フジテレビの退屈貴族の中で燃え盛る火の中を老人が歩くという放送事故がありましたが、この事件はどこまで真実かがわかっていません。
フジテレビの退屈貴族の老人火あぶり致死事件の詳細と犯人や番組出演者、真実と嘘の根拠などをまとめました。
この記事の目次
老人火あぶり致死事件とは
出典:youtube.com
老人火あぶり致死事件は2012年に、週刊文春でフリージャーナリストの中川一徳さんが書いた『発掘スクープ とんねるず番組だけじゃない フジテレビがヒタ隠す “火渡り”で老人に重傷を負わせた最低の番組』という記事が掲載されて、発覚した放送事故です。
フジテレビのバラエティ番組の中で、老人が燃え盛る火の上を歩き、大やけどを負ってその後に亡くなったという事件です。
フジテレビの「退屈貴族」で火の上を歩かせる
フジテレビの「退屈貴族」という番組の中で、出演者を笑わせるためにスタッフはとある老人に目を付けました。その老人は、以前に日本テレビに「幽体離脱をし、火渡りをする老人」として出演していた人物で、その老人に出演依頼をします。
老人は久しぶりにテレビから声がかかったことが嬉しかったのか、その出演依頼を快諾しています。
撮影当日、段ボールを縦長に通路のように敷いて、その上に灯油を撒いて火をつけました。火はその老人の太もも~腰あたりまで燃え盛りました。そして、老人はその火の中に一歩踏み出します。
あまりの火の強さに、老人は途中で離脱しますが、その時点では足の裏の皮膚はめくれていて、両脚は赤くただれている状態でした。
フジテレビスタッフは2万円を渡して退散
老人は「今日は火が強いね」とつぶやき、その場で足にオロナインを塗っています。老人は脚に大やけどを負っていたため、スタッフが背負ってタクシーに乗せ、家まで送っていきました。
スタッフは病院に行くかどうかを尋ねたところ、老人は「大丈夫」と答えたため、出演料2万円を渡して、1人暮らしの老人を1人家に残した状態でスタッフは引き上げています。
けいれんを起こして救急搬送
老人は一人暮らしでしたが、隣には兄夫婦が住んでいました。そして、撮影から5日後に兄夫婦は老人が1人でけいれんを起こしているところを発見し、老人は救急搬送されました。
老人の熱傷は体表面の3割にものぼり、熱傷の深度はⅢ度に達していました。体の表面の30%にも及ぶ熱傷は「重症熱傷」に分類されます。
老人は搬送の翌日に体温が34℃まで下がり、意識不明・多臓器不全の状態に陥りました。その後、何度も手術をすることになり、皮膚移植などの手術が続き、老人は一時的に呼吸停止や吐血、臓器不全にもなったとのことです。
フジテレビは嘘の報告
重度の火傷を負った老人を診察した病院は、事件の可能性があるとして、警察に届け出ます。そして、警察はフジテレビに対して、調査するように命じます。
しかし、フジテレビはその番組撮影の担当者の名前などを把握していたにも関わらず、「調査したが、該当する様なロケは行っていない」と回答しています。
さらに、警察庁からフジテレビに天下りしていた人物が警察署に出向き、隠ぺい工作を指示したという情報もあります。
これらのことから、警察は「フジテレビでロケをして火傷を負った」というのは、老人の嘘だと判断して、事件性はなしとして処理しています。
「独居老人」と「天下のフジテレビ+警察OB」ではどちらの話を信じるのか?どちらの話の信用性が高いのか?と考えると、やはり「天下のフジテレビ+警察OB」なのでしょうか。
炎上後にようやく認める
フジテレビは、警察から老人の熱傷について調査を命じられたにも関わらず、フジテレビは「事件性なし」と判断されたためか、事件から約1ヶ月半後にそのVTRを「退屈貴族」で放送しました。この時点で、老人はまだ危篤状態だったとのことです。
しかし、番組を見た視聴者から「やりすぎ!!!」と苦情が相次いだため、炎上してしまいました。それでようやく、フジテレビはそのロケの存在と事故があったことを認めたんです。
フジテレビがロケの存在を認めたことで、番組スタッフは兄夫婦に謝罪に行きました。
兄夫婦は番組を見ておらず、「老人が自ら自分を売り込んで出演することになった」と思いこんでいて、本当は番組側が出演を持ち掛けたことを知らなかったため、「弟にも責任はあるから」と大事にはならずに、その場は丸く収まっています。
番組スタッフは自分たちから出演オファーをしたことを兄夫婦に黙っていて、兄夫婦に事件の真相を話すことはありませんでした。
老人は死亡
老人は事件後、何度も手術を行いましたが、回復することはありませんでした。自分で一度も歩くこともできず、一度も自宅に帰ることもできず、2007年9月に火傷による腎不全で亡くなっています。
老人火あぶり致死事件を起こしたフジテレビ「退屈貴族」と出演者
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老人火あぶり致死事件を起こしたフジテレビの退屈貴族とは、どのような番組だったのか覚えていますか?
