ペッパーランチ事件は2007年にペッパーランチ心斎橋店で起きた強盗強姦事件です。この記事では本件の詳細や犯人の北山大輔、三宅正信の裁判や現在、その後、報道規制や芸人が語った真相、ほかの被害者やバラバラ殺人の噂、事件の漫画について紹介します。
この記事の目次
- ペッパーランチ事件の概要
- ペッパーランチ事件の詳細① 事件の発生から発覚まで
- ペッパーランチ事件の詳細② 犯行の計画性
- ペッパーランチ事件の詳細③ 裁判
- ペッパーランチ事件の犯人・北山大輔の人物像
- ペッパーランチ事件の犯人・三宅正信の人物像
- ペッパーランチ事件の被害者
- ペッパーランチ事件の黒い噂① 報道規制があった？
- ペッパーランチ事件の黒い噂② 共犯者がいた？
- ペッパーランチ事件の黒い噂③ 人身売買・バラバラ死体の噂
- ペッパーランチ事件の黒い噂④ 芸人・金時の発言「被害者は3人いる」
- ペッパーランチ事件の黒い噂⑤ 事件には政治家や宗教団体が関わっている？
- ペッパーランチ事件の真相・報道規制はあったのか？
- ペッパーランチ事件のその後① 社会の反応
- ペッパーランチ事件のその後② 犯人に損害賠償請求
- ペッパーランチ事件のその後③ ペッパーフードサービスの現在
- ペッパーランチ事件のその後④ 犯人の現在
- ペッパーランチ事件は漫画化されている？
- ペッパーランチ事件についてのまとめ
ペッパーランチ事件の概要
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2007年5月9日の深夜、ペッパーランチ心斎橋店に1人で入店した女性が店長と店員の2人によって拉致監禁され、強姦されたうえに所持金を奪われるという事件が起こりました。
被害者の女性が自力で監禁場所から逃げ出し、助けを求めたことで事件が発覚。
犯人はすぐに逮捕されましたが、事件が報道されたのが発生から一週間が経過した5月16日であり、その後も詳細な情報が報じられなかったことから「本当は強姦目的の拉致ではなく、会社ぐるみで人身売買に手を出しているのではないか？」等の噂が流れ、報道規制や黒幕の存在が疑われました。
ペッパーランチ事件の詳細① 事件の発生から発覚まで
2007年5月9日午前1時頃、大阪市中央区の心斎橋筋商店街近くにある「ペッパーランチ心斎橋店」で、1人で食事に訪れた20代の女性が監禁される事件が発生しました。
被害者の女性を監禁したのは同店の店長・北山大輔（事件当時25歳）と、店員の三宅政信（事件当時25歳）の2人で、当時、店内には犯人と被害者のほかに客も従業員もいませんでした。
北山大輔と三宅政信は食事中の女性を無視して、店のシャッターを閉めて閉店準備を開始。そして北山大輔が女性の首裏にスタンガンをあてて放電しました。
そのまま女性を引き倒し、「仲間からおまえを連れてくるように頼まれている。逃してやるから、今は大人しく言うことを聞け」などと、恐怖で正常な判断ができなくなっている女性をなだめるような声がけをしたうえで、女性に大量の睡眠薬を飲ませたとされます。
その後、犯人の2人は午前5時頃に店を出て、40kmほど離れた泉佐野市内のガレージまで車で女性を運び込み、拉致。
店を出る前に2人は女性の携帯電話をチェックし、入店前に誰かと連絡をとっていないか確認したうえで、GPS機能を恐れて携帯を壊して捨てたといいます。
午前7時頃にガレージに着くと、2人がかりで女性をガレージ内に停車していた三宅の車に移動し、北山大輔が強姦。
その間に三宅正信は女性の所持金55,000円を奪って、滞納していた犯行現場のガレージの賃料を支払いに行きました。
三宅は2007年2月から5月までの賃料を滞納していたといい、ガレージのオーナーからは「（賃料を支払いに来た三宅は）あんな事件を起こしている最中とは思えないほど落ち着いていた」との証言が出ています。
賃料を払った後に三宅正信も強姦にくわわり、2人は9時30分頃に出勤するためにガレージを後にしました。
