沖縄のやんばるに新たにオープンしたジャングリア沖縄の現在が話題です。
この記事ではジャングリア沖縄の場所や料金、営業時間やアクセス方法、運営会社などの基本情報から、「しょぼい」、「ガラガラ」などの口コミや評判、失敗を心配する声や現在の状況などについてまとめました。
この記事の目次
ジャングリア沖縄は沖縄北部「やんばる」地域に開業の巨大テーマパーク

出典:https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/
「ジャングリア沖縄(JUNGLIA OKINAWA)」は、2025年7月25日に沖縄本島北部の「やんばる」地域にオープンした巨大テーマパークです。
総工費約700億円を投じ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)をV字回復させたことで知られるマーケター・森岡毅氏が率いる株式会社「刀」が手掛ける一大プロジェクトとして、開業前から大きな期待を集めていました。
しかしその一方で、開業前から「失敗」、「しょぼい」といったネガティブな憶測が飛び交い、開業後は「ガラガラ」といった声や、運営への厳しい口コミや評判も見られるようです。
ここでは、そんな「ジャングリア沖縄」について、料金や営業時間、場所やアクセス方法、主要アトラクションや施設などの基本情報から、なぜ「失敗」、「しょぼい」などのネガティブな声が出ているのか、その背景にある過去の経緯や立地やコンセプトへの懸念、そして開業後の現在の評判や口コミ、今後の課題までを詳しくまとめていきます。
ジャングリア沖縄の場所や主要アトラクションなどの基本情報

まずは、「ジャングリア沖縄(JUNGLIA OKINAWA)」の場所やその特徴とコンセプト、主要なアトラクションなどの基本的な情報を紹介します。
ジャングリア沖縄の場所と規模
ジャングリア沖縄は、沖縄本島北部、名護市と今帰仁村(なきじんそん)にまたがる広大なゴルフ場の跡地に建設されました。敷地面積は約60ヘクタールに及びます。
この場所は、2021年に世界自然遺産に登録された「やんばる」の森に連なる地域であり、この場所には希少な動植物が生息する豊かな自然環境が残されています。
ジャングリア沖縄のコンセプトは「Power Vacance!!」

ジャングリア沖縄はコンセプトを「Power Vacance!!(パワーバカンス)」としています。
神秘と生命力に満ちた世界自然遺産「やんばる」の広大な自然を舞台に、都会の喧騒から離れ、本能が貫かれるほどの解放感と、興奮と贅沢が融合した唯一無二の体験を提供することを目指しているという事です。
USJやディズニーランドのようなキャラクターや映画の世界観を前面に出すのではなく、沖縄ならではの亜熱帯の自然そのものを最大限に活かし、リアルな体験価値を追求しているのが最大の特徴となっています。
ジャングリア沖縄の主なアトラクションと施設
ジャングリア沖縄では、「興奮」と「贅沢」をテーマにした多彩なアトラクションや施設が用意されています。
ダイナソー・サファリ(DINOSAUR SAFARI)

リアルに動く巨大な恐竜たちが生息するエリアを、専用の装甲車に乗って探検するスリル満点のアトラクションです。
ホライゾン・バルーン(HORIZON BALLOON)

巨大な気球に乗り、標高約200mの高さからやんばるの森と沖縄の美しい海を360度一望できるアトラクションです。
スカイフェニックス(SKY PHOENIX)

ジャングルの上空を滑空する絶叫系ジップラインです。
バギー・ボルテージ (BUGGY VOLTAGE)

自分でバギーを運転し、やんばるの森の中を駆け抜けるアトラクションです。
ファインディング・ダイナソーズ(FINDING DINOSAURS)

迷子になった恐竜の赤ちゃんを探す、家族で楽しめる冒険型アトラクションです。
スパ・ジャングリア(SPA JUNGLIA)

