2005年、香川県で当時5歳の大西有紀さんが行方不明になる事件・タケノコ掘り失踪事件が起きました。
今回は現在も未解決のタケノコ掘り失踪事件についてイヌワシ、リュックの男などの犯人や真相の考察、霊視の結果や警察犬の反応についてまとめます。
この記事の目次
大西有紀さんが行方不明になったタケノコ掘り失踪事件とは
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2005年4月29日、香川県坂出市玉越村の竹林で5歳の少女・大西有紀さんが行方不明になる事件が起きました。
行方不明になった日、有紀さんは母親と当時8歳の姉とともに香川県五色台連絡協議会主催のタケノコ掘りに参加していました。
午後1時から始まったタケノコ掘りのイベントが終わる20分ほど前、有紀さんは母親に「もう1本(タケノコを)採ってくる」と言い残して1人で竹林に入っていき、そのまま戻らなかったといいます。
タケノコ掘りのイベントには19家族とボランティアで合計60人の参加者がいたうえに、周辺にはほかの観光客もいたのですが、有紀さんは神隠しのように姿を消してしまったのです。
この行方不明事件は「タケノコ掘り失踪事件」と呼ばれ、事件から15年以上が過ぎた2022年現在も有紀さんの行方はわからず、未解決のままとなっています。
タケノコ掘り失踪事件当日の流れ
行方不明になった当日の大西有紀さんの行動は、以下のようなものでした。
午後1時頃
香川県坂出市玉越村の五色台ビジターセンター近くの竹林で、タケノコ掘りを始める
午後1時40分頃
イベント開始から40分ほど経った頃、4本ほどのタケノコを発見していた有紀さんはタケノコ掘りに夢中になっている様子だった。
そして「もう1本採ってくる」と言い残して、小走りで母親の元を去っていった。
その後、午後2時の集合時間になっても有紀さんが戻ってこなかったため、母親は他の参加者とともに竹林を捜索。しかし有紀さんは見つからなかった。
午後3時頃
五色台ビジターセンターから警察に連絡
午後3時45分頃
警察が到着。警察による有紀さんの捜索が始まる
午後5時頃
地元の消防団も到着。警察に合流して本格的な捜索活動が開始される。午後9時過ぎまで有紀さんの捜索がおこなわれたが、手がかりも見つからなかった。
母親と別れた後、有紀さんは竹林の遊歩道を進んだ先で、同じくタケノコ掘りに参加していた女子中学生と話をしていました。
また、午後2時に集合する予定であった休憩所に一足早く訪れていたという男性参加者も、遊歩道を歩いている有紀さんの姿を見たという証言をしています。
これらの証言から母親と別れた後、有紀さんは時計回りに遊歩道を進んでいたと考えられます。
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大西有紀さんの特徴(行方不明当時)
行方不明になった2005年当時の大西有紀さんは、身長106cm、体重15.5kgと幼稚園年長にしては細身の体型でした。髪型は肩より短いおかっぱだったといいます。
また香川県警の発表によると、失踪当時の有紀さんの服装は以下のようなものだったそうです。
- 左側に花の模様があるピンク色の帽子
- 赤とオレンジの縞模様の長袖シャツ
- サイドにオレンジのラインが3本入った紺の長ズボン
- 子供サイズの白い軍手
- ウサギの柄がついたピンクの運動靴
大西有紀さんはどこへ?警察犬の不可解な行動
大西有紀さんが行方不明になった当日、警察はすでに100人体制での捜索を開始し、警察犬も導入していました。
その後も延べ3,200人もの警察官らが投入されて捜索を続けましたが、有紀さん本人だけではなく、現在に至るまで失踪時に有紀さんが身につけていたとされる帽子や靴、軍手なども見つかっていません。
また、失踪当時は竹林の中にある農業用のため池に有紀さんが転落したおそれがあるとして、ため池の水をすべて抜くという大掛かりな捜索もされました。
そのようななかで、数少ない有紀さんの行方を知る手がかりになるとされたのが、捜索に投入された警察犬が見せた不可解な反応です。
事件当日より警察犬は有紀さんの水筒のにおいを元に彼女を追跡していたのですが、最後に有紀さんが目撃された場所からさらに北に進んだある地点で、警察犬がピタリと足を止めて動かなくなってしまったのです。
その後も最初の警察犬が動かなくなった地点と同じ場所で相次いで4頭もの警察犬が足を止めてしまい、その場で吠えるという反応を示しました。
