世界には約1,500の活火山があるとされており、環太平洋地帯の国々に多くの火山が分布しているといいます。この記事では世界中にある火山のなかから、日本の硫黄島や阿蘇山などをふくむ、特に危険な山をランキング形式で23個紹介していきます。
この記事の目次
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第23位・ノバルプタ火山
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第22位・レーニア山
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第21位・ウラウン山
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第20位・浅間山
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第19位・マウナ・ロア山
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第18位・三宅島(雄山)
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第17位・ヴェスヴィオ山
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第16位・リダウト火山
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第15位・メラピ火山
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第14位・雲仙岳
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第13位・桜島
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第12位・マヨン火山
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第11位・アグン火山
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第10位・クラカタウ火山
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第9位・硫黄島
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第8位・ポポカテペトル火山
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第7位・ピナツボ山
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第6位・セントヘレンズ山
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第5位・ニーラコンゴ山
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第4位・阿蘇山
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第3位・カンピ・フレグレイ
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第2位・タンボラ山
- 火山【世界】の噴火危険度ランキング第1位・イエローストーン
- 火山【世界】の噴火危険度ランキングについてのまとめ
火山【世界】の噴火危険度ランキング第23位・ノバルプタ火山
出典:https://www.kids-fun-science.com/
・所在地…アメリカ合衆国のアラスカ州
・標高…841m
・最新の噴火… 1912年
・種類…成層火山
ノバルプタ火山は、アラスカ州のカトマイ国立公園および保護区内に位置するカトマイ山の山腹にある火山で、1912年にカトマイ山が世界最大規模の噴火を起こした際に形成されました。
この時の噴火でアラスカ南部とカナダの一部に硫黄灰が降り注ぎ、アメリカ地質調査所によると降灰による目の痛みと、呼吸器疾患で周囲で暮らす人々が次々に死亡していったとされます。
