小松田辰乃輔さんはいじめの加害者から糾弾され、中学の不適切な対応による二次被害が原因で自殺をしたと認定されました。小松田辰乃輔さんのいじめの内容や自殺未遂、犯人からの糾弾、生い立ちや家族、親、知的障害、中学の学校名、現在をまとめました。
この記事の目次
小松田辰乃輔はいじめを苦に自殺
小松田辰乃輔さんは、高校1年生・15歳の時にいじめを苦に自殺をしました。
15歳だった小松田辰乃輔さんは、小学校の頃からいじめに遭っていて、自殺未遂を繰り返していました。担任の先生や学校に相談しても、きちんと対応してもらえず、それどころか不適切な対応で追い詰められしまいます。
中学校卒業後は特別支援学校の高等部に進学した後は欠席せずに通っていましたが、バスで中学の同級生に偶然会い、「辰乃輔が通っている学校は学校じゃない」と言われて、中学校時代のいじめのトラウマがよみがえるようになり、精神的に不安定になっていきました。
そして、2019年9月7日、祖父母の家に泊まりに行き、翌日の8日未明に自宅近くのマンションの11階から飛び降りて自殺しました。
小松田辰乃輔へのいじめ内容
小松田辰乃輔さんは、小学校の頃からいじめを受けて苦しんでいました。小学校高学年からいじめが始まり、そのいじめは中学生になってもずっと続いていたのです。
野球チームでいじめ
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小松田辰乃輔さんは小学5年生の頃に、少年野球チームに入りました。そこでいじめが始まります。
小学6年生の夏休みに、少年野球チームで合宿に行き、トロッコ列車に乗る機会がありました。
しかし、小松田辰乃輔さんは、ほかのメンバーから一緒に乗ることを拒否されたのです。
このことは、自殺後に設置された新調査委員会によって「いじめ」に認定されています。
この時のいじめの加害者の1人は、福島県の原発事故の被災地から引っ越してきた時に「放射能がうつる」と同級生から嫌がらせを受けていましたが、その子のことを小松田辰乃輔さんは守っていたそうです。それなのに、逆に小松田さんをいじめるようになってしまいました。
野球チームで性被害
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小学生の頃に所属していた少年野球チームでいじめに遭っていましたが、小松田辰乃輔さんはその野球チームでは性被害にも遭っていました。
朝、目を覚ますと、少年野球チームの指導者が酔っ払って、辰乃輔さんの頭部に陰部を乗せていたいう。
引用:川口いじめ自殺「教育委員会は大ウソつき」 被害うったえ続けた15歳少年を「黙殺」した教育現場の汚点 – 弁護士ドットコム
小学校6年生の頃に、少年野球チームの合宿に行き、そこでチームメイトからはいじめに遭い、指導者からは性被害を受けていたのです。
この合宿の後に、最初の自殺未遂をしています。また、性被害を受けた後から小松田さんは手洗いやシャワーの時間が長くなったそうです。ガス代が高くなり、ガス業者からは「家族、増えましたか?」と聞かれるほどでした。
ガス代も高くなり、ガス屋さんからは『家族、増えましたか?』と聞かれるほどでした。それだけ、自分が汚いと思うようになっていました
引用:《埼玉15歳イジメ自殺》野球チームの代表が頭に陰部を乗せ、チームメイトの親は「いじめられるほうが悪い」 15歳少年を追い詰めた恐怖の二次被害”とは | 文春オンライン
あまりにも悲しく胸糞が悪い合宿であり、少年野球チームですよね。
サッカー部でいじめ
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小松田辰乃輔さんは中学校に入ると、サッカー部に入りますが、そこでもいじめは起こりました。サッカー部に入ってすぐの2016年5月ごろからいじめが始まります。
・試合中に水筒の中身を飲まれてしまう
・シャープペンシルの芯が折られる
・上級生から邪魔だから試合に来るなと言われる
・悪口を言われたり、仲間外れにされる
・カバンをスパイクで踏みつけられる
これらのいじめを小松田さんは担任に手紙で訴え、一部の生徒は謝罪しましたが、学校はいじめと認定することはありませんでした。
中学のクラスでもいじめ
