青森県八戸市にあるカローラ山荘(迦楼羅山荘)は心霊スポットとして有名で興味本位の侵入者が後を絶ちませんでした。
カローラ山荘の場所や歴史・院長について、内部の様子、怖い話の真相やヤバい看板、心霊写真の有無、現在の取り壊しの状態などをまとめました。
この記事の目次
- カローラ山荘とは青森県八戸市の心霊スポット
- カローラ山荘の本当の名前は迦楼羅山荘
- カローラ山荘の場所
- カローラ山荘の歴史:院長が作った精神障がい者施設!
- カローラ山荘と似た施設も!
- カローラ山荘の内部の様子
- カローラ山荘の怖い話と真相①:ジェットババァ
- カローラ山荘の怖い話と真相②:患者を虐待・虐殺&宗教施設
- カローラ山荘の怖い話と真相③:鉄格子の奥に人の顔
- カローラ山荘の怖い話と真相④:感染症のリスクあり
- カローラ山荘の怖い話と真相⑤:ドグラ・マグラの世界
- カローラ山荘の怖い話と真相⑥:宗教施設だった
- カローラ山荘は本当に心霊写真&心霊スポット?
- カローラ山荘の看板がヤバい
- カローラ山荘は現在取り壊し済み
- カローラ山荘のまとめ
カローラ山荘とは青森県八戸市の心霊スポット
出典:twitter.com
カローラ山荘とは青森県八戸市にある有名心霊スポットです。カローラ山荘には精神疾患を持つ凶暴な患者が隔離されていた施設で患者の霊が出てくるなど様々な噂があります。
山の中にひっそりとたたずむカローラ山荘の周りには、彫刻や絵画などのアート作品が展示されていて、一層不気味さを増しています。
いつ頃から廃墟となったのかは不明ですが、1990年代にはすでに廃墟になっていたようです。そして、そのまま放置されて少しずつ朽ち果てていくことで、心霊スポットとして知られるようになりました。
カローラ山荘の本当の名前は迦楼羅山荘
「カローラ山荘」は本当の名前ではありません。
トヨタ自動車の車種のカローラとは一切関係ありません。一部噂では、「廃車となったカローラが放置されていたから、カローラ山荘と呼ばれるようになった」とも言われていますが、これは正しくありません。
カローラ山荘の本当の名前は、「迦楼羅山荘(カルラ山荘)」と言います。迦楼羅とは、インド神話のガルダを前身とする仏教の守護神です。「迦楼羅天」や「迦楼羅王」と呼ばれることもあります。
そして、その迦楼羅山荘(カルラ山荘)が訛って、いつの間にか「カローラ山荘」と呼ばれるようになったようです。青森県の人たちが迦楼羅山荘(カルラ山荘)と呼んでいたら、訛っていて「カローラ山荘」と聞こえて、それが広まっていったのでしょう。
カローラ山荘の場所
カローラ山荘は、青森県八戸市大久保大山101にあります。
カローラ山荘のすぐ近くには、観音寺というお寺や美保野パークゴルフ場があります。また、1km程度離れた場所に八戸学院大学や総合リハビリ美保野病院があります。
住所としては青森県八戸市ですが、八戸市の中心部からはかなり離れた山間部にあることがわかります。
出典:google.com
東北新幹線の八戸駅からは車で25~30分程度の場所にあります。
カローラ山荘の歴史:院長が作った精神障がい者施設!
出典:ageteke.jp
カローラ山荘は1964年に開設された施設ですが、その歴史を紐解くためには八戸市にある青南病院の開院・治療方針に触れなければいけません。
1959年11月(昭和34年11月)に青森県八戸市に青南病院が開院しました。開院したのは初代院長の千葉元氏です。現在でこそ、青南病院は199床の大きな精神病院になっていますが、開院当時は41床の規模でした。
院長の千葉元氏は「薬みたいなそっだらもんに頼って、医者がつとまるか!」と精神医療において薬漬けの医療を否定し、薬を使わない治療方法を模索し、解放療法(作業療法、生活療法、芸術療法、舞踏療法)を行っていました。
その解放療法を実践する場として、開設されたのがカローラ山荘(迦楼羅山荘)です。院長の千葉元氏は、1964年9月に1300アールの広大な森を購入してカローラ山荘(迦楼羅山荘)を建築しました。
そして、森を開拓しながら、院長家族と看護人、患者で共同生活を行い、解放療法(作業療法、生活療法、芸術療法、舞踏療法)などの治療を行っていったのです。
千葉元氏は昭和59年4月に亡くなり、息子(?)の千葉潜氏が院長に就任しています。
カローラ山荘はいつ閉鎖されたかはわかっていませんが、1990年代にはすでに閉鎖されて廃墟になっているようですので、千葉元氏が亡くなってから、早い段階でカローラ山荘は閉鎖され、廃墟となってしまったと思われます。
カローラ山荘と似た施設も!