カトマイ国立公園側は「1912年の噴火はこの地域の火山で見られる典型的な火山ではない」と説明していますが、火山学者たちはノバルプタを含むカトマイ周辺の火山の活動は注視しなければいけないと語っているそうです。
火山【世界】の噴火危険度ランキング第22位・レーニア山
・所在地…アメリカ合衆国の西海岸、北部ワシントン州
・標高…4,392m
・最新の噴火… 1450年
・種類…成層火山
レーニア山は標高の高さ、そしてワシントン州シアトルとタコマ郊外への近さにより、噴火した場合にはアメリカに対して大きな影響を及ぼす恐れのある火山とされています。
アメリカ地質調査所の発表によると、レーニア山の噴火によってもたらされる最大のリスクは巨大な泥流だといい、将来的に噴火が起きれば約200万人が影響を受ける計算とのことです。
火山【世界】の噴火危険度ランキング第21位・ウラウン山
・所在地…パプアニューギニアのニューブリテン島
・標高…2,334m
・最新の噴火… 2019年8月3日
・種類…成層火山
ウラウン山は、パプアニューギニア領内で最大の標高を持つ活火山です。18世紀から現在に至るまで22回に渡って噴火を起こしており、2019年に噴火を起こした際には北東部の村民1万5000人が家からの避難を余儀なくされました。
この噴火で約18km上空まで灰柱が吹き上がり、死者こそ出なかったものの家屋や農園、井戸などが破壊や汚染され、村民は食料と水がなくなり、国内線の運航もできなくなるなど、多大な影響があったとされます。
火山【世界】の噴火危険度ランキング第20位・浅間山
・所在地…長野県北佐久郡軽井沢町、御代田町と群馬県吾妻郡嬬恋村の3つの自治体の境
・標高…2,568m
・最新の噴火…2019年8月25日
・種類…成層火山
浅間山は日本の活火山のなかでもランクAに分類される危険な山で、とくに1783年に発生した天明噴火では日本の災害史上に残る被害を出しました。
この時の噴火では火山灰や軽石だけではなく、大きく重たい火山岩塊も噴火口から噴き出し、光熱で溶けてベチャベチャになった火山岩塊は現在でも「鬼押出溶岩」として残っています。
さらに天明噴火が原因で発生した火山灰や火山ガスの影響で日照量が減り、農作物が育たなくなったことが天明の大飢饉を招く一因となっており、結果として天明噴火は直接的・間接的に当時の日本の全人口の約1%の命を奪ったともされています。
火山【世界】の噴火危険度ランキング第19位・マウナ・ロア山
・所在地…アメリカ合衆国、ハワイ島
・標高…4,169m
・最新の噴火… 2022年11月27日
・種類…楯状火山
マウナ・ロア山は富士山の50倍以上の体積を誇る世界最大規模の火山で、約70万年前から火山活動をしていたとされます。
国際火山学および地球内部化学協会はマウナ・ロア山を世界でもっとも危険な火山の1つとして研究対象としており、その理由はなんと言っても山自体の体積から予測される噴火時の溶岩排出量です。
一般的に一度に排出される溶岩の量が多いほど、溶岩流のスピードは速くなるため、周辺の村落が避難する間もなく溶岩流にのまれる危険性があるとされているのです。
また、噴火の衝撃によって山麓の崩落や大地震、津波などが起こるおそれもあり、マウナ・ロア山が大噴火を起こした際にはハワイ島を中心に未曾有の被害が出ると恐れらてているのです。
火山【世界】の噴火危険度ランキング第18位・三宅島(雄山)
・所在地…東京都の伊豆諸島
・標高…775.1m
・最新の噴火… 2013年1月22日
・種類…成層火山
三宅島は直径8kmのほぼ円形の玄武岩~安山岩からなる雄山を最高峰とする火山島で、直近500年の間にほぼ50年間隔で噴火を起こしています。
とくに1983年、2000年の噴火はこの火山の危険性を日本全土に知らしめました。1983年10月3日の噴火では100m以上の溶岩が噴火口から流れ出して麓の村に流れ込み、火口の西口に位置する阿古地区では民家が溶岩にのまれるとい被害が生じています。
さらに2000年にも先駆けて発生した群発地震をきっかけに1983年と似た噴火が起き、島内に大量の火山灰が降り注ぎ、100km以上の距離がある八丈島にまで降灰の被害が及びました。
三宅島は気象庁が火山活動度ランクAの活火山に指定しており、フィリピン海を震源とした地震が起きるたびに「三宅島は大丈夫なのか?」と警戒されています。
火山【世界】の噴火危険度ランキング第17位・ヴェスヴィオ山
出典:https://www.italiandualcitizenship.net/
・所在地…イタリアのカンパニア州、ナポリ湾岸
