街を歩いていると、駅や交番の掲示板に指名手配犯の顔写真が貼られているのを目にします。でも、「いつも同じ人たちが指名手配されているな。捕まらないのかな?」と思うことはありませんか?
指名手配犯が捕まらない理由や過去の指名手配犯一覧、現在逃走中の指名手配犯一覧をまとめました。
この記事の目次
- 指名手配とは
- 指名手配犯が捕まらない理由①:整形をしている
- 指名手配犯が捕まらない理由②:年齢を重ねて変わっている
- 指名手配犯が捕まらない理由③:国外逃亡している
- 指名手配犯が捕まらない理由④:死亡している
- 指名手配犯が捕まらない理由⑤:協力者に完全に匿われている
- 指名手配犯が捕まらない理由⑥:自分の周囲にいるとは思っていない
- 指名手配犯が捕まらない理由⑦:なかなか通報できない
- 指名手配犯が捕まらない理由⑧:時効がなくなって警察が大忙し
- 指名手配犯の一覧:過去の特別指名手配
- 指名手配犯の一覧:現在逃走中(警察庁指定重要指名手配被疑者・報奨金あり)
- 指名手配犯の一覧:現在逃走中(警察庁指定重要指名手配被疑者)
- 指名手配犯の一覧:現在逃走中(各都道府県警)
- 指名手配犯のまとめ
指名手配とは
指名手配とは、逮捕状が出ている被疑者の所在が不明であり、事件捜査を担当する警察から全国の警察に被疑者謙虚に必要な情報(事件内容や被疑者の特徴)などを手配することを意味します。
指名手配というと、市民に対して犯罪者の情報を呼び掛けるというイメージがありますが、基本的には逃亡中の被疑者を全国の警察が連携して捜査するためのものなんですね。
指名手配犯は2022年9月の時点で全国に538人もいます。
令和4年9月末現在、全国の警察から指名手配されている者は、凶悪事件などで特に警察庁が指定している重要指名手配被疑者を始めとして、約538人に上っています。
指名手配というと、交番に顔写真が貼ってある10名程度しかいないと思っている人もいるかもしれませんが、実は538人もいるんですね。
ちなみに2017年時点では680人でしたから、5年間で約150人も指名手配犯が逮捕されているようです。
平成29年9月末現在で約680人に上り、これら指名手配被疑者は、住む場所や姿形を変えながら、現在もなお逃走を続け、私たちの身の回りなどに潜伏しています。
これを見ると、指名手配犯はなかなか捕まらないという印象は間違っているのかもしれません。
そして、指名手配にもいろいろな種類があります。
警察庁指定特別手配被疑者
警察庁指定特別手配被疑者とは、各都道府県警が指名手配した被疑者の中で、治安に重大な影響を及ぼし、または社会的に著しく危険性の強い凶悪・重要な犯罪の指名手配被疑者です。
早期逮捕のために全国にわたって強力な組織的捜査を行う必要があると警察庁が判断した場合に特別手配の指定を行います。
この指名手配は「治安に重大な影響を及ぼす」ものですので、オウム真理教の地下鉄サリン事件などの被疑者が、この警察庁指定特別手配被疑者になりました。
2023年3月時点では、この警察庁指定特別手配被疑者に指定されている指名手配犯はいません。
警察庁指定重要指名手配被疑者
警察庁指定重要指名手配被疑者は、凶悪犯罪や広域犯罪の指名手配被疑者の中で、全国警察を挙げて捜査する必要性が高いものが指定されます。
この重要指名手配は、指名手配被疑者捜査強化月間に合わせて指定されます。2023年3月時点では13名います。
都道府県警察指定重要指名手配被疑者
都道府県警察指定重要指名手配被疑者は都道府県警察が指名手配犯の中から、組織を挙げて捜査する必要性が高いものを指定します。
その他の指名手配
逮捕状が出ていても、所在が分からない被疑者には各都道府県警が指名手配を行います。
国際手配
国際手配は、各政府を通じて被疑者や行方不明者を探す制度です。基本的に、国外逃亡したと見られる被疑者を探すために、国際手配を行います。
指名手配犯が捕まらない理由①:整形をしている
指名手配犯が捕まらない理由の1つ目は、整形をしているためです。指名手配犯は美容整形手術を受けて顔を変えることは珍しいことではありません。