この時、犯人2人は引き続き性的暴行をくわえる目的で女性を下着姿のまま縛り上げて、ガレージに停めた車の中に閉じ込めていました。しかし2人がいなくなってから女性は自力で車の外に逃げ出し、大声で助けを求めたとされます。
これを聞きつけた近所の男性がガレージ付近を見に行き、女性を保護。警察に通報したことで事件が発覚しました。
なお、女性を保護した男性は「女の子は裸足で、左目の白目の部分が黄色くなっていたのですぐに『誰かに殴られたんだ！』とわかりました」と当時の状況について証言しています。
ペッパーランチ事件の詳細② 犯行の計画性
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「ペッパーランチ心斎橋店」は2007年3月にオープンしたばかりの店で、北山大輔はオーナー店長だったそうです。
北山大輔と三宅正信は綺麗な女性客が多いことを頻繁に話題にしており、「うちの店、可愛いお客さん多いよね」「ヤりたいなあ」「美人とヤるには襲わないと無理かな」などと話していたといいます。
そうして4月の上旬には強姦に使う目的で通販サイトからスタンガン2台を購入し、2人は通行中の女性の物色をはじめました。しかし車で移動しながらターゲットを探すも、路上で女性を襲うのは難しそうであったために断念。
それであれば自分たちが働くペッパーランチ心斎橋店に来た女性客を狙えばいいのではないか、と思い至ります。
2人は4月の24日から27日の間に革製の拘束具やコンドーム、中国製の避妊薬、バイブレーターなど10万円余りを購入して犯行の機会を伺っていました。
逮捕後の供述によると、当初はぼんやりと女性を襲いたいとしか考えていなかったものの、犯行に使う道具を買い揃えるうちに計画が固まってきたとのことです。
そして5月9日の深夜、1人で店を訪れた女性客がいたことから、示し合わせて犯行に及んだとされます。
ペッパーランチ事件の詳細③ 裁判
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被害者の女性が保護された後、北山大輔と三宅正信はすぐに逮捕され、強盗および強姦、逮捕監禁罪で起訴。2007年7月27日に、大阪地方裁判所でペッパーランチ事件の第一審が開かれました。
北山大輔は顔が隠れるほど伸びた長髪、三宅正信は坊主頭、2人ともグレーのTシャツにジーンズ姿で出廷したといいます。
2人は起訴事実を認めており、裁判での争点は犯行時の様子や生育歴などに情状の余地があるか否かという点になりました。
最終的に大阪地方裁判所の杉田宗久裁判長は、9月27日の判決公判で北山大輔に対して検察側の懲役10年を上回る懲役12年を言い渡します。
求刑を上回る量刑がされることは滅多にないため、これは珍しい判決と言えます。この判決について杉田裁判長は以下のように説明していました。
杉田裁判長は判決で「飲食店のスタッフが食事中の女性客を襲った前代未聞の衝撃的な事件。女性の尊厳に対する配慮が見られず、極悪非道で、被害女性の屈辱感は計り知れない」と指摘。
杉田裁判長は同様の強姦事件に比べて、ペッパーランチ事件は悪質さが抜きん出ていると指摘。
また、この事件以降「1人で夜に飲食店に入るのが怖い」という声が増えたことから、社会に及ぼす影響の大きさを考えて、このような判決を下したものと考えられています。
なお、共犯の三宅正信については求刑通りの懲役10年が言い渡されました。
ペッパーランチ事件の犯人・北山大輔の人物像
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ペッパーランチ事件の犯人である北山大輔は、幼い頃に母親を亡くして叔母に育てられました。
とはいえ叔母は実の子のように北山を育て、生育歴のせいで性格が歪むようなことはなかったと見られています。なお、父親も北山が19歳の時に他界したとのことです。
中学時代の同級生によると、「おとなしい性格で、とくに印象に残らないような生徒」だったとのこと。中学卒業後は工業高校に進学し、高校を出てからは職を転々としていたそうです。
