2007年にエキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」で事故がありました。この事故では首が飛んだと言われています。
エキスポランドのジェットコースター事故の詳細や原因、首が飛ぶ噂や原因は被害者の体重というデマ、跡地の現在をまとめました。
この記事の目次
- エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」で事故が発生
- エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」とは
- エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」事故の詳細
- エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」事故の原因
- エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」事故は首が飛ぶ事故?真実は顔?
- エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」事故の被害者
- エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」事故の原因は被害者の体重?
- エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」事故のその後
- エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」事故の跡地の現在
- エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」事故のまとめ
エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」で事故が発生
出典:ameblo.jp
2007年5月5日、大阪府吹田市の万博記念公園に付帯して作られたエキスポランドにあるジェットコースター「風神雷神Ⅱ」で死亡事故が起こりました。
風神雷神Ⅱの「風神」(6両編成)の車輪が走行中にレールから脱輪し、2両目の車体が傾いて、搭乗者1名(19歳女性)が車両と鉄柵に頭を挟まれて死亡しました。死亡した被害者のすぐ後ろに搭乗していた女性は頭を強く打ち重傷、さらに搭乗客18名が軽傷を負っています。
この事故の後、エキスポランドは約3ヶ月休園となり、「風神雷神Ⅱ」は無期限停止となりました。その後、運営は再開されましたが、客足は鈍かったために、再開から4ヶ月後にはまた休園。その後は再開することなく、2008年には自主再建を断念し、2009年には破産手続きに移行し閉園となりました。
エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」とは
エキスポランドとは?
出典:360navi.com
エキスポランドとは、大阪府吹田市の万博記念公園にあった遊園地です。
もともとは、1970年に開催された大阪万博のアミューズメントゾーンとして作られました。
大阪万博閉幕後は、このアミューズメントゾーンは撤去される予定でしたが、遊園地の存続を求める声が多く寄せられたこともあり、1971年3月には「株式会社エキスポランド」が設立され、パーク内の施設の新設・改良がおこなわれ、1972年3月15日に「エキスポランド」として営業再開となりました。
・風神雷神Ⅱ
・OROCHI(オロチ)
・スペースザラマンダー
・アラビアンメリー(メリーゴーランド)
・トップスピン
・ダイダラザウルス
これらのアトラクションがありましたが、ジェットコースターの「風神雷神Ⅱ」の事故が引き金となり、2009年2月に閉園となりました。
エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」
エキスポランドを代表する人気アトラクションがジェットコースターの「風神雷神Ⅱ」です。
風神雷神Ⅱは、1992年3月20日からエキスポランドにお目見えした立ち乗りタイプのジェットコースターです。1990年に大阪市鶴見区で開催された国際花と緑の博覧会(花の万博)の会場内に作られた「風神雷神」の発展型として作られました。
・設計・施工:株式会社トーゴ
・最高部の高さ:40m
・最高時速:75km
・コース全長:1050m
・最大傾斜角度:45度
・安全装置:バタフライハーネス
・制限:身長140cm以上
全長985mのコースを約2分20秒で1周します。車両は4人乗り6両編成(定員24名)の風神と雷神が交互にレールの上を高速で駆け抜けます。
立ち乗りタイプのジェットコースターのため、不安定感・浮遊感を楽しめるものでしたが、この風神雷神Ⅱは事故を起こす前からあまり評判の良いものではなかったようです。
風神雷神Ⅱに乗った人の評価をご紹介します。
まぁこれはなんと言ったらいいか。。とにかくひどいコースターでした。こんなん名機「風神雷神」のⅡを名乗れるコースターではないです。
さて、まず一番の汚点はおかしいくらいの振動でしょう。んなもんトーゴの立ち乗りなんだし・・と妥協できないレベルです。
それでも、立ち乗りタイプのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」は絶叫マシンファンから人気がありました。
エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」事故の詳細
国土交通省によると、のエキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」の死亡事故は、国内初の運行中のジェットコースター乗客死亡事故だったとのことです。
昼過ぎに事故発生&1名死亡
