「八王子スーパーナンペイ事件」は女子高生2名を含む女性3名が何者かに射殺された未解決事件です。
この記事では八王子スーパーナンペイ事件の発生場所や稲垣則子さんら被害者、店長への疑いや犯人に関わる情報、真相とされる説、その後の指紋一致情報、現在についてまとめました。
この記事の目次
- 八王子スーパーナンペイ事件は女性3人が射殺された強盗事件で今も未解決
- 八王子スーパーナンペイ事件の場所や当時の状況
- 八王子スーパーナンペイ事件当日の経緯【時系列】
- 八王子スーパーナンペイ事件の被害者① 同店のパート・稲垣則子さん
- 八王子スーパーナンペイ事件の被害者② 女子高校生・矢吹恵さん
- 八王子スーパーナンペイ事件の被害者③ 女子高校生・前田寛美さん
- 八王子スーパーナンペイ事件では店長も犯人として疑われた
- 八王子スーパーナンペイ事件の真相① 計画的強盗説
- 八王子スーパーナンペイ事件の真相② 稲垣則子さんへの怨恨説
- 八王子スーパーナンペイ事件の犯人に関する現在までの報道
- 八王子スーパーナンペイ事件のその後…指紋がほぼ一致している男が判明
- 八王子スーパーナンペイ事件の現在…犯人は捕まっておらず未解決
- まとめ
八王子スーパーナンペイ事件は女性3人が射殺された強盗事件で今も未解決
出典:https://parupunte-life.com/
「八王子スーパーナンペイ事件」とは、1995年7月30日(日曜)の夜(推定で21時17分〜18分頃)に、東京都八王子市大和田町にあったスーパーマーケット「スーパーナンペイ大和田店」の2階事務所で、同店の女性従業員3人が何者かに拳銃で射殺された事件です。
被害者は同店パート従業員・稲垣則子さん(当時47歳)、同店アルバイトの矢吹恵さん(当時17歳)と前田寛美さん(当時16歳)で、いずれも頭部を至近距離から拳銃で撃たれ死亡していました。
犯人は2024年5月の現在も捕まっておらず未解決事件となっており、「八王子スーパー強盗殺人事件」や、単に「ナンペイ事件」などとも呼ばれインターネット上でも盛んに話題にされています。
なお、八王子スーパーナンペイ事件の警視庁の正式呼称は「大和田町スーパー事務所内けん銃使用強盗殺人事件」です。
八王子スーパーナンペイ事件の場所や当時の状況
八王子スーパーナンペイ事件が発生した場所は「東京都八王子市大和田町4-26-1」に所在していた「スーパーナンペイ大和田店」の2階にあった事務所でした。
事件発生場所となった2階事務所の状況
出典:https://times-abema.ismcdn.jp/
事務所は1階の店舗とはつながっておらず、外階段から入る構造になっていました。
事務所内には金庫が置かれていて、事件発生時、週末(金曜〜日曜)の売上金など現金約526万円が入れられていました。
スーパーナンペイ大和田店の店内には防犯カメラ4台が設置されており、事務所にあるモニターから監視できるになっていましたが録画機能は搭載されておらず、事務所や外階段が映る防犯カメラも設置されていませんでした。
事件発覚時の被害者の遺体の場所や状況
出典:https://times-abema.ismcdn.jp/
被害者のうち女子高生2人は事務所の真ん中あたりでうつ伏せ気味で倒れていました。2人はお互いの右手と左手を縛り合わされた上で背中合わせにされて、粘着テープで口を塞がれていました。2人とも後頭部を至近距離から銃撃されており、床には大量の血だまりができていました。
また、被害者の女子高生2人はスーパーの制服から私服に着替えており、帰宅する直前に犯人に襲撃されたと推測されます。
一方、残る1人の被害者、稲垣則子さんの遺体は、金庫の横におかれていた冷蔵庫の脇に壁に背中を向けより掛かるようにして死亡しており、左額と頭頂部の2か所を至近距離から銃撃されていました。
被害者は3人とも正確に脳幹を撃たれており即死だったとみられています。
金庫には鍵が差し込まれた状態で銃撃された痕跡があった
事件発生場所となったスーパーナンペイ大和田店の事務所に置かれていた金庫は鍵とダイヤルの二重ロックになっており、事件発覚当時、鍵が差しこまれた状態でした。
