中村春根の現在!生い立ちと家族・顔の傷や結婚・豪邸の自宅・姫路サルーンなど経歴・モナコや北朝鮮の関係・姫路監禁殺害事件と判決まとめ

中村春根(陳春根)は父親の復讐のために暴力団組員ら3人を殺害した男です。

 

この記事では中村春根の生い立ちや父親や母親、兄弟、結婚などの家族、顔の傷、自宅の大豪邸と裏スロ店「姫路サルーン」の経営などの経歴、モナコや北朝鮮との関係、事件概要と異例の裁判での判決と現在についてまとめました。

中村春根は姫路監禁殺害事件の主犯格で裏スロ店「姫路サルーン」の経営者

 

出典:https://daiwaryu1121.com/

 

中村春根(なかむら・はるね)は、2009年から2011年にかけて、兵庫県姫路市などで発生した「姫路監禁殺害事件」の犯人(首謀者)で、現在は無期懲役の判決により刑務所に服役しています。中村春根というのは通名で、本名は陳春根(チン・シュンコン)といい在日韓国人です。

 

中村春根は、兵庫県姫路市に君臨した「パチンコ王」の御曹司として生まれ、富と権力を約束された人生を歩むはずでした。

 

しかし、敬愛する父親を暴力団組員に殺害され、運命の歯車が狂い始めました。金と暴力性、冷徹な知性を持っていた中村春根は、国家の法秩序を嘲笑うかのように、壮絶かつ緻密な計画により、父親の命を奪った暴力団組員ら3名を殺害し復讐劇を遂げました。

 

中村春根の手口は残虐非道であり、邪魔者は次々と闇に葬られて、遺体さえ見つからない完全犯罪を目論みました。

 

一方で、中村春根の名は、姫路の裏社会を恐怖で支配する「フィクサー」として、あるいは伝説の裏スロット店「姫路サルーン」の帝王として囁かれるような存在でした。その根底にあったのは父親を想う歪んだ孝行心であったと言われています。

 

ここでは、公判の記録や当時の報道、関係者の証言の断片をつなぎ合わせる事で、、「中村春根」という稀代の犯罪者の実像について、生い立ちや富の源泉、彼を怪物へと変貌させた父親が殺害と、その復讐劇であった「姫路監禁殺害事件」の概要、前代未聞の「ねじれ判決」に至った裁判、無期懲役判決を受けた現在の様子などについてまとめていきます。

 

 

中村春根の生い立ち…家族は在日韓国人で姫路でパチンコチェーンを展開

 

出典:https://stat.ameba.jp/

 

最初に、中村春根という男の生い立ちについて現在までにわかっている内容を見ていきます。

 

中村春根(本名・陳春根)は、韓国籍を持つ在日韓国人として生を受けました。中村春根の父親は、姫路を拠点とする巨大なパチンコチェーン「国際会館グループ」を一代で築き上げた中村道夫さん(本名・陳道夫)という人物です。

 

中村春根の父親・中村道夫さんが創設した国際会館グループは、当時の姫路市内で絶大な影響力を持ち、地域の経済界においても無視できな存在でした。

 

中村春根は、その「パチンコ王」の長男として、何不自由ない裕福な環境で育った生い立ちを持ちます。また、彼は早くから家業に携わり、経営者としての道を歩むことが既定路線とされていました。

 

しかし、中村春根の詳しい生い立ちや学歴については、公になっている情報は極めて少なく、特に母親に関する情報はほとんどありません。

 

ただ、中村春根の人格形成に最も大きな影響を与えたのは、父親の中村道夫さんの存在だと考えられます。中村道夫さんは暴力団からの理不尽な要求にも屈しない強い意思を持っていました。その息子である中村春根もまた、一般人でありながら暴力団組長を襲撃して重傷を負わせるなど、常人離れした胆力と行動力を持っていました。

 

この「やられたらやり返す」という徹底した姿勢は、父親から受け継いだものと考えられ、これは彼の生い立ちを推測する上で重要な手がかりとなるはずです。有力パチンコチェーンの御曹司としての財力だけでなく、裏社会の圧力にも屈しない強靭な父親の背中を見て育った生い立ちは、後に中村春根が暴力団組織や法をも恐れぬ私的な制裁へと突き進む素地を形成したと考えられます。

 

一方で、中村春根の人物像を形成する上で重要な幼少期から少年期、学生時代などの具体的な生い立ちについては現在も謎に包まれています。

 

 

中村春根の家族や結婚

 

