2011年に大分県日出町で2歳児がスーパーの駐車場で行方不明になった事件がありました。この事件は、とても悲しい結末を迎えています。
大分県日出町2歳児失踪事件の概要や逮捕された犯人の江本優子の逮捕や動機、事件の真相、裁判での判決と現在をまとめました。
この記事の目次
大分県日出町2歳児失踪事件とは
大分県日出町2歳児失踪事件とは、2011年9月13日に大分県日出町にあるスーパーの駐車場で2歳の女の子が行方不明になった事件です。
2歳の琴音ちゃんが行方不明に
2011年9月13日午後2時前、大分県日出町にあるスーパー「マルショク川崎店」の駐車場で、江本琴音ちゃん2歳が行方不明になりました。
琴音ちゃんは母親の江本優子さんと一緒にスーパーに車で買い物に来ていて、母親が琴音ちゃんを車に残してスーパー内に買い物に行って戻ってきたら、琴音ちゃんは車内から姿を消してしまっていたのです。
母親はスーパーの店員に琴音ちゃんの行方を聞いて回りましたが、行方は分からず、母親は110番して警察に通報しました。
たった5分間の犯行だった
出典:mamapicks.jp
母親の江本優子が琴音ちゃんを車の中に残して、スーパーに買い物に行き戻ってくるまでの時間は、たった5分ほどでした。
スーパー内には10台の防犯カメラがあり、江本優子が店内で買い物していた時間は3分ほどだったことが確認されています。江本優子はスーパーの入り口から約20mのところに車を駐車しましたので、車を離れてから戻るまで多めに見積もっても5分程度だったと推測できます。
スーパーの防犯カメラはスーパー内にあり、駐車場はほとんど映っておらず、怪しい人物や琴音ちゃんが連れ去られるような様子は映っていませんでした。
車のエンジンやエアコンはつけっぱなしで、車のドアはロックされていない状態でした。また、琴音ちゃんはチャイルドシートに座っていましたが、シートのロックはされていなかったそうです。
また、琴音ちゃんは当時2歳10ヶ月でしたが、足の筋力が弱く、1人ではうまく歩けない状態でしたので、琴音ちゃんが1人でどこかに歩いて行ってしまうということは考えにくく、誰かが車から連れ去ったと考えるのが自然です。
しかし、たった5分という短時間の間に、車内に1人でいる琴音ちゃんを見つけて車のドアを開け、チャイルドシートから連れ去ってしまうのは時間的に難しいのではないかとも言われています。
大分県日出町2歳児失踪事件で逮捕された犯人は母親の江本優子
大分県日出町2歳児失踪事件で逮捕されたのは、なんと琴音ちゃんの母親の江本優子でした。
夫に付き添われて5ヶ月後に出頭
大分県日出町2歳児失踪事件では、警察が懸命の捜査を続けていましたが、なかなか進展が見られない状態でした。そんな中、2012年2月5日に江本優子は夫に琴音ちゃんの遺体を遺棄したことを告白し、夫に付き添われて警察に出頭しています。
江本優子はこの数日前から不眠や食欲不振が続いていて、夫に事情を聞かれて、犯行を告白したとのことです。そして、警察は死体遺棄の疑いで、江本優子の逮捕状を取り、2月5日に逮捕となりました。
供述で遺体発見
警察は2月5日に出頭してきた犯人の江本優子から任意で話を聞き、その供述から、同日の午後に日出町の雑木林で江本琴音ちゃんの遺体が発見されました。
琴音ちゃんは既に白骨化して、遺体の骨片が地面から出ている状態で発見されています。江本優子は琴音ちゃんを裸の状態で、顔にはハンカチを、体にはタオルをかけた状態で遺棄しました。
殺害は認めず
江本優子は警察の取り調べで、琴音ちゃんの遺体を遺棄したことは認めましたが、殺害に関しては否定しています。
事件前日の9月12日の夜に、小学校1年生の長男と琴音ちゃんを自宅の2階で寝かしつけた後、自分は1階で寝ていましたが、翌日の朝(13日朝)になっても琴音ちゃんが起きてこないので、様子を見に行ったら、琴音ちゃんは死亡していたと供述しています。
そして、気が動転して、琴音ちゃんの遺体を車に乗せて走り回り、最終的には墓地が近くにある雑木林に遺体を埋めたそうです。
ただ、江本優子は遺棄する前に琴音ちゃんの遺体を清める意味で一度拭いているんです。
大分県日出町の雑木林に昨年9月、当時2歳だった江本琴音ちゃんの遺体を捨てたとして、死体遺棄の疑いで逮捕された母親の優子容疑者(35)が、県警の調べに「(長女の琴音ちゃんの)体を清める意味で拭いて、遺棄した」と経緯を供述していることが7日、捜査関係者への取材で分かった。
気が動転している割には落ち着いた行動をしていますし、琴音ちゃんを自らの手で遺棄する気満々だったと思えてきます。
地元では当初から江本優子の犯行と噂されていた
犯人の江本優子は事件から5ヶ月後に逮捕されていますが、事件発生当時から地元では江本優子の犯行と噂されていたようです。
聞いた話によると その姿はいつかの事件で幼児2名を殺害し逮捕された「はた○やま す○か」容疑者のような状態で 近所の人と目が合ったりすると 「お前も疑っちょんのやろうが(怒)」と 半ば半狂乱のような状態で怒鳴ってきたりしていたようです。
琴音ちゃんが失踪した当初、江本優子はスーパーの店員に「すみません、、、、ここには(防犯カメラ)はついていますか?」と聞いていたようです。2歳児がいなくなった時の母親の言動にしては、ちょっと怪しすぎますよね。
大分県日出町2歳児失踪事件の犯人・江本優子の動機と真相は育児疲れ?