・標高…1,281m
・最新の噴火…1944年
・種類…成層火山
ヴェスヴィオ山は、西暦79年の噴火で火砕流や火山灰によってポンペイの街を埋もれさせたことで知られます。
この時の噴火は火山爆発指数でVEI5(どうしようもないほど大規模な噴火)に分類されており、ヴェスヴィオ山の噴火によって生じた熱エネルギーは太平洋戦争下で日本に投下された原爆の約10万倍に相当したと言われています。
また、この噴火ではボンベイの市街地にいたおよそ2,000人が命を落としたとされていますが、一瞬にして体中の水分が蒸発したのかと思われるような不可思議な遺体もあるといい、現在も以下のよう犠牲者の死因について考察がされているほどです。
一つの研究は、石造りのボート小屋に隠れていた人々の死因について、火傷や軟組織の蒸発ではなく、石窯の中で蒸し焼きにされたような状況になって死亡したと結論づけている。もう一つの研究は、この街の別の地区で発見された1人の犠牲者について、高温で溶けた脳が再び固まってガラス質になっているのを発見した。まるで魔法だ。
アメリカの気象庁が作成している世界火山プログラムのデータベースによると、ヴェスヴィオ山は過去17,000年の間に8 回の大規模噴火を起こしており、イタリア政府も将来の噴火に備えて警戒を呼びかけています。
火山【世界】の噴火危険度ランキング第16位・リダウト火山
・所在地…アメリカ合衆国のアラスカ州
・標高… 3,108m
・最新の噴火…2009年3月22日
・種類…成層火山
アラスカには51もの活火山があり、そのなかで一番危険だとされているのがリダウト火山です。
リダウト火山は海抜 10,000 フィートの巨大な火山で、直近に起きた2009年の噴火では3月22日の一晩で4回もの噴火を起こし、火山灰を含む噴煙が上空20kmにまで噴き出しました。
この時の噴火では幸いにも死者は出なかったものの、リダウト火山は氷河に覆われていることから通常の火山とは異なる被害を起こす危険性があるとされています
噴火によって引き起こされる高温のガスと溶岩によって水や瓦礫が山の斜面に落ち、近くのドリフト川が氾濫する可能性があると指摘されているのです。
火山【世界】の噴火危険度ランキング第15位・メラピ火山
・所在地…インドネシアのジャワ島中央部
・標高…2,910m
・最新の噴火…2020年6月21日
・種類…成層火山
インドネシア語で「火の山」を示す名を持つメラピ火山は、その名の通りインドネシアでもっとも活発な火山とされています。
通年、噴煙を上げているといい、1548年から現在に至るまで合計で68回も噴火を繰り返しています。
過去には数千人規模の死傷者が出る噴火を起こしていながら、この火山は中腹や標高1,700mの地点にも集落があって人が居住しており、2010年の噴火の際には山岳部に住んでいる人はもちろん、中部のジャワテンガ州にまで避難指示が出て、合計約35万人もの人々が避難しました。
火山【世界】の噴火危険度ランキング第14位・雲仙岳
・所在地…長崎県の島原半島中央
・標高…1,483m
・最新の噴火… 1995年
・種類…成層火山、溶岩ドーム
雲仙岳は長崎県島原市、南島原市、雲仙市の3つの市にある20を超す山々の総称です。10万年前から火山活動があったことが確認されており、野岳、妙見岳、普賢岳の順で火山活動が変遷していき、現在のような地形が形成されました。
直近では1990年11月から1995年2月にかけて断続的に噴火活動を起こし、38回の土石流と7回の大火砕流によって40人を超す死者を出しました。
さらに2511件の民家や施設が火災などの被害にあい、この噴火によって生じた被害総額は2299億4197万円にまでのぼったとされます。
火山【世界】の噴火危険度ランキング第13位・桜島
出典:https://www.kagoshima-kankou.com/
・所在地…鹿児島県の鹿児島湾
・標高… 1,117m
・最新の噴火…1915年9月頃
・種類…成層火山
桜島は「東のヴェスピオ山」とも呼ばれており、1914年から1915年にかけて発生した大正噴火は、火山大国・日本で20世紀に起きた噴火のなかで一番被害規模が大きかったとされています。
大噴火時のエネルギーもさることながら、桜島は直近60年の間、1日も休むことなく噴火を続けていて、2011年にはなんと1年の間に1000回近くも噴火が確認されたとのことです。
そのせいで桜島では日常的に火山灰が降っており、鹿児島県内で流れるニュースでは毎日、桜島の降灰予報が流れているといいます。