また、犯人が金庫に向けて1発銃撃した痕が残されていましたが、金庫は開錠されておらず中の現金約526万円は残ったままでした。
したがって、犯人は被害者3人に向けて合計4発、金庫に向けて1発の合計5発の弾丸を事務所内で発射しています。
また、被害者3人の所持品も盗まれた形跡はありませんでした。
八王子スーパーナンペイ事件の発生場所の地図
八王子スーパーナンペイ事件が発生した場所と周辺の現在の地図です。
「スーパーナンペイ大和田店」は1998年に閉店しており、建物も取り壊されてこの場所は現在は駐車場になっています。
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八王子スーパーナンペイ事件当日の経緯【時系列】
八王子スーパーナンペイ事件当日の経緯を時系列で見ていきます。
八王子スーパーナンペイ事件当日の背景と事件発生までの時間帯
1995年7月30日、事件発生の当日は、「スーパーナンペイ大和田店」は、セールの最終日を迎えており日曜日という事もあって来客は平常よりも多かったようです。
また、その日はスーパーから北西約30メートルの場所にある「北の原公園」で毎年恒例の盆踊り大会が18時30分から開催される予定でした。
16時46分:当時17歳の女子高校・矢吹恵さんが17時〜21時までのアルバイト勤務のため、2〜3分の距離にある自宅から自転車で出勤。
16時48分:当時47歳のパート従業員・稲垣則子さんが同じく17時〜21時までの勤務のために出勤。稲垣則子さんは知人の当時67歳の元公務員の男性に車で送ってもらっており、勤務後に小料理屋で食事をする約束をしていました。
17時00分:矢吹恵さんと稲垣則子さんが勤務を開始。それぞれレジ打ちなどの業務についています。
17時30分:店の前をうろつき店内を覗き込んでいる、白いシャツにグレーのズボンの50代くらいの不審な男が買い物客に目撃されています。
18時30分:男性従業員が勤務を終え退社。以降、店内の従業員は矢吹恵さんと稲垣則子さんの女性2人のみとなりました。この時刻に北西約30メートルの「北の原公園」で盆踊り大会が始まり、太鼓と盆踊りの大きな音が周辺に響き渡るようになりました。
18時50分:その日は非番だった同店アルバイトの当時16歳の女子高校生・前田寛美さんが、勤務表を確認するために自宅から自転車で来店。友人の矢吹恵さんと勤務後に遊ぶ約束をしていたため、そのまま閉店まで店に滞在する事にしています。
19時59分:客足が落ち着いたため、稲垣則子さんはこれ以上客は増えないだろうと判断し、レジの1つを締めて売上金を2階事務所へ運び、金庫内に保管。この時刻、レジを担当していた矢吹恵さんと横で待っていた前田寛美さんが「勤務が終わったら一緒に祭り(盆踊り大会)に行こう」と話しているのを買い物客が聞いています。
20時30分:何も買わず店内をうろつき、周囲の様子をうかがうようにしている40代〜50代くらいの不審な男が買い物客に目撃されています。
20時45分:店正面の路上を白い乗用車(トヨタ「チェイサー」とされている)がゆっくり通り過ぎながら車内から白っぽい上着を着た人物が店内を覗き込むようにしているのを通行人が目撃してます。
21時51分:稲垣則子さんが閉店準備にかかり常連客と会話。この常連客は前田寛美さんとも会話をし「この後、矢吹恵さんと祭りに行く」と聞いています。被害者らが第三者に目撃されたのはこれが最後でした。
21時00分:スーパーナンペイが閉店。矢吹恵さんが最後のレジを閉めて売上金を2階事務所へ運び、受け取った稲垣則子さんが金庫に入れたと見られています。(目撃者もカメラ映像もないため推測)
事件発生の推定時間前後
21時06分:稲垣則子さんが店舗の施錠、消灯を完了しスーパーナンペイは閉店。この時刻、近隣住民が事務所の下通路に若い男がいるのを目撃。車のライトを当てると男は顔を伏せるようにしてその場を立ち去っています。
21時07分:盆踊り大会がこの時刻に終了し周辺の喧騒が収まる。
21時15分:稲垣則子さんが事務所から、知人の当時67歳の元公務員男性(勤務開始前に稲垣さんを送ってきた人物)に電話をかけ、迎えに来るよう頼んでいます。同時刻に事務所のセキュリティシステムがおそらく稲垣則子さんによって作動し入口扉が施錠。被害者の3人は事務所を出て帰宅しようとしていたと推測されています。