地下1600mから湧き出る天然温泉を使用したスパ施設です。ジャングルの中でリラックスできるインフィニティ温泉が最大の目玉です。
この他にも、やんばるの森について学べるショーや、地元の食材を活かしたレストラン、オリジナルグッズが揃うショップなどが15箇所以上設けられています。
ジャングリア沖縄の料金体系と営業時間
ジャングリア沖縄の基本の料金体系は以下の通りです(2025年12月時点)
ジャングリア沖縄の基本入場チケットの料金
| チケットの種類 | 対象 | 料金(税込) | 内容 |
| 1デーチケット | 大人(12歳以上) | 6930円 | パークへの入場とアトラクション利用が可能な基本的なチケットです。 |
| 子供(4~11歳) | 4950円 | 3歳以下は無料で入場できます。 | |
| パーク&スパ 1Dayチケット | 大人(12歳以上) | 9570円 |
パーク入場と、隣接する温泉施設「スパ ジャングリア」の利用がセットになったチケットです。500円分のフードカートクーポンが付いており、個別で購入するよりお得になっています。 |
| 子供(4~11歳) | 6490円 | ||
| スパチケット | 大人(12歳以上) | 2400円(税抜) | 「スパ ジャングリア」のみを利用する場合のチケットです。 |
| 子供(4~11歳) | 1400円(税抜) |
ジャングリア沖縄のプレミアムパスの料金
ジャングリア沖縄の「プレミアムパス」は、1デーチケットなど入場券に追加して購入することで、人気アトラクションの待ち時間を短縮したり、体験時間を指定して予約できる有料のオプションチケットです。
主なプレミアムパスの料金例(税込)
ジャングリアスプラッシュフェス:990円
ファインディングダイナソー:1870円
ツリートップトレッキング:1980円
グラビティドロップ:2640円
ダイナソーサファリ&やんばるフレンズ(2アトラクションセット):2970円
注意点として、プレミアムパスの利用には、別途入場チケット(1デーチケットなど)が必要です。1人につき1枚のプレミアムパスが必要です。
ジャングリア沖縄の営業時間
「ジャングリア沖縄」の営業時間は季節や天候状況、曜日などによって変動しますが、概ね午前10時から営業を開始しています。夜間には花火ショーが開催される日もあります。
営業時間の最新の情報は公式サイトで随時更新されるため、都度確認する事が推奨されます。
ジャングリア沖縄へのアクセス方法

「ジャングリア沖縄」へのアクセス方法を詳しくまとめていきます。
ジャングリア沖縄へのアクセスは、主に「自動車(レンタカー)」と「バス」の2つの方法があります。
ジャングリア沖縄への自動車(レンタカー・自家用車)でのアクセス方法
自由度が高く、最も早く到着できる可能性が高いのが自動車でのアクセスです。特に小さなお子様連れや大人数で訪れる際におすすめです。
那覇空港からの主なルート
那覇空港から沖縄自動車道(高速道路)を利用するのが一般的で、最も早いルートです。
ルート概要:那覇空港 → 豊見城・名嘉地IC → 沖縄自動車道 → 許田IC → 国道58号・県道71号などを経由 → ジャングリア沖縄
推定所要時間:約1時間30分~2時間
交通状況により変動します。特に朝夕の通勤ラッシュの時間帯は那覇市内や名護市周辺で渋滞が発生しやすいため、時間に余裕を持った出発が推奨されます。
高速料金:940円(普通車、那覇IC~許田IC)
ジャングリア沖縄には複数の駐車場があり、目的や予算に応じて選ぶことができます。
ジャングリア沖縄パーキング(有料)
料金:1日 2000円(税込)
特徴:パークに最も近い駐車場です。スムーズな入場のため、公式サイトからの事前予約が必要です。
スパ ジャングリアパーキング(有料)
料金:2時間まで500円、2時間超えは3000円(税込)
特徴:予約不要ですが、台数に限りがあります。
提携パーキング(無料・予約不要)
ジャングリア沖縄の提携パーキングとしてイオン名護店 屋上駐車場などがあります。
料金は無料ですが、パークから離れているため、専用の無料シャトルバスで移動します。イオン名護店からは片道約35分ほどです。
ジャングリア沖縄へのバスでのアクセス方法
運転の負担なく、車窓からの景色を楽しみながら移動できるのがバスのメリットです。那覇空港や那覇市内、主要なリゾートホテルなどからパークへ直行する「ジャングリアエクスプレス」の利用が便利です。
ジャングリアエクスプレス(直行シャトルバス)
那覇空港や那覇市内、美ら海水族館、一部のオフィシャルホテルなどからジャングリア沖縄までを結ぶ予約制のシャトルバスです。
乗車場所によって所要時間と料金は変わるため都度確認してください。
目安として、那覇空港からなら片道2500円ほど、沖縄美ら海水族館からは片道500円ほどでシャトルバスが運行されています。
シャトルバスはほとんどの場合事前予約が必要で、公式サイトや各バス会社のウェブサイトから予約可能です。
直行のシャトルバスを運行するオフィシャルホテルとして、オリエンタルホテル沖縄リゾート&スパ、オリオンホテル モトブ リゾート&スパ、カヌチャリゾートなどがあります。(ただし、宿泊者限定の場合あり)
路線バスを乗り継いでのアクセス方法も
路線バスを乗り継いでアクセスする事も可能です。
那覇空港から名護市役所前まで高速バスで行き、そこからジャングリアエクスプレスに乗り換えます。
ジャングリア沖縄へのその他のアクセス方法
タクシー
料金は高めになりますが、ホテルなどから直接アクセスできるため、大人数で費用を分担できる場合や、小さなお子様、ご高齢の方がいる場合に便利な選択肢です。
那覇空港からタクシーを利用した場合の料金の目安は約20000円~25000円ほどです。
フェリーとバスの乗り継ぎ
那覇の泊港(とまりこう)から名護漁港まで高速船で移動し、そこからシャトルバスで向かう方法もあります。渋滞を避けたい方におすすめです。
どのアクセス方法を選ぶかは、出発地、人数、予算、そして旅のスタイルによって異なります。事前に計画を立て、必要に応じて予約を済ませておくことで、当日の移動がスムーズになります。
ジャングリア沖縄の運営会社は株式会社刀とジャパンエンターテイメント