出典:https://encrypted-tbn0.gstatic.com/

 

中村春根の生い立ちを推測する上で家族についての情報は欠かせません。中村春根の家族についても見ていきます。

 

 

中村春根の家族① 父親・中村道夫(陳道夫)

 

既に触れているように、中村春根の父親の中村道夫さん(本名・陳道夫)は、戦後の混乱期から高度経済成長期にかけて、わずか一代で当時姫路最大級のパチンコチェーン「国際会館グループ」を築き上げた、まさに立志伝中の人物でした。

 

中村春根の父親・中村道夫さんは、韓国籍を持つ在日韓国人として、様々な困難や差別があったことは想像に難くありませんが、それをものともしない商才と行動力で姫路の経済界に確固たる地位を築き上げています。

 

中村春根の父親・中村道夫さんの経営するパチンコ店は、単なる遊技場ではなく、地域の社交場として、また地元経済を潤す一大産業として機能していました。

 

中村道夫さんは、典型的なカリスマ経営者であったと同時に、息子である中村春根にとっては絶対的な存在であり、尊敬の対象であったと考えられます。中村春根が後に見せる行動の異常なまでの執念の根源には、この偉大な父親への深い愛情と、その父親を理不尽に奪われたことへの計り知れない怒りが渦巻いていたように感じられます。

 

 

中村春根の家族② 母親の情報はない

 

一方で、中村春根の家族構成には謎が多いようです。特に母親に関する情報は皆無に等しく、彼女が春根の幼少期や人格形成にどのような影響を与えたのかは全く分かっていません。

 

この母親の不在感は、彼の人間像を考察する上で、ある種の空白として横たわっていると言えます。

 

 

中村春根の家族③ 兄弟では弟の陳光根が事件に関連し逮捕されている

 

中村春根の兄弟姉妹については、弟の陳光根(ちん・こうこん)の存在が確認されています。陳光根もまた、一連の事件において、犯行に使われたプリペイド式携帯電話を契約したとして逮捕されており、兄の犯罪に何らかの形で関与していたことは間違いありません。

 

しかし、彼が兄の計画の全貌をどこまで把握していたのか、どのような役割を担っていたのか、その詳細は現在も不明のままです。

 

中村(陳)一族は当時、弟の光根が「レイズパーク」、叔父が「モナコ」というパチンコ店を経営するなど、姫路のパチンコ業界において一族で強固な地盤を築いていました。しかし、その華やかな一族の中で、春根がどのような立ち位置にいたのか、彼の内面に渦巻く孤独や葛藤を理解する者はいたのかについては、今となってはわかりません。

 

 

中村春根の家族④ 国際会館の現在の代表取締役の中村玉姫さんは姉か

 

出典:https://kokusai-kaikan.co.jp/

 

創業者である父親の中村道夫さんが殺害され、その跡を事実上継いでいた中村春根が「姫路監禁殺害事件」により逮捕され無期懲役判決を受けた後も、中村一族の会社は「株式会社国際会館」として存続しています。

 

そして、現在この株式会社国際会館の代表取締役社長を務められている方が中村玉姫さんという方です。

 

名前からして女性だと思われますが、この方が中村春根の姉ではないかとの推測もされています。以前より、中村春根の兄弟姉妹としては弟と姉がいるとネット上で不確定な情報が書き込まれており、この中村玉姫さんがその姉ではないのかと推測されているようです。

 

ただし、あくまでも推測であり不確定情報です。とはいえ「中村」という苗字が一致している事から、中村春根の親族である可能性は高いと見られているようです。

 

 

中村春根の家族⑤ 結婚や嫁や子供に関する情報はなく私生活は謎

 

中村春根は私生活については秘密主義を貫いていたようで、結婚していたのか、妻子はいたのかといった情報は一切表に出てきていません。

 

富と権力を手中に収めながらも、中村春根の心のうちを窺い知る事は誰にもできなかったと言われています。

 

 

中村春根の顔の傷について

 

出典:https://o.5ch.net/

 

「姫路監禁殺害事件」での逮捕後、中村春根の顔画像がメディアで公開されましたが、その顔画像の右頬に生々しく残る傷跡が多くの人々に衝撃を与えました。

 

この中村春根の顔の傷が、いつ、どのような状況でついたものなのか、公には一切語られていません。

 

中村春根の若い頃の画像には、この顔の傷は見られない事から、彼の人生のある時点で深刻な暴力を伴う何らかの出来事があった事を示唆していると言えます。

 