- 21時16分:事務所のセキュリティシステムが再作動し入口扉が解錠されています。被害者3人が帰宅しようとして外に出たところを待ち伏せていた犯人(単独か複数かは不明)に脅され、被害者らは事務所内に戻されたと推測されています。
- 21時17分:スーパーナンペイ付近の交差点あたりにいた高校生のカップルが、スーパーの方向から炸裂音を聞いたと証言しています。近隣に住む複数の住民からも同様の炸裂音を聞いたとの証言がされています。この炸裂音が犯人による5度の銃撃の音だと推測されています。
被害者3人の遺体が発見されるまで
21時20分:稲垣則子さんの知人の当時67歳の元公務員男性が車で迎えに到着。スーパーナンペイの駐車場に駐車して稲垣則子さんが外に出てくるのを待っています。この時、男性は事務所に明かりが点いているのを確認しています。
- 21時20分〜35分頃:スーパーナンペイの場所から南西に約30メートルの交差点で、一時停止を無視して西に走り去っていく白色の乗用車(目撃者の証言によりトヨタ「チェイサー」か「マークⅡ」と見られている)が目撃されています。運転者は25歳前後の若い男で野球帽を被っていたという事です。
- 21時45分:駐車場に車を停め稲垣則子さんを待っていた当時67歳の元公務員男性は、先に約束していた小料理屋に行ってしまったのかも知れないと考え、確認のために小料理屋へ向かっています。
- 21時50分頃:当時67歳の元公務員男性が小料理屋に到着するも、稲垣則子さんは来ておらず、不審に思ってスーパーナンペイの事務所を確認しに行く事に決めます。事務所内で稲垣則子さんらが着替えをしている事も想定し、小料理屋の女将にも同行してもらい、2人でスーパーナンペイへと向かっています。
22時00分頃:2人がスーパーナンペイに到着し先に女将が事務所へと入っています。事務所の鍵は開いたままで明かりも点いていました。女将は入り口近くから1度声をかけるも、反応もなく人の気配もしなかったため一旦車へと戻っています。女将は身長が小柄で、入口すぐに設置されていたカウンターに遮られて事務所の奥まで見通せておらず、この時既に事務所内にあった可能性が高い被害者3人の遺体を確認できていません。
稲垣則子さんの知人男性と女将は、2人で再び事務所に入り、ここで被害者3人が倒れているのを確認。
22時08分:稲垣則子さんの知人男性と女将は、近くの北八王子駅前交番に駆け込み、警察官に事情を話し、緊急通報によって駆けつけた警察により被害者の遺体が確認され、事件発生が発覚しました。
八王子スーパーナンペイ事件の被害者① 同店のパート・稲垣則子さん
八王子スーパーナンペイ事件の被害者3人についても現在までに明らかにされている内容を紹介していきます。
この事件の被害者のうち、最も注目されているのが事件当時47歳でパート従業員だった稲垣則子さんです。
この稲垣則子さんですが、実は元スナックのママで多くのパトロンを持ち、夜の世界では少し名の知れた女性だった事がわかっています。
稲垣則子さんは徳島県の出身で集団就職で上京し、30歳前後で水商売で稼ぎ始め、八王子三崎町にある高級クラブ「琥珀(こはく)」でナンバー2の売れっ子ホステスとなり、1984年頃に独立して八王子の繁華街に「わかお」というスナックをオープンさせています。
多くのパトロンを抱え、複数の男性との間に金銭トラブルも抱える、アクの強い女性だった事もわかっており、当時の関係者は「ナンペイのような小さなスーパーで働くなんて信じられない」と口を揃えていたとの情報も出ています。
稲垣則子さんは「わかお」を1994年に廃業し、1995年に入ってから「スーパーナンペイ大和田店」で働き始めていますが、介護福祉士の資格取得を目指して勉強していたという情報も出ており、水商売から足を洗い、違う生き方を模索している最中だったのかも知れません。
稲垣則子さんはスーパーナンペイの夜間の店長役を任せられる事があったものの、防犯の甘さを不安に感じて周囲に相談しており、それを理由に1度お店を退職するも、スーパーナンペイの役員に頼まれて再び働き始めていたという経緯もありました。
