5ちゃんねるには匿名で書き込みできる巨大掲示板なので、掲示板の中でいろいろな事件・炎上・伝説などが生まれますが、その1つが前田仁(だるま)の自殺配信です。
前田仁(だるま)の「俺の人生」というブログや家族環境、生い立ちや経歴、結婚の有無、自殺配信の詳細や原因、その後などをまとめました。
この記事の目次
前田仁はなんJ(おんJ)で自殺配信をした人物
出典:archive.md
前田仁(まえだひとし)
生年月日:1988年7月24日
没年月日:2016年9月29日~30日
出身:千葉県?
職業:無職
前田仁はおーぷん2ちゃんねるのなんJ板(なんでも実況J)で自殺配信をした人物です。
自殺するところをなんJで生配信したという前代未聞の行動をしたことだけでなく、自殺に至るまでの生い立ちや家族環境などを詳しく書き綴っていたブログ「俺の人生」が残っていたこと、生配信中に前田仁の遺体を発見した母親の悲痛な嘆き・声の音声がアーカイブされて拡散されたことなどで、5ちゃんねる(当時の2ちゃんねる)の中で大きな話題になりました。
現在でも5ちゃんねるのなんJなどでたびたび前田仁(だるま)に関するスレッドが立てられています。
前田仁がだるまと呼ばれるのは「俺の人生」というブログを書いたため
前田仁さんは「だるま」と呼ばれることもあります。なぜ、前田仁さんがだるまと呼ばれているのか?それは、だるまという名前でブログを書いていたからです。
前田さんはhatena Blogで「daruma0000’s diary」というブログを書いていました。
このブログは途中からfc2ブログに引越ししましたが、引っ越した後も「http://daruma0724.web.fc2.com/」とここでも「だるま」という名前を使っています。
この「だるま」はもしかしたら、前田仁さんが小学生の頃からのニックネームなのかもしれません。
「俺の人生」の中で、小学校生活を語っている時に次のような記述がありました。
「だる(俺のあだ名)って気持ち悪いよね、みんな言ってるよ?」
引用:俺の人生
ここでは「だる」と書いてあるのは、「だるま」から来ているのかもしれませんね。確かに前田仁さんの写真を見ると、「だるま」っぽさがあります。
前田仁(だるま)の家族
出典:archive.md
前田仁(だるま)は6人家族で育ちました。
・父親:前田元(はじめ)
・母親:前田静江(しずえ)
・長女:前田瞳(ひとみ)
・長男:前田健(たけし)
・次男:前田勇(いさむ)
・三男:前田仁(ひとし)
父親の前田元さんはタクシー運転手、母親は駅の清掃員をしていました。
前田仁さんは長女とは12歳差、長男とは8歳差、勇さんとは5歳差で4人兄弟の末っ子です。
6畳2間の平屋の小さな借家に住んでいました。
4人兄弟ですが、長女の瞳さんは短大を卒業後に就職して自立していますが、長男・次男・三男(前田仁)は3人とも中卒で引きこもり経験あり。しかも長男と三男(前田仁)は自殺をしています。
前田仁(だるま)の生い立ちや経歴・結婚の有無
前田仁(だるま)の生い立ち
前田仁(だるま)は1988年に4人兄弟の末っ子として生まれました。ブログの「俺の人生」によると、前田仁は子供の頃から変わったタイプだったようです。
年少から幼稚園に通いましたが、なぜかクラスで1人だけ給食ではなく、毎日お弁当だったとのことです。また、卒園間近の時にはクラスメイトにいじめられていたとのこと。
小学2年生頃からは万引き癖が付くようになりました。最初はカードゲームのUNOを万引きして、それからはジュースやお菓子、色鉛筆など万引きを繰り返すようになります。そんなある日、ホームセンターでラジコンを万引きしようとした時にお店の人につかまります。
