日本では売春・買春は法律で禁じられています。しかし近年、立ちんぼと呼ばれる売春婦が増加し、社会問題になっています。
立ちんぼの語源や歌舞伎町の大久保公園に増加している立ちんぼの相場や声のかけ方、立ちんぼがなぜ増加しているのか、歌舞伎町の大久保公園に立ちんぼが集まる理由、社会問題化と逮捕、現在をまとめました。
この記事の目次
立ちんぼが社会問題に…歌舞伎町・大久保公園
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東京の新宿歌舞伎町の社会問題の1つに、歌舞伎町の大久保公園の立ちんぼがあります。立ちんぼとは売春婦のことです。
歌舞伎町の大久保公園は、現在「立ちんぼのスポット」、「立ちんぼの聖地」と言われる場所になっています。
しかも、立ちんぼというと、「ソープランドやデリヘルでは客が付かないような女性」「くたびれたような中高年の女性」が多いというイメージがあるかもしれませんが、歌舞伎町の大久保公園の立ちんぼは違います。若くて美しい立ちんぼがたくさんいます。
10代後半から20代の女性がほとんどで、目鼻立ちがはっきりした美女もたくさんいると言われています。
逮捕された28歳女性は、この界隈では「橋本環奈似」で有名な立ちんぼだったという。
引用:「橋本環奈似28歳美女」の“有名たちんぼ”が初めて「過去の客待ち行為」で逮捕…それでも大久保公園から「立ちんぼ女子」が「消えない理由」(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)
しっかり見定めてもらいたいからか、マスクを外している女性も多い。スタイルがよく目鼻立ちが整った女性ばかりだ。
引用:新宿・歌舞伎町で20代の「立ちんぼ女子」が“増殖中” 中年男性との「交渉バトル」を実況中継(2ページ目) | デイリー新潮
歌舞伎町の大久保公園の立ちんぼは、コロナ禍以降に増え続け、20~30人の女性がズラッと並ぶ日も珍しくありません。
立ちんぼの語源は?現在は「交縁女子」
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立ちんぼの「立ちんぼう(立ちん坊)」です。立ちん坊という言葉が短くなって、「立ちんぼ」になりました。
では、なぜ売春婦を立ちんぼ(立ちん坊)と言うようになったのでしょうか。
立ちん坊には、元々次の2つの意味がありました。
1 長い時間ずっと立ちつづけていること。立ちどおし。たちんぼ。「—で待ち続ける」
2 明治から大正のころ、道端に立っていて、通りがかりの車の後押しなどをして駄賃をもらった人。たちんぼ。
1.の意味はただ単に「ずっと立っている」ことです。
さらに、2.の「道端に立って通りがかりの車の後押しなどをして駄賃をもらっていた人」は、簡単に言えば、道端に立って仕事を探していた日雇い労働者です。
道端に立って客に声をかけられるのを待っている売春婦は、1の意味の「ずっと立っている」を満たし、さらに2の意味の「道端に立って仕事を探す日雇い労働者」の意味も満たしています。
ここから、道端に立つ売春婦を「立ちんぼ」というようになったのでしょう。
また、路上に立つ売春婦を立ちんぼと呼ぶようになったのは、実はここ20年~30年くらいのようです。
おそらく2014年の改訂のころ、『三国』の編集者や執筆者は「新宿で立ちんぼをしてた」というような言い方が多くなったと気がついたのでしょう。
なお、次々に出てくる新語を毎年捉えて報告している新語辞典の『現代用語の基礎知識』(自由国民社)を1980年後半から最近までずっと調べましたが、「たちんぼ」「たちんぼう」の語は採録されていませんでした。
引用:エッセイ > 「立ちんぼ」考(やはり気になることば・79) 遠藤織枝 | ウィメンズアクションネットワーク Women’s Action Network
元々の意味である「立ちん坊」は昔からある言葉ではあるものの、路上の売春婦を意味する「立ちんぼ」は実は歴史が浅い言葉であると言えるでしょう。
立ちんぼは現在「交縁女子」
歌舞伎町の大久保公園に立つ立ちんぼの女性たちは、現在「交縁女子」と呼ばれるようになっています。