警察犬は対象の体から落ちた細胞をもとに追跡をするため、このことが報道された当初は「警察犬が止まった場所で、有紀さんがヘリコプターなどで上空に連れ去られた可能性がある」と指摘されていました。人間が抱えあげて運んだ程度であれば有紀さんの細胞は地面に残るため、警察犬は追跡が可能なのだそうです。
しかしながら、ヘリコプターはどこにでも着地できるわけではありませんし、上空から小さな幼児をめがけて下降するというのは常人の操縦技術では不可能だと思われます。
仮に有紀さんに狙いをつけて首尾よく下降できたところで、周辺の竹や樹木をなぎ倒しながら降りてくることになりますから、誘拐の手段としたはあまりに杜撰で非現実的です。
大西有紀さん失踪の真相① イヌワシが連れ去った
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タケノコ採り失踪事件の真相として候補に上がるのが、ヘリコプターではなく、野生のイヌワシが有紀さんを連れ去ったのではないかという説です。
イヌワシは日本国内でも北海道から九州にかけての山岳部に生息している大型の猛禽類です。
爬虫類や野ウサギだけではなく、シカやカモシカの幼獣を捕食することもあるそうですが、いくら大型の猛禽類でも人間の子どもは運べないのではないか、餌に向いているとも思えない人間の子どもを、何の目的で連れ去るのかといった指摘もあります。
しかし、2016年にはオーストラリアでバードショー開催中にイヌワシが客席にいた小学校低学年くらいの少年に襲いかかり、そのまま連れ去ろうとしたという事件がおきているため、同様にイヌワシが有紀さんを連れ去ったとしても不思議ではないでしょう。
イヌワシが犯人だとする説では、有紀さんの遺留品なども見つからない理由についても、運んでいる途中にイヌワシが力尽きて瀬戸内海に落としてしまったからではないか?との考察もされています。
なお、タケノコ採り失踪事件は事件発生後に何度もTV番組で取り上げられているのですが、近年では警察犬の動きが止まったのは上空にさらわれたからではなく、一気に大勢の捜査員を導入してしまったため、多様な人のにおいが入り乱れて警察犬の追跡を困難にしてしまった可能性が高い、とも指摘されています。
イヌワシ犯人説は辻褄が合うようにも考えられますが、「上空にさらわれた」という先入観をなくすと、この説には、白昼堂々、誰にも気づかれずに幼児が悲鳴もあげずに大型の猛禽類にひっそり連れて行かれるなどということはあるのか、という疑問が残るでしょう。
大西有紀さん失踪の真相② タンベ池に転落した
母親と別れた後、有紀さんが1人で歩いていた遊歩道の片側にはタンベ池という水深3m程度の池がありました。
有紀さんはタケノコを採ろうとしてこの池に転落したため、警察犬もにおいを追えなくなったのではないかとの考察もありますが、水温から考えて、もしタンベ池で溺死してしまった場合には5〜14日程度で遺体があがってくる可能性が高いとされます。
有紀さん失踪後は警察官や消防団、ボランティアなど数多くの人が竹林を訪れていたため、浮き上がってきた遺体に誰も気が付かなかった可能性は考えづらいですし、それこそ警察犬が腐敗臭に反応するはずです。
このことから、有紀さんがタンベ池に転落して亡くなった可能性も低いでしょう。
大西有紀さん失踪の真相③ 熊などの野生動物に襲われた
熊や猿が有紀さんを襲ったのではないかという考察もされましたが、この可能性は極めて低いと考えられます。
まず、事件が起きた香川県で人間を襲って捕食する大きさの陸上生物となると、ツキノワグマくらいしか存在しません。
ツキノワグマが人間を襲ったとすると血痕や襲われた人の体の一部、衣服などがどこかに残されるうえ、熊の足跡も残るはずです。しかし、有紀さんが姿を消した竹林周辺ではこれらの痕跡はいっさい見つかっていません。
五色台ビジターセンター周辺ではツキノワグマの目撃情報もないため、熊に襲われた可能性はまずないと言えるでしょう。
大西有紀さん失踪の真相④ 北朝鮮の工作員に拉致された
有紀さんは北朝鮮に拉致されたのではないか?との説もあります。
実際に1970年代の後半頃には北朝鮮は「子どものほうが洗脳しやすい」「子どものほうが連れ去りやすい」という理由で、拉致の対象として低年齢の子どもを狙っていたとされます。(実際に2022年現在も帰国できていない横田めぐみさんは、わずか13歳の頃に拉致されています)。
しかしながら有紀さんがいなくなった日はゴールデンウィーク初日の祝日であり、香川県五色台連絡協議会のイベント参加者以外にも多くの人がビジターセンター周辺を訪れていたそうです。また、車で竹林に進入できる道も限られます。
このように見つかる可能性が高いシチュエーションで北朝鮮の工作員が拉致をおこなうかというと、疑問が残ります。