犯人の江本優子の動機、つまり事件の真相は育児疲れではないかと言われています。
長男も琴音ちゃんも障害はあった
江本琴音ちゃんは脚に障害があり、2歳10ヶ月になっても自分1人ではうまく歩くことができませんでした。外出時はほとんど大人が抱っこしていたとのことです。
また、琴音ちゃんの兄である小学1年生の長男は軽い障害があったとのことです。
長男は、軽い障がいがあって、小学校の送り迎えが必要なんですけど、それも優子ちゃんはできなくなって。1時間以上かけて、私が優子ちゃんの家まで行って、車で孫を送り迎えしていました
長男の障害は落ち着きがない多動性ものと報道がありましたので、ADHDのようなものと言われています。
・琴音ちゃん:脚の障害があり、1人でうまく歩けなかった
ワンオペ育児だった
しかも、江本優子はワンオペ育児でした。江本優子の夫はフェリー会社に勤務していて、7~10日程度、家を不在にすることが珍しくありませんでした。
江本優子の実の親は近くに住んでおらず、夫の親も車で1時間離れたところに住んでいます。そのため、障害のある子ども2人を抱えて、ワンオペ育児をしていたことになります。
障害は心配するほどではないという情報もあるが・・・
江本優子の子供2人の障害は、それほど心配するものではないという報道もあります。長男の障害は「だんだん良くなる」、琴音ちゃんの障害は「筋力がつけば大丈夫」と医者から言われていたそうです。
だから、心配するほどのものではないと報道されました。江本優子の実の母親も「育児も孤独も、普通の母親によくある程度ではないかと思います」と答えています。
ただ、いくら医者に「大丈夫」と言われていても、母親としては心配で不安でしょうし、ワンオペ育児をしていたら、ノイローゼのようになってもおかしくはありません。
実際に、江本優子は夫の両親にしょっちゅう電話をしていて、育児の不安を吐露していたようです。
「心細いからか、優子ちゃんからしょっちゅう電話がかかってきました。“子供が熱出した”とか。息子がおらんぶん、私らが、もっと面倒を見てあげていてたら…」
江本優子のバックグラウンドを考慮すると、育児疲れで突発的な犯行に及んでしまったのかもしれません。
大分県日出町2歳児失踪事件の真相は?
大分県日出町2歳児失踪事件は犯人の江本優子の育児疲れが動機かと言われていますが、もっと違うところに真相があるのかもしれません。
逮捕された江本優子は次のような供述をしています。
「長男が(琴音ちゃんがうるさかったから)毛布をかけたと言っていた」
長男が琴音ちゃんに毛布を掛けたから、琴音ちゃんは窒息死してしまったのでしょうか?もしこれが本当だとしたら、江本優子は長男をかばっていたのかもしれません。
長男に疑いの目がかからないように、琴音ちゃんの遺体を遺棄した。また、自分がいなくなって、長男がさみしい思いをしないように、琴音ちゃんは失踪したように見せかけたという可能性はあります。
ただ、この供述をしたとしても長男は罪に問われることはないと計算して、自分の罪が少しでも軽くなるように計算したうえでの供述の可能性もあります。
どちらがこの大分県日出町2歳児失踪事件の真相かは不明です。できれば、長男をかばっての犯行が真相であってほしいですが、どんな真相にせよ江本優子がこの供述をしたことで、長男は一生「自分が妹を殺したかもしれない」という重い重い十字架を科せられ、しかも罪を償う機会は一生やってこず、真相もわからないまま人生を歩んでいくことになってしまいました。
この「長男が毛布を掛けた」という供述は、とんでもなく重い供述だったのです。
大分県日出町2歳児失踪事件の犯人・江本優子の判決
大分県日出町2歳児失踪事件では、2012年5月29日に大分地裁で判決が言い渡されました。判決は懲役2年・執行猶予3年です。
つまり、江本優子は有罪判決だったものの、刑務所に入ることはなかったのです。この軽い判決からわかるように、琴音ちゃんの殺害は立件されず、死体遺棄罪のみでの立件となりました。
遺体が白骨化していたので、死因を特定できず、殺人での立件は難しかったのでしょう。
大分県日出町2歳児失踪事件と犯人・江本優子の現在
大分県日出町2歳児失踪事件は、江本優子が逮捕されて、2012年に懲役2年執行猶予3年の有罪判決となりました。そのため、江本優子は既に執行猶予期間も終わり、自由の身となっています。
ただ、江本優子は現在は「山口優子」という名前になっています。公判が始まってから、江本優子と夫は離婚しているので、江本優子は旧姓に戻ったようです。
大分県日出町2歳児失踪事件のまとめ
大分県日出町2歳児失踪事件の詳細や逮捕された犯人と江本優子の動機や事件の真相、裁判の判決、現在をまとめました。
琴音ちゃんは本当に亡くなった状態で江本優子に発見されたのか、それとも殺害されたのか?裁判が終わった現在では永遠にわかることはないでしょう。