立ちんぼが交縁女子と呼ばれるようになったのは、「立ちんぼ」という言葉のイメージが悪いからでしょう。
いわゆる「立ちんぼ」のことだ。彼女らのメインの活動場所である「公園」にかけて「交縁」としたその言葉は、キャッチーな響きもあり、人気YouTuberや大手メディアが大々的に取り上げ、公園周辺にはますます「売りたい女性」と「買いたい男性」が集まるようになった。
引用:「手錠が痛かった」歌舞伎町の大久保公園で覆面警察に逮捕されたアイドル似“交縁少女”の告白【前編】|NEWSポストセブン
「パパ活女子」のように「○○女子」のようにすると、ちょっとポップなイメージになって、「売春している」、「体を売っている」、「違法行為をしている」というイメージが薄まります。
『大久保公園に立つ立ちんぼ=大久保「公園」+「援交(援助交際)」+パパ活女子=交縁女子』となったのだと思います。
立ちんぼの相場
歌舞伎町の大久保公園にいる立ちんぼの相場は30分で1万円、1時間で1万5000円~2万円。ホテル代は別です。
だいたい相場は、1万5000円から2万円くらいで、女性が売春しています。
相場はSNS募集だと2万、大久保公園で立ちんぼする時はゴム有で1.5万くらい。週2~3日で、1番多くて1日に5人相手して、稼ぎは最高で15万くらい。
引用:(3ページ目)「立ちんぼも親に言いました。そしたら『自分で稼げるならそれでいいよ』みたいな(笑)」現役トー横キッズの15歳女子が語る大麻・パパ活・家庭環境の過酷すぎる実態 | 文春オンライン
大久保公園の立ちんぼの中には、1日6~10万円を稼ぎ、週3~4日立って、月130万円以上稼ぐつわもの立ちんぼもいるとのこと。中級~高級ソープ嬢と同じくらい稼ぐことができる立ちんぼもいるんです。
立ちんぼの声のかけ方
歌舞伎町の大久保公園の立ちんぼと遊びたい時の声のかけ方は自由です。とりあえず、何でもいいから声をかけてみましょう。
・いくらで遊べる?
・交渉出来ますか?
・いくら?
大久保公園の辺りを歩いていたら、向こうから声をかけてくれることもあります。声をかけた女性が立ちんぼだったら、値段とホテル代は別かどうかなどを教えてくれます。交渉が成立したら、きちんとどんなプレーがOKなのかも確認しておくと良いでしょう。
声をかける時のポイントは、公務員っぽくしないことです。
逮捕・摘発するために警察がおとり捜査をすることがあり、立ちんぼの女性たちはかなり警戒しています。そのため、公務員っぽい&警察官っぽい男性に対しては、本当は立ちんぼで客を探しているのに、立ちんぼではないふりをするかもしれません。
立ちんぼはなぜ増加?社会問題になった理由
歌舞伎町の大久保公園の立ちんぼは、現在社会問題になっています。なぜ、社会問題になるほど立ちんぼが増加したのかを考えていきましょう。
新型コロナウイルス流行でお金に困った女性が増加
立ちんぼがなぜ増加したのか、その理由の1つ目は新型コロナウイルスの流行です。
2020年に新型コロナウイルスが流行し、飲食業・接客業を中心に経済活動が停滞しました。
このコロナ禍で、ソープランドやデリヘルに勤めていた女性、キャバクラなどに勤めていた女性、そのほか接客業・飲食業で稼いでいた女性は仕事が激減し、経済的に困窮するようになりました。
その結果、立ちんぼをする女性が増加したのです。2020年にはナインティナインの岡村隆史さんもラジオで同じようなことを言って大炎上しましたよね。
新型コロナウイルスの影響で性風俗店に行けないという内容のメールに対し、岡村さんが「コロナが収束したら絶対面白いことあるんですよ。コロナが明けたらなかなかの可愛い人が、短期間ですけれども美人さんがお嬢やります。これ何でかって言うたら、短時間でお金を稼がないと苦しいですから」などと発言した。
本当に経済的に困窮したという理由で「短期間だけ」と決めて立ちんぼを始めた人も、短時間で大金を稼ぐことができてしまうという麻薬的な感覚から抜け出すことができずに、そのままズルズルと立ちんぼを続けてしまうケースもあるようです。
しかし2日後、歌舞伎町の路地裏には幸恵さんの姿があった。そう簡単に長い習慣からは抜け出せない。1回の行為で1日分を稼ぐ仕事を知ってしまった感覚の麻痺もあるかもしれない。