カローラ山荘は青南病院の治療施設でしたが、千葉元氏は同じような施設を八戸市内に建設しています。その施設とは「白い巻貝の砦」です。
白い巻貝の砦は、青森県八戸市金浜塩竈にあった千葉元氏が開設した精神科の治療施設で、精神科の患者さんたちが芸術療法や作業療法などを行っていました。
この白い巻貝の砦も、カローラ山荘と同じように長い間廃墟となっていましたが、2000年代に解体されて、現在は外壁のようなものだけが取り残されています。
カローラ山荘の内部の様子
廃墟マニアたちがカローラ山荘を訪れた時に撮影したカローラ山荘内部の画像が、インターネット上にアップされています。
カローラ山荘の内部には、彫刻の像や石膏の像、石像などが設置されています。これは、芸術療法を行った時の患者さんの作品と思われます。
出典:youblewit1969.hatenablog.com
出典:twitter.com
廃墟の中にこのような像があるのは、正直言ってかなり不気味です。しかも、これらの作品は精神疾患を持った患者さんが製作したもので、プロの芸術家が製作したものではないので、余計に不気味さが増しています(もちろん、作成することで治療の効果があり、上手かどうかは治療にい関係ないと思いますが)。
また、内部は完全に廃墟になっています。お経のようなものが残されているようですが、さすが正式名称が「迦楼羅山荘」というだけのことはあります。仏教の守護神の名前を取った山荘ですので、仏教の教えや瞑想のようなものをやっていたのかもしれません。
出典:youblewit1969.hatenablog.com
カローラ山荘は廃墟になった後も、作業所の木造建築やブロック造りの浴場、三角屋根の教会状建築、廃車となった日産ブルーバードの車、廃車のバスなどが鬱蒼とした森の中に長年残されていたようです。
カローラ山荘の怖い話と真相①:ジェットババァ
出典:youtube.com
カローラ山荘の怖い話には「ジェットババア」があります。カローラ山荘の周辺には、鎌を持って超高速で走って追いかけてくる「ジェットババア」が出現するというのです。
ジェットババアは、カローラ山荘で亡くなった患者さんの霊で、ジェットババアになってカローラ山荘の周辺をさまよっているというのです。「ジェットババアに捕まると、鎌で殺される」、「ジェットババアに追い抜かされると死んでしまう」などの都市伝説があります。
ジェットババアはカローラ山荘だけでなく、全国的に目撃情報が相次いでいる都市伝説です。
真相:ジェットババアは管理人だった?
カローラ山荘の周辺では、患者の霊のジェットババアが追いかけてくるという怖い話の真相は、ジェットババアはカローラ山荘の管理人だったいう説があります。
619 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:2001/05/07(月) 00:05カローラ山荘の真実です。実はカローラではなく、「カルーラ」なんだそうです。
そして、ただの精神障害者の施設で、そこに興味本位で入ってくる輩が多く、
管理人(世話人のおばちゃん)が箒を持って追っ払ったことから噂が肥大してしまった
のです。
心霊スポットとして有名になったカローラ山荘に興味本位で侵入した人たちを、管理人の人が箒で追い払ったら、侵入した人たちは「あいつ、ジェットババアじゃない?」のように面白半分で言っていたり、友だちに「カローラ山荘にジェットババアいたwww」のように冗談半分で広めたりしたと思われます。
カローラ山荘の怖い話と真相②:患者を虐待・虐殺&宗教施設
カローラ山荘の怖い話の2つ目は、カローラ山荘では患者を日常的に虐待していたというものです。また、虐待だけでなく、虐殺が行われていたというのです。
患者を虐待・虐殺していて、その遺体は敷地内に埋めていて、現在はその犠牲者たちの霊が出てきていると言われています。
真相:虐待・虐殺の事実はない!