松山ホステス殺害事件の福田和子やリンゼイ・アン・ホーカー殺害事件の市橋達也は、逃亡しながら美容整形手術を受けて、顔を変えていました。
美容整形手術を受けたら、指名手配写真の顔や雰囲気が変わりますので、いくら指名手配犯の写真の顔を覚えていても、なかなか指名手配犯であるとはわからないのです。
福田和子は美容整形を繰り返していて、「7つの顔を持つ女」と言われるほどでした。市橋達也も指名手配の顔写真と逮捕時の顔はだいぶ違いましたよね。ちなみに、市橋達也が逮捕されるきっかけになったのは、美容整形の執刀医からの通報でした。男性がほくろ除去の手術を受けたことを不審に感じて、通報したとのことです。
指名手配犯が捕まらない理由②:年齢を重ねて変わっている
指名手配犯が捕まらない理由の2つ目は、年齢を重ねたことです。指名手配犯の写真は、基本的に犯行を行う前のものです。犯行の数年前の写真が指名手配の画像になることもあります。
そして、数年間捕まらなかった場合、すでに指名手配の画像から5年以上が経過していることになります。5年は長いですよね。特に、逃亡中の指名手配犯の場合は、逃亡のために、できるだけ写真とは見た目・雰囲気を変えようとしているします。
下手をすれば、指名手配をしてから、20年以上経っていることもあります。20年前の写真を見ても、目の前の人物が同一人物かどうかなんて、自信が持てませんよね。
指名手配犯が捕まらない理由③:国外逃亡している
指名手配犯が捕まらない理由の3つ目は、国外逃亡です。事件を起こした直後に海外に逃亡してしまうと、なかなか捕まることはありません。特に、国外逃亡すると、日本の警察はよほどの確信がない限り、外国に行って捜査をすることはありません。
現地の警察もその国で犯罪を犯したならともかく、日本で犯罪を犯したなら、わざわざ労力を割いてまで犯人を捕まえようとすることはないですよね。
また、犯人がその国にいることが分かったとしても、「犯罪人引渡条約」を締結していなければ、犯罪人の引き渡し義務はありません。
だから、国外逃亡すると、なかなか指名手配犯は捕まらないのです。外国人が日本で犯罪を犯した場合、母国に帰ってしまえば、捕まることはほぼないと言っても良いかもしれません。
この後紹介する現在逃走中の指名手配犯一覧でも、外国人がかなり多いのは、国外逃亡している人が多いからかもしれません。
例えば、元日産自動車CEOのカルロス・ゴーンは、金融商品取引法違反および特別背任の疑いで逮捕・起訴された後、保釈されましたが、その隙をついて、レバノンに国外逃亡しています。レバノンにいることは間違いないのに、逮捕されないのは、レバノンと犯罪人引渡条約を締結していないからです。
指名手配犯が捕まらない理由④:死亡している
指名手配犯が捕まらない理由の4つ目は、死亡している可能性があることです。指名手配中の逃亡生活は、お世辞にも健康的なものとは言えないでしょう。また、たとえ病気になっても、病院に行くことはできません。そうすれば、普通の生活を送っている時よりも死亡する可能性は高くなります。
また、逃亡生活が10年以上続いたり、高齢になっても逃亡していたら、当然亡くなる確率は上がりますよね。
しかも、指名手配犯の場合、亡くなっていたとしてもわかりません。死亡届を出してくれる人もいないでしょうし、そのまま行き倒れて、「身元不明のご遺体」として処理される可能性もあります。
たとえ死亡していてもわからない。もしかしたら、もう亡くなっているかもしれないけれど、その確証はないから指名手配を続けるしかない。
警察庁指定重要指名手配被疑者の又吉建男や越智清は、まさにこのケースと言えるでしょう。
指名手配犯が捕まらない理由⑤:協力者に完全に匿われている
指名手配犯が捕まらない理由の5つ目は、協力者に匿われていることです。例えば、外国人が犯罪を犯して指名手配された場合、国外逃亡します。母国に帰国すれば、家族や親せき、友人らが匿ってくれますので、捕まる可能性は低いですよね。
また、フィリピンやタイに逃亡した場合も、お金を出せば、犯罪者を匿ってくれるような組織・グループがあるという情報もあります。
