過去にネット上で流行した「微レ存」という言葉の意味が話題になっています。
この記事では微レ存の意味や使い方、元ネタは2ちゃんねるに過去に書き込まれた汚い言葉、なんJがきっかけで一般にも使われるようなった経緯、現在は古い死語とされている件などについてまとめました。
この記事の目次
微レ存(びれぞん)の意味は「限りなく低い確率だがゼロではない」
インターネット上で現在もたまに目にする言葉「微レ存(びれぞん)」は、2012年頃からネット上で流行したネットスラングで、「限りなく低い確率だが、ゼロではない」という意味があります。
微レ存は、「微粒子レベルで存在している」という言葉を略したもので、限りなく可能性は無いに等しいが、極々小さいレベルでは存在していると主張する際に使用します。
微レ存の読み方は「びれぞん」ですが、一部「びれそん」とするのが正しいという声もあるようです。
微レ存という言葉が生まれる由来となった元ネタについては後述します。
微レ存の使い方(例文)
「微レ存」の使い方の例文をいくつか紹介していきます。
今まで恋人ができた事がない俺が結婚できる可能性は微レ存。
上のように、おそらく自分がそれを達成する事は難しいだろうといった自虐的な意味で「微レ存」という言葉が使われるケースがよくみられます。
このままだと留年する可能性も微レ存…。
上の使い方は、まず大丈夫だろうけど、もしかしたらごく少ない可能性として悪い結果になるかも知れないと不安な気持ちを表現するために使われるようなケースです。
ツチノコが実在する可能性は微レ存
絶対にないだろうけど、もしかしたらあるかも知れないというケースでもよく使われています。
宝くじが当たって金持ちになれる可能性も微レ存
「微レ存」はネガティブな意味だけなく、上の使い方のようにポジティブな可能性に期待する場合にも使用できます。
微レ存の元ネタは2ちゃんねる就職板への書き込み
「微レ存」の大元の元ネタは2008年1月17日に2ちゃんねる(現在の5ちゃんねる)の就職板の「【DB】日本ペイント株式会社【アッー!】」というスレッドへの以下の書き込みが有力とされています。
521:就職戦線異状名無しさん:2008/01/17(木) 04:16:36
中田の口内には、TDN・HTN・TNOKのチンカスが
現在も分子レベルで残留している・・・?
上の書き込みは前知識がないと意味不明かと思いますが、このスレは過去にネット上でブームになったゲイビデオ「真夏の夜の淫夢」の出演者の1人(中田)が、日本ペイント株式会社に就職していた事が判明しネットで騒ぎになった際に立てられたスレでした。
このスレの流れの中で上の書き込みがなされ、これがさらにいくつかの2ちゃんねるスレッドへの書き込みを経て下のように形を変えていきました。
517:就職戦線異状名無しさん:2008/03/17(月) 11:21:41
>>481
DBの口の中には今なおTDN・TNOK・HTNのチンカスが
微粒子レベルで残留しているかもしれない?!
553:名無しさん@いい湯だな:2008/10/07(火) 18:31:21 ID:Vw+ugc6E
>>551
中田の口内には三浦・中村・TNOKの恥垢が
今なお微粒子レベルで残留している…?!
914:就職戦線異状名無しさん:2008/10/31(金) 00:53:18
HTNの陰茎にはTDNの大便が今なお微粒子レベルで残留している・・・?!