万引きして捕まったことをなかなか母親に言い出せませんでしたが、ようやく手紙で伝えた後、母親は前田仁さんを連れて、一緒に謝りに行ってくれたとのことでした。そして、その帰りに母親はスーパーで1000円をくれたそうです。このエピソードだけ聞くと、良い母親のように思えますが、前田仁さんは次のように振り返っています。
今冷静になって考えてみると、俺は毎月のお小遣いを貰ったことが無かったので、
俺が万引きをしても仕方なかった状況だと思います。
引用:俺の人生
何とか自分を正当化したかったのかもしれません。
兄の不登校と自殺
前田仁さんには姉が1人、兄が2人いました。姉12歳の瞳さんは1997年ごろに自立して家を出ています。
8歳年上の兄の健さんは中学校入学後すぐに不登校になり、高校に進学せずにニートになりました。5歳年上の兄の勇さんは中学卒業後に進学せずに、ニートになっています。
そして、1998年ごろから健さんは精神科に通院して薬を服用することになり、1999年5月に自殺をしました。どうやら、首吊り自殺だったようです。この時、前田仁さんは小学5年生でした。
この時のことを前田仁さんは次のように回想しています。
ぶっちゃけ、ほんとどうでも良かったし。
むしろ、健さんが死んだ分、家が広くなるので嬉しかったです。
引用:俺の人生
兄が自殺しても、この感想しか出てこないとなると、この頃から前田仁さんはどこか精神的に病んでいたのかもしれません。
両親の離婚と中学校生活
前田仁さんが小学5年生の時に兄が自殺しましたが、その翌年には両親が離婚しました。父親が家を出ていく形での離婚になり、平屋の家に母親と5歳上の兄の勇さんと前田仁さんが残ることになりました。離婚原因は、兄の自殺ではないかとのことです。
中学生になった前田仁さんは自分の家に激しい劣等感を抱くようになります。
とにかくクラスメイトに自分の家を知られたくない。平屋の小さな借家であることを知られたくないという思いから、仲の良い友達を作ることもなく、中学校生活を送っていました。
途中からは中学校に行きたくないという気持ちが強くなり、さぼってしまったことも何度かありました。
引きこもり生活へ
前田仁(だるま)は中学を卒業後に農業高校に進学しますが、半年ほどで中退し、引きこもりニート生活に突入しました。
高校を中退した当初は、「バイトでもするか」という気持ちがありましたが、それも徐々になくなり、完全に引きこもりニート生活を送るようになりました。
20歳になった頃、妙にイライラしていた前田さんは兄の勇さんに「殺しちゃうかもしれないから自立して」と言い放ちました。勇さんはこの時、警備員のバイトをしていました。その兄に対して、完全ニート&引きこもりの20歳の弟が「殺しちゃうかもしれないから自立して」と言うのは・・・。
この出来事から3ヶ月後に勇さんは家を出ていき、前田さんは母親と2人暮らしになりました。
家庭内暴力
母親と2人暮らしになった前田仁(だるま)は家庭内暴力をふるうようになります。
・壁に穴をあける
・ドライバーでガラスを割る
・液晶テレビを割る
・テレビのコードをはさみで切る
・母親の服や寝具を食べ物で汚す
・兄の遺骨を庭に撒く
・「何で産んだんだよー」「教育できないなら産むなよー」と大きな声で言う
ちなみにこの時、やっぱり前田仁さんは完全ニートです。テレビもパソコンもゲームも母親に購入してもらっていました。
前田仁(だるま)は自殺をなんJ(おんJ)で生配信
前田仁は2016年9月28日にブログ「俺の人生」を完成させました。そして、おそらく9月29日に自殺しています。
「俺の人生」のブログを書いた理由は、自分がこの世に存在した証拠を残すためだったそうです。