暴力団関係者が国内で指名手配された場合は、組関係者に匿われたり、逃亡の手助けをしてもらったりするケースは多いです。
警察庁指定重要指名手配被疑者の金成行や菱川龍己は、逃亡に協力者がいましたので、今でも協力者に匿われながら、逃走している可能性もあります。
指名手配犯が捕まらない理由⑥:自分の周囲にいるとは思っていない
指名手配犯が捕まらない理由には、「まさか自分の周囲に指名手配犯がいる」とは思わないこともあるでしょう。
そもそも、指名手配犯にはそれほど興味がないし、指名手配犯の顔写真なんてあまり覚えていないという人がほとんどだと思います。それに加えて、「まさか自分の周りに指名手配犯がいるはずがない」と思いながら生活しているので、指名手配犯が隣にいても気づかないことがほとんどなんです。
福田和子はキャバレーを転々としていて、金沢市のスナックで働いていたら、和菓子屋の主人に見初められて同棲し、結婚を申し込まれるまでになりました。和菓子屋の主人も、まさか自分が惚れた女性が指名手配犯だなんて思わなかったと思います。だからこそ、同棲して結婚を申し込んだのでしょう。
特に、交番の前にいつも掲示されているような特別手配や重要指名手配ならともかく、そうでないなら、本当に「自分の周りにいるはずがない」と思うのが普通だと思います。
指名手配犯が捕まらない理由⑦:なかなか通報できない
指名手配犯が捕まらない理由には、なかなか通報できないという一般市民の心理もあると思います。
近所の人や会社の同僚、友人の友人などを見て、「あれ?この人、もしかしたら・・・、指名手配犯かも」と思ったとしても、確証がない限り、なかなか通報できない人は多いと思います。
やはり、「もし違っていたら失礼だよね。違ってたのに私が通報したってバレたらどうしよう」と思うと、通報できないというケースは少なくないと思います。
指名手配犯が捕まらない理由⑧:時効がなくなって警察が大忙し
指名手配犯が捕まらない理由の8つ目は、時効がなくなったことではないでしょうか。殺人事件の時効は2010年から撤廃されました。時効が来れば、指名手配も取り下げることになります。
でも、殺人事件の時効がなくなったことで、殺人の指名手配犯は捕まらない限り、もしくは確実に死亡したという証拠がない限り、永遠に指名手配されたままになります。
時効がなくなり、未解決事件は増えたとしても、警察官の人数が増えるわけではありません。警察官の仕事が増えるだけです。指名手配犯の事件1つ1つに割ける労力は少なくなり、警察はキャパオーバーになるために、指名手配犯が捕まらないということがあるのかもしれません。
指名手配犯の一覧:過去の特別指名手配
指名手配犯の一覧を見ていきましょう。以前に指名手配されていたけれど、時効を迎えたり、逮捕されたりしたケースになります。ここでは特別指名手配されていた凶悪犯をご紹介します。
事件発生年 | 被疑者 | 事件名 | 罪状 | その後 |
1968年 1971年 |
尼崎内妻の姉夫婦切傷事件 高松大工刺傷事件 |
殺人未遂 | 逮捕 | |
1969年 | 梅内恒夫 | 鉄パイプ爆弾約30本製造 | 爆発物取締 罰則違反 (製造) |
公訴時効 |
1969年 1971年 |
永田洋子 | 京浜安保共闘 川崎弾薬輸送列車襲撃未遂事件 真岡銃砲店襲撃事件 |
爆発物取締 罰則違反、 強盗致傷 |
逮捕後死刑判決(病死) |
1969年 1973年 |
甲府工員射殺事件、花札賭博 | 殺人 常習賭博 |
逮捕 | |
1970年 | 板橋団地主婦強盗殺人事件 | 婦女暴行 強盗殺人 |
公訴時効 | |
1970年 | 大阪暴力団員3人拳銃殺傷事件 | 殺人 殺人未遂 |
逮捕 | |
1970年 | 江南市パチンコ店強盗殺人未遂事件 | 強盗殺人未遂 | 逮捕 | |
1970年 | 東大阪証券会社員強盗致傷事件 | 強盗致傷 | 逮捕 | |
1971年 | 森恒夫 | 赤軍派 千葉・神奈川連続4件金融強盗事件(M作戦) |
強盗 | 逮捕後自殺で公訴棄却 |
