2019年と2020年に大阪の繁華街・梅田で立て続けに起こった飛び降り事件が話題になっています。
この記事では大阪梅田の飛び降り事件での手足散乱や遺体の画像拡散、死神の噂、歩行者を巻き添えにした男子高校生への賠償請求の可能性やその後、現在などについてまとめました。
この記事の目次
大阪梅田で2年連続で発生した飛び降り死亡事件の概要
大阪の繁華街・梅田(大阪府大阪市北区)では、2019年と2020年に2年連続で飛び降り死亡事件が発生しており、そのいずれの事件も様々な観点からネット上でかなり注目されています。
今回紹介する大阪梅田での飛び降り事件2件のうち1件目は2019年5月4日に発生したもので、大阪府大阪市北区梅田三丁目の百貨店「大丸梅田店」などが入る商業ビル「サウスゲートビルディング」の15階〜17階にある展望デッキ「太陽の広場」の16階部分から、20代くらいの女性が飛び降りて亡くなったものです。
この事件は、ゴールデンウィーク真っ只中で人が溢れていた梅田で起こった飛び降り事件であり、40分にわたる警察の説得が試みられた後に女性が飛び降りるという展開から、居合わせた多くの人々がその現場を目撃しており、画像や動画も多数撮影されてネット上に拡散され大きな騒動に発展しました。
2件目は、2020年10月23日に大阪・梅田(大阪市北区角田町)の10階建ての商業ビル「HEP FIVE」の屋上から当時17歳の大阪府立高の男子高校生が飛び降り、下を歩いていた当時19歳の女子大学生に直撃して2人ともが亡くなった事件です。
出典:https://umeda-burabura.com/
こちらの事件では飛び降りた男子高校生が重過失致死容疑で被疑者死亡のまま書類送検されており、理不尽な巻き添えにより亡くなった女子大生の遺族が、飛び降りた高校生とその保護者に対して損害賠償を請求できるのかについても物議を醸しました。
今回はこの大阪梅田の2件の飛び降り事件についてまとめていきます。
大阪梅田の飛び降り事件① 2019年の大丸屋上からの女性の飛び降り
出典:https://buenavistacity.com/
2019年5月4日のお昼頃、百貨店・大丸梅田店などが入る商業ビル「サウスゲートビルディング」の16階に位置する、展望デッキ「太陽の広場」(地上約60メートル)の柵外側の縁の部分に、10代後半から20代くらいの女性が腰掛けているのを通行人が見つけ通報しました。
出典:https://livedoor.blogimg.jp/
通報を受けた警察官とレスキュー隊が現場に到着し警察官による説得が行われましたが、約40分後に女性は歩道へと転落し搬送先の病院で死亡が確認されました。
4日午後0時50分ごろ、大阪市北区のJR大阪駅南側にある駅ビル「サウスゲートビルディング」の16階から女性が約60メートル下の歩道に転落し、搬送先の病院で死亡が確認された。自殺とみられる。現場は大型連休中の買い物客らでにぎわっており、一時騒然とした。 曽根崎署によると、転落の約1時間前に通行人から「人が飛び降りようとしている」と110番があった。女性は20代とみられる。
女性は柵の外側に立ち上がり、何か叫ぶなどして精神状態が普通ではない様子を見せていたようです。
駆けつけた警察官は30分から40分にわたって説得を試み、手を差し伸べながら縁から離れるように話しかけていたようでしたが、女性は立ち上がってそれを拒否するような素振りを見せ、一瞬空を仰ぐようにした後に、意識を失うようにして後ろ向きに地面へと落下しました。
目撃者のSNSなどによると、昼過ぎ、女子高生のような制服を着た10代~20代前半とみられる若い女性が、屋上に現れたという。彼女は屋上の柵に座ったり何かを叫ぶなどし、明らかに不審な動きを見せていた。この状況から、現場には大勢の警察官らが駆けつけ、自殺しかねない様子の彼女に対し、30~40分にも及ぶ説得が始まったというが、最終的に彼女は死を選んでしまった。
引用:【大阪梅田飛び降り自殺】目撃者が語った、現場の状況が恐ろしい!「すごい悲鳴が…」女子高生風の女性を救出できなかった理由も
NEWSのコンサートのチケット抽選に外れたから飛び降りた説はデマ