その顔の傷は、後に敵対することになるヤクザとの抗争で負ったものなのか、あるいは別のトラブルによるものなのか、真相は不明ですが、この傷は中村春根の危険な半生を示すようなシンボルのようになり、その威圧的な風貌と相まって、周囲に恐怖を与える一因となっていたのかも知れません。

 

 

中村春根の自宅は広尾の大豪邸だったと報じられている

 

中村春根の自宅は、東京都内の一等地で高級住宅街で知られる広尾の表参道に大豪邸を構えていたとの情報がインターネット上で確認できます。

 

中村春根はいわゆる裏モノスロット店「姫路サルーン」で莫大な富を築き、生活を豪奢に彩ったとされています。

 

事業の拠点を兵庫県姫路市に置きながら、中村春根が自宅を東京の高級住宅地に構えていた事は、彼の当時の経済力が一地方都市に留まらない、全国レベルのものであった事を物語っています。一説には、中村春根が率いていた当時のグループ全体の年商は1000億円を下らなかったとも言われており、その影響力は政財界や芸能界にも及んでいたとされています。

 

中村春根の「姫路監禁殺害事件」が発覚する前より、中村春根に関してネット上でいわゆる「黒い噂」が飛び交っていましたが、逮捕の1年以上前の2010年6月にYahoo!知恵袋に「陳(中村)春根という人物について詳しく教えてください。」、「かなり黒い噂があるようです。」という質問がされています。

この質問に、中村春根の自宅が近所にあるという人物が回答しており、その自宅について「半端なく豪邸」、「専用の私道もあり黒塗りの高級車が出入りしている」、「自宅は高い壁で囲まれている」などの情報が明かされていました。

 

「見るからにヤクザみたいです」の一言も付け加えられており、その自宅豪邸がそのような印象を持たれるような物々しい雰囲気であったのかも知れません。

 

 

引用:Yahoo!知恵袋 陳(中村)春根という人物について詳しく教えてください。という質問に対する回答

 

なお、中村春根に関係する豪邸が兵庫県姫路市飾磨区山崎の英賀保(あがほ)という地域に現在も所在しているとの情報もあるようです。下のYouTube動画の中で一瞬だけその豪邸が映りますが、高い塀に囲まれた物凄い豪邸である事がわかります。

 

 

 

中村春根の経歴

 

続けた、中村春根の経歴についても現在までにわかっている内容をまとめていきます。

 

 

中村春根は、父親から受け継いだ「正業」としてのパチンコ帝国だけでなく、自らの才覚で築き上げた「裏の稼業」すなわち、違法な裏モノスロット店の経営でも莫大な富を稼ぎ出し、自分自身の帝国を築き上げていました。

 

 

中村春根の経歴① 表の顔・国際会館グループの後継者の実業家の顔

 

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中村春根は、巨大パチンコグループ「国際会館」のオーナー家の長男として、早くから経営に携わっていました。表向きは、将来を嘱望された青年実業家であり、父親の中村道夫さんが築いた、姫路に根を張るパチンコチェーン帝国をさらに発展させる後継者と見られていました。

 

しかし、中村春根の真の才能は、合法の枠内では収まりきらないものでした。

 

 

中村春根の経歴② 裏の顔・裏モノスロット「姫路サルーン」の帝王

 

中村春根の名を日本の裏社会に轟かせたのは、彼が経営していた伝説の裏モノスロット専門店「姫路サルーン」の存在でした。

 

2000年代半ば、パチスロ機は射幸性の高い4号機から、出玉性能が抑制された5号機へと移行する大きな変革期にありました。全国のホールから爆裂機が姿を消していく中、「姫路サルーン」は、違法に改造された「裏モノ」と呼ばれる爆裂機を堂々と設置し、営業を続けていたのです。

 

その噂は全国に広まり、一攫千金を夢見るスロッターたちが、姫路という一地方都市に押し寄せました。店内は常に異常な熱気に包まれ、法律で禁止されている酒類が提供され、バニーガール姿のコンパニオンが闊歩するなど、まさに治外法権の空間であったといわれています。

 

なぜ、「姫路サルーン」だけが警察の摘発を免れ、長期間にわたって営業を続けることができたのか。その背景には、警察上層部との癒着や、暴力団さえも手出しできない春根の絶対的な権力があったと噂されていましたが、その真相は今もって闇の中です。確かなことは、「姫路サルーン」が中村春根に莫大な富をもたらし、それが後の壮絶な復讐計画の資金源となったという事実だけです。