1971年 | 坂口弘 | 京浜安保共闘 真岡銃砲店襲撃事件 |
強盗致傷 | 逮捕後死刑判決 |
1971年 | 共産主義者同盟 スポイト式時限爆弾6発製造 (警察施設連続爆破事件) |
爆発物取締 罰則違反 (製造) |
逮捕 | |
1971年 | 竹本信弘 (滝田修) |
朝霞自衛官殺害事件 | 強盗致死 | 逮捕 |
1972年 | 清水少女誘拐殺人事件 | 未成年者誘拐 強姦、殺人 |
逮捕 | |
1974年 | 上野消火器商一家殺人事件 | 強盗殺人 | 逮捕後 死刑 |
|
1975年 | 熊本刑務所京町拘置支所脱獄事件 京都府網野町中学生婦女暴行事件 |
単純逃走 婦女暴行 |
||
1977年 | 加藤三郎 | 神社本庁爆破事件 | 爆発物取締 罰則違反 |
逮捕 |
1978年 | 板橋アパート爆発物製造・誤爆事件 | 爆発物取締罰則違反(製造) | 逮捕 | |
1981年 | 神田ビル強盗殺人放火事件 | 強盗殺人 放火 |
逮捕後死刑判決 | |
1981年 | 大宮母娘強盗殺人事件 | 強盗殺人 | 被疑者病死 | |
1982年 | 福田和子 | 松山ホステス殺害事件 | 強盗殺人 | 逮捕 |
1983年 | 伊予銀行西条支店強盗殺人事件 | 強盗殺人 | 逮捕 | |
1983年 | 奥崎謙三 | 独立工兵隊第36連隊元中隊長長男銃撃事件 | 殺人未遂 | 出頭逮捕 |
1984年 1985年 |
中核派 自由民主党本部放火襲撃事件 羽田・成田両空港ロケット弾事件 |
放火 爆発物取締罰則違反 航空危険罪 |
逮捕(手配容疑は不起訴) | |
1985年 | 中核派 羽田・成田両空港ロケット弾事件 |
爆発物取締罰則違反 航空危険罪 |
公訴時効 | |
1986年 | 中核派 迎賓館ロケット弾事件 | 爆発物取締罰則違反 | 逮捕 | |
1986年 1989年 |
岩手・福島連続誘拐殺人事件 | 営利誘拐 強盗殺人 |
逮捕死刑 | |
1988年 | 徳島・愛知主婦連続強盗殺人事件 | 強盗殺人 殺人 |
逮捕死刑 | |
1988年 | 一和会会長宅前 警察官3人銃撃事件 (山一抗争) |
殺人未遂 | 逮捕 | |
1989年 | 土地詐取事件 (杉並資産家老女ら殺害事件) |
有印私文書偽造、詐欺 | 逮捕死刑 | |
1989年 | 土地詐取事件 (杉並資産家老女ら殺害事件) |
有印私文書偽造、詐欺 | 逮捕 | |
1991年 | スナックママ連続殺人事件 | 強盗殺人 (4件) |
逮捕死刑 | |
1993年 | 大阪愛犬家連続殺人事件 | 死体遺棄 | 逮捕死刑 | |
1994年 | 富士フイルム専務殺害事件 | 殺人 | 逮捕 | |
1994年 | オウム真理教 宮崎県資産家拉致事件 |
営利略取 | 逮捕 | |
1994年 | オウム真理教 山梨元看護師監禁事件 |
監禁 | 逮捕 | |
1994年 | オウム真理教 山梨元看護師監禁事件 |
監禁 | 逮捕 | |
1995年 | オウム真理教 公証人役場事務長逮捕監禁致死事件 |
逮捕監禁 | 逮捕 | |
1995年 | 井上嘉浩 | オウム真理教公証人役場事務長逮捕監禁致死事件 | 逮捕監禁 | 逮捕死刑 |
1995年 | 北村浩一 | オウム真理教 特別手配被疑者隠匿 |
犯人蔵匿・隠避 | 逮捕 |
1995年 | 大内早苗 | オウム真理教 名古屋出家信者母親拉致事件 |
営利略取 | 出頭逮捕 |
1995年 | 中川智正 | オウム真理教 公証人役場事務長逮捕監禁致死事件 |
逮捕監禁 | 逮捕死刑 |
1995年 | 平田悟 | オウム真理教 公証人役場事務長逮捕監禁致死事件 |
逮捕監禁 | 逮捕 |
1995年 | 林泰男 | オウム真理教 地下鉄サリン事件 |
殺人 殺人未遂 |
逮捕死刑 |
1995年 | オウム真理教 地下鉄サリン事件 |
殺人 殺人未遂 |
出頭逮捕 | |
1995年 | 端本悟 | オウム真理教 地下鉄サリン事件 |
殺人 殺人未遂 |
逮捕死刑 |
1995年 | 中村昇 | オウム真理教 地下鉄サリン事件 |