そして事件を起こす数年前からレストランで働き始め、2006年7月にペッパーランチを運営する株式会社ペッパーフードサービスに正社員として入社。
尼崎市内にあるペッパーランチで店長として勤務した後に退社し、2007年の3月にペッパーランチ心斎橋店の店長になったといいます。
なお、ペッパーフードサービスの事件報告によると、北山大輔は雇われ店長ではなく「オーナー店長」だったと発表されています。
ペッパーランチの店舗には直営店とフランチャイズ店があり、フランチャイズオーナーになるには加盟料や設備投資費などのまとまったお金が必要です。
まだ25歳で、高校卒業後も仕事の定まらなかった北山大輔がどのようにして高額な開店資金を工面したのでしょうか？この点に関しては調べても情報がなく、裁判でも触れられていなかったため不明です。
また事件を起こした当時、北山大輔は交際相手の妊娠が発覚して近いうちに結婚する予定だったといいます。結婚予定であった女性はコンビニエンスストアに卸すお弁当を作る工場に勤めており、北山よりも年上だったそうです。
しかも北山大輔には離婚歴があり、前妻との間にも子どもがいたことが明らかになっています。
2007年5月31日発売の『週刊文春』によると、事件当日に出勤前の北山大輔に会って話したという人物がいたようで、この人物は同誌の取材に対して「前の奥さんとの間にできた子が幼稚園生になるらしく、制服代を請求されたと愚痴っていた」と証言していました。
北山大輔と前妻の間の子どもは女の子だといいます。結婚を控えていて強姦事件を起こすという異常さもさることながら、一児の親、しかも女の子の父親でありながら若い女性を狙った性犯罪に手を出せるという点に驚きが隠せません。
なお、犯行の準備に10万円をポンと使ったという北山ですが、裁判中の証言によると店長としての毎月の収入は45万円から47万円であったとのことです。
ペッパーランチ事件の犯人・三宅正信の人物像
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ペッパーランチ事件のもう1人の犯人である三宅正信は、小学校4年生の頃から引きこもりぎみで、小学校高学年から中学卒業までの間は学校にもほとんど通っていなかったといいます。
自宅学習に取り組んでいたわけでもなかったようで、義務教育をきちんと受けなかったことから三宅正信は漢字の読み書きや読解能力に問題があり、他者の気持ちを想像することや、犯罪を起こした後のことを予想することも困難だったそうです。
また北山大輔とは中学の同級生でしたが、学生時代は仲が良かったわけではなかったとのこと。
中学を卒業した後は高校に進学せずに就職しており、北山大輔との接点はありませんでした。しかし、北山が高校3年生の時に偶然ゲームセンターで再会し、それから一緒に遊ぶようになったといいます。
その後は北山大輔がペッパーフードサービスに就職する前に働いていたレストランで一緒に働くようになり、無遅刻無欠勤で真面目に働いていました。そして「きちんと就職したい」として2007年の3月にレストランを辞め、ペッパーランチ心斎橋店で働き出したのだそうです。
もちろんペッパーランチ心斎橋店で働くことになった理由は、北山からの声がけでした。
私生活では事件を起こす2年ほど前から家を出て、彼女と大阪市西成区の天下茶屋で同棲をしていたといいます。驚いたことに三宅正信も生活をともにするほどの恋人がいたにもかかわらず、このような事件を起こしたのです。
三宅正信の母親は事件後に「謝って済む問題ではないのはわかっているけれど、被害者の方に謝罪したい。問題を起こすような子ではなかったので、安心しきっていました。甘やかしすぎたのかもしれません」と話していました。
また、三宅正信の裁判に出廷した姉は涙ながらに被害者の女性に謝罪し、「家族が甘やかしすぎました。私も、もっとしっかり弟を見るべきでした」と頭を下げていました。
なお、三宅正信についても北山大輔同様に父親は他界しているとのことです。