八王子スーパーナンペイ事件を追った一部書籍によれば、稲垣則子さんには常に4人〜5人のパトロン男性がおり、尋常ではない額を貢がせていたという事です。
稲垣則子さんはある愛人男性から関係解消の手切れ金をめぐって複雑な金銭トラブルとなり、暴力団関係者に相談したため、関係者周辺で物騒な事件も頻発していたそうです。
八王子スーパーナンペイ事件の被害者② 女子高校生・矢吹恵さん
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被害者3人のうち、事件当日にスーパーナンペイでレジ打ちのアルバイトをしていたのが当時17歳の女子高校生・矢吹恵さんでした。
矢吹恵さんは私立桜美林高校の2年生で、保育士を目指してピアノやオルガンの練習を頑張っていたそうです。犯罪に巻き込まれるような行動をとったり、誰かに恨みを持たれたりするような方ではなく、八王子スーパーナンペイ事件では完全に巻き添えになって理不尽に殺害されたと見られています。
八王子スーパーナンペイ事件の被害者③ 女子高校生・前田寛美さん
出典:https://res.cloudinary.com/
八王子スーパーナンペイ事件の被害者の1人、前田寛美さんは東京都立館高校(2004年に閉校)の2年生でした。
前田寛美さんもスーパーナンペイのアルバイトでしたが、事件当日は非番で今後の勤務予定を店に確認しに来て、そのまま友人である矢吹恵さんの勤務終了を待って店に滞在していました。
矢吹恵さんと矢吹恵さんは小学生の頃からの幼なじみで、この日はスーパーナンペイ閉店後にお祭りに行こうと約束をしていたようです。
前田寛美さんはボランティア活動に取り組み、地元の老人ホームでも評判の真面目で優しい方だったようです。やはり、誰かに恨みを買ったり、犯罪に巻き込まれたりするタイプでは全くなく、巻き添えになり理不尽に殺害されたと見られています。
八王子スーパーナンペイ事件では店長も犯人として疑われた
八王子スーパーナンペイ事件では、同店の店長が犯人ではないかとの疑いが強まった時期がありました。
この店長はスーパーナンペイの専務も兼任していましたが、かなりクセの強い人物で、高級外車で野菜の仕入れに行ったり、派手な高級時計やアクセサリーを好んで装着し、交友関係も怪しげで、暴力団関係者を事務所に招き入れて自分の時計を自慢していた事もあったそうです。
一部報道では、この専務兼店長と被害者の稲垣則子さんとが愛人関係にあったのではと推測するものがありました。というのも1度は店を辞めた稲垣則子さんに、頼み込んで戻ってもらったのがこの店長であり、夜間の店長や金庫番を任せるなどかなり信用していた節もあったためです。
そのため、痴情のもつれからこの店長が稲垣則子さんを殺害したのではないかとする説が浮上しました。
八王子スーパーナンペイ事件の発覚後、この店長は警察からの連絡を受けた際に「そんなバカな。3人とも殺される訳がない」と、何かを知っていたかのような意味深な発言をしたとされ、店に駆けつけて現場の惨状を目にした時についても「(死亡している稲垣則子さんの)瞳がじっとこちらを見つめているようで怖かった」などと後に意味深な発言をしてました。
警察も当初、この店長を犯人ではないかと疑っていたようですが、実行犯とつながる線が何も見つからずに早々に容疑者から外されています。なお、この店長は現在は既に亡くなっています。
八王子スーパーナンペイ事件の真相① 計画的強盗説
八王子スーパーナンペイ事件は現在も犯人が捕まらず未解決で、真相は闇の中ですが、大まかに強盗説と稲垣則子さんへの怨恨説が真相ではないかと言われています。
単なる強盗による犯行が真相だとする説の根拠は以下です。
① スーパーナンペイはセキュリティの甘い事が知られており、過去に何度も事務所が空き巣に入られていた。
② 事件当日、事務所金庫には週末のセールによる多額の現金が入れられていた。犯人は計画的にそのタイミングを狙った可能性がある
③ 金庫に鍵が差さったままになっており、犯人は二重ロックのダイヤルナンバーを割り出せなかった(被害者から聞き出せなかった)可能性がある