「退屈貴族」とは
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退屈貴族とは、フジテレビで2003年10月~2004年3月に月曜日の深夜24時58分~25時28分のの30分枠で放送されていたバラエティ番組です。
ココリコの2人がすべてのものに飽きてしまって退屈している「田中直樹=田中ナオキスキーIII世」、「遠藤章造=遠藤ショウゾニーモ貴族」に扮し、ゲスト2人と一緒に面白いVTRを真顔のまま見て、笑わないようにする。笑ってしまったら、顔が映らなくなるという罰ゲームが執行されるというコンセプトの番組です。
老人火あぶり致死事件の時の出演者
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老人火あぶり致死事件の時の出演者はこちらです。
・遠藤章造
・熊田曜子
・ラサール石井
この日は熊田曜子さんとラサール石井さんがゲストでした。老人火あぶり致死事件のVTRでは、火の中を歩いている時には誰も笑っていませんでしたが、最後に「英語で11は?」とスタッフに聞かれて、老人が「セブンイレブン」と答えた時に田中直樹さんが笑っていました。
老人火あぶり事件の犯人は誰なのか?
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番組スタッフ?
この老人火あぶり致死事件では、番組スタッフが最大の犯人と言えるでしょう。
・スタッフが「お願いします」と促した
・火傷がひどいのに、独居老人を一人で置いていった
・その後何も連絡しなかった
・兄夫婦の誤解を解かず、「老人から出演依頼をしてきた」とした
それよりなにより、あの火を見て「ヤバイ!中止!」と思わないのはヤバイですよね。
老人は段ボールを持参してきていて、スタッフが灯油3リットルを用意してきたとのことです。
老人は段ボールを燃やすだけのつもりだったのに、スタッフはさらにそこに灯油を追加して、火の勢いと燃焼温度を高めたのです。段ボールを燃やすだけだったら、老人が以前に出演した番組の二番煎じになってしまうから、今回は火の勢いを強めようと思ったのかもしれません。
ただ、あの火の勢いで下半身はパンツ1枚で脚は素肌をさらして歩かせるのはどう考えても危険です。
フジテレビ上層部?
フジテレビ上層部も、この老人火あぶり致死事件の犯人と言えるかもしれません。フジテレビ上層部は、この事件を最初否定していて、「そんなロケはしていない」と言っていたのです。そのため、事件になることはありませんでした。
また、老人の治療費はフジテレビが支払っているとされていましたが、実際は公費で賄われていたとのことです。
しかし事故の公表はせず、主要スタッフを「退屈貴族」担当から外した以外、一切の処分を行わなかった。また老人の治療費はフジテレビが負担したとしているが、実際には全額公費によって賄われている。」
事件を公表せず、さらに治療費を払わず、スタッフの処分も行わない。さらに、警察には警察OBを向かわせてもみ消したとなれば、フジテレビ上層部の責任は非常に大きいと言えます。
老人火あぶり致死事件は真実か嘘かを検証:真実の可能性
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この老人火あぶり致死事件は真実であるという意見と、嘘ではないかという意見が二分しています。まずは真実であるという意見の根拠を見ていきましょう。
署名記事である
老人火あぶり致死事件は署名記事で書かれました。この記事を書いたのは、フリージャーナリストの中川一徳氏です。
この中川一徳氏は、「メディアの支配者(上・下)」で2005年に第27回講談社ノンフィクション賞・第4回新潮ドキュメント賞を受賞しているジャーナリストです。その人物の署名記事ですから、この記事の信ぴょう性は高いと言えます。
かなり火の勢いは強い
退屈貴族のVTRを見ると、老人が歩く時の火の勢いはかなり強いことが分かります。あの火の中を歩けば、Ⅲ度の熱傷・体表面積の30%を火傷するのも納得です。
あの火の勢いを見る限り、老人が重症熱傷を負い、死に至ったというのは真実のように思えます。