ペッパーランチ事件の被害者
性犯罪の被害者であるため、当然ではありますがペッパーランチ事件の被害者の女性については詳細は報じられていません。
ただ、彼女を保護した男性によると「20歳くらいで、目鼻立ちのはっきりした可愛らしい容姿。派手なタイプではなく、普通の大人しそうな女の子だった」といいます。
なお被害者は気丈な方であったようで、北山、三宅両名の裁判にはしっかりと出向き、裁判所の計らいでついたてを設けてもらい、その奥で傍聴していました。
ペッパーランチ事件の黒い噂① 報道規制があった？
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5月9日には発覚し、犯人が逮捕されていたペッパーランチ事件。しかし事件について報道されたのは5月16日が初めてで、それもTVや新聞などの大きなメディアではほとんど取り上げられずに、週刊誌で報じられたのみでした。
後に大手メディアでも事件の紹介はされましたが、ほんの短い時期に軽く触れられただけだったため、当時はペッパーランチ事件を知らない人も多かったといいます。
人通りの多い心斎橋という大都会のチェーン店の飲食店で食事をしようとしたら、暴行事件に巻き込まれた。このような悪質かつ残酷な事件が、あまりメディアに取り上げられなかったことはネットで話題となり「報道できない理由でもあるのか？」「報道規制があったのでは？」と憶測が飛び交いました。
また、ネットでも「ペッパーランチ事件」「ペッパーランチ 監禁」といった検索キーワードを除外するような対応があり、事件関連の情報が検索できない時期が存在したとされます。
「北山大輔」「三宅正信」の名前をGoogleで検索すると事件直後には6万件近いヒットがあったものの、5月16日以降は同じワードで検索をしても150件しかヒットしない現象が発生したとの話もあります。
このことは2ちゃんねるを中心に話題になり、以下のような理由で情報が出ないのではないか？と考察されていました。
・事件の背景や犯人の関係者に反社会的勢力がいるため、圧力がかかっている
・被害者の女性のプライバシーに配慮した結果
さらに通常、大きな事件が起きた際には犯人の顔写真が公開されるものですが、ペッパーランチ事件に関しては当初、北山、三宅の2人とも中学生時代の写真のみ公開され、三宅については直近の写真は公開されずじまいでした。
ペッパーランチ事件の黒い噂② 共犯者がいた？
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事件発覚後、被害者の女性は「犯人は4人いた」と自分を保護してくれた男性や家族、警察に話していたそうです。
保護された後、男性から「とにかく家族と、警察にも電話をしたほうがいい」と携帯電話を差し出された被害者女性は「ほかにも犯人がいるから、警察に言ったら殺されるかもしれない」と怯え、警察に電話をかけたがらなかったといいます。
後に現場の血液検査やポリグラフ検査などをおこなった結果、共犯者がいたという説は正式に否定されています。
女性も裁判で、「ガレージの外から聞こえてきた声を、共犯者の声だと勘違いしていたのかもしれない」「体臭などから考えて、現場にいたのは北山被告と三宅被告の2人だけだったと思う」と当初の発言を訂正していました。
裁判での供述によると被害者の女性は睡眠薬が効きにくい体質であったらしく、犯行現場に移動する途中で意識が戻ってきていたといい、慌てた犯人らはコンビニに寄って焼酎のウーロン茶割りを作って女性に無理やり飲ませて、昏睡状態にさせていたそうです。
さらにガレージに到着する前にアイマスクを着けられて視界を遮られていたため、ガレージの外の声を犯人のものと勘違いしても不思議ではない状態でした。
また、ペッパーランチ店内で女性を脅す時に北山大輔が「仲間におまえを連れてこいと頼まれた」と言っていたため、ガレージには共犯者がいると思い込んでいたのかもしれません。
5月18日に事故死した男性が共犯者という噂も流れた