④ 銃弾が1発金庫に撃ち込まれた痕跡があった。犯人は金庫を破壊しようとしたか、開かない腹いせに金庫を撃った可能性がある
八王子スーパーナンペイ事件の真相② 稲垣則子さんへの怨恨説
出典:https://res.cloudinary.com/
八王子スーパーナンペイ事件は、稲垣則子さんへの怨恨が真相だとする説も有力とされています。
既に触れているように稲垣則子さんは元クラブのママで大勢のパトロンがいて多額の金銭トラブルも起こしていたとの情報が数多く証言として出ています。
稲垣則子さんはある愛人との手切れ金とその回収をめぐって、ある男性から5000万円もの金を受け取る約束をしていた事がわかっています。
事件時、犯人は結局金庫内の売上金にも、被害者達の所持品にも手をつけずにわずかな時間(犯行があったと推定される時間はわずか2分〜3分しかない)で現場から立ち去っています。
金庫には銃撃された痕はあったものの、犯人が直接的に金庫を開けようとした形跡は確認されず、事務所内を物色した形跡はありませんでした。
また、犯人は犯行時、直線的に動いて被害者3人を短時間で殺害し、被害者の血のりを全く踏まずに最短距離で事務所から出ていた事も明らかになっています。これは、そもそも強盗が目的ではなく殺害自体が目的だった事を示唆しているように思われます。
八王子スーパーナンペイ事件の犯人に関する現在までの報道
八王子スーパーナンペイ事件の犯人は現在も捕まっておらず未解決のままです。
これまでに、ナンペイ事件の犯人ではないかとする情報が数多く上がっているのですが、いずれも事件解決にはつながりませんでした。現在までに出ている犯人に関する報道は以下です。
八王子スーパーナンペイ事件の犯人① 元自衛官説
「週刊文春」(2001年11月22日号)が、服役中の暴力団組員が舎弟に宛てた手紙に「ナンペイ事件の犯人は元自衛官の小野寺トオルという男で、現在は清瀬市で新聞配達員かクリーニング店の店員をしている」との内容が書かれました。
警察はこれについて捜査し、実際に元自衛官で清瀬市で新聞配達をしている男を割り出しますが、名前も違いアリバイも成立していたためすぐに容疑者から外されました。
八王子スーパーナンペイ事件の犯人② 中村泰犯人説
2003年、産経新聞や日本テレビが、2002年に愛知県で銀行強盗未遂で逮捕された中村泰(ひろし)が、八王子スーパーナンペイ事件に関与している疑いがあるとする報道をしています。
中村泰は拳銃を使った銀行強盗や現金輸送車襲撃事件を繰り返しており、1995年3月30日(八王子スーパーナンペイ事件お4ヶ月前)に発生した警察庁長官狙撃事件の犯人だとも言われています。
中村泰が八王子スーパーナンペイ事件の犯人ではと疑われた根拠は、この男が1997年に起こした強盗未遂で使用された拳銃のライフリングがナンペイ事件の現場で発見された銃弾と酷似していた事と事件当時、この男が八王子市内に住んでいた事でした。
八王子スーパーナンペイ事件の犯人ではないかと疑われていた中村泰は2024年5月22日に医療刑務所内で死亡しています。94歳でした。
八王子スーパーナンペイ事件の犯人③ 中国人強盗グループ説
2009年に八王子スーパーナンペイ事件の犯人が中国人強盗グループである可能性を警察が突き止めています。
中国への麻薬密輸で逮捕され現地で死刑判決を受けた日本人男性の証言によるもので、ここから福建省出身の中国人の男が浮上。この男は1994年に日本への不法滞在で中国に強制送還されていますが、その年に再び日本に密入国していました。この中国人の男は中国人の強盗グループのメンバーで、八王子スーパーナンペイ事件が起こる前に、スーパーの現金保管状況などの内部情報を別の中国人に流していたという事です。
この中国人は2002年に日本を不法に出国しており、その後、2006年に難民としてカナダに移住している事がわかり、日本政府の引き渡し要求により2013年に日本へ身柄を移送され逮捕されました。
捜査当局はこの中国人男性に対して八王子スーパーナンペイ事件に関する取り調べも行ったようですが、結局手がかりをつかめなかったようです。この男は旅券法違反で懲役2年執行猶予5年の有罪判決となり、2014年9月にカナダへ強制送還されています。