近年の調査では桜島の地下に堆積しているマグマの量は徐々に増えていっており、すでに大正噴火の頃に近づいてきているそうです。そのため次に大噴火が起きた際には大正噴火並の被害が生じるのではないかと恐れられています。
火山【世界】の噴火危険度ランキング第12位・マヨン火山
・所在地…フィリピン共和国のルソン島南部、ビコル地方アルバイ州
・標高… 2,463m
・最新の噴火…2018年
・種類…成層火山
フィリピンに位置するマヨン火山は、「世界でもっとも完璧な火山丘」とまで呼ばれる対象的な形状で知られる活火山です。」
17世紀以来 30回以上の噴火を起こしており、1993の噴火では噴き出した火砕流によって79人の死者を出しました。
しかも2000年以降は活動が活発になっており、2000年から現在に至るまでの間に5回の大噴火を起こし、その度に近隣の村民数万人が避難を余儀なくされています。
2006年の噴火では台風11号の影響と、マヨン火山の形状によって水とともに火山砕屑物が山の斜面を流れ落ちるラハールという現象が起き、これが原因で1000人を超す死者が出ました。
火山【世界】の噴火危険度ランキング第11位・アグン火山
・所在地…インドネシア、バリ島の北東部
・標高… 3,031m
・最新の噴火…2019年6月13日
・種類…成層火山
アグン山は左右対称の富士山に近い形状をしており、古くからバリでは聖地として崇拝の対象となってきた山です。
しかし、1963 年にアグン山が起こした噴火は、インドネシアの歴史上もっとも大きな自然災害の1つに数えられており、火砕流とラハールによって約1,500 人もの人々が死亡したとされます。
直近でも2017年から2019年にかけて断続的に噴火を起こしており、2017年9月にはアグン山の火山活動によって合計844回もの地震が周辺一帯を襲いました。
さらに2018年7月2日の大噴火では爆発によって溶岩や岩石が約2kmの距離にわたって噴き出し、火口上部の森林の広範囲を焼き尽くしとされます。
火山【世界】の噴火危険度ランキング第10位・クラカタウ火山
出典:https://www.familyholiday.net/
・所在地…インドネシアのジャワ島とスマトラ島の間のスンダ海峡にある4つの火山島の総称
・標高…813m
・最新の噴火…2022年2月3日
・種類…成層火山
クラカタウ火山は1883年8月27日に、地質学史上は第5番目の爆発規模であり、地球の歴史上もっとも壊滅的な被害を及ぼしたとされる大噴火を起こした火山です。
この時の噴火による爆発音は、3,500km離れたオーストラリアや4800km離れたロドリゲス島にまで轟いたといい、世界中の50の地域で爆発音が確認されたといいます。
爆発の威力も凄まじく、当時のクラカタウを形成していた3つの火山島、ラカタ島、セルトゥン島、ラング島のなかでラカタ島は北側の大半が吹き飛び、逆にセルトゥン島とラング島は火山灰と軽石の破片が堆積したことによって島の面積が拡大しました。
1927年にラカタ島北部で海中火山が爆発した影響で、新たな火山島、アナク・クラカタウ島が誕生。2018年にはアナク・クラカタウ島が噴火の影響で山体崩壊を起こしており、4つの火山島それぞれの活動が警戒されています。
火山【世界】の噴火危険度ランキング第9位・硫黄島
出典:https://www.vill.ogasawara.tokyo.jp/
・所在地…東京都の島嶼部、小笠原諸島の南端
・標高… 170m
・最新の噴火…1935年
・種類…成層火山
2015年にマンチェスター大学の天体物理学教授が自身のブログ『VOLCANO CAFÉ』で発表した「世界でもっとも危険な火山10」では1位に選出されたという硫黄島。
4年に1mという驚異的な隆起を見せるマグマの存在から、いつ破局噴火を起こしても不思議ではないという点から危険視されているといいます。
太平洋戦争以降、硫黄島には民間人の居住者はいませんが、海底部分をふくめると富士山に匹敵する大きさを持つ硫黄島の火山で噴火が起きた場合には、東京湾沿岸も5m級の津波に襲われ、湾岸工業地帯で大規模火災が起きる危険性があるとのことです。
火山【世界】の噴火危険度ランキング第8位・ポポカテペトル火山
・所在地…メキシコのメヒコ州、モレロス州、プエブラ州の境界上
・標高… 5,426m
・最新の噴火…2020年〜2023年現在も継続中
・種類…成層火山
ポポカテペトルとはスペイン語で「煙の出る山」という意味で、16世紀以降から現在に至るまで大きな噴火だけでも15回発生しています。
