亀岡暴走事故の加害者犯人の現在!被害者遺族/中江美則への声・裁判の判決もまとめ

2012年、京都府亀岡市篠町にて少年たちの無免許運転によって4人の命が失われるという理不尽で悲惨な事故が起こりました。

 

亀岡暴走事故の詳細や加害者少年たちの罪状や裁判の判決、被害者遺族への中傷やその後と現在をまとめました。

亀岡暴走事故は無免許暴走で3人が死亡した事故

出典:nikkei.com

 

亀岡暴走事故は、2012年4月23日に京都府亀岡市篠町で起こった交通事故です。

 

無免許の少年が運転していた軽自動車が小学生の集団登校の列に突っ込み、3人(+胎児1人)が死亡、7人が重軽傷を負いました。

 

無免許運転による大事故でしたが、この事故では加害者少年は重い罪に問うことができず、未成年だったため顔や名前も公表されることがないという理不尽な結果になりました。

 

この亀岡暴走事故の影響で、無免許運転の罪が重くなることが法律に明記されることになりました。

 

 

亀岡暴走事故の詳細

出典:ktv.jp

 

加害者少年たちの事故までの経緯

亀岡暴走事故の加害者少年たちは事故を起こす1日前の4月22日午前0時頃から、暴走族時代の友人8人と車2台に分乗してドライブを始め、乗せるメンバーを入れ替えながら、この無免許ドライブは30時間以上も続きました。

 

事故を起こした加害者少年は、22日の明け方から運転を始め、途中で仮眠をはさみながら、事故を起こすまで軽自動車を運転していました。

 

 

事故が発生

そして、4月23日午前7時58分ごろ、加害者少年は大学1年生の友人と専門学校1年生の友人の2人を乗せて、京都府亀岡市篠町の京都府道402号王子並河線を運転しました。

 

この道路は住宅街にあり、車同士がようやくすれ違えるくらいの道幅しかない道でした。

 

そこに通りかかったのが、近隣の亀岡市立安詳小学校に通う児童の集団登校の列です。小学生9人と最後尾には付き添いの保護者1人がいる列に、無免許運転の軽自動車が時速150km以上のスピードで後ろから突っ込みました。

 

この事故で付き添いの保護者と児童2人(うち1人は29日の未明に死亡)が死亡し、7人が重軽傷を負っています。

 

 

その場で逮捕

車を運転していた加害者少年は事故を起こした時、疲労から意識がない状態、つまり居眠り運転をしていたものと思われます。

 

車を運転していたのは、無免許だった当時18歳の少年で、居眠り運転でした。

 

引用:無免許居眠りの車による事故 娘を亡くした父が講演「こんな形で娘と別れることがあるとは」 | 特集 | 関西テレビニュース | ニュース | 関西テレビ放送 カンテレ

 

22日の明け方から運転を続け、仮眠だけできちんとした休憩を取らずに運転を続けていたら、居眠り運転をするのは当然です。しかも無免許なのに・・・。無免許のまま無謀な運転を続けた結果、3人の命を奪い、7人にケガを負わせました。

 

この事故では運転していた少年だけでなく、合計で6人が逮捕されています。

 

・運転していた少年:自動車運転過失致死傷と道路交通法違反(無免許)
・同乗していた少年2人:無免許運転幇助
・22日に事故車を運転していた少年2人:道路交通法違反(無免許)
・事故車の所有者の少年:無免許運転幇助(後に「教唆」に変更)

 

運転していた少年はもちろん逮捕。車に一緒に乗っていた少年2人も「無免許と知っていて運転させた」として無免許運転幇助で逮捕されました。

 

また、逮捕された加害者少年らの供述や防犯カメラの映像から、22日に無免許で運転していた仲間の少年が浮上し、その2人も無免許運転の疑いで逮捕されました。

 

さらに事故を起こした軽自動車を所有者は、「無免許運転をする」と知っていながら貸したとして、無免許運転幇助の罪で逮捕されています。この所有者の少年は無免許運転をそそのかしたとして、より重い罪の無免許運転教唆の罪に変更されています。

 

 