 

 

中村春根と「モナコ」の関係

 

中村春根は在日韓国人という生い立ちでの「韓国」という国籍や、そのビジネスの特殊性から、国際的なつながりにより力を持ったのではないかという噂が絶えずありました。

 

その中に、カジノビジネスで知られるヨーロッパの小国「モナコ公国」と関係しているという噂がありましたが、これは中村一族が経営するパチンコ店の中に「モナコ」というチェーン店があった事から噂されたものでした。

 

これが、中村春根の資金源はモナコのカジノを通じた、海外の資金ルートがあるなどという憶測を呼んだのですが、結論から言えばそのような事実はありません。現在も姫路に展開するパチンコ・スロット店「モナコ」は、あくまで店名であり、国家や王室との関連を裏付ける事実は何も存在しない、明確なデマ情報です。

 

なお、現在も「株式会社国際会館」は、兵庫県内にパチンコ店「モナコ」を多数展開しています。

 

モナコ新開地 神戸市兵庫区新開地1丁目2番11号 1F

 

モナコリゾート 加古川市尾上町長田字高田11番地の1

 

モナコ龍野 たつの市誉田町廣山字金剛寺30番地の7

 

モナコ相生 相生市那波野字上土穴316番地

 

引用:株式会社 国際会館 オフィシャルウェブサイト 会社情報より

 

現在の「株式会社国際会館」やパチンコ・スロット店「モナコ」は、裏社会とのつながりなどは何もなく、地域密着を重視したクリーンな経営体制で運営されているため、安心して遊ぶ事ができます。

 

なお、関西地域に広く展開されているパチンコ店「モナコ」の大半は、現在は別の会社によって運営されており、「株式会社国際会館」との直接的な関係は無くなっているようです。

 

 

中村春根には「北朝鮮」の工作員説も浮上していた

 

中村春根には「北朝鮮」の工作員説も浮上していました。

 

パチンコ業界は、歴史的に在日コリアンの経営者が多く、その収益の一部が朝鮮総連を通じて北朝鮮に送金され、ミサイルの開発資金になっているとの疑惑が長年されてきました。

 

中村春根が韓国籍であること、そして非合法なビジネスで巨万の富を得ていたことなどから、彼が朝鮮総連系の工作員で、その活動資金を得ていたのではないか、という説が一部で流布されたのです。

 

しかし、これもまた、中村春根の背景から生まれた憶測の域を出ません。父親の中村道夫さんが朝鮮総連と深い関係にあったという記録は確認できず、中村春根自身がそのような活動に関与していたことを示す具体的な証拠も存在しません。中村春根の犯罪は、あくまで個人的な動機、すなわち「父親を殺害された事への復讐」という一点に集約されていたと見るのが自然です。

 

 

中村春根が姫路監禁殺害事件を起こすきっかけとなった父親惨殺事件

 

中村春根が首謀者として引き起こした「姫路監禁殺害事件」のきっかけとなったのは、1999年11月に起きた、父親の中村道夫さんが暴力団組員らに惨殺された事件でした。

 

 

事件の背景は山口組系村正会との確執

 

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当時、姫路を拠点とする指定暴力団・六代目山口組傘下の村正会は、地元の有力企業である国際会館グループに目をつけ、会長である中村道夫さんに対して、執拗な嫌がらせやみかじめ料の要求を繰り返していました。

 

この理不尽な要求に対し、誰よりも誇り高い父親を侮辱されたことに激怒したのが、息子の中村春根でした。

 

中村春根は、一般人でありながら、なんと村正会の組長を襲撃し、腕の骨を折るなどの重傷を負わせるという常軌を逸した報復に出ます。これにより、両者の対立は決定的なものとなりました。

 

ヤクザの面子を完全に踏み潰された村正会は、中村道夫さんに対して数億円という法外な慰謝料を要求しましたが、中村道夫さんはこれを毅然と拒否しました。

 

 

父親の中村春根さんが殺害される事件が発生

 

1999年11月19日、中村道夫さんは姫路の繁華街・魚町で、村正会組員の下山誠也にゴルフクラブで頭部を滅多打ちにされ、惨殺されました。白昼の繁華街で起きたこの凶行は、姫路の街に大きな衝撃を与えました。実行犯の下山誠也はその後、警察に自首し、殺人罪で服役することになりました。

 

 

父親を殺害された中村春根が復讐心を募らせた

 

