インターネットで有名な怖い話、都市伝説である「猿夢」が話題です。
この記事では猿夢の内容や意味、元ネタになった2chの洒落怖の書き込み、本当か嘘か、もし見てしまって時の対処法や、見ないための対処法などについてまとめました。
この記事の目次
猿夢の怖い話の内容
「猿夢」はインターネット上でかなり有名な怖い話、都市伝説です。
まずはじめに、怖い話「猿夢」の内容を紹介します。
猿夢は、ある人物が見た恐ろしい夢にまつわる話です。この人物が男性なのか女性なのかは不明で、夢を見た時の年齢はおそらく高校生か中学生(夢の4年後に大学に通っているため)のようですが、詳しい人物像は示されていません。
ただ、一人称が「私」で書かれているため、便宜上「私」を主語にして内容を紹介していきます。
また、以下の文ではオリジナルの「猿夢」の内容をわかりやすく構成し直していますが、大筋の内容はそのままで、できる限り作者の表現をそのまま使用しています。
猿夢の内容① 薄暗い無人駅に”お猿さん電車”がやってくる
ある日、「私」は夢を見ました。
「私」は昔から明晰夢(夢である事を認識しながら見る夢)を見る事があったそうで、この時も「これは夢だ」と自覚していました。
「私」は、夢の中で薄暗い無人駅に1人でおり、「随分と陰気くさい夢だなぁ」という印象を持ちました。
すると、ホームに突然「まもなく、電車が来ます。その電車に乗るとあなたは恐い目に遇いますよ~」と、精気のない男性の声で、意味のよくわからないアナウンスが流れました。
間もなく、ホームに電車が入ってきました。それは電車というよりは、遊園地にある”お猿さん電車”のような小さな乗り物で、顔色の悪い数人の男女が一列に並んで乗っていました。
猿夢の内容② 電車は紫色の灯に怪しく照らされた不気味なトンネルの中へ
出典:https://livedoor.blogimg.jp/
「私」は、「変な夢だな」と思いましたが、「自分の夢がどれだけ自分自身に恐怖心を与えられるのか」に興味を抱き、その電車に乗ってみる事にしました。「私」は、これまでに明晰夢を見た時には、自分の好きなタイミングで夢から覚める事ができたので、本当に怖くてたまらなくなったら目を覚ませば良いと思ったのです。
「私」は、”お猿さん電車”の後ろから3番目の席に座りました。「出発します〜」というアナウンスと共に電車が動き出すと、生暖かい空気が流れるのが感じられ、本当に夢なのかと疑うほどの現実感がありました。
電車はホームを出ると、すぐにトンネルへと入りました。このトンネルの中は、紫色を帯びた明かりで怪しく照らされていました。「私」は、「このトンネルは子供の頃に遊園地で乗った”スリラーカー”の景色だ」と気がつきます。(スリラーカーは、浅草花屋敷にあるお化け屋敷風アトラクション)
「私」は、お猿さんの電車もスリラーカーのトンネルも、「過去の自分の記憶の映像を持ってきているだけだから、ちっとも怖くなんかないな」と思います。
猿夢の内容③ 恐ろしい意味不明なアナウンスが流れ乗客が惨殺される
出典:https://image.itmedia.co.jp/
その時、再び精気のない男性の声でアナウンスが流れました。
「 次は活けづくり~活けづくりです。」
意味のよくわからないアナウンスに、「私」が「活けづくり?魚の?」と不思議に思っていると、突然後ろの方からけたたましい悲鳴が響きました。
驚いて後ろを見ると、一番後ろの席に座っていた男性の周りに、ボロ切れのようなものを纏った4人の小人が群がり刃物で男性を切り裂いています。
男性はまさに「魚の活けづくり」のようになり、耳が痛くなるほどの大声で悲鳴を上げ続けていました。周囲には凄まじい臭気が立ち込め、男性の内臓が小人達によって次々と取り出され辺りに散らばっていきます。
「私」の1つ後ろの席には、髪の長い顔色の悪い女性が座っていましたが、自分の真後ろで惨劇が繰り広げられているにも関わらず全く反応せず、無表情のまま前をじっと見据えています。
「私」は、あまりに衝撃的な展開に恐怖を抱き、もう少し様子を見てから目覚めようと決めます。
猿夢の内容④ すぐ後ろに座っていた女性も小人に惨殺される
ふと気がつくと、一番後ろで活けづくりにされていた男性は消えています。しかし、男性がいた場所には赤黒い血と肉の塊のようなものが残されていました。
すると、間をおかずに「 次はえぐり出し~えぐり出しです。」というアナウンスが流れました。