だから俺は、俺がこの世界に存在していた証拠を残す方法を考えて、
自分の人生を書いたホームページをネット上に公開することを思い付いたんです。
引用:俺の人生
前田仁さんはただ自殺をしただけでなく、自殺をなんJで生配信しながら自殺をするというとんでもない行動に出ました。
この自殺配信という方法によって、前田仁さんは一気に注目され有名になり、皮肉にも生前の希望である「この世に存在した証拠を残す」ことを達成することができたのです。
音声配信で自殺
出典:archive.md
前田仁(だるま)さんは、おーぷん2ちゃんねるで自殺することを宣言し、Ustreamで自殺の生配信を行いました。
自殺方法は首吊りです。おそらく、ブログで宣言していた通り、ぶら下がり健康器で首を吊ったのでしょう。
前田仁は自殺の生配信を行いましたが、映像はありません。音声のみの配信でした。
映像がない理由は、最初の設定でミスをしたという説もありますが、映像があると配信を中断されるために、意図的に音声のみにしたとも言われています。
0046風吹けば名無し
2022/05/11(水) 14:51:35.94ID:BgSNMuNN0
>>14
映像があるとBANされるから意図的に映像切ったんやで母親の反応見せる放送やから
前田仁さんの遺体は、本人の狙い通り(?)母親が発見しました。その時の音声も生配信されています。遺体を発見した母親の悲痛な声が残っています。
41:03ごろ 「やだひとしィ…」という声が初めて入る。ここで母親が死体発見らしい
その後20秒ほど「ひとしぃ!ひとちゃん!」と呼び続けるも母親が涙声 に。
41:38ごろ 「やだちょっとひとし自殺しちゃった…。お願い、首つってるぅ」と母 親が何者かを呼ぶ。恐らく家族
42:42ごろ 母親が救急車へ第一報。住所氏名がばっちり入ってる
43:30ごろ 母親が耐えきれずに電話口で嗚咽をもらす。
43:41ごろ ここから約十五秒ほど「ひとちゃーん、ごめんよぉ。ひとちゃん、ごめん ごめん」と懺悔の声
44:36ごろ ここ辺りから母親の呻くような鳴き声が約40秒続く
45:15ごろ 母親が泣きながら誰かに返答。口調から恐らく救急隊の電話と思われる
「重いんで」「待っててください」等の声が聞こえるが文脈は不明
46:47ごろ 再度母親が「ひとちゃん」と呼びかけ出す。「これもうだめだな」と小声 で呟く母親
「重くて無理」と言っている為、死体の引き下ろしを試みた模様
47:27ごろ 母親が出かける前の状況を電話口で説明している。救急隊に向けてと思わ れる
引用:黄昏ちゃんねる : 【伝説】ひとしぃの自殺配信音声の、母発見時からのほとんどと、日々の引きこもり生活を画像付きで記録したブログ、発見される…
この音声を聞いた人は、母親の悲痛な声が耳から離れないと言っていました。
警察が来ても生配信は続いた
救急隊が到着した後、自殺だった後もあり、警察もやってきて、現場の実況見分が行われていました。実はこの時も生配信は続いていたようです。
>>606
誰も止めてなかったからつけっぱなしだったのを
警官が気付いて生放送止めた
えっ…これ撮ってる!撮ってますよこれ!ってはしゃぐ警官の声が入ってる
引用:黄昏ちゃんねる : 【伝説】ひとしぃの自殺配信音声の、母発見時からのほとんどと、日々の引きこもり生活を画像付きで記録したブログ、発見される…
母親も救急隊も、まさか生配信されているなんて思わないですよね。そんなことよりも、まずは「息子が自殺してしまった」というパニック状態になっていますから。警察が自殺現場を調べた時にようやく配信に気づいたというのはおかしなことではありません。
前田仁(だるま)の自殺原因は母親への逆恨み?