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クラスメイトにもサッカー部員がいたようで、クラスでもいじめは起こりました。小松田辰乃輔さんがいじめを担任に相談した時には、担任が加害者にストレートに注意したため、加害者は担任から見えないところでイジメるようになりました。
担任にも相談したが、クラスの加害者に対してストレートな物言いで指導したためか、担任が見えないところでのいじめが始まった。
引用:人生に「さよなら」した15歳少年が残した悲鳴 「教育委員会は大ウソつき」との手紙 | 週刊女性PRIME | 東洋経済オンライン
中1の9月になると小松田辰乃輔さんは精神的に不安定になり、腹痛や発熱に悩まされるようになりました。さらに一時的に失踪するようにもなったそうです。
さらに、体育祭ではクラスの女子生徒から「しんちゃんのせい優勝できなかった」と非難されたこともありました。
これらのいじめを苦に、体育祭の翌日には自殺未遂をしています。
小松田辰乃輔は自殺未遂を6回行っていた・・・
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小松田辰乃輔さんはいじめを苦に自殺をしましたが、それまでに6回の自殺未遂をしています。
・2015年9月下旬:自室で首を吊ろうとして入院
・2016年9月19日:自宅で首を吊って救急搬送
・2016年10月26日:自宅で首を吊ろうとする
・2017年4月10日:マンションから飛び降り
その他、2017年3月22日には腹部を自傷行為をし、3月27日には手首を切って自傷行為をしています。
1回目の自殺は、少年野球チームの合宿後のことでした。2015年8月下旬には「学校に行くなら死んだ方がマシ」と言い出し、その約1ヶ月後には最初の自殺未遂をしています。そして、その1年後には体育祭の後に「しんちゃんのせいで勝てなかった」と言われた翌日に自殺未遂をしました。
そして、4回目の2017年4月10日には、友人宅のマンションの3階から飛び降りました。近所に住む看護師が心肺蘇生をして一命はとりとめましたが、意識不明でICUに入院することになり、脚には重い障害が残りました。
その後も小松田さんは失踪することがあったため、母親は自分の足と小松田さんの足を結んで寝ていたそうです。
辰乃輔君の母親:「夜寝る時も(辰乃輔君が)いなくなってしまおうとしたりしたので、(辰乃輔君の)右足と私の左足を結んで毎晩寝ていました」
2019年9月5日、小松田さんが自殺する3日前には自殺衝動があったのか、一時的に行方不明になり、マンションの階段近くにいたところを近隣住民に保護されました。
そして、9月8日未明に自宅近くのマンションの11階から飛び降りて自殺したのです。
小松田辰乃輔へのいじめに対し中学や教育委員会は誠実に対応しなかった
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小松田辰乃輔さんのいじめに対して、中学校や教育委員会はきちんと対応しませんでした。
・サッカー部の顧問にいじめを訴えても事実確認も指導もなかった
・担任に訴えたら、加害者にストレートに注意して、陰でいじめられるようになった
・自殺未遂後に学校に報告しても「イジメに関する内容は特定できず」という結論
小松田辰乃輔さんは、担任にいじめに関する手紙を渡して訴えているのに、自殺未遂後には校長は「あれがSOSですか?」と母親に言い放っています。
自宅を訪ねてきた校長に母親は「SOSに気がつかなかったのですか?」と聞いた。校長は「あれ(手紙)がSOSですか?」と言った。
引用:(3ページ目)「教育委員会は大ウソつき。くるしい、くるしい」川口市15歳男子生徒いじめ自殺から1年 | 文春オンライン
「今回の自殺未遂の原因が学校側にあるのではないかとの発言もあるが、学校で調べたところ、いじめを想定するような事実もなく、9月19日以降登校もしていないので、学校側で原因になるようなことはないと伝える」
引用:(3ページ目)《埼玉15歳イジメ自殺》野球チームの代表が頭に陰部を乗せ、チームメイトの親は「いじめられるほうが悪い」 15歳少年を追い詰めた恐怖の二次被害”とは | 文春オンライン