2000年以降は2000年、2012年、2013年、2016年、2017年、2019年と頻回に噴火を起こしており、2019年10月の噴火では一夜にして215回の爆発を起こし、灰、煙、ガスが周辺一帯を襲いました。
また、2020年1月9日の噴火では多量の溶岩と岩石を排出し、火山灰の雲を6.1キロメートルまで噴き出し、以降は2023年現在に至るまで噴火を繰り返しています。
ポポカテペトル火山は規模としてはメキシコ国内2位に位置づけられますが、爆発的な活動と被害を受ける人口の多さ(約900万人と予想)によってトップレベルの危険性を持つ火山とされており、その活動が注視されています。
火山【世界】の噴火危険度ランキング第7位・ピナツボ山
出典:https://www.livescience.com/
・所在地…フィリピンのルソン島西側
・標高… 1,486m
・最新の噴火… 1991年6月15日
・種類…成層火山
ィリピンの人口密集地域に位置するピナツボ山は、1991年6月15日にノバルプタの噴火に次ぐ20 世紀で2番目に大きな噴火を起こして世界中で知られることとなりました。
ピナツボ山では1991年の大噴火以前に目立った噴火がありませんでした。しかし、周辺住民もあまり驚異を感じていなかったところで突然大規模な噴火が起こり、火山内に湖で満たされたカルデラを形成する火砕流が発生し、少なくとも722人の死者が出るという惨事となったのです。
世界火山プログラムによると、現在、ピナツボ山から100km以内の範囲に2,100万人以上もの人々が住んでおり、再び同様の噴火が起きた際に備えて警戒を強めています。
火山【世界】の噴火危険度ランキング第6位・セントヘレンズ山
・所在地…アメリカ合衆国のワシントン州スカマニア郡
・標高… 2,549m
・最新の噴火…2008年7月10日
・種類…成層火山
セント・ヘレンズ山は1980年に大噴火を起こしており、米国史上もっとも死者数が多く、大きな被害を出した火山として知られます。
この時の噴火によって生じた土砂は岩屑なだれとなって200軒もの家屋と47の橋を倒壊させ、57人の死者を出しました。また、噴火によって約200平方マイルの森林が破壊され、約5,000頭ものシカ、約1,100万匹の魚など多くの野生動物も命を奪われました。
しかもセント・ヘレンズ山は1980年以前にもたびたび噴火を起こしており、アメリカ地質調査所が「将来的にセント・ヘレンズ山が再び大噴火を起こす可能性は高い」としている点も恐ろしいといえます。
万が一噴火が起きた場合は太平洋岸北西部に大量の降灰が降る可能性があり、セント・ヘレンズ火山は現在も注意深く観察されています。
火山【世界】の噴火危険度ランキング第5位・ニーラコンゴ山
出典:https://www.mountnyiragongo.com/
・所在地…コンゴ民主共和国東境部
・標高… 3,470m
・最新の噴火…2021年5月22日
・種類…成層火山
ニーラコンゴ山は「アフリカでもっとも危険な活火山」と言われており、頭頂部に世界最大規模の溶岩湖を持ちます。
平時であれば観光資源ともなっているニーラコンゴ山の溶岩湖ですが、1977年には溶岩湖の壁面が割れて時速100km近いスピードで溶岩が流れ出て、数千人もの人が犠牲になりました。
またこの山は21世紀に入ってから2回の大きな噴火を起こしており、その活動の激しさも危険視される理由です。
2021年5月に起きた噴火では付近にある人口約200万人の大都市・ゴマの手前まで溶岩が押し寄せ、30人以上の死者が出たうえに避難の過程で家族とはぐれてしまった子どもが続出、ユニセフが子どもの保護施設を設けて対応しました。
火山【世界】の噴火危険度ランキング第4位・阿蘇山
・所在地…熊本県阿蘇地方
・標高… 1,592m
・最新の噴火…2021年10月20日
・種類…複成火山
熊本県に位置する高岳、中岳、烏帽子岳、根子岳の5つからなる阿蘇山は、. 東西17km、南北25kmにわたる阿蘇カルデラで知られます。
平時であれば乗馬やトレッキングなどのアクティビティを楽しみに多くの人が訪れ、観光地としても非常に高い人気を誇る阿蘇山ですが、27万年前、14万年前、12万年前、9万年前に超大規模な噴火を起こしており、この時と同じ規模の噴火が起きれば九州全土が溶岩に覆われると恐れられているのです。
さらにこの有史以前に起きたとされる大噴火では火山灰は北海道にまで届き、それどころか15cmも堆積したとされます。