ペッパーランチ事件が起きた9日後の5月18日、大阪府高槻市富田丘町にあるJR京都線の踏切を横断中であった30歳と35歳の会社員の男性が、電車にはねられて死亡するという事故が発生しました。
2人は自転車を押しながら肩を組んで歩いていたといい、この不自然さとペッパーランチ事件が報道された直後に大阪府内で起きた事故であったことから、「電車にはねられたのはペッパーランチ事件の共犯者の2人で、事件が明るみに出て自殺をしたのでは？」との噂が流れました。
事故が起きた時間は午後11時半頃だったとのことですから、亡くなった2人は酔っ払っていただけなのではないかとも思われます。しかし、当初の被害女性の発言で「犯人は4人いた」とされていたため、このような話が出たのでしょう。
ペッパーランチ事件の黒い噂③ 人身売買・バラバラ死体の噂
ペッパーランチ事件の現場となったガレージは、大阪府泉佐野市りんくう往来北6-1付近にありました。
このガレージは事件が起きた2年半前から三宅正信が借りていたといい、ペッパーランチ心斎橋店からは42kmも離れていました。
事件当時、三宅正信は天下茶屋に住んでいたのことですが、ガレージは天下茶屋駅からの距離も30km以上あります。なぜ自宅からも職場からも離れた場所にガレージを借りていたのか？このことはネットで考察の対象になりました。
そしてガレージのある場所が船の発着が多い沿岸部であったことから、「犯人は反社会的勢力と繋がっていて、人身売買に加担していたのでは？」という噂が流れるようになったのです。
また、犯行に使用した睡眠薬についても逮捕後に北山大輔が「インターネット通販で、中国のサイトから買った」と供述したと報じられましたが、これについても「ネット通販で一般人が睡眠薬を買えるのか？」と話題になりました。
ただ2006年の時点で「ネット通販で偽物のバイアグラが出回っている」という注意喚起がされていたため、「2007年4月に中国の通販サイトを通じて違法に売られている睡眠薬を入手した」という北山の供述は、不自然ではない印象を受けます。
さらにこのガレージの場所が原因で、「人身売買ではなく、被害者をバラバラにして臓器だけを売るつもりだったのでは？」「ここで被害者を殺害してバラバラにして、ペッパーランチで提供していたのでは？」といった噂まで飛び交うようになりました。
これらについては「沿岸部にガレージを借りていた」という一点から発生した都市伝説のようなもので、信憑性はありません。
たしかにガレージはりんくう漁港の近くにあったとされますが、この付近は人通りもあり、港で働く人の作業所なども建ち並んでいます。
そのため、犯罪の拠点として使うにはあまりにも不向きなのです。実際に、ペッパーランチ事件の被害者の女性もすぐに救出されていますよね。
しかし、人身売買や臓器売買に関与していたというのは単なるデマにすぎないとはいえ、なぜ不便な場所にわざわざ三宅正信がガレージを借りていたのかは不明のままです。
実家の近くで、あまり車を使わないために家を出ても契約を残しっぱなしにしていただけ、という可能性も考えられます。しかし駐車場ではなく、わざわざガレージを借りていたという点も、余罪があるのではないか？最初から意図があってここを借りたのではないか？と不審がられる一因になったと思われます。
ペッパーランチ事件の黒い噂④ 芸人・金時の発言「被害者は3人いる」
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ペッパーランチ事件直後に心斎橋のクラブ「TRIANGLE」でおこなわれたイベントに司会者として出演した吉本興業所属の若手芸人「金時」が、イベント中に事件についての話をして、話題を呼びました。
金時の2人は事件発生当時、ペッパーランチ心斎橋店の近くにあるペッパーランチ千日通り店でアルバイトをしていたといい、心斎橋店閉業後の片付けも手伝っていたそうです。
片付けの際には店からアダルトビデオが20本近く発見され、「やっぱり変態だったんだと思いましたね」などとイベント中に話していたといいます。
