという。

 

引用:撮影禁止の看板が埋め尽くす秘祭「アカマタ・クロマタ」。石垣島で私が見たものは…

 

この事件がその後どのように処理されたのかまではわかりませんが、実際に起きた事件に尾鰭がつけられて、取材をした記者が水難事故にあっただとか、よそ者が行方不明になっただとかの噂へと膨らんでいった面もあったようです。

 

 

 

新城島(パナリ島)のアカマタ・クロマタの祭りには根も葉もないデマも

 

新城島で行われているアカマタ・クロマタが来訪する豊年祭は、八重山列島の各島々で行われるお祭りですが、なぜか新城島での豊年祭にだけ怖い噂や都市伝説が付随しています。

 

その中には「人魚の肉だとして、生まれたばかりの赤ん坊を神に捧げている」だとか、「アカマタ・クロマタの姿をした男達が女性を輪姦している」だとか、「秘祭を隠れ蓑にして、反社会組織の取引の場として利用されている」といった、島の人々にとっては聞き捨てならないような噂も含まれていますが、これらは全て根も葉もないデマです。

 

新城島が怖い島という噂が広まった事に加え、島には携帯の電波が一部にしか届かず、ポストはるも郵便局はなく、固定電話も数えるほどしかなく、商店や交番も置かれていない事などから、もしここで何か怖い事が行われていても外部には絶対に漏れないだろうといった心理が働いて、こうしたとんでもない噂が出てきたのでしょう。

 

 

 

新城島(パナリ島)の怖い話や都市伝説④ 立ち入り禁止の人魚神社と美嶽神社

 

出典:https://livedoor.blogimg.jp/

 

新城島(パナリ島)には人魚神社と呼ばれる部外者は絶対に立ち入り禁止の神社があります。

 

この人魚神社は2010年にフジテレビのバラエティ番組「奇跡体験!アンビリバボー」で特集されたために有名になりました。

 

人魚神社は「ジュゴン神社」や「ジュゴン寺」とも呼ばれており、ジュゴンの骨を祀っているとも言われています。

 

新城島の周辺は、かつての南西諸島におけるジュゴンの最大の生息地の1つで、琉球王朝は島民にジュゴンを獲る事を許可し、税金としてその一部を干し肉として納めさせていたとする記録も残っているため、島に恵みをもたらすジュゴンを祀るために建立された神社なのだと思われます。

 

この人魚神社も新城島の立ち入り禁止場所の1つで、鳥居の前には「島の住民以外立ち入り禁止および写真撮影禁止」と書かれた看板が立てられているようです。

 

人魚神社は地元の人々の間では、「イショー御嶽」と呼ばれており、かつては男たちはここに参拝してから漁に出ていたとも言われています。

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部外者は立ち入り禁止とされる人魚神社ですが、伝え聞いた話によると鳥居から入って数十メートルほど進むと白塗りのアーチ型の門があり、この門には真っ赤な月と太陽が描かれているそうです。

 

この門を越えると、屋根だけの拝殿があり、そこには黒くなった珊瑚が1メートル20cmほどの高さに積まれて塚のようになってるのだそうです。そしてこの塚の頂点にはジュゴンの骨が数本祀られているのだそうです。

 

この人魚神社には地元の人でも祭礼など限られた時にしか立ち入る事を許されておらず、鳥居の奥に何があるのかや、祭祀の際に中で何が行われているのかは決して語ってはいけないとも言われています。

 

出典:https://livedoor.blogimg.jp/

 

この人魚神社の他に、新城島には「美嶽神社(びだけじんじゃ)」と呼ばれる神社もあり、この神社も立ち入り禁止とされています。

 

新城島と歴史的にも関係の深い西表島にある大原神社は、この美嶽神社に祀られている神様である美御嶽神を1946年に分移勧請してできた神社です。

 

ただ、この美御嶽神がどのような神様なのかは不明です。

 

 

 

新城島(パナリ島)の現在

 

出典:https://d1d37e9z843vy6.cloudfront.net/jp/

 

新城島(パナリ島)には現在も人が住んでおり、秘祭とされる豊年祭も毎年行われています。

 

すでに触れましたが、現在は新城島の人口はかなり減っており、2022年度の住民基本台帳によると上地島、下地島合わせて住民は13人です。

 

ただ、現在は過去のように「絶対に立ち入り禁止のタブーの島」、「沖縄で最も怖い場所」といったイメージはなく、美しい自然と海が残るシュノーケリングとダイビングの秘境スポットとして知られています。

 

 

ツアーなどに申し込めば新城島への上陸も可能で、島内の観光もできます。コロナ禍の前までは年間で3000人前後の観光客が訪れていました。ただし、現在は新城島に宿泊施設はないため、石垣市まや西表島からの日帰りツアーのみとなります。

 

また、新城島近海ではジュゴンは絶滅したと言われていましたが、2010年にジュゴンの目撃例があり、2020年には新城島沿岸でジュゴン喰み跡が見つかり大きなニュースになりました。

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環境省は8日までに八重山や沖縄本島北部、宮古島周辺などの海域で実施した絶滅危惧種ジュゴンの2020年度の生息調査で西表島、新城島、黒島の沿岸で初めてジュゴンがエサとなる海草を食べた痕跡の「喰み跡」を確認したと発表した。

 

引用:ジュゴンの喰み跡確認 西表、新城、黒島など4島 八重山で生息の可能性 環境省調査

 

 

 

まとめ

 

今回は、かつては「沖縄で最も怖い場所」、「部外者は絶対立ち入り禁止の禁断の島」などとも言われた沖縄の八重山列島にある新城島についてまとめてみました。

 

新城島は、現地の言葉で「離れ」を意味する「パナリ」という言葉から「パナリ島」とも呼ばれています。

 

場所は西表島の南東約7km、石垣島の南西約23kmの地点で、上地島と下地島の小さな2つの島から成り立っています。禁断の場所などと噂になっていますが、現在はツアーに申し込めば島内も普通に観光でき、わかりやすい地図なども一般向けに公開されています。

 

新城島には怖い話や都市伝説などがいくつも伝わっており、特に有名なのが立ち入り禁止の場所に立ち入ると黒い影に遭遇し、1年以内に悶え苦しんで死ぬというものです。

 

実際に新城島には部外者は絶対に立ち入り禁止とされている場所が数多くあり、その中でも人魚神社という神域がよく知られています。この人魚神社にはジュゴンの骨が祀られていると言われていますが、中に何があるのかを語る事はタブーとされており本当の事は不明です。

 

また、新城島には年に1度豊年祭と呼ばれる秘祭が催されます。この祭りはアカマタ・クロマタという2柱の神が異界(ニライカナイ)から来訪し五穀豊穣や大漁をもたらすとされますが、この祭りは部外者は絶対に見る事が許されず、カメラでの撮影はもちろん、録音や内容をメモに取る事も絶対に禁止とされています。

 

都市伝説的な怖い話として、このルールを破って祭りを取材したり撮影したり、覗き見たりしたものが、行方不明になったり、不可解な死を遂げたりといった事件が起こっているとも言われています。

 

ただ、新城島の怖い話や都市伝説はあくまでも噂で、実際にはそこまで物騒な島ではなく、現在は普通に観光に訪れる事が可能で、シュノーケリングやダイビングの秘境スポットとして知られています。

 

とはいえ、島の人々が大切に守ってきた場所には絶対に立ち入らないようにし、島のルールもしっかりと遵守しましょう。また、美しい自然を壊さないように、訪れる際はマナーをしっかり守る事が大切です。

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