八王子スーパーナンペイ事件の犯人④ 使用された拳銃を所持していた暴力団組員
2020年7月、2009年8月にある暴力団組員の男の自宅から押収された拳銃と、八王子スーパーナンペイ事件で使用された拳銃のライフリングが酷似していた事が報じられました。
この男は「拳銃は2009年5月頃に手に入れた。購入先は言えない」と供述しており、八王子スーパーナンペイ事件の犯人ではないと見られていますが、警察はこの拳銃が八王子スーパーナンペイ事件で使用された拳銃である可能性が高いと見て捜査を続けているという事でした。
八王子スーパーナンペイ事件のその後…指紋がほぼ一致している男が判明
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八王子スーパーナンペイ事件はその後も捜査が続けられており、2015年には、被害者の女子高校生を縛るのに使用された粘着テープから採取された犯人のものと思われる指紋と、約10年前に死亡した日本人男性の指紋がほぼ一致している事がわかったとの報道が出ました。
東京都八王子市のスーパー「ナンペイ大和田店」(当時)で1995年、アルバイトの女子高校生ら3人が射殺された強盗殺人事件で、現場に残った粘着テープから採取された指紋の一部が、約10年前に死亡した日本人男性のものと酷似していることが18日、捜査関係者への取材で分かった。
ただ、粘着テープから採取できた指紋は不完全なもので、この約10年前に死亡した男性と同一のものだと断定はできないとも発表されています。
この指紋の男性は、八王子スーパーナンペイ事件が起こる約1ヶ月前に子供が起こした交通事故で多額の損害賠償金を請求されていてその支払いに困っており、事件当時は多摩地区に住んでいて、事件当日に現場付近で目撃されたものと似た白い乗用車を所有していたため、当時から容疑者として浮上していました。
ただ、この指紋の男は八王子スーパーナンペイ事件が発生した時間帯は、当時の勤務先のタイムカードの記録からアリバイが成立する可能性が高く、男の親族から採取したDNA鑑定の結果も不一致であった事から、実行犯ではない可能性が高いと見られています。
捜査当局は、この指紋の男が触れた粘着テープを周辺の人物が犯行に使った可能性もあるとして、この指紋の男の周辺を調べているという事です。
八王子スーパーナンペイ事件の現在…犯人は捕まっておらず未解決
八王子スーパーナンペイ事件は、現在も犯人は捕まっておらず未解決のままとなっています。
事件の真相もいまだに闇の中で、一体犯人の動機がなんだったのかもまったくわかっていません。
八王子スーパーナンペイ事件は現在も特別報奨金制度(公的懸賞金制度)の対象事件となっていおり、有益な情報に対する懸賞金は、支援団体による300万円を合わせて最大で合計600万円となっています。
現在まで毎年、被害者を追悼する集会も開催されており、早急な犯人逮捕や事件の真相解明を願う関係者の声も多数出ています。
まとめ
今回は、女子高校生2人を含む女性3人が何者かに射殺され、現在も未解決となっている「八王子スーパーナンペイ事件」についてまとめてみました。
八王子スーパーナンペイ事件が発生した場所は「東京都八王子市大和田町4-26-1」に所在していたスーパーマーケット「スーパーナンペイ大和田店」の2階事務所でした。
八王子スーパーナンペイ事件の被害者は、当時47歳で同店のパート従業員だった稲垣則子さん、同店アルバイトで当時17歳の女子高生だった矢吹恵さん、同じくアルバイトで女子高生の前田寛美さんです。
八王子スーパーナンペイ事件では同点の店長、稲垣則子さんと金銭トラブルがあった男性ら、元自衛官、中国人強盗団、暴力団関係者など、多数が容疑者として浮上しましたが、いずれも犯人逮捕にはつながっていません。
その後、2015年には八王子スーパーナンペイ事件の犯人のものと思われる指紋と、ほぼ指紋が一致する約10年前に死亡した男が判明していますが、この男が犯人だと確定づけるには至っていません。
現在も警察は八王子スーパーナンペイ事件の捜査を継続しています。