カローラ山荘では、虐待・虐殺の事実は一切ありません。カローラ山荘は、患者を薬漬けにするのではなく、解放療法で患者さんを作業療法や芸術療法で社会復帰させるために建てられたものです。そんな精神医療施設で虐待や虐殺が行われるわけがありません。
しかも、カローラ山荘ができたのは昭和39年です。日本は高度成長期に入る時期で、社会はある程度きちんとしていた頃になります。戦前や戦後の混乱期ならともかく、1960年代に精神医療施設で虐待・虐殺なんてありません。
カローラ山荘の母体である青南病院は、現在でも精神病院として運営されています。もし、本当に虐待・虐殺があったら、すでに病院は閉鎖されているはずですよね。
カローラ山荘の怖い話と真相③:鉄格子の奥に人の顔
カローラ山荘の怖い話の3つ目は、鉄格子の奥に人の顔が浮かび上がるというものです。カローラ山荘の施設は精神医療施設ですから、患者さんが逃亡したり、暴れて窓ガラスを割ったりしないように、窓には鉄格子がはめられています。
そして、廃墟になったカローラ山荘を見に行くと、鉄格子の隙間から患者さんの顔が見えるという噂があります。その顔は、もちろん霊の顔です。
真相:カローラ山荘に鉄格子はない!
この「カローラ山荘の窓の鉄格子から霊の顔が見える」という噂は完全にデマです。なぜなら、カローラ山荘に鉄格子はないからです。
もう一度、カローラ山荘の画像を見てみましょう。
出典:twitter.com
窓の外には手すりはありますが、窓には鉄格子なんてありません。普通の家庭の窓のような感じです。窓に鉄格子がないなら、鉄格子の隙間から霊の顔が見えるなんてあり得ないのです。
では、なぜそのような怖い話ができたのか?これは、「精神病院には鉄格子がありそう」という思い込みから生まれたのでしょう。また、興味本位で侵入した人たちが、窓越しに管理人さんを見たのかもしれません。
カローラ山荘の怖い話と真相④:感染症のリスクあり
カローラ山荘の怖い話の4つ目は、侵入すると感染症にかかって死んでしまうというものです。
これは2つ目の怖い話と関連していますが、虐殺した患者の遺体は、火葬せずにそのまま敷地内に埋めてしまったから、そこから病原菌(ウイルス)が発生して、カローラ山荘の敷地内は病原菌(ウイルス)の温床となっている。
だから、カローラ山荘に侵入した人は感染して死んでしまうという噂があるんです。
真相:カローラ山荘に侵入した後もみんな元気!
カローラ山荘に侵入すると、病原菌(ウイルス)に感染して死んでしまうというのは、完全にデマです。廃墟マニアや心霊マニアがカローラ山荘にたくさん侵入していますが、みんな元気です。
感染症を発症することなく、Twitterやブログ、その他のインターネットでカローラ山荘見学レポや写真をアップしています。感染症を発症しているなら、そんなレポをアップする余裕はないはずです。
このことから、カローラ山荘に侵入しても感染症を発症するリスクはありません。
カローラ山荘の怖い話と真相⑤:ドグラ・マグラの世界
出典:amazon.co.jp
カローラ山荘の怖い話の5つ目は、ドグラ・マグラの世界に酷似していることです。
ドグラ・マグラとは探偵小説家夢野久作の代表作とされる小説で、日本探偵小説三大奇書に数えられています。
ドグラ・マグラは不思議で難解な小説なのですが、狂気に侵された主人公がいた場所は九州大学精神病科の精神科学者が創設した「狂人の解放治療場」だったという設定があります。
カローラ山荘は精神医療施設の解放療法の場所でした。似たような設定ですよね。ドグラ・マグラは「本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす」と言われる奇書ですので、カローラ山荘は、ドグラ・マグラの世界を体現した施設なのではないか?という噂があるんです。
真相:ただの偶然?映画のロケ候補になったことも?