エキスポランドでジェットコースター「風神雷神Ⅱ」で事故が起こったのは、2007年5月5日(土曜日)です。ゴールデンウィーク中の子供の日、しかも土曜日ということもあり、エキスポランドは混雑していました。
そして、お昼の12時45分過ぎ、6両編成の定員24人の風神は20人(空席は4つ)を乗せてスタートしました。スタートして最高地点40mから最初の落下を終え、2つの山の頂上付近で、2両目mの左の車輪ブロックの車軸とそれを内側から止めていたナットが根元から折れて、ナットごと車軸が落下します。
それからも風神は走行を続けましたが、スタートから約770mの地点で2両目左側の車輪ブロックが脱落して脱輪しました。コースターの車輪が脱落したことで、風神の2両目の車両は大きく左に傾きます。
そして、車輪が脱落した地点から約10m進んだ780m地点で車両は停止しましたが、車両2両目の左側前列に乗っていた19歳女性は、車両と鉄柵(保守作業員歩行用)に頭を挟まれ即死しました。
また、車両2両目左側後列に乗っていた20歳女性は頭を強く打ち、ICUでの治療が必要となる重傷を負っています。残りの乗客18名(11歳~45歳)も軽傷を負う大惨事となりました。
この事故の時、風神雷神Ⅱは大きな音がしていたとのことです。「ガタガタガタ」という轟音を複数の来園者が聞いていましたし、ジェットコースターの真下にいた人は、金属が摩擦するような「ギュー」というすごい音を聞いたと証言していました。
すぐに救護されるが・・・
出典:asahi.com
エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」の事故が起こり、場内の客から12時56分に119番通報が入りました。通報内容は「ジェットコースターに人が挟まれ、動けなくなった」というものです。
場内の救護所には消防隊員がいましたので、通報から3分後には消防隊員が現場に駆け付けましたが、その時点ではすぐにエキスポランドの従業員が車両のところまで登っていました。
重傷を負った女性は車両わきの車両にうずくまっていて、そのほかの乗客は安全装置をつけたまま、車両に乗った状態だったとのことです。
ジェットコースターの車両は6両編成のうち前から2両目の車両だけが約45度傾いた状態で、安全バーも事故の衝撃で破損していました。
事故発生地点は地上3mの地点でしたので、乗客の中で自力で歩ける人は消防隊が梯子をかけて、誘導して降ろしたとのことです。
現場は凄惨な状況
出典:asahi.com
事故当時のエキスポランドは混雑していましたが、事故現場はかなり凄惨な状況でした。車両の下には血だまりができていたとのこと。
事故直後、車両の下の地面には直径30~40センチの血だまりができた。
地上3mで事故が起こり、地面に直径30~40cmの血だまりができるということは、相当な出血量だったことがわかります。しかも、それだけの血液が地上3mから降ってくるのですから、相当凄惨な現場だったことは間違いありません。
当時の2ちゃんねるには、現場にいた人から現場リポートが報告されています。
69 :オレオレ!オレだよ、名無しだよ!! :2007/05/05(土) 14:12:44 O
携帯からスマン
現場最悪だ…
パニックで失神者出てるし
血の雨降ったみたいになってる
事故現場は血の雨が降ったかのように血液が飛び散っていたようです。また、凄惨な状況からパニックになる人が続出していたようです。
そのため、事故を目撃した13人も気分が悪くなり、病院へ搬送されました。
エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」事故の原因
出典:asahi.com
車軸の金属疲労
エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」の事故原因は、エキスポランドのずさんな管理体制です。
このジェットコースター事故の直接的な原因は、風神の2両目車両の左側の車輪を支える車軸ブロックの軸が折れてしまったことで、車輪が脱輪したことです。
では、なぜ車軸ブロックの軸が折れてしまったのでしょうか?それは、金属疲労だったことがわかっています。
事故から約1ヶ月後の2007年6月4日に、大阪府警は金属疲労から車軸が折れたと断定しました。
20人が死傷した遊園地「エキスポランド」(大阪府吹田市)のジェットコースター事故で、大阪府警は4日、車軸が折れた原因を「金属疲労」とほぼ断定し、破断部分の写真を報道陣に公開した。
折れた車軸の破断面は直径3.6センチ。摩耗に強いニッケルクロム鋼が素材。金属疲労特有のしま模様が確認された。コースターの重量や上下左右の激しい移動など、長年の負荷が破断につながったとみられる。
この風神雷神Ⅱは1992年から運行していますが、営業開始以来、車軸は一度も交換されていませんでした。
行うべき検査が行われていなかった
風神雷神Ⅱは建築基準法で年に1回の目視の定期検査が義務付けられていました。エキスポランド側は毎年2月ごろに定期検査を行っていましたが、2007年は開園35周年のアトラクションを新設するため、点検は5月15日から始める予定だったと説明しています。
法律で定められた点検は行っていたとしても、15年以上部品を交換することなく、目視のみの点検でOKというのは、管理がずさんだったとしか言いようがありません。
また、本来なら行われるべき「日本工業規格(JIS)の検査標準」が行われていませんでした。JIS規格の検査標準では探傷試験が実施されることになっていましたが、この試験は行われず、それなのにすべての検査で「A(指摘なし又は良好)」と行政に報告していたのです。
エキスポランドで平成 19 年1月 30 日に実施された定期検査は目視で行われ、JIS検査標準に基づく探傷試験は実施されていなかったが、すべての検査項目が「A(指摘なし又は良好)」として、吹田市(特定行政庁)に報告されている。
このことから、風神雷神Ⅱのジェットコースター事故の原因は、エキスポランドのずさんな管理ということができるでしょう。
事故の前兆があった?