この女性が飛び降りた日に大阪城ホールでジャニーズのグループ「NEWS」のコンサートツアーが開催されていました。
これに関連づけて、この女性が飛び降りた理由はNEWSのコンサートのチケットの抽選に外れたからだという噂が拡散されました。
しかし、これを裏付ける証拠は一切示されておらず、こじつけによるデマ情報の拡散でした。
そもそも、この飛び降りた女性が誰なのかも明らかになっておらず、NEWSのファンだったという情報が確認できているわけでもないのに、こういった噂が何故かネット上で流れ何も考えずにそれを信じた人々によって拡散されてしまったようです。
大阪梅田大丸での飛び降り事件では手足散乱を目撃したとの投稿も
出典:https://buenavistacity.com/
2019年5月の大阪梅田大丸での女性飛び降り事件では、ゴールデンウィーク中の多くの人々が転落の瞬間を目撃しました。
ネット上にも多くの書き込みがありましたが、その中に地面に衝突時の衝撃で女性の手や足がちぎれて飛び、手足が散乱しているという書き込みがいくつかあり、大阪梅田の飛び降りで女性の手足散乱などのワードが拡散される事になりました。
今日梅田行くのに
梅田で飛び降り自殺って。
落ちたときの音やばい。手足とかバラバラに飛んでったらしい。
— \ SEIHA / (@seiha929) May 4, 2019
梅田の大丸で飛び降りとか
やばすぎやん手足散乱とかえぐ
— はるにゃん (@harunyan392) May 4, 2019
目撃者のリアルタイムの書き込みなどを確認すると、手すりに当たった時に女性の手がちぎれて飛んだように見えたという内容がいくつか確認できるため、これが手足散乱といった噂に発展したようです。
ただ、60メートルの高さからの落下なので、手足散乱といった状態ではなかったとしても遺体の損傷はかなり激しかったのではないかと推測されます。
大阪梅田大丸での飛び降り事件では遺体の画像がネットに出回った噂も
大阪梅田大丸での飛び降り事件では、飛び降りた女性の遺体の画像がネット
に出回っているとする噂も拡散されました。
今日起きた梅田の女子高生飛び降り、気をつけないとグロ踏むやつやな…つーかなんでツイッターで遺体の写真まで拡散してるの…
— さいのす (@sainoswww) May 4, 2019
梅田の飛び降りのやつ調べたら遺体まで出てくるらしいよ(私は見てない)、まじ日本どうかしてるわ。なんで遺体撮れるの?女子大学生絶対そんなこと望んでないよ。
— 🎀山田るる🎀 (@RR_J_TOP4) May 5, 2019
実際には遺体の画像などは出回っておらず、噂だけが一人歩きして拡散されただけのようです。
大阪梅田大丸での飛び降り前の画像に死神が映り込んでいるという恐い噂も
大阪梅田の大丸での飛び降り事件では、飛び降りようとしている女性と駆けつけた警察官との間に黒ずくめの貴婦人のような格好をした女性が立っている画像が話題になり拡散されました。
出典:https://blog-imgs-126.fc2.com/
飛び降りという悲惨な事件の影響もあってか、この黒い貴婦人のような女性に不気味な印象や不自然な印象を抱いた方が多かったようで、「死神が写り込んだのではないか?」、「女性を死に誘おうとする死神なのではないか」といった不気味な噂が広まりました。
大阪、梅田で20代女性による飛び降り自殺前の写真で、オカルトな心霊現象が話題になってる(´・ω・`)警察官と女性の間には人が立ち入れない規制線を張っているにも関わらず、中央に黒ずくめの人影が(´・ω・`)死神なんじゃないかというが、みんなはどう思う?(´・ω・`) pic.twitter.com/aTbqVN2GFF
— もりこー(´・ω・`) (@morikou0814) May 23, 2020
梅田のスレつくられててんけど黒い貴婦人死神説。まじこわ。 pic.twitter.com/co6YFPgSdt
— もりや( ー̀εー́ ) (@moriyan1228) May 9, 2019
目撃者によると、死神とも噂されているこの黒い服装の女性は飛び降りようとする女性の最も近くにおり、警察官が説得を始めた後にいつの間にか消えていたのだそうです。