直後にどこからか2人の小人が現れ、ギザギザのスプーンのようなものを使って、「私」の後ろに座っていた女性の目玉を抉り出し始めました。
それまで無表情だった女性は、激痛のためか凄まじい形相に変わり、鼓膜が破れるのではないかと思うほどの絶叫を上げはじめました。
女性の眼窩から目玉が飛び出し、辺りには血と汗の匂いが充満しています。
「私」は、恐怖のあまり、前を向いて身体をかがめて震えながら、「ここらが潮時だ」と思いました。順番から言えば、次に酷い目にあうのは後ろから3番目に座っている自分なのです。
ただ、「私」は、「自分に対しては一体どんなアナウンスが流れるのだろう」と気になり、次のアナウンスを聞いてから目を覚まそうと考えました。
猿夢の内容⑤ 「私」へのアナウンスは「挽肉」
そして、「次は挽肉~挽肉です~」というアナウンスが流れました。
「私」は、自分がどのような目に遭うのか想像し「最悪だ」と思い、神経を集中させて「夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ」と念じました。
その時、「ウイーン」と何かの機械が唸る音が聞こえ始めました。「私」は、「私をミンチにする道具の音だ」と気が付き、怯えながら目を固く瞑って「夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ」と必死に念じました。
「 ウイーン 」という音がだんだんと大きくなり、顔に風圧を感じ、もうだめだと思った瞬間、周囲が静かになりました。
「私」はなんとか悪夢から抜け出せた事を悟りました。全身はぐっしょりと汗に濡れ、目からは涙が溢れていました。
猿夢の内容⑥ 4年後、再び悪夢がはじまる
最初の「猿夢」から4年後、大学に通ってアルバイトに勤しんでいた「私」は、当時見た悪夢の内容はすっかり忘れていました。
しかしある日の晩、唐突にあの夢の続きを見てしまいます。場面は「次はえぐり出し~えぐり出しです。」のアナウンスが流れるところからでした。
前回と同じく、後ろに座っていた女性はけたたましい悲鳴を上げながら、2人の小人に目玉を抉り出されました。
「私」は、すぐにあの夢の事を思いだし、この時は即座に「夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ」と念じ始めました。再び「次は挽肉~挽肉です~」のアナウンスが流れ、「ウイーン」という音が近づいてきます。
すると再び、このタイミングで周囲が静かになりました。「私」が「助かった」と思い目を開けようとした瞬間、不意に「また逃げるんですか~次に来た時は最後ですよ~」と、あの精気のない男性の声のアナウンスが耳元で響きました。
目を開くと、そこはやはり自分の部屋で、夢からは覚めていました。しかし、最後に聞いたアナウンスは、絶対に「夢の中」ではありませんでした。確かに現実に戻ってきら聞いた音だという確信がありました。
「私」は、現在まで、まだあの夢の続きは見ていません。しかし、次にあの夢を見たときは、自分は心臓麻痺か何かで死ぬのだろうと覚悟をしています。ただ、夢の世界では「挽肉」です。
以上が、「猿夢」のお話の内容です。
猿夢が持つ意味
「猿夢」は、ある人物が見た夢の話なので、夢占いではどのような意味があるのかという点にも興味が集まっています。
猿夢に登場する「猿」、「電車」、「人が惨殺される」という3つのワードの意味について順番に見ていきます。
猿の夢の意味
夢占い(夢診断)での「猿」が象徴する意味は「ずる賢さ、悪知恵」です。また、誹謗中傷や嫉妬、依存、ストレス、不倫や浮気、エゴイズムなどのネガティブな意味も象徴しています。
ただ、「猿夢」には猿そのものが登場するわけではないので注意が必要です。
トロッコ電車の夢の意味
「猿夢」で重要な意味を持つのが「お猿さん電車」です。
作者は、遊園地などにあるお猿さんが運転する小さなトロッコ電車を指しているようです。
電車やトロッコ(貨物車)の夢の意味は、人生で積み上げてきた知識や経験、または重荷などを象徴しています。
「猿夢」では、小さなトロッコに無表情の人が並んで座っています。そして、「私」はそれに好奇心から乗り込んだ末、次々と起こる予想外の衝撃な出来事に恐怖しています。
こうした内容から、当時中学生か高校生だった「私」はこれからの自分の人生への強い不安や恐れを抱いていたのかも知れません。
人が殺される夢、自分が殺されそうになる夢の意味