前田仁(だるま)さんは、なぜ自殺をしたのでしょうか?自殺の原因は、母親への逆恨みではないかと見られています。
家庭環境は良いとは言えない
出典:archive.md
前田仁さんの実家の家庭環境は、決して良いとは言えませんでした。4人兄弟のうち2人は自殺、3人は中卒&引きこもりですから。
・姉:短大卒で就職→自立
・長兄:引きこもり&中卒→自殺
・次兄:中卒&引きこもり→バイト→自立
・だるま:高校中退→引きこもり→自殺
姉は長兄のお葬式には来たものの、それ以降は実家に顔を出していないようで、前田仁さんは葬式以降会っていないそうです。1999年以降会っていないというのはさすがに異常ですよね。姉は実家からできるだけ距離を置きたかったのでしょう。
さらに、両親は2000年ごろに離婚していて、母子家庭になっています。
これを考えると、家庭環境は良くなく、前田仁さんが引きこもり等の理由を家庭環境のせいにしたくなる気持ちはわかります。
母親への恨みをブログ「俺の人生」に書いていた
前田仁さんのブログ「俺の人生」には母親の静江さんへの恨みが書かれていました。
要するには、静江さんは母親として無能なんですよ。
なのに何で静江さんが被害者なのか…。
そこに俺、煽られたんですよ。
だって、俺が引きこもりになって自殺した原因も、静江さんが俺の教育を失敗したせいですからね。
引用:俺の人生
自分が自立できないことや自分が引きこもりになっているのは、母親のせい。だから、全部母親が悪いという論理です。
28歳で引きこもり&中卒で職歴なしという状態に焦りを感じて、一番身近な人に責任転嫁しなければ、メンタルを保つことができなかったのかもしれません。
ただ、子供が4人いて、3人が中卒引きこもり、2人が自殺というのは、やはり母親にも何らかの責任があったのかもしれないと思ってしまいますね。
人生への絶望?
前田仁さんが自殺をしたのは、人生に絶望したからかもしれません。
そもそも、前田仁さんは長兄同様にメンタルを病んでいた可能性があります。
次兄を「殺しちゃうかもしれないから自立して」と実家から追い出した後、独り言を言うようになっています。また、長兄の遺骨を庭に撒いたこともありました。
そもそも16歳から28歳まで引きこもりで、母親に生活の面倒を見てもらって、パソコンやゲームを買ってもらいつつ恨んでいるということ自体がメンタルを病んでいる証拠だと思います。
そして、そのような中、28歳になり将来に光が見えないため、自殺を決意したものと思われます。
だって、引きこもり生活なんてずっと出来るわけじゃないですし。
だからいつかは覚悟を決めなければいけないんですよ。
引用:俺の人生
なんかあまりにも悲しい最後ですよね。
前田仁(だるま)の自殺配信のその後
ブログはアーカイブが残る
出典:archive.md
前田仁(だるま)さんが自殺配信をした後、ブログは閉鎖されました。おそらく、倫理的に問題があると判断されたのでしょう。
ただ、ブログのアーカイブは残されています。そのため、現在でも前田仁さんのブログ「俺の人生」を読むことができます。
生前の前田仁さんの「この世界に存在したことを証明する」という願いは叶ったことになります。
なんJでは叩かれることが多い
出典:x.com
前田仁(だるま)さんに関するスレッドが現在でもたびたびなんJで立っていますが、前田仁さんを批判する意見が多いです。自殺のニュースがあると、スレッドが立つことが多いですね。
以前は「自殺の生配信」をしたことで持ち上げられることもありましたが、現在は自己中心的な自殺理由などに批判が集まっています。
前田仁さんはなんJでの反面教師的な存在になっているのかもしれません。
前田仁のまとめ
自殺配信をした前田仁(だるま)さんのブログ「俺の人生」から見る家族構成や生い立ち・経歴・結婚の有無、自殺の配信や自殺原因、その後のなんJでの扱いなどをまとめました。
前田仁(だるま)さんのご冥福をお祈りするとともに、母親が少しでも心穏やかに過ごしていることを願います。