ただ、死神ではと噂されている写真が撮影されたタイミングは、ちょうど警察官が太陽の広場に駆けつけたタイミングで、この女性がデパートの制服姿のようにも見える事から、警察官が来るまでの間に女性を落ち着かせようとしていた大丸梅田店のインフォメーションセンターの女性なのではないかとも言われています。
また、ゴールデンウィーク中という事もあり、偶然居合わせたツアーガイドの女性なのではと推測する声もあるようです。
大阪梅田の飛び降り事件② 2020年のHEP FIVEからの高校生飛び降り
2020年10月23日の17時50分頃、大阪・梅田(大阪市北区角田町)の10階建ての商業ビル「HEP FIVE」の立ち入り禁止の屋上に不法に侵入した当時17歳の男子高校生がビル下の路上に転落しました。
飛び降りた男子高校生は下を歩いていた当時19歳の女子大学生に衝突し、その衝撃によって女子大学生も意識不明の重体に陥り翌24日の午後に亡くなりました。
大阪府警は24日、大阪・梅田の商業施設「HEP FIVE(ヘップファイブ)」の屋上から男子高校生(17)が転落して通行人女性が巻き添えになった23日の事故で、意識不明の重体となっていた兵庫県加古川市の大学2年生・古川賀子(ふるかわ・かこ)さん(19)が24日午後に死亡したと発表した。府警は、既に死亡した男子高校生が飛び降り自殺を図ったものとみている。
その後の報道によると、この男子高校生は従業員ようのエレベーターを使って、従業員専用フロアである10階に移動し、屋上に通じるドアの内鍵のプラスチック製のカバーを破壊して屋上に侵入。
出典:https://cloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com/
屋上へのドアが開かれると警備室のブザーが鳴る仕組みだったため、すぐに警備員が駆け付け他との事ですが、既に男子高校生は飛び降りた後だったようです。
この飛び降りの約2時間前の16時頃にも、この男子高校生は屋上に侵入しており、駆けつけた警備員の注意を受けて1度退出していた事も明らかにされています。この時には男子高校生がすぐに退出に応じたため、警備員は警察に通報はしなかったという事です。
大阪梅田HEP FIVEの飛び降りの高校生の賠償責任
大阪梅田の「HEP FIVE」からの男子高校生の飛び降り事件では、たまたま下の道路を歩いていただけの当時19歳の女子大学生が巻き添えになる形で命を落としました。
女子大生やその遺族にとってみれば、あまりにも理不尽な命の落とし方であるため、それに同情した人々からは身勝手な飛び降りをした男子高校生に対する批判的な声が少なからず出ました。
そうした流れから、飛び降りをして何の関係もない女子大生を巻き込んだ男子高校生やその保護者に対して損害賠償を行えるのかといった話題も起こり、物議を醸す事になりました。
元衆議院議員で弁護士の若狭勝さんによれば、この飛び降りのケースでは男子高校生に一般的なレベルの理解力や知能があるのであれば、この男子高校生は民法上賠償責任を負うと解説されています。
「民法の規定では、自殺した高校生が、人が集まる場所で飛び降りたら他人に被害を与える可能性のあることを理解していれば、賠償責任を負うことになっています」
と解説するのは、弁護士の若狭勝氏。
また、若狭勝さんは、賠償金額については1億円くらいではないかとも説明されています。
飛び降りた男子高校生は既に死亡しているため、その代わりに保護者である親に賠償請求をする事ができるとも説明されています。ただし、事件から3ヶ月以内に男子高校生の親が相続放棄をすれば損害賠償を負う必要はなくなるとの事でした。
「亡くなった女子大生は19歳ですが、就職していないので賠償額は1億円くらいと思われます。高校生の親が、息子の債務を相続すれば、親に賠償請求することができます。ただし、事件から3カ月以内に親が相続放棄すれば、法的に賠償請求ができなくなります」
その他、相続を放棄した場合でも、仮に男子高校生に精神的な問題があり、心身喪失状態などであったり、精神を患って精神病院に通院していたりした場合には親の監督責任を問う形で賠償を求める事が可能という事でした。