殺人 殺人未遂 |
逮捕 |
1995年 | 菊地直子 | オウム真理教 地下鉄サリン事件 |
殺人 殺人未遂 |
逮捕後無罪 |
1995年 | 高橋克也 | オウム真理教 地下鉄サリン事件 |
殺人 殺人未遂 |
逮捕 |
1995年 | 平田信 | オウム真理教 公証人役場事務長逮捕監禁致死事件 |
逮捕監禁致死 | 逮捕 |
1995年 | 富永昌宏 | オウム真理教 東京都庁小包爆弾事件 |
爆発物取締罰則違反 殺人未遂 |
出頭逮捕 |
1995年 | オウム真理教 新宿駅青酸ガス事件 |
殺人未遂 | 出頭逮捕 | |
1995年 | オウム真理教 新宿駅青酸ガス事件 |
殺人未遂 | 出頭逮捕 | |
1998年 | 北九州元漁協組合長射殺事件 | 殺人 銃砲刀剣類所持等取締法違反 |
出頭逮捕 | |
2007年 | 市橋達也 | リンゼイ・アン・ホーカー殺害事件 | 殺人・強姦致死 | 逮捕 |
2012年 | 広島刑務所中国人受刑者脱獄事件 | 単純逃走 | 逮捕 |
福田和子と市橋達也は特別指名手配ではありませんが、有名な指名手配犯だったので、ここに入れています。
指名手配犯の一覧:現在逃走中(警察庁指定重要指名手配被疑者・報奨金あり)
指名手配犯一覧、次は現在逃走中の指名手配犯です。2023年3月時点では、警察庁指定特別手配被疑者はいませんので、警察庁指定重要指名手配被疑者13名を顔写真や犯罪内容などの情報と一緒にまとめました。
まずは、警察庁指定重要指名手配被疑者の中でも、捜査特別報奨金が支払われることになっている指名手配犯からです。
捜査特別報奨金とは、重要凶悪事件等の検挙に結び付く有力な情報を提供した人に対して報奨金を支払うものです。
小暮洋史
出典:asahi.com
小暮洋史は群馬一家3人殺害事件の犯人です。
・名前:小暮洋史
・生年月日:1969年7月31日
・年齢:53歳(2023年3月時点)
・身長:170cm
・特徴:やせ型で面長、潔癖症
小暮洋史は1998年1月に群馬県群馬町(現在の高崎市)で電気工事業を経営していた男性とその妻、男性の母親を殺害した容疑がかけられています。小暮洋史は以前から被害者の男性の長女にストーカー行為を繰り返していて、事件後は愛車のシルビアで逃走を図ったものと見られていますが、本人も車両もまだ発見されていません。
小原勝幸
出典:twitter.com
小原勝幸は2008年7月1日に起こった岩手17歳女性殺害事件の容疑者として指名手配されています。
・名前:小原勝幸
・生年月日:1979年11月16日
・年齢:43歳(2023年3月時点)
・身長:170cmくらい
・特徴:体格は中肉
2008年7月1日に岩手県宮古市内で17歳の女子高生の遺体が発見されました。小原勝幸の車の中から被害者の結婚が見つかったため、警察は小原が殺人犯と断定し、指名手配されています。しかし、小原は現在も行方が分かっていません。
また、小原は当時金銭トラブルに巻き込まれていて、被害者と同姓同名の女性と交際していたことなどから、ジャーナリストの黒木昭雄氏は冤罪の可能性があると指摘していました。(黒木氏は2010年に練炭自殺で死亡)
上地恵栄
出典:keishicho.metro.tokyo.lg.jp
上地恵栄は、2005年11月に発生した三鷹市居酒屋副店長強盗殺人事件の容疑者として指名手配されている指名手配犯です。
・名前:上地恵栄
・生年月日:1956年5月30日
・年齢:66歳(2023年3月時点)
・身長:168cmくらい
・特徴:がっちり型、白髪交じりのオールバック風、あばた面、前歯がない、麻雀好き、沖縄県出身
被害者である居酒屋副店長の55歳男性と同居していた上地は、被害者から金をせびっている生活を続けていて、11月25日に仕事から帰ってきた被害者をアパートにあった包丁で殺害し、逃亡したと見られています。
見立真一
出典:sankei.com
見立真一は、2012年9月2日に六本木5丁目のクラブで起こった六本木クラブ襲撃事件の容疑者として逃亡している指名手配犯です。