「猿夢」では、人が立て続けに殺され、最後には自分が殺されそうになる夢です。
人が殺される夢の意味は、現在抱えている問題が解決に向かうという事を暗示しています。また、自分が得体の知れない怪物に殺されそうになる夢の意味は、現実が思うようにならずにイライラしている状態が表れています。
猿夢を見た当時の「私」は、現実に何か不満があり、それが解決に向かうことを願っていたのかも知れません。
猿夢の元ネタは2chのオカ板スレ「洒落怖」に2000年に投稿された怖い話
「猿夢」の元ネタは、2ch(現在は5ちゃんねる)のオカルト板(オカルト超常現象板)のスレッド「洒落にならないほど怖い話を集めてみない?(通称・洒落怖)」に2000年8月2日に書き込まれた怖い話です。
現在も元ネタのオリジナルの「猿夢」はネット上の2chまとめサイトなどでそのまま読む事ができるので、気になる方は検索して見ると良いでしょう。
猿夢が本当にあった話か嘘かはわからない
2chの洒落怖への書き込みが元ネタである「猿夢」は本当にあった話なのか、嘘の作り話なのかはわかりません。
2chの元ネタを最初に書き込んだ投稿主が誰なのかもわかっておらず、本当か嘘かを確かめる事は難しいでしょう。
猿夢を見た時の対処法
「猿夢」はとても恐ろしい話なので、この夢を見てしまった時の対処法が知りたいという声も多いようです。
猿夢を見てしまった時の対処法としては、まずお猿の電車が来ても絶対に乗らない事が挙げられます。小さなトロッコ電車のようなので、1度乗ってしまうと逃げる事が難しいでしょう。
また、猿夢は明晰夢という事なので、自分の意思でなんとか都合の良い夢に内容を書き換えるという対処法も考えられます。
しかし、何か超常的な力が加わっているとすれば、猿夢は単なる明晰夢ではない可能性があります。その場合はこうした対処法は通用せずに、恐ろしい目に遭う事は避けられないのかも知れません。
猿夢を見ないための対処法
出典:https://gigaplus.makeshop.jp/
そもそも、「猿夢」などの恐ろしい夢を見ないようにすれば良いという事で、悪夢を見ないようにするための対処法も紹介します。
猿夢の対処法① 怖いものを見たり考えたりしない
猿夢などの恐ろしい夢を見ないために、普段から怖いものを見たり、考えたりする事を避ける事も大切です。
猿夢を見てしまうかもと不安を抱くほど怖がりな人は、ホラー映画や小説、怪談話などを徹底的に避けてみましょう。
猿夢の対処法② ストレスを溜めないようにする
悪夢は現実世界のストレスによって見てしまう場合があります。
猿夢のような悪夢を見ないための対処法としては、普段からストレスを溜めないようにする事が重要です。
ぬる目のお風呂にゆっくりと使ったり、アロマを炊いたり、マッサージを受けたり、心地よい音楽をかけたりなど、普段からリラックスできる環境を整えましょう。
また、質の良い睡眠も重要なので、寝心地の良い寝具を揃えるなども対処法として有効だと思います。
猿夢の対処法③ 現実世界のトラブルを解決する
猿夢の内容を夢診断などの意味と照らし合わせて見ると、現実世界での人間関係などのトラブルが関係して現れてくるような内容の夢だと言えます。
こうした事から、猿夢を見ないための対処法としては、現実世界でのトラブルを解決しておく事も大切でしょう。
猿夢の対処法④ 超常的な力で対抗する
上記の対象法をとっても、猿夢は超常的な何かなので意味がないのではないかと感じて不安になる人は、こちらも超常的な力を用いて対抗するしかありません。
悪夢をキャッチして防いでくれる「ドリームキャッチャー」などのお守りや、日本の伝統的な破魔矢などのお守り、盛り塩をするなど、様々な方法を用いて安心するという手も対処法としては考えられます。
まとめ
今回は、ネットで人気の高い怖い話、都市伝説である「猿夢」についてまとめてみました。
猿夢の内容は、夢の中でお猿さん電車のようなトロッコに乗ってしまった「私」が、他の乗客が次々と小人に残虐な方法で殺害されるというものです。
元ネタは2chの洒落怖に2000年に書き込まれた怖い話で、投稿主が誰かは不明なので、本当にあった話か嘘の作り話なのかを確かめる事は難しいでしょう。
もし猿夢を見てしまった時の対処法としては、まずは電車に乗らない事が大切です。
また、そもそも悪夢を見ないように現実世界でストレスを溜めない事や、「ドリームキャッチャー」などのおまじないを用いて安心する事も対処法としては有効です。