この2人の話のなかで、話題になったのが以下の発言です。
「あの、店長ともう一人と男二人で、女の人一人泉佐野まで連れてって、レイプしてたんですけど…」
「あれね、ホンマはね、女の人三人おったんですよ」
「三人泉佐野まで連れてって、睡眠薬飲まされて」
「で、一人脱出して見付かって・・・・・・あとの二人、まだ行方不明なんです」
引用：【女性客拉致・強姦】 「ペッパーランチ事件で『夜は怖くて入れない』と女性ら…気になる“風評被害”」…日経レストラン編集長★17
脱出した1人というのは保護された女性のことなのでしょうが、彼女以外にもう2人監禁されていた女性がいたと言うのです。
この発言は5月27日に2ちゃんねるに書き込まれて以降、大きな波紋を呼び、「残りの2人はどうなったの？」「3人も拉致したなんて、組織犯罪じゃないか」との声があがりました。
また、このイベント以降、金時が事件について再び話題に出すことがないまま2008年4月29日に解散をしたことから、「言ってはいけないことを話したから消されたに違いない」との噂も流れました。
しかし、金時の2人は解散した後も芸能活動を続けており、ボケ担当であった三輪善行さんは2020年に漫才協会に入会して寄席を中心に活動、ツッコミ担当であった秋山賢太さんはお笑いコンビ「アキナ」を結成してTVにも出演しています。
したがって、「金時はペッパーランチ事件の真相を知ってしまったために消された！」という説はデマです。
今となっては「被害者は3人いた」という話の真偽は不明ですが、おそらく芸人の卵だった金時がイベントを盛り上げるために、ペッパーランチのアルバイトの間で流れていた噂話を披露しただけだったのではないかと思われます。
ペッパーランチ事件の黒い噂⑤ 事件には政治家や宗教団体が関わっている？
ペッパーランチ事件が初めて報じられた翌日の5月17日、愛知県の愛知郡長久手町（現在の長久手市）で、男が前妻を人質に民家に立てこもるという事件が発生しました。
29時間にもおよんだ立てこもりの様子はニュース番組で中継放送され、さらに18日に警察官が犯人の男に銃殺されたことにより、解決後も連日連夜、事件について報道されました。
この愛知長久手町立てこもり発砲事件が起きたことで、16日にやっと明るみに出たペッパーランチ事件に関してはほとんど話題にのぼらないようになったといいます。
そのため「立てこもり発砲事件が起こるタイミングが良すぎる」「ペッパーランチ事件を隠したくて、犯人はわざと立てこもり事件を起こしたのでは？」と囁かれるようになったのです。
なお、愛知長久手町立てこもり発砲事件を起こした犯人は大林久人という人物なのですが、「大林容疑者の本名は朴久人といい、三宅正信の父親と同じ韓国系の組織に所属している」といった噂も流れました。
三宅正信の父親が韓国系の組織や血筋だったという話は裁判や報道では出ていませんし、大林久人の本名についても明確な情報源はありません。
しかしネットではこの噂をもとにペッパーランチ事件についての考察が盛んにされ、「事件の黒幕は北朝鮮」「北山大輔と三宅正信のバックには在日韓国人の組織がついていて、犯行を指示されたのではないか」との疑惑まで出てきたようです。
黒幕は創価学会という説もあった
また、ネットでは「ペッパーランチ事件の犯人2人は創価大学の卒業生で、事件には創価学会が絡んでいる」という噂も流れました。
しかし、前述のように北山大輔は工業高校を卒業した後に働いており、三宅正信は中学卒業後に高校にさえ進学しなかったことが報道や裁判から明らかになっています。
そのため、黒幕は創価学会という説も単なるデマだと考えられます。
事件の背後に大物政治家がいた？
2007年6月17日に放送されたトーク番組『たかじんのそこまで言って委員会』に出演した田嶋陽子さんが、「ペッパーランチ事件は報道規制されている。ペッパーフードサービスの社長が大物政治家と繋がりがあるからではないのか？」と指摘していました。