阿蘇山は6000年に1度の頻度で大規模の噴火を起こすという統計が出ているのですが、最後に大規模噴火を起こしたのは約7200年前であり、いつ大噴火が起きても不思議ではない状況です。
万が一、阿蘇山で地中のマグマが一気に噴き出す破局噴火が起きた場合には、2時間で火砕流が市街地にまで流れ込み、200万人以上の命が奪われる恐れがあると予測されています。
火山【世界】の噴火危険度ランキング第3位・カンピ・フレグレイ
出典:https://www.kagoshima-kankou.com/
・所在地…イタリアのカンパニア州
・標高… 458m
・最新の噴火…1538年
・種類…スーパーボルケーノ
イタリア語で「燃える平原」の意味を持つカンピ・フレグレイは、パッと見たところ平野に見える外見でありながら世界でもっとも危険な火山の1つに数えられています。
カンピ・フレグレイは巨大なカルデラを多数持ち、火山の大部分は地中海の海中に隠れた状態となっています。
20万年前にカンピ・フレグレイが大噴火を起こした際には1兆ガロンの溶岩が流れ出し、この噴火がネアンデルタール人が絶滅した原因になったとまで言われているほどです。
およそ500年前を最後に噴火していませんが、イタリア国立地球物理学研究所の2016年時の発表によるとカンピ・フレグレイの噴火の要因となるマグマガスが臨界圧力近くに達しており、遠くない将来に大噴火が起きる可能性があるとのこと。
シュミレーションによると噴火で流れ出した溶岩は首都ナポリまで飲み込む恐れがあるとして、活動が注視されています。
火山【世界】の噴火危険度ランキング第2位・タンボラ山
・所在地…インドネシア中南部、スンバワ島
・標高… 2,850m
・最新の噴火…1967年
・種類…成層火山
世界有数の火山大国とされるインドネシアで、トップクラスに危険な火山とされているのがタンボラ山です。
1815年にタンボラ山で起きた大噴火は、記録が残っている限り人類の歴史上最大の噴火であったとされています。
噴火によって生じた爆発音は1750km先まで轟き、500km離れた場所まで3日3晩火山灰が空を覆い尽くし、空が真っ暗になりました。
この時の噴火で生じたエネルギーは前述したヴェスピオ火山での歴史的噴火の20倍にものぼったといい、地球全体の気温が低下し、凶作により各地で飢饉が起きるほどの影響があったとされます。
タンボラ山が噴火した翌年の1816年はヨーロッパを中心に「夏のない年」となったほど、噴火によって引き起こされた環境の変化は大きなものでした。
しかも現代において同じ規模の噴火が発生した場合、生じる被害は1816年を超えるとされており、世界中で犠牲者が出ると言われています。
火山【世界】の噴火危険度ランキング第1位・イエローストーン
・所在地…アメリカ合衆国のアイダホ州、モンタナ州、及びワイオミング州にまたがる
・標高… 2,805m
・最新の噴火…約68万年前
・種類…スーパーボルケーノ
イエローストーンは国立公園として世界自然遺産にもなっており、水牛など数々の野生動物に出会えることや七色の温泉など見どころが多く、アメリカでも指折りの観光地とされています。
しかし、イエローストーンは一度でも噴火すれば世界の環境を一変させる「スーパーボルケーノ」の1つに数えられているほど危険な場所でもあるのです。
63万年前の大噴火では直径約60kmの火口が形成され、1500km離れた場所でも3mもの火山灰が堆積されるほど噴火の被害は甚大だったといいます。
しかもイエローストーンは約60万から70万年に1度の頻度で噴火を起こすという研究結果が出ており、いつ噴火しても不思議ではない状況と言われているのです。
イエローストーンがひとたび噴火を起こせばアメリカ大陸の3分の2が居住不可能な環境になると予測され、火山灰によって日光が遮られる「火山の冬」が数十年も続くとされています。
火山【世界】の噴火危険度ランキングについてのまとめ
今回は近々に噴火の危険性が指摘されている山や噴火による被害の大きさが懸念されている山などを中心に、世界にある活火山の危険度をランキング形式で紹介しました。
イエローストーンのようなスーパーボルケーノが噴火を起こした場合、現在の技術力を持っても被害を抑えることは難しく、世界中の誰もが直接的・間接的に何らかの影響を受けるとされています。
世界中にある火山の約1割が分布しているという日本でも、噴火の恐怖と危険は他人事ではありません。できる限りの備えをしておきたいですね。