「ジャングリア沖縄」の運営会社は「株式会社刀」と「株式会社ジャパンエンターテイメント」です。
プロジェクトを主導するのが、マーケティング精鋭集団として知られる「株式会社刀」で、代表取締役CEOの森岡毅さんは、P&Gを経てUSJに入社し、数々の革新的なアイデアで経営危機にあったUSJをV字回復させた立役者として知られています。
森岡毅さんは、USJ時代から沖縄でのテーマパーク構想を温めていましたが、USJの経営体制の変更により一度は断念していました。その後、2017年に「刀」を設立し、この沖縄プロジェクトを実現するために再度動き出したという経緯があります。
ジャングリア沖縄の実際の運営は、「刀」が筆頭株主である「株式会社ジャパンエンターテイメント」が担っています。同社は、このテーマパーク事業を通じて沖縄の経済活性化や社会課題の解決に貢献することをミッションとして掲げています。
ジャングリア沖縄の口コミと評判…「しょぼい」などの声もあり賛否両論

2025年7月に開業したばかりの沖縄の新たな巨大テーマパーク「ジャングリア沖縄(JUNGLIA OKINAWA)」ですが、壮大な自然を活かしたコンセプトで大きな期待を集める一方、開業直後からSNSやレビューサイトでは賛否両論、様々な口コミや評判が飛び交っています。
ジャングリア沖縄のポジティブな口コミ・評判まとめ
多くの来場者が称賛する口コミや評判として多く見られるのが、まずキャスト(スタッフ)のホスピタリティが挙げられます。また、沖縄の雄大な自然を活かしたアトラクションや、テーマパークの食事のクオリティに対する高い評価も目立ちます。
アトラクション・ショーについて
「スカイフェニックス」をはじめとする、やんばるの森の上空を滑空するようなアトラクションについては、「恐怖感がダイレクトに伝わってきて面白かった」、「他では味わえない爽快感があった」などの自然との一体感と爽快感を評価する口コミや評判が目立ちます。
「ダイナソー・サファリ」については、リアルな恐竜の動きや臨場感が子供だけでなく大人も楽しめるといった口コミや評判が目立ちます。夜はライトアップされ、昼間とは違った幻想的な雰囲気を味わえる点も魅力という声も見られます。
また、「トレジャーハント」のような探索型アクティビティは、家族や友人と協力して楽しめる点を評価した口コミや評判が多く見られます。
ヤンバルクイナと会話ができる「やんばるフレンズ」も、某有名テーマパークのアトラクションを彷彿とさせ、子供連れの家族から人気を集めているようです。
食事・グッズについて
「テーマパークの食事は雰囲気重視で味はそこそこ」というイメージを覆すほど、食事が美味しいという口コミや評判が多数見られます。特に「ジャングリア ハンバーグ」は、そのボリュームと味の良さでかなり話題になっているようです。
いかにもなお土産物とは一線を画し、トレンドを意識したアパレルやバッグなど、デザイン性の高いオリジナルグッズが揃っている点も好意的に評価されています。
スタッフの対応・その他
スタッフの対応についてはおおむねポジティブな口コミや評判が多いようです。
「フレンドリーでプロフェッショナル」、「嫌なキャストが1人もいなかった」など、スタッフのホスピタリティを称賛する声が非常に多く見られます。
また、併設の「スパ・ジャングリア」は、世界最大級のインフィニティ風呂をはじめ、洞窟風呂やジェットバスなど多彩な浴槽があり、「広くて気持ち良かった」と癒やしを求める層から高い評価を得ています。