この発言が切り取られて、事件の黒幕は政治家か？と話題になりましたが、田嶋陽子さんは事件が報道されないのはペッパーフードサービスの社長への忖度ではないのか？と疑問を呈しただけです。
なお、田嶋陽子さんは2ちゃんねるの書き込みを根拠に上のような発言をしたとされ、番組中にも本人の口から「情報源は2ちゃんねる」という話がでていました。
これに対しては当時の2ちゃんねるでも「ソースは2ちゃん…それをTVで言うのか」「怪しんでる人が多いって言いたかったんでしょ？これは田嶋陽子を応援したいね」と賛否両論の声があがっていました。
ペッパーランチ事件の真相・報道規制はあったのか？
出典：https://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/
ペッパーランチ事件の報道が5月16日になった理由については、犯人や事件について裏があったからではなく、「ペッパーフードサービス」側の事情だったのではないかとの見方がされています。
事件が発覚した直後にペッパーフードサービスは会社のホームページを一時的に閉鎖しており、報道がされるまでの一週間の間で心斎橋店を閉業、看板も降ろして設備の撤去作業までおこなっていました。
さらに事件が起きた5月9日から東証マザーズでペッパーフードサービスの株価は出来高を増やして下がり続けていたため、インサイダー取引があったのではないかとの疑いもありました。
また会社が事件を把握した日付についても、不審な点があります。
2007年5月17日発表したIRでは「5月12日に担当役員が大阪府南警察署に出向いて、初めて事件を知らされた」と発表していましたが、5月16日にペッパーフードサービスの一瀬邦夫社長が記者会見を開いた際には「発生の翌日に事件を知った」と説明していたのです。
北山大輔と三宅正信は5月10日にペッパーランチ心斎橋店で勤務中であったところ、警察に任意同行を求められて逮捕されたと報じられています。
にもかかわらず、ペッパーフードサービスが5月12日まで事件を把握していなかったというのは、あまりにもおかしな話です。
そのため、ペッパーフードサービス側はIRでも「まだ捜査中なので会社としての発表は控えていた」「マスコミから取材要請が多数来たため、警察に相談をして会見をすることにした」と説明したのですが、「できることなら決算まで事件を隠して起きたかったのではないか」と囁かれるようになったのです。
また、2007年当時は強姦罪は親告罪（被害者からの告訴がなければ刑事事件にならない）の扱いだったため、「被害者女性に慰謝料をたっぷり渡して、事件そのものをもみ消すつもりだったのでは？」とも指摘されました。
大手メディアが取り上げなかった理由
5月16日以降も新聞やTVではペッパーランチ事件についてはあまり取り上げられず、とくに8月1日に開かれた2回目の公判以降の動きについてはネットニュースでさえ数件しか報じませんでした。
これはおそらく事件の詳細がとても報道できるようなものではなかったため、被害者女性のプライバシーや二次被害を考慮した結果なのではないかと思われます。
ペッパーランチ事件の裁判について唯一くわしく報道していたのが、市民参加型ネットメディアとして、2006年に発足したばかりの「オーマイニュース」でした。
オーマイニュースには裁判の傍聴に出向いた市民記者の方の記事が掲載されていたのですが、事件の詳細は吐き気を催すようなものでした。そのため、どう扱うのが社会と被害者双方にとって最善になるのか考えた結果、軽く報じるにとどめたのでしょう。
しかし、情報を隠されると「なにか裏があるのではないか？」と勘ぐりたくなるものです。そうして少ない情報から考察をする人が増えたために、「ペッパーランチ事件には闇があるに違いない」と囁かれるようになってしまったのだと思われます。
ペッパーランチ事件のその後① 社会の反応
5月31日から6月1日までの間に日経レストランがおこなったネットでの調査によると、ペッパーランチ事件の認知度は76.7%にとどまったとされます。ネット調査でこの数字ですから、情報源がTVや新聞のみという方を含めると、世間全体の認知度はさらに低いものと思われます。