金属疲労により、車輪の車軸が折れて起こった風神雷神Ⅱのジェットコースター事故ですが、事故が起こる約2時間前から事故の前兆が見られたようです。
事故当日の午前中に風神雷神Ⅱに乗った乗客からは、「いつもより横揺れが大きい気がした」とか「衝撃が普段よりも大きく痛かった」という証言が得られていたんです。
「いつもより横揺れが大きい気がした」。事故の約2時間半前の午前10時半ごろ、友人3人と風神雷神2に乗った京都市伏見区の会社員、桃山大輔さん(18)はそう感じていた。「僕らが乗った時には既にジェットコースターに異変が起きていたのかも」“異変”は別の来園者も気付いていた。事故前に友人2人と乗車した京都市の私立大2年の女性(19)も「カーブ時、落下防止用の安全バーが体に当たるが、その衝撃が普段より大きく痛かった」と証言した。
引用:運命の転換:席を譲った優しい、母親思いの小河原さん(コースター事故:エキスポランド) | ザクとは違うのだよ、ザクとは!†日頃の出来事をメモしていく
もし、この時点で従業員が異常に気付いて点検をしていたら、この悲惨な事故は起こらずに済んだのかもしれません。常連客の「いつもと違う」という感覚は、安全を追求する上で無視できないものですよね。
エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」事故は首が飛ぶ事故?真実は顔?
エキスポランドのジェットコースター事故では、被害者の首が飛んだという噂が流れました。この噂は真実なのかどうかを検証していきます。
首が飛ぶ事故という噂が流れる
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エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」の事故では、19歳の女性が1名亡くなっています。
この事故では、被害者女性の首が切断されて首が飛んだという噂が流れたんです。Twitterでもそのような情報が多数ありました。
ジェットコースターをビビるのは正しい。エキスポランドでは、首がとんだから、信用出来ない。 #fujitv
— 浅葱鼠 (@motoki0) December 4, 2011
絶叫ものマジで苦手。
毎回 エキスポランドの首飛び事件思い出す。— おか (@tmg_oil) June 15, 2019
ただ、当時のニュースを見ても、「首が切断された」という報道はありません。あくまでも、「頭を強打して死亡」とか「鉄柵と車両に頭が挟まれて即死」のような報道の仕方です。
では、この「エキスポランドのジェットコースター事故は、首が飛ぶ事故だったのか?」という情報は完全なデマなのか?というと、そういうわけでもないようです。
実際は首は切断されていない・・・真実は顔が切断?