敬愛する父親・中村道夫さんを最も残忍な形で奪われた中村春根の悲しみと怒りは、筆舌に尽くしがたいものがあったようです。

 

さらに、一部では「春根がヤクザに手を出したせいで、父が殺された」と家族から責められ、遺産相続からも外されたとも報じられています。

 

法による裁き、つまり下山誠也の服役だけでは、彼の膨れ上がった復讐心は到底収まるものではありませんでした。

 

中村春根は、単に手を下した下山誠也だけでなく、その背後で糸を引いた村正会の幹部たち、そしてこの事件に関与したすべての者たちへの完全な報復を誓ったとされます。この時から、中村春根の冷静な頭脳は、10年以上の歳月をかけた、恐ろしくも周到な復讐計画を練り始めていたとされています。

 

 

中村春根の姫路監禁殺害事件の概要

 

出典:https://www.sankei.com/

 

父親・中村道夫の死から約10年の時を経て、中村春根の私的制裁が静かに、しかし着実に実行されていきました。それは、法の及ばない闇の世界で繰り広げられた、血で血を洗う復讐劇でした。

 

 

前田巌さん(広告制作会社社長)監禁殺害事件

 

中村春根の最初の殺人事件の対象は暴力団組員ではありませんでした。

 

父親の中村道夫さんが殺害された後、中村春根は国際会館の実質的な経営者となっていましたが、ある広告制作会社と関係を持つようになりますが、この会社に融資した10億円が返済されなかった上に、融資の際にこの会社が返済のための資力を偽っていた事が判明。

 

中村春根は激怒し、2009年4月、旧知の上村隆という男に命じて広告制作会社社長の前田巌さん(事件当時50歳)を東京の事務所から姫路へと連行して、姫路市内のマンションの一室に設置した檻の中に、実に1年2ヶ月もの長期間監禁しました。

 

そして、2010年6月頃、中村春根は上村隆に命じて、前田巌さんを拳銃で射殺させたとされています。しかし、前田巌さんの遺体は現在に至るまで発見されていません。

 

 

元村正会幹部・巌大光殺害事件

 

次に狙われたのが、父親の中村道夫さんの殺害に関与したと中村春根が確信していた元村正会幹部・巌大光(事件当時57歳、通名・富田)でした。

 

2010年4月、中村春根らは姫路市内のパチンコ店駐車場で巌大光を拉致。兵庫県三木市の倉庫に監禁し、手足や口を粘着テープで縛り上げ、窒息死させたとされています。巌大光の遺体もまた、忽然と姿を消し、現在も見つかっていません。

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下山誠也(父殺害の実行犯)殺害事件

 

出典:https://livedoor.sp.blogimg.jp/

 

2010年9月、父親の中村道夫さんを殺害した実行犯・下山誠也(事件当時37歳)が刑期を終えて出所。中村春根らはその直後に下山誠也を拉致・監禁しました。

 

この時、下山誠也は1度は自力で脱出に成功し、警察に駆け込んで奇跡的に生還しています。しかし、中村春根の執念は警察による保護すら問題にせず、2011年2月、警察の保護が解かれた直後に、下山誠也は自宅マンションの敷地内で再び拉致されます。

 

そしてその翌日、下山誠也は姫路市内の路上に放置された保冷車の中から、首を絞められ、殴打された無残な遺体となって発見されました。

 

これら一連の事件は、いずれも中村春根が首謀し、忠実な部下である上村隆らが実行役を担うという組織的な犯行でした。中村春根は恐怖と金で部下を支配し、警察の捜査をあざ笑うかのように、次々と邪魔者を社会から「抹消」していったのです。

 

 

中村春根の姫路監禁殺害事件の裁判と判決

 

出典:https://guardians7.com/

 

姫路の裏社会を震撼させた連続失踪・殺人事件は、やがて警察の知るところとなり、捜査線上に中村春根の名が浮上し、2011年12月、中村春根は潜伏していた大阪市内のホテルで逮捕されました。

 

 

207日間に及んだ史上最長の裁判員裁判

 

中村春根の裁判は、日本の司法史に残る異例尽くしのものとなしました。遺体が見つからない2つの殺人事件を含む複雑な内容、大半の起訴事実を否認する被告(中村春根)、そして120人を超える証人尋問。

 

神戸地裁姫路支部で開かれた裁判員裁判の審理期間は、実に207日間に及び、当時の裁判員裁判としては史上最長を記録しました。

 