フジテレビの対応が怪しい
フジテレビの対応が怪しすぎるのも、この老人火あぶり致死事件が真実であるという証拠でしょう。警察から問い合わせがあった時、フジテレビは最初はそのロケの存在自体を否定しています。
そして、視聴者からの苦情が殺到して、ようやく事件を認めているのです。この対応を見ていると、フジテレビはできることならこの老人火あぶり致死事件をもみ消したかったことは間違いありません。
「もみ消したい=表には出したくない不都合な真実」ですから、この老人火あぶり致死事件は真実だった可能性が高いのです。
裁判も起こしていない
この報道は2012年になって週刊文春に掲載されました。もし、この記事が嘘であれば、フジテレビは週刊文春に抗議して、名誉棄損などの裁判を起こすはずです。
でも、フジテレビは裁判どころか抗議もしていません。ただ、スルーしただけです。抗議も裁判もしていないということは、裁判をやっても勝つことはできない。つまり、事実であると認めているようなものです。
裁判沙汰になったら負けるし、下手に抗議をしたら、世間にフジテレビの悪行が知れ渡ることになる。だから、スルーしたのではないでしょうか。スルーしたということは、フジテレビがこの老人火あぶり致死事件は真実であると認めたようなものと言えるでしょう。
老人火あぶり致死事件は真実か嘘かを検証:嘘の可能性
出典:twitter.com
次は、老人火あぶり致死事件が嘘であるという根拠です。
さすがにオンエアしないのでは?
老人火あぶり致死事件は深夜とはいえ、地上波でVTRが放送されました。これは事実です。
もし、本当にこの老人がこのロケが原因で火傷をして危篤状態になっていたら、さすがにVTRは流さずに、オンエアしないのではないでしょうか。
いくらではVTR上では大やけどを負ったように見えなくても、警察から問い合わせがあるほど事態になれば、普通ならお蔵入りするはずです。
地上波できちんと放送されたということは、老人火あぶり致死事件はなかったのかもしれません。
さすがにもみ消せない?
老人火あぶり致死事件は警察が介入することになりましたが、フジテレビが「ロケの事実はない」と言い、フジテレビに天下りした警察OBの計らいで、老人の自責事故として処理されています。
しかし、いくらフジテレビと警察OBの力があったからと言って、老人が危篤状態になるほどの事件をもみ消すことができるのでしょうか?そう考えると、老人火あぶり致死事件は嘘だった可能性が出てくるのです。
重傷には見えない
老人火あぶり致死事件が嘘だという根拠には、老人が重傷には見えないことです。老人は火の上を歩いた後、若干顔色は悪いですが、元気な様子でスタッフの問いかけにも軽快に答えていました。
あの様子を見ると、多臓器不全を起こして、死亡するほどの重症には見えないのです。だから、老人火あぶり致死事件は嘘、もしくは話を盛っているだけではないか?と言われているのです。
ただ、火傷はその場では大丈夫なように見えても、時間の経過と共に状態が悪化することもあるのです。
後追いしない&タイミングがおかしいい
老人火あぶり致死事件が嘘だという最後の根拠は、後追い記事が出ないことです。これだけのスクープですから、普通だったら週刊文春の記事が出た後に、後追い記事が出るはずです。でも、この老人火あぶり致死事件は後追い記事がありませんでした。
ということは、フェイクニュースだった可能性があります。そもそも、事件自体は2003年ごろに起こっていて、老人が亡くなったのは2007年。そして、記事が出たのは2012年のことです。さすがにタイミングがおかしいですよね。
2011年8月頃からフジテレビへの抗議活動が強まり、記事が出たのはフジテレビ批判記事が多く出ていたころですから、フジテレビへの攻撃材料として、昔の噂話レベルの記事を出してきた可能性は捨てきれません。
老人火あぶり致死事件のまとめ
フジテレビの老人火あぶり致死事件の詳細や退屈貴族の出演者や事件の犯人、事件は真実か嘘かなどをまとめました。
この老人火あぶり致死事件がどこまで真実で、どこから嘘なのかはわかりません。ただVTRを見る限り、あの燃え盛る火の中を歩かせたフジテレビの責任は重いと思います。