2000年6月11日に発生した「宇都宮宝石店放火殺人事件」が注目されています。
この記事では宇都宮宝石店放火殺人事件の詳細、犯人の篠沢一男の生い立ちや嫁や息子などの家族、身勝手極まりない犯行動機、裁判での死刑判決と現在などについてまとめました。
この記事の目次
宇都宮宝石店放火殺人事件の詳細
2000年6月11日に栃木県宇都宮市江野町の宝石店「ジュエリーツツミ宇都宮店」で発生した「宇都宮宝石店放火殺人事件」の詳細を時系列順にみていきます。
宇都宮宝石店放火殺人事件の詳細① 犯人の篠沢一男は以前にも犯行を計画し失敗
宇都宮宝石店放火殺人事件の犯人・篠沢一男(事件当時49歳、産業廃棄物処理会社相談役を名乗っていたが事実上無職)は、1998年頃から栃木県宇都宮市の宝石店「ジュエリーツツミ宇都宮店」に客として通っており、何度か取引も行っていました。
篠沢一男は、女性店長に高額な宝石を自宅へと運ばせた上で強奪し、その後口封じのために殺害しようと計画し、2000年5月29日にジュエリーツツミ宇都宮店を訪れました。
篠沢一男は、女性店長に8000万円相当の取引を求めますが、たまたま滞在していた本店の男性店員が篠沢一男の身元を不審に思い警戒したため計画は未遂に終わっています。
宇都宮宝石店放火殺人事件の詳細② 篠沢一男が再び来店し商談を持ちかける
2000年6月1日、篠沢一男は再びジュエリーツツミ宇都宮店を訪れて、5月29日に無理な取引を要求した事を謝罪し、次は現金を持って商品を購入する旨を伝えています。
そして、同年6月11日17時頃、篠沢一男は用意したガソリンをブランドバックに隠して同店に来店し、そのバッグの中に現金1億5千万円を用意してきたので宝飾品を売って欲しいと、女性店長に伝えました。
女性店長は現金を用意してきたという篠沢一男の言葉を信じて商談が成立し、希望する宝飾品の用意に時間がかかるため、閉店後に再び来店して欲しいと篠沢に伝えています。
篠沢一男が一旦帰った後、同店店員は周囲の系列店や時計店から篠沢の希望する宝飾品などを集め、女性店長は本社に閉店後の19時30分に商談を行う事を連絡しています。
宇都宮宝石店放火殺人事件の詳細③ 篠沢一男が商談中に態度を豹変させ従業員を拘束
同日19時30分、篠沢一男は約束通りジュエリーツツミを訪れ、希望していた宝飾品の現物の確認を行いました。21時50分頃、本社から商談の状況を尋ねる連絡が入り、女性店長は「間も無く取引が終了する」と伝えており、この時点では問題は発生していませんでした。
篠沢一男は商品の選別を終えると、「清算の時には従業員全員に立ち会ってほしい」と求め、その時店舗にいた6人の女性従業員全員を集めると態度を豹変させました。
篠沢一男は隠し持っていた刃物を突きつけて従業員らを脅し、女性店長に従業員5人の両手を粘着テープで縛らせました。
その後、篠沢一男は自ら粘着テープで女性店長と他の従業員の両手両足を粘着テープで拘束し、全員の目にハンカチをあてた上からテープを巻き付けて目隠しをし、さらに全員を休憩室の中に閉じ込めました。
宇都宮宝石店放火殺人事件の詳細④ 従業員にガソリンをかけて火をつけ全員を殺害
篠沢一男は、集めた従業員の足元にバッグの中に隠していたガソリンをまき、さらに1人の上半身にもガソリンをかけ、ライターで火をつけて逃走しました。
火災は翌日午前0時15分頃に鎮火されましたが、店内から従業員6名の焼死体が発見されました。遺体は完全に炭化しており、男女の区別もつかない有様だったという事です。
宇都宮宝石店放火殺人事件の詳細⑤ 防犯カメラ映像などから篠沢一男を逮捕
事件後、店舗の防犯カメラに記録されていた映像や、ジュエリーツツミのブラックリストに載っていた事などから、篠沢一男がすぐに容疑者として浮上し、事件翌日の正午頃に任意同行の上、強盗殺人と放火の疑いで逮捕されています。
その後の取り調べで、篠沢一男は女性ばかりの店舗を狙って犯行に及んだ事を認めました。
宇都宮宝石店放火殺人事件の犯人・篠沢一男の生い立ち
「宇都宮宝石店放火殺人事件」の犯人の篠沢一男の生い立ちを見ていきます。
篠沢一男は栃木県小山市の生まれで、高校を中退後に関西の蕎麦屋に丁稚奉公に出ていましたが数年で辞めています。その後は実家へと戻り、父親の援助を受けて地元でうどん屋を開業しますが、経営に行き詰まってすぐに廃業しています。
その後は、料理店で働くなどしていましたが、これも長続きせずにすぐに辞め、それからは家族の脛を齧って高級外車を乗り回し、高級ブランド品を買い漁って、月10万円を支払って愛人を囲うなどし、さらにギャンブルにのめり込んで多額の借金を抱えたようです。
宇都宮宝石店放火殺人事件の犯人・篠沢一男の嫁や息子などの家族は?
篠沢一男の嫁や息子などの家族についての情報はなく不明です。生い立ちで見たようにロクでもない人間だったようなので、結婚していたとは考えづらく、嫁も息子もいなかった可能性の方が高いように思われます。
宇都宮宝石店放火殺人事件の犯人・篠沢一男の犯行動機
生い立ちで見たように、篠沢一男は自分の欲望のままに家族の脛を齧って豪遊した挙句、借金を抱えるような人間でした。「宇都宮宝石店放火殺人事件」の犯行動機も、楽して金を得るという事のみでした。
宇都宮宝石店放火殺人事件の犯人・篠沢一男の判決は死刑
犯行の内容や身勝手な動機から見ても当たり前ですが、篠沢一男の裁判での判決は「死刑」でした。
裁判では、篠沢一男は「脅すつもりで火をつけたら偶然爆発しただけで殺すつもりはなかった」などと、殺意を否定し最高裁まで争われましたが、そのような主張が認められるわけはなく、「経緯や動機は誠に自己中心的なもので、酌量の余地は全くない」と断罪され、2007年2月に死刑判決が確定しています。
宇都宮宝石店放火殺人事件の犯人・篠沢一男の現在…死刑執行で死亡
「宇都宮宝石店放火殺人事件」の犯人・篠沢一男は、死刑確定から3年半後の2010年7月28日に死刑が執行され、現在は既に死亡しています。
篠沢一男の死刑執行時の最後の言葉は「ゴルァ!おまえら、殺す気かー!?」だったそうです。
まとめ
今回は、2000年6月11日に発生した「宇都宮宝石店放火殺人事件」についてまとめてみました。
犯人の篠沢一男は、楽して大金を得たいという動機だけで、「ジュエリーツツミ宇都宮店」の女性店長を言葉巧みに騙して1億4千万円相当の宝飾品を用意させて奪った上、刃物で脅して従業員6名を拘束しガソリンを撒いて焼き殺しました。
篠沢一男は犯行翌日に強盗殺人と放火の容疑で逮捕され、その後に死刑判決を受けました。
その後、2010年7月28日に死刑が執行され、篠沢一男は現在は既に死亡しています。