法廷で、中村春根は一貫して無罪を主張。その態度は常に冷静沈着で、反省の色をうかがわせることはなかったといいます。検察側は、春根が事件の首謀者であるとして死刑を求刑しました。

 

 

「主犯・無期懲役、実行犯・死刑」という矛盾を孕んだ衝撃の判決

 

2018年11月、神戸地裁姫路支部は、中村春根に対して無期懲役の判決を言い渡しました。

 

裁判所は、下山誠也と巌大光の2人に対する殺害・監禁致死については有罪と認定したものの、遺体のない前田巌社長殺害については「犯罪の証明が十分ではない」として無罪と判断しました。

 

この判決が社会に与えた衝撃は、中村春根の指示で殺害を実行したとされる共犯者・上村隆の裁判との比較によって、さらに増幅されました。別の裁判で審理された上村隆には、中村春根の裁判では無罪となった前田社長殺害についても有罪が認定され、「死刑」が言い渡されたのです。

 

首謀者である中村春根が無期懲役であるのに対し、その指示に従ったに過ぎない実行犯が死刑。この前代未聞の「ねじれ判決」は、大きな社会問題となりました。

 

なぜこのような矛盾が生じたのか。それは、別々の裁判員が、別々の証拠に基づいて判断を下した結果であり、遺体のない殺人を立証することの困難さ、そして裁判員裁判制度が抱える構造的な問題を浮き彫りにしたのです。

 

中村春根は判決を不服として控訴、上告しましたが、いずれも棄却され、2022年10月、最高裁で無期懲役の判決が確定しています。

 

 

中村春根の現在

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中村春根の現在についても関心のある方が多いようです。

 

かつて、姫路の裏社会に君臨したとされ、「フィクサー」とまで呼ばれた男である中村春根ですが、現在は刑務所の中で、静かにその罪を償う日々を送っています。

 

現在の日本の法制度上、中村春根が再び社会に戻ってくる可能性は限りなくゼロに近いと考えられます。

 

中村春根が築き上げた裏モノスロットの帝国「姫路サルーン」も跡形もなく消え去り、父親から受け継ぐはずだった巨大パチンコグループ「国際会館」も、一連の事件により規模は大きく縮小しています。

 

中村春根という男が姫路の街に残したものは、血塗られた復讐の伝説と、司法史に刻まれた異例の判決、そして今なお解明されない多くの謎でした。

 

中村春根の母親や兄弟など家族が現在、どのように過ごしているのかも不明ですが、父親の築いた会社「国際会館」は現在も存続しており、中村玉姫さんという方が代表取締役を務められています。

 

 

まとめ

 

今回は、2009年から2011年にかけて、兵庫県姫路市などで発生した「姫路監禁殺害事件」の犯人であり、伝説裏モノスロット店「姫路サルーン」の経営者としても名を知られていた中村春根についてまとめてみました。

 

中村春根の生い立ちについては、姫路を中心にパチンコチェーンを展開し勢力を拡大した「国際会館」グループを一代で築き上げた中村道夫さんを父親の持ち、裕福な家族の中で何不自由なく育ったとされています。ただ、母親や兄弟などその他の家族についてはほとんど情報がありません。中村春根が結婚していたのかも不明です

 

中村春根の顔の傷などもネットで話題になりましたが、この顔の傷がどのような理由でつけられたものなのかは現在に至るまでわかっていません。

 

中村春根の自宅は東京の高級住宅地・広尾の表参道に大豪邸を構えていたとの情報がありますが、具体的な場所や写真などは公開されていません。

 

中村春根と関西地方に多く展開するパチンコ店「モナコ」との関係も話題ですが、かつて「モナコ」を国際会館グループが運営していた事が関係しています。ただ、現在の国際会館が経営するモナコは全体の数店舗のみで、その大半は別の会社が経営していて直接的な関係はないようです。

 

また、中村春根は在日韓国人で本名を「陳春根」という事と、裏モノスロット店「姫路サルーン」を経営していた事などから、北朝鮮の工作員で資金のやり取りがあったのではないかとの疑惑を呼びましたが、現在の時点ではその証拠は確認されていません。

 

中村春根が引き起こした「姫路監禁殺害事件」の裁判では、首謀者である中村春根には無期懲役の判決が、中村春根からの指示を受けた実行犯である上村隆に対しては死刑判決が下るという、ねじれ裁判となり、司法制度の問題点を浮き彫りにしています。

 

現在、中村春根は刑務所に服役していますが、その様子を窺い知れるような情報は一切出ていません。

 

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