・名前:見立真一
・生年月日:1979年3月16日
・年齢:44歳(2023年3月時点)
・身長:167cmくらい
・特徴:がっちり型、創痕(右前腕、左目上、前頭部、額部)あり
この六本木クラブ襲撃事件は半グレ集団の関東連合の複数名が六本木のクラブ内で男性客を金属バットで殴り殺害しました。
この事件で半グレ集団の関東連合の悪名が一気に広がりました。
見立真一は六本木クラブ襲撃事件の主犯格であり、殺人や凶器準備集合などの疑いで指名手配されています。事件直後に海外逃亡していることがわかっていて、現在はフィリピンに潜伏中と見られていて、国際手配されています。
指名手配犯の一覧:現在逃走中(警察庁指定重要指名手配被疑者)
次は、警察庁指定重要指名手配被疑者として指名手配されていて、現在逃走中の指名手配犯です。
林紹葳(リンショウイ)
出典:npa.go.jp
林紹葳(リンショウイ)は鳴浜町パチンコ店員刺殺事件の容疑者として逃亡している中国籍の指名手配犯です。
・名前:林紹葳(リンショウイ)
・生年月日:1973年3月27日
・年齢:50歳(2023年3月末時点)
・身長:178cmくらい
・特徴:当時やせ型でメガネあり
1999年10月1日に、愛知県名古屋市南区の鳴浜町にあるパチンコ店内で不正を行っていたところを店員に指摘された林紹葳は店内から逃走しますが、追ってきた店員をナイフで刺して殺害し、そのまま逃走しました。
パチンコ店内で一緒に不正をしていた人物は逮捕されていますが、林紹葳の行方は分かっていません。
吉屋強
出典:twitter.com
吉屋強は、1999年6月に起こった綾瀬五丁目マンション敷地内殺人事件(足立区内殺人事件)で指名手配されている容疑者です。
・名前:吉屋強
・生年月日:1977年7月21日
・年齢:45歳(2023年3月末時点)
・身長:172cmくらい
・特徴:縮れ毛、額に傷あり、元中国国籍で事件の2年前に帰化
吉屋強は1999年6月4日に足立区綾瀬5丁目のマンションの敷地内で、暴走族同士のトラブルから2人組の男性を襲撃し、そのうち1人を殺害しました。この事件では被疑者15人を検挙していますが、主犯格である吉屋強は現在も逃亡中です。
関係者の話から吉屋強は事件後すぐに出身地である中国に逃亡した可能性が高いと見られていて、国際手配されています。
宮内雄大
宮内雄大は強盗致傷の容疑で逮捕されましたが、その後に逃走していて指名手配犯になりました。
・名前:宮内雄大
・生年月日:1975年10月13日
・年齢:47歳(2023年3月末時点)
・身長:177cmくらい
・特徴:小太り、内股気味でヒョコヒョコ歩く、酒・たばこ、競馬が好き
2013年2月23日、山梨県山梨市内の住宅に侵入して、金品を盗み、住人の男性の顔を殴った容疑で現行犯逮捕されました。しかし、逮捕後に日下部警察署にパトカーで到着した直後に、突然走り出し、捜査員の追跡を振り切って逃走しました。
その後、コンビニに立ち寄ったことはわかっていますが、行方はいまだにつかめていません。警察署に移送する時には、宮内雄大に手錠をかけていなかったほか、車を降りる時に体を掴んでおらず、宮内雄大はフリーな状態だったため、警部補は懲戒処分となっています。
李会(リカイ)
出典:keishicho.metro.tokyo.lg.jp
李会は2000年12月15日に、東京都葛飾区柴又にある歯科医宅に侵入し、就寝中の女性2人を拘束して傷害を負わせ、時価総額4300万円相当の現金・ライフル銃・貴金属などを盗んだ容疑で指名手配されました。
・名前:李会(リカイ)
・生年月日:1963年12月26日
・年齢:59歳(2023年3月末時点)
・身長:165cmくらい
・特徴:右手甲に火傷、右大腿部に傷跡
共犯者5名は逮捕され、盗まれた銃も押収されていますが、この李会はまだ逃走を続けていて捕まっていません。
李会は中国籍で、事件後に中国に帰国していることがわかっています。
越智清
出典:twitter.com
越智清は、2006年に起こった寝屋川市女性バラバラ殺人事件の被疑者として指名手配されています。