その他、開業当初の混雑が緩和され、「空いていて快適に過ごせた」「人気アトラクションの待ち時間がゼロだった」という口コミも出てきており、ゆっくり楽しみたい人にとっては狙い目だという意見もあります。
ジャングリア沖縄のネガティブな口コミ・評判まとめ
上記のような好意的な口コミや評判の一方で、期待値が高かっただけに厳しい意見も少なくありません。特に、広告イメージとのギャップ、アトラクションの待ち時間や運営方法、コストパフォーマンス、そしてアクセスの悪さなどが主な批判の対象となっています。
広告とのギャップ・世界観について
「広告が盛りすぎ」、「CGと違いすぎる」などの口コミが見られます。開業前のCMやイメージビジュアルで煽られた期待感に対し、実際のアトラクションは「期待外れ」、「しょぼい」と感じたという口コミが多数確認できます。
特に、ティラノサウルスに追いかけられるような迫力あるシーンが実際にはなかったことへの失望の声が見られます。
また、園内が殺風景で、「何に没入すればいいのかわからない」という意見があります。例えば、地面に恐竜の足跡をつけるなど、世界観を補強する細やかな演出が不足しているとの指摘です。こうした非日常をテーマにしたアトラクションでの没入感の欠如という点は致命的で、冷静に全体を観察されてしまい、結局は作り物であるアトラクションへの「しょぼい」という評価につながります。
沖縄の自然がそれだけで雄大なだけに、ハリボテ感のある恐竜にギャップを感じて「しょぼい」と感じる方も多いと思われます。
アトラクション数や運営について
「園内がガラガラなのに人気アトラクションは1時間以上待つ」という矛盾した状況への不満を訴える口コミが数多く確認できます。これは、アトラクションの絶対数が少ないために来場者が集中してしまうことが原因だと考えられます。
また、長い時間待ったにもかかわらず、アトラクションの体験時間自体が10分程度で終わってしまい、満足度が低いという声があります。
悪い口コミや評判に拍車をかけているのが、開業当初に発生した公式アプリの不具合やチケットシステムのエラーでした。整理券の配布方法が急遽変更になり、長時間並んでもアトラクションを体験できなかったといった報告も出ています。
屋外アトラクションが中心のため、沖縄特有のスコールや台風、強風など悪天候時に運休しやすい点が大きなデメリットとして挙げられています。実際に、風が原因で気球のアトラクションが中止になったという口コミも見られます。
料金・コストパフォーマンスについて
大人一人約7000円という料金設定に対し、「アトラクションの数や内容を考えると割高」、「コストパフォーマンスが悪い」といった口コミが多く見られます。
待ち時間を短縮するための「プレミアムパス」を追加購入しないと効率的に楽しめないという指摘も多く、実質的な値上げと捉える向きもあります。
アクセス・施設について
那覇空港から車で約2時間という立地は大きな障壁と認識されています。公共交通機関も十分ではなく、レンタカーが必須である点を指摘する口コミも見られます。
また、最寄りの駐車場が有料(2000円)で事前予約が必要なことや、無料駐車場が遠く離れたイオン名護店で、そこからさらにシャトルバスで30分以上かかる点に不満を抱く口コミが多いようです。
施設面に関しては、強い日差しを遮る場所が少なく、休憩できるベンチも不足している点を指摘する口コミが多く見られます。応急処置的に設置された休憩スペースも「急ごしらえ感が強く世界観と合っていない」といった口コミが確認できます。
ジャングリア沖縄は「ガラガラ」で早くも失敗だという見方も