1回行為をすれば、今まで苦労して稼いできた2日分の給料を手に入れられると実感してしまうと、地道に稼ぐのが馬鹿らしく感じてしまうものなのかもしれません。
ホストクラブの売り掛けで困る
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ホストの売り掛け金のために立ちんぼになる女性が急増していることが社会問題になりました。
ホストクラブの売掛金(つけ払い)の返済のために女性が路上に立つケースが急増し、社会問題化。
引用:歌舞伎町ホストクラブ「売掛金」規制の大誤算…“立ちんぼ女性”減少せず「立て替え」「闇金への仲介」まん延の“カオス”な実態とは?(弁護士JPニュース) – Yahoo!ニュース
新宿歌舞伎町にはたくさんのホストクラブがありますが、その多くで「売り掛け」と呼ばれる制度がありました。ホストクラブの売り掛けとは、後払い制度。つまり、「つけ払い」です。
ホストクラブではその時にはお金を持っていなくても、「後で払えばOK」という売り掛け制度があります。
ホストにハマっている女性は、担当のホストの売り上げのために、その時にはお金を持っていなくても売り掛けを使って貢いでいくのです。その場ではお金を払う必要がないので、女性は担当ホストのためにどんどんお金を使います。多いときは数百万円、1000万円近くなることもあるようです。
このホストクラブの売り掛けの特徴は、このつけ払いの借金をお店が持つのではなく、担当ホストが肩代わりする点です。給料から天引きなどで、担当ホストが女性客の代わりに店に支払う形になるので、担当ホストは女性客から必死に売掛金を回収しようとします。
でも、ホストにハマり、売掛金で遊ぶような若い女性は高額な売掛金なんて払うことができません。その結果、担当ホストに懇願されて、もしくは強要されて、立ちんぼになるのです。
そして、立ちんぼで男性に体を売ったお金をホストに貢ぎます。
大久保公園の立ちんぼの約半数がこの売り掛け金のためだったというデータもあります。
警視庁保安課によると、2023年の買春目的で客待ちをした疑いで逮捕された140人のうち、43%が「ホストクラブなどでの遊興費や売掛金(ツケ)を支払うため」だったという。
引用:「橋本環奈似28歳美女」の“有名たちんぼ”が初めて「過去の客待ち行為」で逮捕…それでも大久保公園から「立ちんぼ女子」が「消えない理由」(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)
ホストのために立ちんぼをして、おじさんに体を売る若い女性たち。
歌舞伎町の経済システムは、サラリーマンやおじさんが若い女性に貢ぎ、若い女性がホストに貢ぐという流れで成り立っていると言われています。
中抜きがなく手っ取り早い
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立ちんぼが増えた理由の3つ目は、立ちんぼは中抜きがなく手っ取り早いことです。
デリヘルやソープランドに勤めた場合、嬢の手元に入るのは6~7割と言われています。例えば、90分20,000円のコースでも、ソープランドなら嬢には1万2,000円~1万4,000円しか入りません。でも、立ちんぼなら20,000円全額、女の子の手元に入ります。
もちろん、デリヘルやソープランドはお店が管理してくれるので、客とトラブルになった時にお店が守ってくれるなどのメリットはあります。しかし、「とにかく手っ取り早く稼ぎたい」という女の子にとっては、立ちんぼの方が魅力を感じるのでしょう。
また、風俗店で働く場合、面接があったり、入店前に実技講習があったりしますが、立ちんぼはそれがありません。しかも、自分で客を選ぶことができますし、働く時間も自分で決めることができます。
何の手続きも面倒もなく、自分がやりたいように働くことができるのが立ちんぼであり、お金がない若い女性にとっては、「簡単に手っ取り早くお金を効率的に稼ぐことができる」と思える仕事なのでしょう。
立ちんぼはなぜ歌舞伎町の大久保公園に集まるのか?