このように、「微レ存」の元ネタは出演者の男性の口内に「〇〇カス(男性の陰茎にたまる垢)」が微粒子のレベルで残留しているなどとするかなり汚い内容なのですが、さらにこれがいくつもの2ちゃんのスレッドを経由して使用されるたびに姿を変えていき、「微粒子レベルで存在している」へと変化し、2012年頃に「微レ存」という形に収束したとする説が有力とされています。
元ネタの汚い要素が次第に見えなくなり、「微レ存」というインパクトのある言葉にまとまった事から、一般的にも気軽に使用されるようになり一時は流行語としてメディアなどで紹介されるまでになりました。
微レ存はなんJ板などでも使われはじめた事で拡散
2ちゃんねるのいくつものスレッドを経由されるうちに現在の形になった「微レ存」ですが、一般的に使用されるまで拡散されるきっかけは、2012年頃に2ちゃんねる「なんでも実況(ジュピター)」板で頻繁に使われるようになった事でした。
そしてなんJまとめなどの影響で、2ちゃんねらー以外も「微レ存」という言葉を使用するようになり、ネット外の日常会話でも使用されるケースが見られるようになりました。なんJ板は「微レ存」に限らず、様々なネットスラングの流行発祥の地としてもよく知られています。
ただ、後述するように「微レ存」という言葉は既に死語化しており、この言葉の拡散のきっかけとなったなんJ板でも使用される事は現在はほとんどなくなっています。
微レ存の元ネタは汚いが元の意味を知らずに使用している人が多数
上でも触れましたが、「微レ存」の言葉の元ネタはゲイビデオ「真夏の夜の淫夢」に関連して作られたネット用語です。
そして、上でも紹介したように「微レ存」は「微粒子レベルで存在している」というセンテンスを縮めたものです。そしてさらにこれをさらに遡ると「〇〇カス」が口内に残留しているという極めて汚い言葉が元ネタになっているとする説が有力とされています。
「微レ存」は、このように極めて汚いフレーズが大元の元ネタの言葉であるにもかかわらず、一時はテレビなどの大手メディアで「微レ存」が若者言葉として紹介されたり、2014年のJK流行語に選ばれるなどしました。
元ネタの意味を知っている一部の人々からは「汚い由来の言葉が若者言葉扱いや流行語扱いされるとは、日本の文化はどうなっているのか」と日本の将来を不安視する声も上がりました。
現在も「微レ存」という言葉の元ネタが極めて汚い言葉だとは知らずにネット上で日常的に使用している方も多いようです。
普段から使用している方にも「微レ存」の元ネタが汚い言葉だと知って驚いたという人も多く見られます。
「微レ存」の元ネタが汚いとかは、最近までそういうリスナーのツッコミを見てググってみるまで私も知らなかったな。「微粒子レベルで存在する」の略ってとこまでは知ってたけど、何が微粒子レベルで存在してるという文脈だったのかまでは知らんかった。
— まーにゃ・うらら姫🖤🎗 (@lyricalium) September 22, 2020
「微レ存」って言葉、当たり前のように使ってる人いるけど言葉の由来がめちゃくちゃ汚いやつやんな。言葉は下品じゃないけど言葉の出所にドン引きする。
— mackee04😒🍣 (@magic_mackee) February 14, 2020
「微レ存」の言葉の元ネタが汚い事を知っている人は、実際にこの言葉を使用している人に対して汚いイメージが連想してしまう場合もあるため、あまり使わない方が良い言葉かも知れません。
ところで大学の後輩さんのおんなのこが微レ存という語彙を使ってた時期があって、「そんな汚い言葉を使っちゃいけません!!!」ってお母さん注意しようかどうしようか迷った時期があったのですが、その後輩さんのつぶやき見てても最近使っていなさそうなのでお母さん安心しました。
— おひるごはん (@ohiru_k) October 28, 2020
微レ存は既に死語化していて古い
元ネタが汚い事が少しずつ周知されてきたためか、「微レ存」という言葉は現在ではあまり使われなくなり死語と化しネットの古い言葉という印象になってきています。
「微レ存」が死語化し古い言葉と見做されるようになった理由としては、元ネタが汚い言葉だと周知された事以外にも、「単純に変換するのが面倒くさい(最新の変換プログラムでは変換されるものもある)」、「ネットでは言葉の流行の移り変わりが激しい」、「大手メディアで流行語として紹介された事にネット民が白けた」などと推測されています。
いずれにしても現在は「微レ存」は死語と化しており、安易に使用すると古い人だと思われてしまうかも知れません。また、若い世代の方はそもそも「微レ存」という言葉自体を知らない場合もあるため、「微レ存」を使うと「古いネット世代の人」だと思われて若干引かれてしまう事もあるかも知れません。
まとめ
今回は、2ちゃんねるの「なんJ」などで使われていたネットスラングの「微レ存」についてまとめてみました。
「微レ存」の意味は「限りなく低い確率だが、ゼロではない」で、使い方としては「明日は運動会だけど雨が降る可能性も微レ存」、「自分に恋人ができる可能性は微レ存」などといった風に使います。
一時は若者言葉や流行語として大手メディアでに取り上げられた事もあるこの「微レ存」ですが、実は元ネタはかなり汚い言葉で、過去に2ちゃんのスレッドに書き込まれた「口内に〇〇カスが微粒子レベルで存在している」というセンテンスでした。
元ネタが汚い言葉である事が周知されてきた影響もあってか現在は「微レ存」という言葉は死語と化しており、安易に使用すると古いと思われてしまうかも知れません。