ジャングリア沖縄には開業前から現在に至るまで、様々な懸念や批判の声が多く見られます。
「失敗するのではないか」、「行ってみたらしょぼかった」、「園内がガラガラだった」といった声も多く見られるようです。
過去のUSJ沖縄計画の失敗
そもそも、現在のジャングリア沖縄の計画は、運営会社は「株式会社刀」の森岡毅さんがかつてUSJで進めていた「USJ沖縄進出計画」が源流となっています。2014年頃から本格的に検討されていたこの計画は、沖縄県民の大きな期待を集めていました。
しかし、2016年にUSJの親会社がアメリカのメディア大手コムキャストに変わったことによる方針転換で、この計画は白紙撤回されたという経緯があります。
この1度目の「挫折」は、沖縄に大きな失望感をもたらしたと同時に、「そもそも沖縄北部のテーマパーク事業はビジネスとして成立が難しいのではないか、失敗の可能性が高いのではないか」という疑念を生む一因となりました。ジャングリア沖縄は、この過去の経緯を乗り越え、事業性を証明するという宿命を負っていると言えます。
ジャングリア沖縄が失敗だと言われる理由
「やんばるの自然を活かした体験」というコンセプトは、他のテーマパークとの差別化において大きな強みである一方、失敗の原因にもなり得ると指摘されています。
沖縄は台風が多く、年間を通して雨の日も多いです。そうした条件の沖縄での屋外アトラクションを中心としたテーマパークは悪天候時に運営できなかったり、魅力が半減してしまったりといったリスクがあります。実際に、オープン当日は台風の影響で一部アトラクションが中止となり、ジャングリア沖縄を作ったのは失敗だったという見方が噴出する事につながりました。
また、「ジャングリア沖縄」では現状、絶叫系アトラクションと、自然散策やスパといったリラックス要素が混在しており、どのような層をメインターゲットとしているのかが分かりにくい、という指摘もあり、こうした統一性の欠如が失敗につながるという意見が出ています。
さらに、ディズニーランドやUSJのように、シーズンごとのイベントや新しいパレード、キャラクターとのグリーティングといった「何度も訪れたくなる」強力な動機付けを、自然体験というテーマでどこまで生み出せるかは未知数という点も指摘されています。
開業後にSNSに溢れた「ガラガラ」という口コミ
「ジャングリア沖縄」は、開業から数ヶ月が経過した頃、XやInstagram、YouTubeなどで、「平日の昼間に行ったら人がほとんどいなかった」、「アトラクションの待ち時間がゼロだった」「エリアによっては誰も歩いていない」といった趣旨の口コミ投稿が、閑散とした園内の写真や動画と共に投稿されました。
開業3ヶ月でガラガラ「ジャングリア沖縄」 pic.twitter.com/R40scmhmnu
— のぶりん (@nobunobunobune) November 25, 2025
これらの投稿は拡散力が高く、「ジャングリ沖縄はガラガラで閑古鳥が鳴いている」というイメージを多くの人に与えました。
こういったガラガラという声に対して、「開業ブームが落ち着いた平日なら当然」、「むしろ空いていて快適」という意見もありますが、経営の先行きを不安視し「失敗するのでは」と心配する声が高まるきっかけとなっています。
こうした見方に対して運営側は着実な来場実績があると発表していますが、世間の「ガラガラ」というイメージとの乖離をどう解消するかが課題になります。
実際には「ジャングリア沖縄」はガラガラに見えるだけという分析も
「ガラガラ」で閑散としているという口コミが目立っている「ジャングリア」沖縄ですが、これはそう見えているだけという分析も可能です。
ジャングリア沖縄の敷地面積は約60ヘクタールと広大です。そのため、多数の来場者数がいても、人々が園内全体に分散する事で人口密度が低く見えてガラガラという印象を与えているだけと考えられます。特に、アトラクション間を結ぶ通路や、広場のようなスペースでは、人がまばらにしか見えず、閑散としてガラガラだという印象を与えやすくなります。
そして、「ガラガラ」問題の核心とも言える点として、アトラクションの「数」と「キャパシティ」の問題が挙げられます。
現状のジャングリア沖縄は、極めて広大な敷地に対して、アトラクションの絶対数が多くありません。その結果、来場者の興味が数少ない人気アトラクションに集中してしまいます。