また、2017年1月にはクラスで絵馬を飾ることになり、小松田辰乃輔さんは絵馬に「いじめがはやく解決しますように」と書きました。しかし、担任から「それは飾れない」と突き返されたのです。その日の小松田さんのノートには、次のように書かれていました。
<いじめもないことになっているんだ。やっぱりぼくが消えないと、わかってもらない>
2017年4月10日の飛び降りから半年以上たった11月に教育委員会で調査委員会が開催されましたが、この調査委員会の設置は小松田辰乃輔さんや母親には知らされておらず、「秘密会」という形で、しかもこの時でもまだ「いじめ重大事態」とは認定されていませんでした。
自殺する前には次のようなことをノートに書いていました。
<教育委員会は大ウソつき。いじめた人を守ってウソばかりつかせる。いじめられたぼくがなぜこんないもくるしまなきゃいけない。ぼくは、なんのためにいきているのか分からなくなった。…(略)…ぼくの味方は家族だけ。くるしい。つらい>
小松田辰乃輔さんがいじめに遭っていて、きちんとSOSを出していたのに、学校や教育委員会はきちんと対応せずに、むしろ小松田さんを追い詰めていきました。
小松田辰乃輔は犯人の加害者の家族から責められたことも・・・
小松田辰乃輔さんは、いじめの被害者です。これは間違いありません。小松田辰乃輔さんには何の落ち度もありません。
それなのに、いじめの犯人の加害者家族から責められたことがあります。そして、それが原因で小松田さんは精神的に追い込まれていきました。
中1の時にクラスの平均点が低いのは小松田さんのせい、体育祭で勝てなかったのは小松田さんのせいと責められたいじめがありました。
中3の時にその加害者家族からの「謝罪会」が学校で開かれたのですが、学校はこの加害者生徒の発言が事実かどうか確認できていない状態で開かれました。
謝罪の会には、前年に飛び降り自殺未遂をした影響で車いすに乗っている小松田辰乃輔さんと母親の2人が参加しましたが、加害者側は犯人の生徒は参加せず、両親と祖母の3人が参加しました。
すると、両親と祖母は小松田さんに対して、糾弾したのです。
・飛び降りたのは自分(小松田さん)の意思
・自分の意思が弱い。それを人のせいにしている
・なんで謝罪しなくちゃいけないのか
あまりにもひどいですよね。
加害者側 祖母:「何を希望してるのよ。ふざけるんじゃないよ、あんた」
加害者側 父:「はっきり言おうか。その足になったのは君が飛び降りたからだ」
加害者側 祖母:「それを人のせいにするんじゃないよ」
しかも、この謝罪の会には担任と教頭、もう1人の教員が立ち会っていましたが、3人の教員は何もしませんでした。加害者側の言い分を止めることなく、ただ静観しているだけでした。これは何のための謝罪会なのか。謝罪会ではなく、いじめの追いうち会ですよね。
イジメの犯人・加害者も最低ですし、学校も最低です。
小学生の時も加害者に糾弾された
小松田辰乃輔さんは少年野球チームでもいじめを受けていましたが、その時も加害者側に糾弾されました。
それでも少年野球チーム関係の複数の保護者はいじめを学校に訴えた辰乃輔さん家族を悪者扱いし、家を訪れて母親に対して「チームをつぶす気か。中学校に行って、いじめられなくなると思うなよ」「いじめられるほうが悪い」「B家を責めるな」などの発言をしている。
引用:(2ページ目)《埼玉15歳イジメ自殺》野球チームの代表が頭に陰部を乗せ、チームメイトの親は「いじめられるほうが悪い」 15歳少年を追い詰めた"恐怖の二次被害”とは | 文春オンライン
なんでいじめられた方が責められなくてはいけないのでしょうか・・・。
小松田辰乃輔の生い立ち
小松田辰乃輔さんは小学校低学年の頃はいじめはなかったようです。ただ、野球に興味を持ち、小学5年生の頃に少年野球チームに入るようになります。
中学校に入ると、サッカー部に入部しますが、いじめが原因で不登校になっていきました。
高校に入ると、欠席なく毎日通学していました。自殺する2日前のノートには次のように書かれていました。
今の学校は、楽しいけどいじめられた時の事を思い出す。
引用:川口いじめ自殺「教育委員会は大ウソつき」 被害うったえ続けた15歳少年を「黙殺」した教育現場の汚点 – 弁護士ドットコム
イジメられていた中学校をようやく卒業して、楽しい学校に進学することができたのに、中学校時代のトラウマに苦しんでいたということですね。
小松田辰乃輔の親や家族