この76.7%のなかで事件を知った後に何ならかの行動変容があったと答えたのが20.4%で、その55.3%が「夜に1人で飲食店に入るのを避けるようになった」と回答していました。
報道合戦がなかったことから外食産業そのものに対する被害は少なかったとされていますが、事件後には店内がガラガラのペッパーランチが多く見られたとの声もあります。
ペッパーランチ事件のその後② 犯人に損害賠償請求
ペッパーランチ事件が報じられた後、ニッポン放送で流されていたペッパーランチのラジオCMはACジャパンのCMに差し替えられ、ペッパーフードサービスのホームページにもトップ画面に謝罪文が掲載されました。
さらにペッパーフードサービスは2007年5月末からファミリーマートでコラボ弁当を販売する予定でしたが、事件の影響でこの話もなくなりました。
これらを受けてペッパーフードサービスは「事業運営に多大な被害が生じた」として、2009年6月に北山大輔と三宅正信に合計およそ2760万円の損害賠償請求訴訟を起こしています。
ペッパーランチ事件のその後③ ペッパーフードサービスの現在
ペッパーランチ事件について一瀬社長の記者会見がおこなわれた直後、ペッパーフードサービスの株価は急落して2万円台のストップ安になりました。
しかしその後、ペッパーフードサービスは2013年から「いきなりステーキ」を経営の主軸にすえて巻き返しを図ります。
怒涛の出店ラッシュで一時期はペッパーフードサービスの株価は高騰。一瀬社長も「ステーキ王」と呼ばれましたが、2019年には過剰出店により赤字が膨らみ、2020年にはペッパーランチ事業を売却、2022年現在に至るまで閉店と営業不振が続いています。
ペッパーランチ事件のその後④ 犯人の現在
現在、ペッパーランチ事件を起こした北山大輔と三宅正信はすでに出所して社会に出ています。
2017年以降、5ちゃんねるで「大阪市内で北山大輔と似た男を見た」「〇〇で働いているらしい」などの書き込みがちらほら見られましたが、他人の空似の可能性もありますし、2人が現在も大阪府内で暮らしているのかも不明です。
刑期を終えている以上、どんな卑劣な事件を起こした過去があろうとも普通に暮らす権利はあります。
ただ、被害者の女性は裁判で「（犯人の2人は）もう二度と、私の目の前に現れないでほしい」と話していました。せめて被害者の女性と生活圏がかぶらない場所で、真面目に生きていてほしいと願います。
ペッパーランチ事件は漫画化されている？
いまだに「ペッパーランチ」と聞くとこの画像が浮かんでくるんだよなぁ(´・ω・`)＞RT pic.twitter.com/CcCaK3YAAY
— シークレット™ (@secret_222) June 18, 2020
2ちゃんねるなどでは「まるで酷い同人誌みたいな話だ」と話題になったペッパーランチ事件。
事件をモチーフにした漫画はない様子ですが、ネットで公開されて話題になったイラストはあります。それが上の「ほにゃららランチの憂鬱」というタイトルのイラストです。
事件当時に流行っていた『涼宮ハルヒの憂鬱』の登場人物が使われたこともあって、このイラストが印象に残っている人は未だに多いようです。
ペッパーランチ事件についてのまとめ
今回は2007年にペッパーランチ心斎橋店で発生した強盗・強姦事件、ペッパーランチ事件について紹介しました。
現在では被害者のプライバシーと、このような事件は滅多に起こらないだろうとの判断から、ペッパーランチ事件はあまり報道されなかったのではないかと考えられています。おそらく、外食産業全体への影響や風評被害も考慮したのでしょう。
しかし、2014年には福岡のワッフル店で従業員が女性客を監禁、強姦するというペッパーランチ事件と酷似した事件が発生しています。短期間にこのような事件が立て続けに起きてしまうと、本当に報道を控えるのが良い判断だったのだろうか？何がしかの注意喚起は必要だったのではないか？とも思ってしまいますね。