・名前:越智清
・生年月日:1952年4月6日
・年齢:70歳(2023年3月末時点)
・身長:175cmくらい
・特徴:演歌が好き
越智清の妻が行方不明になっていて、同じころ越智清の所在が分からなくなっていました。警察が自宅を調べたところ、自宅浴室から妻のDNAと一致する血液反応が確認され、越智清が妻を殺害し、遺体を解体したと判断して、指名手配されました。
鹿児島の離島・口永良部島に潜伏していたことが判明していますが、島を出た形跡はなく、島内で死亡している可能性もあると見られています。しかし、遺体は発見されていないため、現在も指名手配は続いています。
又吉建男
又吉健男は1990年に沖縄県沖縄市で警察官2人を殺害した容疑で指名手配されています。
・名前:又吉健男
・生年月日:1949年10月13日
・年齢:73歳(2023年3月末時点)
・身長:172cmくらい
・特徴:顔にほくろが3つあり
1990年11月23日、暴力団の抗争である第6次沖縄抗争で、三代目旭琉会錦一家の幹部だった又吉健男と組員の男に、覆面パトカーに乗った私服警察官が職務質問しようとしたところ、又吉らは敵対する暴力団員が襲撃してきたと勘違いして、警察官2人に至近距離から発砲し、殺害しました。
組員の男は逮捕されて、現在も服役していますが、又吉健男は事件後に逃走し、下関市などで潜伏していたことはわかっています。また、2000年には京都市内の病院を受診し、脊髄にがんが転移し、自力歩行が困難な状態だったと判明していますので、現在は死亡している可能性が高いと見られています。
桐島聡
桐島聡は連続企業爆破事件の犯人で、指名手配されています。
・名前:桐島聡
・生年月日:1954年1月9日
・年齢:69歳(2023年3月末時点)
・身長:160cmくらい
・特徴:唇が厚くて大きい、強度の近視
1974年~1975年にかけて東アジア反日武装戦線のメンバーが旧財閥系や大手ゼネコンなどの企業を狙った爆破事件を起こしました。桐島聡は1975年2月28日の間組本社・工場同時爆破事件などにかかわっています。
この事件では死者は出ていないので、本来なら公訴時効になっていますが、共犯の大道寺あや子が裁判の途中でダッカ日航機ハイジャック事件により釈放されたため、公判停止となり、公訴時効も停止しています。
菱川龍己
出典:sankei.com
菱川龍己は、2017年9月12日に起こった神戸市長田区五番町における拳銃発砲殺人事件で指名手配されている被疑者です。
・名前:菱川龍己
・生年月日:1976年2月15日
・年齢:47歳(2023年3月末時点)
・身長:158cmくらい
・特徴:中肉
2017年9月12、神戸市長田区の路上で、任侠山口組の組員が射殺される事件が起こり、犯人は神戸山口組の組員である菱川龍己と特定されました。菱川龍己は発砲後に逃走しています。闘争を助けた知人の女性は逮捕されているものの、菱川龍己はまだ逮捕されておらず、逃走を続けています。
金成行
金成行は2021年9月28日に長野県上伊那郡宮田村にある駐車場で被害者男性に向けて発砲し、逃走した指名手配犯です。
・名前:金成行
・生年月日:1968年
・年齢:54歳(2023年3月末時点)
・身長:170cmくらい
・特徴:左手の小指欠損、刺青あり
金成行と被害者の男性は同じ暴力団に所属していて、何らかのトラブルがあったと見られています。金はそのまま逃走していますが、金の逃走を助けたと見られる男性2人が逮捕されています。
指名手配犯の一覧:現在逃走中(各都道府県警)
指名手配犯の一覧、最後は現在逃走中で警察庁指定重要指名手配被疑者以外の指名手配犯です。
指名手配犯は全国で500人以上いますので、全員を一覧にすると果てしない数になります。
そのため、ここでは殺人、もしくはそれに準ずる凶悪犯罪を犯した指名手配犯を一覧でまとめました。
ここには日本から国際手配されている凶悪犯も含めています。
事件発生日 | 指名手配犯(国籍) | 事件名 | 容疑 |
1952年1月21日 | 鶴田倫也 | 白鳥事件(日本共産党による警官射殺事件) | 殺人 |