歌舞伎町の大久保公園はなぜ立ちんぼが集まり、立ちんぼの聖地と言われるようになったのか、その理由を次の3つがあると考えることができます。
・近くに安いラブホテル街がある
・ホストクラブが近い
・口コミ
主にこの3つが、歌舞伎町の大久保公園に立ちんぼが集まる理由になります。
大久保公園近くには休憩で4000~5000円くらいの格安ラブホテルが複数ありますので、立ちんぼと客には都合の良い場所なのです。
また、新宿歌舞伎町のホストクラブがすぐ近くにあります。売掛金回収のために担当ホストに強要されて立ちんぼをするにはちょうど良い場所と言えます。
大久保公園で立ちんぼをして、そのお金でホストクラブに行くという女の子もいます。
このような理由で立ちんぼの女の子が集まってきて、そこに客が集まってくる。そこからさらに「大久保公園な簡単に売春できるらしいよ」という口コミが生まれ、立ちんぼをしたい女の子がさらに集まってきたものと考えることができます。
立ちんぼが大量逮捕
歌舞伎町の大久保公園は立ちんぼの聖地と言われるような場所で、1日20~30人の女性が並んで立っていることもあります。
そんな立ちんぼの聖地である歌舞伎町大久保公園を、警察は野放しにしていたわけではありません。2023年だけで140人の女性を逮捕しました。
警視庁は昨年(2023年)1年間で、17歳から56歳の女、計140人を売春の客待ち行為をした容疑で現行犯逮捕するなど、摘発を強化していた。
1年間で140人の逮捕者ってすごいですよね。警察もおとり捜査のようなことをして、積極的に摘発・逮捕しているそうです。
本当に普通の見た目で。スーツとかでもなくて、顔も格好も『普通のおじさん』。慣れてない様子でキョロキョロしていて。とりあえず遊ばない?みたいに私から声をかけて、ホテルの前まできたところで『ところでいくらくらいなの?』と聞かれたので『一万五千円~かな』と答えたところで『お姉さん、ごめんなさい、警察です。現行犯逮捕です』って手錠をかけられた。
引用:「手錠が痛かった」歌舞伎町の大久保公園で覆面警察に逮捕されたアイドル似“交縁少女”の告白【前編】|NEWSポストセブン – Part 2
もちろん売春は違法行為ですので、逮捕されるのは当然のことですが、女性を買う男性側も同じようにどんどん摘発してもらいたいですね。
立ちんぼと歌舞伎町の大久保公園の現在:イタチごっこで社会問題に
出典:zakzak.co.jp
歌舞伎町の大久保公園の立ちんぼは、2023年に大量に逮捕されたことで、2023年末にはあまり姿を見かけなくなったと言われています。
また、ホストクラブの売り掛けが社会問題になり、2024年4月1日から新宿歌舞伎町の多くのホストクラブで、売り掛けを廃止しています。売り掛けが禁止されれば、立ちんぼになる女性は少なくなるかと思いきや、減少はしていないようです。
ホストクラブでは売り掛けが廃止されていますが、コンカフェ(コンセプトカフェ)の担当に売り掛けで貢ぐ女性も多く、結局はイタチごっこのような状態になっています。
逮捕してもホストクラブで売り掛けを廃止しても、生活に困り、推し活にお金をとめどなく使い続ける女性はいるのです。
ということは、女性が推し活を辞めない限り、「好きな男性にとことん貢ぐ」という生活を辞めない限り、立ちんぼになる女性は次から次へと登場するものと思われます。
立ちんぼのまとめ
歌舞伎町の大久保公園の立ちんぼの語源や相場・声のおかけ方、なぜ立ちんぼが急増し、社会問題になったのか、歌舞伎町の大久保公園に立ちんぼが集まる理由、逮捕と現在をまとめました。
歌舞伎町の大久保公園の立ちんぼは、現在の日本の社会問題を集約したようなものかもしれません。