出典:i.imgur.com
ジェットコースター事故では、被害者の方の首が切断されたという噂が流れましたが、この噂については、「完全なデマ」とは言えません。
あくまでも、インターネット上の情報を集めた結果ですが、首を切断したのではなく、被害者の顔が切断されてしまったようです。
事故当日の2ちゃんねるには、次のような書き込みがありました。
554 :名無しさん@120分待ち:2007/05/05(土) 22:36:20 ID:4vzjpJF6
やはり首や上半身ではなく、顔が切断されたそうです。
そしてその切断された顔がレールの下にある自販機の裏に落ちたそうです。
で、その落ちた肉片を見つけたオバサンが近くの従業員になんとかしろと言ったみたいで、その従業員は自分の着てた服をその上にかけてたそうです。
また、2021年の5ちゃんねるには次のような書き込みがあります。
これらはあくまでも「2ちゃんねる(5ちゃんねる)」の情報なので、正確な情報であるとは断定できません。でも、当時の朝日新聞のニュースでは、何かが落ちてきたと報じています。
友人2人と現場から50メートルほど離れたレストランにいた京都市伏見区の女子短大生(19)は、部品のようなこぶし大の塊が落下するのを見た。直後、車両が急停車し、一帯は騒然となった。
報道では「部品のような」と書いてありますが、一体何が落下したのか・・・。また、地上にいた来園者の中には、「犠牲者が見えたので、子供に見えないように立ちふさがった」という証言もあります。子どもに見えないように立ちふさがるということは、地上に遺体の一部が落下したのかもしれません。
さらに、事故翌日の毎日新聞では、次のような報道がありました。
最大24人乗りだったが、事故時は20人が乗っていた。2両目には、亡くなった女性のほか男女3人の乗客計4人が乗車。亡くなった女性は手すりに衝突した際、体の一部を切断して即死した。後列左側に乗っていた女性(20)も、手すりなどに前頭部を打って重傷を負った。この2人以外の乗客は軽傷とみられる。
このニュースによると、被害者の方は「体の一部を切断して即死した」とありますので、身体のどこかしらを切断したことは間違いないようです。
ここまでのことを考えると、首が飛んだ可能性は否定できませんが、顔が切断され、その顔の一部が地面に落下した可能性があります。
最高時速75kmのスピードで、車両と鉄柵に頭部を挟まれてしまったら、完全に切断されてはいないかもしれませんが、それに近いような状態になってしまったことは間違いないでしょう。
首が飛んだという噂が流れた原因
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エキスポランドのジェットコースター事故では、なぜ「首が飛ぶ事故」という噂が流れたのでしょうか?これは、先ほど説明したように、首ではなく顔が切断されてしまった(可能性がある)という要因が一番大きいです。
凄惨な現場で、「遺体が切断されていた」、「遺体の一部が落ちていた」という噂が流れたことに加えて、大人気漫画・アニメの「名探偵コナン」の影響も大きいと思われます。
出典:twitter.com
名探偵コナンの第1話は、「ジェットコースター殺人事件」でした。このジェットコースター殺人事件の被害者はジェットコースターに乗っている時に、犯人によってピアノ線で首を切断されるんです。
「ジェットコースターでの切断遺体」という情報から、この名探偵コナンの第1話を連想した人が多かったと思われます。そのため、「首が飛ぶ」という情報はないのに首が切断されたという噂が独り歩きしてしまったのでしょう。
エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」事故の被害者
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エキスポランドのジェットコースター事故で亡くなった被害者は、小河原良乃(こがわら・よしの)さん(19才)です。小河原良乃さんは滋賀県東近江市在住の会社員で玩具メーカーに勤めていました。
事故当日は朝から会社の同僚5人と一緒にレンタカーでエキスポランドに遊びに来ていたとのことです。
小河原良乃さんは幼い頃に父親を交通事故で亡くし、母親と姉2人・兄1人の母子家庭で育ちました。母親は足が不自由でしたが、良乃さんはそんな母親を助けながら学校に通っていました。
小河原良乃さん(19)の近所の人や学校関係者らは、「体が不自由な母親思いの明るく元気な子だった」と話し、突然の悲報に声を詰まらせた。知人らによると、小河原さんは幼いときに父親を交通事故で亡くし、姉2人、兄1人とともに足が不自由な母親を助けて暮らしていた。
引用:運命の転換:席を譲った優しい、母親思いの小河原さん(コースター事故:エキスポランド) | ザクとは違うのだよ、ザクとは!†日頃の出来事をメモしていく
地元の中学を卒業した後は、県立高校に進学しましたが、3年生の時に通信制の高校に転校して卒業し、その後は会社員になっています。
体の不自由な母親を助けながら働いていたことからもわかるように、良乃さんとてもやさしい性格だったようです。
実は、小河原良乃さんは事故直前に親子3人のグループに席を譲ってあげていました。6人グループだった小河原良乃さんたちの後ろには親子連れ3人が並んでいました。
風神雷神Ⅱは1つ車両に4人座ることができます。小河原さんたちが先に乗ると、親子連れ3人は2両目の後列と3両目前列に分かれてしまいます。そのため、小河原良乃さんは親子連れ3人に先頭車両を譲って、自分たちは2両目に乗ることになりました。
そして、親子連れに席を譲ったために、小河原良乃さんはジェットコースター事故の被害者となってしまいました。先頭車両の3人は軽傷で済んでいます。もし、小河原良乃さんが親子連れに席を譲らなかったら、この事故の犠牲になることはなかったでしょう。
会社の上司の証言によると、小河原良乃さんは普段からきちんとしていて、面倒見が良いタイプだったようです。
小河原さんが勤務していた玩具メーカーの上司、松本泰明さんは「6人はいつも一緒に遊びに行く仲の良いグループで、マナーも本当によい女性たち。小河原さんは後輩の面倒見もよかった。彼女なら親子連れに席を譲ってあげたこともわかる」と話し、その死を悼んだ。
また、小河原さんに席を譲ってもらった親子連れの男性は、事故後の心境を次のように語っていました。
「あのとき順番を代わらなければ、私たちのだれかが命を落としていた。同じ現場にいてなぜ私たちが助かったのか。命拾いをしたという思いよりも胸が痛い」。
引用:運命の転換:席を譲った優しい、母親思いの小河原さん(コースター事故:エキスポランド) | ザクとは違うのだよ、ザクとは!†日頃の出来事をメモしていく
男性は小河原良乃さんのお通夜に参列することも考えましたが、遺族に合わせる顔がないことや遺族の心境を考えて参列できなかったとのことです。
エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」事故の原因は被害者の体重?
エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」の事故の原因は、エキスポランドのずさんな管理体制にありました。
車軸は金属疲労で折れたと断定されていますし、エキスポランドはJIS規格の探傷試験を行っていないことがわかっています。
だから、エキスポランドのジェットコースター事故原因は、エキスポランド側にあることは間違いありません。乗客側には一切、事故の責任はありません。
しかし、事故直後からジェットコースター事故の原因は被害者にあるのではないか?というデマが流れたんです。
被害者の写真から「体重が原因」というデマあり
何度も言いますが、エキスポランドのジェットコースターの事故原因は、エキスポランド側にあります。亡くなった被害者には事故原因はありません。
しかし、事故の3日後の2007年5月8日には、Yahoo!知恵袋には次の質問が投稿されていました。
one********さん2007/5/8 9:06 5回答
大阪のジェットコースター事故ですが、体重オーバーということはありませんか?
この質問以外にも、当時の2ちゃんねるには「体重オーバーが原因だ」、「被害者の体重が重すぎたから、ジェットコースターの部品が壊れたのではないか?」、「体重が人の2倍だから、そこに負荷がかかりすぎて脱線したのかな?」などの意見がたくさん投稿されています。
なぜ、こんな心無い意見が投稿されたのか?それは、被害者の小河原良乃さんの写真がマスコミで報道されたからです。
マスコミで報道された小河原さんの写真はふっくらした写真でした。心無い2ちゃんねる民やインターネットユーザーは「19歳女性の被害者」と聞いて、美人を思い浮かべたのかもしれません。でも、報道された小河原良乃さんの写真はふっくらしていて素朴な中学・高校時代のものでした。
出典:twitter.com
また、小河原良乃さんの遺影は、メイクをばっちりしていて、ラップが好きそうなちょっと怖い雰囲気のものだったんです。
だから、小河原良乃さんの写真を見たインターネット民は、「これは体重が原因だ」とか「体重が重すぎてバランスが取れずに脱輪したんだ」のように投稿して悪ふざけをするようになったんです。
体重が原因は完全にデマ
出典:i.imgur.com
ただ、体重が原因でエキスポランドの事故が起こったというのは完全にデマです。先ほども言いましたが、事故の原因はエキスポランド側にありますので、小河原良乃さんには責任はありません。
しかも、事故当時は小河原良乃さんはダイエットをして痩せていたようなんです。確かに、新聞に掲載された小河原良乃さんの写真は、高校時代よりも痩せていて、顔だけ見ると標準的な体型をしているように思えます。
亡くなった被害者の小河原さんの死亡当時の写真は、懸命にダイエットに成功し、OLとして楽しい生活を謳歌している可愛らしい写真だが、地上波のマスコミはダイエット前の太っていた時の写真、しかも中学時代の写真をわざわざ使用して事件を報道している。
亡くなった当時はダイエットに成功していたことは間違いないようです。ただ、高校時代の太った写真がマスコミに出てしまったのは、マスコミの責任というわけではないようです。なぜなら、小河原さんの写真は遺族が提供しているはずだからです。
なぜ遺族が太っていた時の写真を提供したのかはわかりません。痩せてからの写真が手元になかったのかもしれませんし、高校時代の朗らかな写真が遺族のお気に入りだったのかもしれません。
ただ、中学・高校時代の写真で報道されてしまったために、エキスポランドのジェットコースター事故は被害者の体重が原因ではないか?と噂されるようになってしまいました。
繰り返しますが、ジェットコースター事故の原因は被害者の体重ではありません。また、もし被害者が事故当時ふっくらしていて太っていたとしても、被害者には責任はありません。
風神雷神Ⅱには身長制限はあっても体重制限はありませんでしたので、万が一体重が原因で脱輪が起こったとしても、被害者の責任ではなく、体重制限を設けなかったエキスポランド側にあると言えます。
エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」事故のその後
出典:youtube.com
裁判でエキスポランドの有罪が確定