園内は空いていてガラガラに見えるのに、乗りたいアトラクションは大行列となり、アトラクションの処理能力(キャパシティ)も来場者数に追いついていないという状況を生んでおり、「快適に過ごせない」、「コストパフォーマンスが悪い」という不満を生み、ひいては「運営がうまくいっていないのでは?」、「だから客足が遠のいてガラガラなのでは?」という憶測を呼ぶという悪循環となっています。
「ジャングリア沖縄」が失敗するか成功するかは、今後のアトラクション展開と運営方法の見直しに懸かっているとも言えそうです。
ジャングリラ沖縄の現在の状況
開業後の現在、ジャングリア沖縄は様々な課題に直面しながらも、改善に向けた取り組みを続けています。
ジャングリラ沖縄の現在① 運営会社の改善努力
運営会社のジャパンエンターテイメントは、来場者からの声を重要な指標とし、日々の改善を積み重ねていることを公式に発表しています。
具体的には、人気アトラクションの待ち時間短縮のため、運営方法の見直しや、時間帯別の入場チケットの導入などを実施を掲げており、これにより、一部アトラクションでは開業当初に比べて1.3倍の来場者を案内できるようになったという事です。
また、地元沖縄県民を対象とした割引チケットを販売するなど、リピーター確保と地域貢献に向けた施策も行っています。
公式サイトでは、「PROGRESS REPORT」を公開し、改善の進捗状況や地域との連携について積極的に情報を発信しています。
ジャングリラ沖縄の現在② 経済効果と地元の期待が高まっている
ジャングリア沖縄は、1000〜1500人規模の新規雇用を創出すると見込まれており、長年の課題であった沖縄北部の振興の起爆剤として大きな期待が寄せられています。これまで観光客が那覇などの中南部に集中しがちだった「南北問題」を解決する一助となる可能性を秘めています。
また、単体での集客だけでなく、美ら海水族館など周辺の観光施設との周遊を促し、北部エリア全体の滞在時間を延ばすことで地域経済全体への波及効果を目指しています。
ジャングリラ沖縄の現在③ 新規投資と将来の展望
運営側は、開業後の来場実績は着実であるとしており、早くも次の投資計画を発表しています。
2026年のゴールデンウィーク頃には、新たな大型ライドアトラクション「やんばるトルネード」の開業を予定しており、今後も積極的な投資を継続していく姿勢を見せています。
プロジェクトを主導する「株式会社刀」の森岡毅さんはインタビューで、このジャングリア型の「1000億円未満の設備投資で造れるパーク」のモデルは世界中に展開できる可能性があり、その第一歩としてジャングリア沖縄を成功させることが重要だと語っています。
まとめ
今回は、2025年7月25日に沖縄本島北部の「やんばる」地域に開業した巨大テーマパーク「ジャングリア沖縄(JUNGLIA OKINAWA)」についてまとめてみました。
ジャングリア沖縄は現在、「しょぼい」、「ガラガラ」などのネガティブな口コミと評判がネット上で目立ち、700億円をかけて事業は失敗だったのではないかとの声も見られるようです。
しかし、ジャングリア沖縄が失敗かどうかを現在の時点で断定するのは早すぎます。
確かに、那覇からのアクセスの悪さ、天候に左右されやすいコンセプト、そして開業後に噴出した「広告とのギャップ」や「ガラガラ」といったネガティブな評判は、決して軽視できない課題ではあります。
しかし、その一方で、「ジャングリア沖縄」は、USJ再建で圧倒的な実績を持つ森岡毅さんが率いる運営会社「株式会社刀」が、長年の構想の末に世に送り出したプロジェクトです。そして、実際の運営会社である「株式会社ジャパンエンターテイメント」は寄せられる批判や課題をデータとして分析し、日々改善を積み重ねているようです。
また、沖縄北部の経済振興という大義もあり、地元からの強い期待を集めています。
ジャングリア沖縄は現在、大きな産みの苦しみを経験している最中と言えるかもしれなませんが、開業当初の過剰な期待から生まれた失望感を乗り越え、沖縄の雄大な自然という唯一無二の価値を、来場者の満足という「リアルな体験」へと着実に転換していく途上とも言えます。
そして、一度訪れただけでは終わらない、リピートしたくなる魅力を継続的に創出できるかどうかは、2026年に予定されている新アトラクションの導入が、その一つの試金石となりそうです。
現状、期待と不安が交錯するこの巨大プロジェクトが、沖縄の未来、そして日本の観光産業の未来にどのような一石を投じるのかにも注目が集まります。