亀岡暴走事故の加害者少年には危険運転致死傷罪が適用できなかった

出典:jiji.com

 

亀岡暴走事故では運転していた加害者少年は、自動車運転過失致死傷罪で逮捕されました。

 

この「自動車運転過失致死傷罪」は、自動車を運転中に注意を怠って人を死傷させたという罪です。ただ、この亀岡暴走事故は「無免許」で「無謀な長時間運転で居眠りをし」、「10人を死傷させた」という悪質性の高い事故でした。

 

そのため、警察は当初、より罪の重い「危険運転致死傷罪」の適用を視野に入れていましたが、危険運転致死傷罪は適用できませんでした。

 

その理由は「危険運転致死傷罪」の要件を満たさなかったからです。この危険運転致死傷罪の要件には無免許運転や居眠り運転が含まれていませんでした。明文化されていなかったのです。

 

逆に、「未熟な運転技術」は要件として明文化されていましたが、この加害者少年は「無免許運転を以前から繰り返していたこと」、「事故前も長時間運転していたこと」などから、運転技術はあると判断されて、危険運転致死傷罪を適用することはできませんでした。

 

加害者少年は暴走族で、以前から無免許運転を繰り返していて、事故の2年前には無免許でバイクを運転し、集団暴走の道路交通法違反で逮捕され、保護観察処分を受けていました。この事実が、逆に罪を軽くすることになったのです。

 

無免許&居眠り運転なのに、「運転技術はある」というのは、なんという皮肉でしょうか。

 

 

亀岡暴走事故の被害者は3人+胎児1人

出典:asahi.com

 

公式発表では、亀岡暴走事故の被害者10人です。ただ、ここでは被害者のお腹にいた胎児も被害者に含めて説明しますので、被害者は11人とします。

 

亀岡暴走事故では4人が死亡し、7人が重軽傷を負いました。死亡した4人はこちらです。

 

・小谷真緒さん(当時7歳)
・横山奈緒さん(当時8歳)
・松村幸姫さん(当時26歳)
・松村幸姫さんの胎児(愛鈴ちゃん・妊娠7ヶ月)

 

松村幸姫さんは当時妊娠7ヶ月で、小学1年生の長女の付き添いで、集団登校の最後尾を歩いていました。

 

事故が起こった時、松村幸姫さんはまだ意識があったようで、駆けつけた救急隊に「先に子供たちを救急車に乗せて」と訴えたとのことです。

 

幸姫さんは、小学1年の長女の登校に付き添って事故に遭い、駆け付けた救急隊員に「先に子供たちを救急車に乗せて」と訴えたという。後に命を救われた児童の親から礼を伝えられ、「母として命を授かり、他の子供の命を救おうとした娘が誇らしかった」と振り返る。

 

引用:京都・亀岡暴走事故から10年 遺族が差し伸べた手 – 産経ニュース

 

このようなエピソードを知れば知るほど、この亀岡暴走事故の理不尽さに怒りが湧いてきます。

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亀岡暴走事故では被害者遺族の個人情報が流出

出典:nikkei.com

 

亀岡暴走事故では、被害者遺族は突然大切な人を失うという苦しみに襲われました。2012年4月23日の朝までは幸せに生活していたのに、無免許&無謀な長時間運転をした少年によって、時速150km以上の猛スピードで跳ね飛ばされたのです。

 

しかし、被害者遺族の苦しみはこれだけでは終わりませんでした。自分たちの個人情報が、同意がないまま加害者側に流出していたのです。

 

事故の翌々日の4月25日、京都府警亀岡警察署の担当者が被害者遺族の同意がない状態で、被害者遺族の住所や電話番号を加害者少年の父親に教えてしまったことがありました。上司への相談もなかったとのことです。

 

おそらく、加害者少年の父親も「何とか被害者に謝罪したい」という思いがあって、警察に相談したものと思われます。しかし、本人の同意なく、勝手に住所や電話番号を教えるのはアウトですよね。

 

自分の大切な人を突然失って失意のどん底にいる状態で、加害者の家族から突然連絡が入ったら、精神的なストレスは計り知れません。

 