「あとは、高校生の精神状態ですね。精神的に問題があって、善悪の判断がつかないなど、心神喪失状態であったなら……。あるいは、精神を患っていて、精神病院に通っていれば、親の監督責任を問うことも可能です」
大阪梅田HEP FIVEの飛び降りでの施設側の損害賠償
大阪梅田のHEP FIVEでの高校生の飛び降り事件では、施設側に損害賠償責任はあるのかという点も注目されています。
飛び降りた男子高校生は、従業員用のエレベーターを使って従業員専用フロアへと入り、屋上へ続く扉の内鍵につけられていたカバーを破壊して屋上へと侵入しました。
侵入に気付いた警備員が駆けつけて1度は男子高校生を退出させましたが、それから約2時間後に男子高校生は再び屋上へと侵入して飛び降りを行っています。
また、男子高校生が侵入した屋上には一部建築基準法施行令に適応する高さの柵や金網が設置されていなかった事も判明し、事件後に大阪市から施設側に改善指導が行われています。
こうした点から、男子高校生の飛び降りが起きたのは施設側の管理体制の不備が原因ではないかという声も上がっています。
しかし、専門家によると施設側がこの飛び降り事件の責任に問われ賠償義務を負う可能性は低いとの事です。
事故後、屋上には一部建築基準法施行令で定められた高さの柵や金網などが設置されていなかったことが分かり、大阪市が改善するよう指導した。
短時間の間に2度も屋上への侵入を許した警備体制や、法令を満たしていない屋上の構造。ただ、建築トラブルに詳しい東京共同法律事務所の木村壮弁護士によると、施設側が事故の責任を問われる可能性は低いという。
施設側が責任に問われる可能性が低い理由としては、施設側の不備や欠陥と飛び降り事故の因果関係を証明する事が難しいためだという事です。
大阪梅田の飛び降り事件のその後や現在
大阪梅田の飛び降り事件のその後や現在にも関心を持っている方が多いようです。
しかし、今回紹介した2件の飛び降り事件は、刑事事件として取り扱われているわけではない(男子高校生は書類送検されたものの、被疑者死亡で不起訴)ため、その後の展開の続報は特に出ていません。
2020年のHEP FIVEでの男子高校生飛び降り事件では、巻き添えになって死亡した女子大学生の遺族がその後、飛び降りた男子高校生の保護者や施設に対して民事訴訟を起こしたのかなどにも興味が集まっていますが、それに関連した情報も現在のところは明らかになっていません。
ただ、いずれの梅田での飛び降り事件も現在もネット上ではよく知られていて、飛び降り事件や飛び降り未遂騒動などが起こるたびに話題にされています。
まとめ
今回は、2019年と2020年に連続で起きた大阪の繁華街・梅田の飛び降り事件についてまとめてみました。
2019年5月4日に発生した飛び降り事件は、大丸梅田店などが入る「サウスゲートビルディング」展望デッキ「太陽の広場」の16階部分から、20代くらいの女性が落下して亡くなったものでした。
この女性は太陽の広場の柵の外側のビルの縁部分に座り込んだり大声を上げたりしており、約40分にわたる警察官による説得が行われましたがその後に地上に落下して亡くなりました。
この事件はゴールデンウィーク真っ只中の繁華街での事件だっため、多くの人々が現場に居合わせており、一部始終の動画や写真をスマートフォン撮影していた人も多くいて、それらがTwitterなどのSNSで拡散されて大きな騒動を巻き起こしました。
そのため、この事件では飛び降りた女性の手足が落下の衝撃でちぎれたという情報が広まって手足散乱などのワードが関連づけられたり、女性を警察官が説得しているところを撮影した画像の死神のような女性が写り込んでいるなどとする都市伝説めいた噂が広がったりしました。
2020年10月23日には、大阪梅田にある商業ビル「HEP FIVE」から当時17歳の男子高校生が飛び降りる事件が発生。この事件では飛び降りた男子高校生がたまたま下を歩いていた当時19歳の女子大学生に直撃しその女性を巻き添えにする形で死亡させ、社会に大きな衝撃を与えました。
こちらの事件ではその後、理不尽な形で命を奪われた女子大生の遺族が、飛び降りをした男子高校生の親や施設側に対して損害賠償を請求できるのかも注目されました。
この高校生飛び降り事件のその後や現在については特に情報は出ていません。