小松田辰乃輔さんはいじめに遭っていた当時は、母子家庭でした。両親は離婚していて、母親に引き取られました。
この頃、辰乃輔さんは家出をした。離別した父親にいじめのことを聞いてもらおうと、探しに出かけたのだ。ノートには、「弟の誕生日が近いため、どうしても弟に父さんと会わせてあげたい」との思いから、こう書かれていた。
引用:(3ページ目)「教育委員会は大ウソつき。くるしい、くるしい」川口市15歳男子生徒いじめ自殺から1年 | 文春オンライン
離婚した原因はわかりませんが、弟さんが10歳年下とのことですので、小松田さんがいじめに遭っている最中(10歳以上)に離婚したものと思われます。
10歳年下の弟さんにはとてもやさしく接していて、よく面倒を見ていたとのことです。
小松田辰乃輔には知的障害があった
小松田辰乃輔さんは知的障害がありました。
軽度の知的障害があった辰乃輔くんは、いじめの被害を主にノートに記して教師などに繰り返し訴えた。
小松田さんの辛い気持ちが書かれたノートを見ると、確かに中学生にしては漢字を使ってなくてひらがなが多いという印象ですが、文章としてきちんと書かれていますし、グレーゾーン的な感じだったのだと思います。それを理解しようとしない同級生がイジメていたのでしょう。
高校は特別支援学校の高等部に進学しています。特別支援学校高等部ではいじめもなく、毎日楽しく登校していました。
小松田辰乃輔さんにとっては、小学校・中学校は生きづらい場所だったのだと思われます。
小松田辰乃輔の中学の学校名は?
出典:google.com
小松田辰乃輔さんが通っていた中学校は、川口市立榛松中学校の可能性が高いです。小松田さんの中学校は公表されていません。しかし、マスコミのニュースで報じられている画像とGoogle Earthで見た榛松中学校の画像は一致する部分が多いです。
また、X(旧Twitter)でも小松田さんの中学校は榛松中学校という情報があります。
https://twitter.com/soma0827/status/1051053679787237376
勘違いされている方が多いのですが、
川口市立戸塚中学校ではなく榛松中学校であったいじめです。— えんぺらー@ブロスタ (@sakupooon15) September 10, 2019
一部情報では戸塚中学校と言われていますが、戸塚中学校は別のいじめ事件が発生した中学校です。
こう話すのは埼玉県川口市立戸塚中学校に通っていた当時、いじめを受けた男子生徒(16)。
似たような時期に同じ川口市内の中学校のサッカー部所属の生徒に起こったいじめ問題ですので、混同しやすいですが、この戸塚中学校のいじめは小松田辰乃輔さんへのいじめとは別のいじめと思われます。
そのため、小松田辰乃輔さんの中学校は川口市立榛松中学校の可能性が高いです。
小松田辰乃輔のいじめ問題の現在:二次被害が認められる
小松田辰乃輔さんは2019年にいじめを苦に自殺しましたが、2023年になってようやく中学校でのいじめに加えて、学校の対応による二次被害が自殺を引き起こしたと認定されました。
小松田辰乃輔さんの自殺後、新しく調査委員会が設置されて、その報告書には次のように書かれていました。
報告書は小松田さんがいじめや精神的苦痛を繰り返し訴えたものの適切な調査が行われず、二次被害の精神的苦痛が大きくなり、つらく苦しい状態が継続したとし「適切な介入が行われ、苦痛を軽減できていれば自殺を回避できた可能性がある」と指摘した。
引用:「調査もっと早ければ」…川口いじめ自殺、第三者委が二次被害と自殺の関連性認める 調査評価も残る思い(埼玉新聞) – Yahoo!ニュース
いじめが原因であり、さらに学校が適切な対応をしなかったから、小松田辰乃輔さんは自殺に至ったということが認められたのです。
自殺から4年経ってようやく認められたのは遅すぎますよね。小松田辰乃輔さんは自分でしっかりSOSを出していたのに、それをきちんと学校や教育委員会が受け止めていれば、自殺という最悪の事態は避けられたはずです。
小松田辰乃輔へのいじめのまとめ
小松田辰乃輔さんのいじめによる自殺やいじめの詳細、自殺未遂、中学や教育委員会の対応、犯人の加害者からの糾弾、生い立ちや親・家族、知的障害について、中学の学校名と現在をまとめました。
せめてこの小松田辰乃輔さんの自殺以降、いじめによる自殺がなくなることを心から願います。