エキスポランドのジェットコースター事故の責任はエキスポランド側にあると認定されました。
この事故でエキスポランドの元取締役と元施設営業部長の2名が業務上過失致死傷罪に問われ、2009年に大阪地裁で禁錮2年・執行猶予4年・罰金40万円の有罪判決を受けています。
また、法人(株式会社エキスポランド)としては建築基準法違反に問われ、罰金40万円を課せられています。
この裁判では検察側は「定期検査で車軸を外して検査していれば事故は防げた。設置以来一度も交換していない車軸に傷があることを予想するのは可能だった」と主張していますので、エキスポランドがきちんと管理をして、定期点検・検査を忠実に行っていれば、この悲惨な事故は起こらなかったということでしょう。
エキスポランドは閉園
風神雷神Ⅱの死亡事故の後、エキスポランドは2007年8月9日まで閉園し、風神雷神Ⅱは無期限の運行停止となりました。8月10日からは営業を再開していますが、客足は戻ることがなく、例年の2割以下に減少していたため、12月には再び休園して、改修工事を行うことになりました。
しかし、営業再開が見込めない状況になり、2008年10月に民事再生手続きを開始しています。
当時は「エキスポランド」という名前を変えて、ファミリータイプの遊園地として再生する計画を立てていましたが、支援企業が現れなかったため、計画は断念し、2009年2月に破産手続きを行っています。
遺族に失礼な対応?
エキスポランドの取締役や施設営業部長は有罪判決を受け、執行猶予4年となっていましたが、執行猶予が終わった2014年5月を最後に、被害者の自宅に弔問に来なくなりました。
「今回で最後にさせてもらいます」。頭を下げながらの言葉に怒りがこみ上げた。「娘の命を奪ったのに、事故の責任を自覚していないのか。反省は口だけだったとしか思えない」
執行猶予が終わったから、弔問も最後にする。これは遺族としては納得いかないですよね。1人の命を奪って追いながら、執行猶予4年という判決も軽いですし、執行猶予が終わったら弔問も最後というのは、遺族は怒りを覚えて当然でしょう。
一般的には、遺族側から「今回で最後にしてください」とか「もう結構ですよ」という申し出があって弔問を最後にすると思います。過失がある側から「今回で最後」とは普通言いませんよね。
エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」事故の跡地の現在
エキスポランドはジェットコースター事故の後に閉園となりました。その跡地は現在、「エキスポシティ」に生まれ変わっています。
2010年3月には一部を除いて撤去工事が完了し、その後は農業体験型公園「ファームエキスポ」として運営されていましたが、2011年には三井不動産による複合型エンターテイメント施設になることが決まりました。
そして、エキスポシティ(EXPOCITY)として、次のような施設が入っています。
・観覧車(日本一の高さ)
・シネマコンプレックス
・ひつじのショーンの体験型アミューズメント施設
・移動遊園地
・eスポーツの施設
・ららぽーとEXPOCITY
また、隣接地にPanasonic Stadium Suita(パナソニックスタジアム吹田)があり、スポーツもショッピングアミューズメントもすべて楽しめるような施設になっています。
エキスポランドでジェットコースター事故が起こったのは2007年5月。その後、4ヶ月だけは営業しましたが、客足は伸びませんでしたので、実質の営業は2007年5月までと言って良いでしょう。
現在のエキスポシティには観覧車はありますが、そのほかの遊具はなく、エキスポランドの面影はほぼありませんので、若い世代にはそこにエキスポランドがあったなんて思いもしないでしょう。
エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」事故のまとめ
エキスポランドのジェットコースター「風神雷神Ⅱ」の事故の詳細や原因、首が飛ぶという噂の真実、被害者の体重が原因というデマ、跡地の現在などをまとめました。
エキスポランドの事故は本当に凄惨な事故でした。きちんと管理されていたら事故は起こらなかった可能性がありますので、遺族としてはやり切れないものがあるでしょう。
アミューズメントパークはきちんとアトラクションの点検して、もう二度とこのような事故が起こらないようにしてもらいたいですね。