また、被害者の学校の教頭も、被害者遺族の携帯電話番号を加害者少年の父親に教えていたとのこと。

 

2012年はもう個人情報保護の重要性は世間一般に認識されていました。それでも、被害者遺族の個人情報が、加害者側に渡ってしまうのは恐ろしいですよね。

 

この亀岡暴走事故では、おそらく謝罪のために被害者遺族の個人情報を知りたかったものと思われますが、「被害者遺族に嫌がらせをしてやろう」、「うちの息子が逮捕されたのはお前らのせいだ」のように逆恨みをする人がいる可能性はあるのですから。

 

 

亀岡暴走事故では被害者遺族・中江美則が中傷される

出典:times.abema.tv

 

亀岡暴走事故では、被害者遺族はさらなる苦しみに襲われました。

 

被害者の松村幸姫さんの父親である中江美則さんは誹謗中傷を受けることになったのです。

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中江美則さんは事故の理不尽さを訴えるために、事故の後にマスコミの取材に応じました。家族の死を無駄にしないためにも、いかに理不尽な事故だったのかを訴えたいという思いは、被害者遺族としては当然のものでしょう。

 

しかし、テレビや新聞で名前や顔が出るようになると、次のようなことを噂されるようになりました。

 

・有名人やな
・マスコミからギャラをもらっている
・あの顔だから暴力団の組長

 

「あの顔だから暴力団の組長」。ネット上の心無い書き込みを見た取引先から仕事を断られることもあった。中江さんは「安易な書き込みかもしれないが、犠牲者なのに加害者のような扱いを受けた」と唇をかみしめる。

 

引用:「マスコミからギャラ」「あの顔は暴力団」遺族追い詰めるいわれなき誹謗中傷 – 産経ニュース

 

このようなことを言われるようになったため、家族に危険が及ぶことを恐れて、孫の運動会に行くこともできませんでした。

 

「暴力団関係者」とネット上に書き込みをした福島県の高校1年生は、名誉棄損の容疑で書類送検されています。

 

 

亀岡暴走事故の裁判の判決

出典:youtube.com

無免許運転幇助・教唆の3人の判決

亀岡暴走事故の加害少年たちは家庭裁判所に送致されました。それぞれの裁判の判決を見ていきましょう。まずは事故車に同乗していた少年2人と、事故車を所有していた少年の判決です。

 

事故車に同乗していた少年2人(どちらも当時18歳)は執行猶予付きの判決が出ました。この2人は無免許運転幇助の容疑でしたが、求刑6ヶ月に対して、懲役6ヶ月執行猶予3年の有罪判決でした。執行猶予がついていますので、少年院に入ることはありません。

 

次に、車を所有していた少年の判決です。この少年は無免許運転教唆の罪での裁判でしたが、求刑は懲役1年だったものの、判決は罰金25万円でした。裁判官によると、「事故との関連は乏しく、量刑に及ぼす影響は極めて限定的」という理由での判決だったようです。

 

つまり、「無免許と知りながら車を貸したのは悪いけれど、車を貸したことと事故の関連性はあまりないから、量刑は軽い」ということですね。

 

 

加害者少年の判決は懲役5年以上9年以下

運転をしていた加害者少年の裁判の判決は、第一審では懲役5年以上8年以下の不定期刑でした。この判決を受けて、遺族側は量刑が軽すぎるとして控訴、逆に加害者側は量刑が重すぎるとして控訴しています。

 

第二審が行われ、2013年9月30日に大阪高等裁判所は懲役5年以上9年以下の不定期刑の判決が言い渡し、双方とも上告しなかったため刑が確定しています。

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ただ、無免許&無謀運転をして胎児を含め4人の命を奪っておいて、懲役5年以上9年以下というのは、あまりにも罪が軽いように思えてしまいます。

 

 

亀岡暴走事故のその後と現在①:加害者少年は全員出所済み

出典:asahi.com

 

亀岡暴走事故では運転していた加害者少年の判決が2013年9月30日に確定しました。この事故では6人が逮捕されましたが、無免許運転幇助(教唆)で逮捕された3人は執行猶予付きの判決になりましたので、少年刑務所に入ったのはこの運転していた少年1人だけです。