大西有紀さんを連れ去った犯人?リュックサックの男とは
2020年2月5日に放送されたTBS系列の「ワールド極限ミステリー3時間スペシャル」では、有紀さんはタケノコ掘りイベントの部外者であった不審な男に誘拐されたのではないか、と考察していました。
有紀さんの失踪事件が起きた日の午後1時48分頃、リュックサックを背負った40代ほどの男性が1人で竹やぶから出てきたのを、イベント参加者の女性が目撃していたというのです。男性のことをイベント参加者だと勘違いした女性は話しかけたといいますが、男性は無言で再びヤブの中に入っていったそうです。
後で判明したことなのですが、この不審な男性が出てきた地点というのは、獣道を通じて警察犬が止まってしまった地点、つまり有紀さんのにおいが消えた地点と繋がっていたといいます。
番組内では誘拐の方法について、「男がリュックの中に有紀さんを入れて連れ去った可能性がある」と指摘していました。
登山用の大型リュックであれば耐荷重量は60kg程ありますから、有紀さんをリュックサックで運ぶことも可能だと考えられます。
事件当時の有紀さんはまだ5歳でしたから、親切そうに近づいてきた男性に「疲れてるの?この中に入りなよ、お母さんのところまで連れてってあげるから」「リュックから出てきたらさ、ママも皆もびっくりしちゃうよ!」などと話しかけられれば、「楽しそう!」と思ってしまうかもしれません。
言葉巧みに誘われて自らリュックに入ってしまったのならば、有紀さんの悲鳴を聞いた人がいないというのも頷けます。
そのままビジターセンターの駐車場まで有紀さんを運んでしまえば、後は車で逃げることもできますし、この男性に連れ去られた可能性が一番高いのかもしれません。
なお調べてみると、このリュックサックを背負った不審な男の目撃情報がはじめて公開されたのは、2010年の時点だったようです。
夕方テレ朝で竹の子掘りで行方不明になった子の特集があった
当時、リュックを背負った男が竹やぶから出てきたのを
道にいた人が目撃してたんだと
事件に巻き込まれたんじゃないかって内容だった
もっと早くそういう情報だしたほうがよかったんじゃないかね
残念ながら10年以上経っても、まだリュックを背負った男性の行方はわかっていないことになります。
大西有紀さんの行方を霊視した結果
出典:http://majimekayo.livedoor.biz/
2008年12月4日に日本テレビ系列で放送された「モクスペ 衝撃リポート!!世界の怪奇現象大追跡スペシャル」内で、霊能力者のノリーン・レニアさんが、有紀さんの居場所を霊視しました。
霊視の結果、有紀さんの現在について以下のようなことがわかったといいます。
- 大西有紀さんは現在も生きている
- たけのこ堀りのメンバーではない若い男が見える
- 男は痩せ型でリュックを背負っている
- お菓子をあげる、花が咲いている場所に連れて行ってあげるなどと話しかけている
- 有紀さんは母親に助けを求めようとしたが、胸を押さえつけられて声が出せなかった
- 現在は長くて大きな吊橋がある場所にいる
- 現在いる場所からは尖った山も見える
- 現在いる場所は、地名にOとHが入っている
番組内では有紀さんのご両親の前でも霊視をおこない、霊視の結果に従ってさまざまな場所を巡りました。しかし結局、手がかりとなる情報は何も得られませんでした。ただ、「リュックの男が見える」と霊視していた点は気になります。
大西有紀さんの現在と目撃情報の連絡先
出典:https://www.pref.kagawa.lg.jp/
失踪当時は5歳であった有紀さん。2022年現在は20歳を迎えているはずです。警察はおそらく有紀さんがこのように成長しているだろうという似顔絵を作成し、似顔絵を印刷したチラシを配り、似た人物がいたら情報を提供してほしいと呼びかけています。情報の提供先は以下のとおりです。
香川県警察本部生活安全部人身安全対策課 087-833-0110
※休日・夜間は、香川県警察本部総合当直香川県坂出警察署生活安全課 0877-46-0110
※休日・夜間は、香川県坂出警察署当直
大西有紀さん行方不明事件のまとめ
この記事では2005年4月に、家族で来ていたタケノコ掘りのイベント会場から忽然と姿を消した大西有紀さんの行方不明事件・タケノコ掘り失踪事件について紹介しました。
事件発生当時は5歳だった有紀さんも、もう成人している年齢になりました。行方の手がかりさえ掴めないまま時間が過ぎてしまいましたが、有紀さんは現在も生きていると信じたいです。
一刻も早く有紀さんが無事な姿で発見され、家族が待つ場所に帰れるよう願います。