1970~80年代 | 辛光洙 金世鎬 チェ・スンチョル |
北朝鮮による日本人拉致問題 | 拉致(国際手配) |
1970年3月31日 | 赤木志郎 若林盛亮 魚本公博 岡本武 小西隆裕 |
よど号ハイジャック事件 | 強盗致傷・国外移送目的略取(国際手配) |
1972年2月19日 | 坂東國男 | 山岳ベース事件 あさま山荘事件 |
殺人(国際手配) |
1972年5月30日 | 岡本公三 | テルアビブ空港乱射事件 | 殺人(国際手配) |
1974~75年 | 大道寺あや子 佐々木規夫 |
連続企業爆破事件 | 殺人・殺人未遂・殺人予備・爆発物取締罰則違反(国際手配) |
1992年3月14日 | ニルト・レンケオ(タイ) | 旧更級郡上山田町タイ人強盗殺人事件 | 強盗殺人 |
1992年5月30日 | 王剛勇(中国) | 多摩市パチンコ店強盗殺人事件 | 強盗殺人(国際手配) |
1995年6月7日 | 超立新(中国) | 福岡市中央区中国人男性殺人事件 | 殺人 |
1998年6月19日 | 林国燕(老林)(中国) | 松戸市松飛台における中国人密航者傷害致死事件 | 傷害致死 |
1998年7月6日 | モハマディ ジョザニー アリーアクバル(イラン) | 浦安市富士見4丁目におけるけん銃使用外国人殺人事件 | 殺人 |
1998年12月6日 | 李宗輝(中国) | 大阪市西区中国人男性殺人事件 | 殺人 |
1999年10月1日 | 林紹葳(中国) | 鳴浜町パチンコ店員刺殺事件 | 強盗殺人 |
1999年11月16日 | 李順子(韓国) | 北九州市小倉北区男性殺人事件 | 殺人 |
1999年11月29日 | ディワカール・セティア(インド) | 鳥越二丁目ビル内外国人男性殺人・放火事件 | 強盗殺人 |
2001年8月16日 | 郭明宇(中国) | 歌舞伎町クラブ強盗殺人事件 | 強盗殺人 |
2001年9月19日 | 糸榮文 | 遊歩道における持凶器殺人事件 | 殺人 |
2003年2月28日 | 楊少峰(中国) | 田端新町一丁目マンション内女性強盗殺人事件 | 強盗殺人 |
2003年9月27日 | 林張(中国) | 横浜市中区長者町中国人殺人事件 | 殺人 |
2003年10月24日 | 陳遠耀(中国) | 下連雀薬局内強盗殺人事件 | 強盗殺人(国際手配) |
2004年1月30日 | フィリピン人(元少年) | 茨城女子大学生殺人事件 | 殺人 |
2005年1月21日 | アナン カムピーラ(タイ) | 横浜市中区タイ人女性殺人事件 | 殺人 |
2008年6月14日 |
シャベス フレディグラニア ロペス(ブラジル) ヤマシタ マウロ タダオ(ブラジル) |
湖西市大知波における殺人事件 | 殺人 |
2009年1月12日 | 村田俊治 | 山口市赤妻町における女性被害殺人事件 | 殺人 |
2009年2月24日 | 斯日古楞(中国) 黄帥軍(中国) |
東上野二丁目マンション内殺人事件 | 殺人 |
2009年4月28日 | 大沢悠也 | 八王子市母子殺害事件 | 殺人 |
2009年6月 | 近藤剛郎 | 横浜港バラバラ殺人事件 | 強盗殺人・殺人・死体遺棄等(国際手配) |
2010年4月23日 | 中西二郎 | 京都市伏見区母子殺人事件 | 殺人 |
2013年1月16日 | モフタール ベルモフタール(アルジェリア) | アルジェリア人質事件 | 人質強要処罰法違反 組織犯罪処罰法違反 |
2021年4月18日 | 永山誠 | 東海村船場地内における殺人事件 | 殺人 |
2022年6月29日 | 八田與一 | 別府市死亡ひき逃げ事件 | 道路交通法違反 |
2022年8月20日〜21日 | バルボサ・アンデルソン・ロブソン(ブラジル) | 堺市母子殺害事件 | 殺人 |
指名手配犯のまとめ
指名手配犯が捕まらない理由や過去の指名手配犯一覧、現在逃走中の指名手配犯一覧をまとめました。
指名手配犯が500人以上いること、また外国人が多いことなどは驚きですよね。一刻も早く、逮捕されてほしいです。