 

現在は、この運転していた加害者少年も出所しています。2021年9月22日に釈放されたとのことです。

 

「加害者が少年刑務所から9月22日に釈放されたことを通知するものでした。従事した作業は主として衛生係、運搬係、計算係、受刑態度は『特に良好』、改善更生の意欲の喚起および社会生活に適応する能力については、『その見込みが高い』という評価が付されていました」

 

引用:「京都・亀岡暴走事故で加害者が出所」に遺族の父親が思うこと(全文) | デイリー新潮

 

この出所は満期出所だったとのこと。つまり、判決は5年以上9年以下の不定期刑だった中で、9年間きっちり少年刑務所に入っていたということですね。

 

満期出所だったとしても、出所してきたのは27歳になる前のことです。

 

加害者が刑務所に入ったのが19歳。27歳以上になると大人の刑務所に移送しなければならないという法律の仕組みがあります。そのことを私は裁判中には知らなかった。不定期刑の最高が9年。27歳から逆算した判決なんだなと気づいたら虚しくてやりきれませんでした

 

引用:「京都・亀岡暴走事故で加害者が出所」に遺族の父親が思うこと(2ページ目) | デイリー新潮

 

つまり、裁判中から27歳になるまでには出所できることがほぼ決まっていたということになります。27歳なんて、これからいくらでもやりたいことをやることができる。人生をやり直して楽しむことができる年齢です。なんだか、やり切れないものを感じますね。

 

 

亀岡暴走事故のその後と現在②:自動車運転死傷行為処罰法が制定

出典:sankei.com

 

亀岡暴走事故は加害者少年が無免許&居眠り運転だったにも関わらず、危険運転致死傷罪を適用できず、刑が軽い自動車運転過失致死傷罪になりました。

これによって、世論は「事故の被害と量刑があまりにもかけ離れている」という方向になり、事件から約1年半後の2013年11月には「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」が制定され、無免許の場合は刑を加重されることをきちんと明文化されました。つまり、無免許で死傷事故を起こしたら、刑がより重くなるということですね。

 

法律が整備されるほど、この亀岡暴走事故は大きな事故であり、多大な犠牲を払った事故だったと言えます。

 

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亀岡暴走事故のその後と現在③:裁判記録が破棄

出典:ktv.jp

 

この亀岡暴走事故の裁判記録が廃棄されていたことが2023年に発覚しました。

 

少年事件の中でも資料的価値が高い事件は永久に保存する「特別保存」が義務付けられています。この亀岡暴走事故は法整備のきっかけにもなった事件ですので、裁判記録は永久に保存されるものと思われましたが、京都家庭裁判所によって2022年に廃棄されていたのです。

 

この廃棄は「少年事件は加害者が26歳になるまで保存」という規約ばかりに目がいって、罪状が殺人ではないために、特別保存の事件には当たらないと裁判所が勘違いしたことが原因だったようです。

 

この廃棄問題が発覚した後、最高裁判所の担当者が被害者遺族の中江美則さんに説明と謝罪をしています。

 

その上で事件記録について「記録は亡き者の叫び。人命を奪った事件についてはどんな方法でも記録を残し続けてほしい」と改めて主張。また報告書が再発防止策として掲げた第三者委の設置を巡り「専門家だけでなく、遺族の声も交えて聞いてほしい」と述べ、自身が関与することを提言したと明かした。

 

引用:「記録は亡き者の叫び」亀岡暴走事故遺族、記録廃棄で再発防止訴える – 産経ニュース

 

確かに、事件後約10年で裁判記録が廃棄されてしまうのは、被害者遺族としてはやり切れない思いがありますよね。

 

 

亀岡暴走事故のまとめ

亀岡暴走事故の詳細や加害者少年の罪状、被害者遺族の中江美則さんへの誹謗中傷、加害者の裁判判決、事件のその後と現在をまとめました。

 

亀岡暴走事故のような悲しい事故がもう二度と起こらないことを祈ります。

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