ドグラ・マグラは1935年に刊行された小説で、カローラ山荘は1964年に作られた施設です。そのため、カローラ山荘を作った千葉元氏がドグラ・マグラの影響を受けていたという可能性は否定できません。
ただ、普通に考えれば、ただの偶然だった可能性が高いでしょう。
ドグラ・マグラは1988年に映画化されていますが、カローラ山荘と千葉元氏の思想を知った映画関係者が、カローラ山荘で映画を製作しようとする計画があったとも言われています。
カローラ山荘の怖い話と真相⑥:宗教施設だった
カローラ山荘の怖い話の最後は、宗教施設だったというものです。カローラ山荘は怪しげな宗教施設であり、そこで洗脳や虐待、虐殺が行われていたという噂があります。
真相:精神医療施設で間違いない
カローラ山荘は宗教施設ではありません。青南病院関連の精神医療施設です。
山の中の怪しげな廃墟というだけで、宗教っぽい感じがしますし、カローラ山荘には治療の過程で作成された石像や彫像などが置いてあるので、ちょっと不気味な雰囲気・宗教的な雰囲気があるために、このような噂が作られたのだと思います。
カローラ山荘は本当に心霊写真&心霊スポット?
カローラ山荘は全国的に有名な心霊スポットです。でも、本当に霊が出るのでしょうか?考察した通り、カローラ山荘の怖い話は全部デマである可能性が高いです。
また、インターネット上にはカローラ山荘の心霊写真は1枚もありません。
出典:youtube.com
心霊スポットと言われるようになったのは、敷地内に侵入した人たちが石像や彫像を霊だと見間違えたからかもしれません。はじめしゃちょーの動画でも、上記の画像のように白い石像がぼんやりと浮かび上がっていて、まるで霊のように見えました。
だから、カローラ山荘は実は心霊スポットではないと言えます。
ただ、はじめしゃちょーの動画ではラップ音や子供の声が聞こえたと言っていました。(動画ではほとんど聞こえず)
カローラ山荘の看板がヤバい
カローラ山荘の敷地には、現在看板が立てられています。このカローラ山荘の看板が、ちょっとヤバいんです。
出典:ameblo.jp
でっち上げ心霊スポット
カローラ山荘にバカが来る
侵入禁止!!不法侵入者へ。林の中は伐採撤去作業中で非常に危険
「でっち上げ心霊スポット カローラ山荘にバカが来る」。この言葉はなかなかのパワーワードですよね。それだけカローラ山荘が心霊スポットだから、興味本位で見学に来る人が多いのだと思います。Youtuberのはじめしゃちょーもその1人ですね。
「カローラ山荘にバカが来る」というワードは、興味本位の侵入者を煽っているワードですが、それだけ土地の所有者・管理者は興味本位の侵入者に迷惑していると言えるでしょう。
勝手に敷地内に入ってしまうのは、不法侵入罪になりますので、気を付けましょう。
ちなみに、以前は「殺されても文句は言うな、侵入したキサマが悪い」という看板が立てられていたという話もありました。
私が聞いた話では、『殺されても文句は言うな、侵入したキサマが悪い』みたいな
立て看板があったとか・・・。
ただ、この「殺されて文句は言うな、侵入したキサマが悪い」という立て看板は、本当にあったかどうかは分かりません。ただの噂です。
カローラ山荘は現在取り壊し済み
出典:ameblo.jp
カローラ山荘は現在、すでに取り壊されています。
カローラ山荘は2018年ごろまでは廃墟として残されていましたが、興味本位の廃墟マニア・心霊マニア・Youtuberなどが次々に侵入していました。
そのことに、土地の所有者や管理人は堪忍袋の緒が切れて、建物を取り壊し、彫像などの芸術作品も撤去してしまったようです。
はじめしゃちょーの動画でも、敷地の塀はありましたが、建物はなかったようです。また、その後に森は伐採され、更地になっています。
カローラ山荘のまとめ
青森県八戸市にある心霊スポット・カローラ山荘の場所や歴史・院長について、内部の様子や怖い話と真相、心霊写真の有無や看板、取り壊しの現在などをまとめました。
カローラ山荘は「森の中にある芸術療法を行った精神医療施設の廃墟」という特殊な場所のために、心霊スポットやいろいろな噂がささやかれるようになったのでしょう。