スタジオジブリの作品の1つである火垂るの墓。とても切なく悲しいストーリーですが、いろいろな都市伝説や怖い裏設定や謎がインターネット上で噂されています。
火垂るの墓の都市伝説や怖い裏設定や謎考察などまとめました。
この記事の目次
- 火垂るの墓は1988年のジブリ映画
- 火垂るの墓の都市伝説①:千と千尋の神隠しに節子登場
- 火垂るの墓の都市伝説②:火垂るの墓はとなりのトトロとの二本立て
- 火垂るの墓の都市伝説③:未完のまま上映された
- 火垂るの墓の都市伝説④:節子役の女の子が消えた
- 火垂るの墓の都市伝説⑤:黒澤明が褒めたら苦い顔?
- 火垂るの墓の都市伝説⑥:ヤバイ実写映画の可能性があった
- 火垂るの墓の都市伝説⑦:火垂るの墓のメッセージは反戦ではない?
- 火垂るの墓の怖い裏設定&謎の考察①:火垂るの墓のポスターにB29
- 火垂るの墓の怖い裏設定&謎の考察②:清太はお金持ちだった
- 火垂るの墓の怖い裏設定&謎の考察③:清太はプライド高いヒモ男
- 火垂るの墓の怖い裏設定&謎の考察④:清太は成仏できない幽霊
- 火垂るの墓の怖い裏設定&謎の考察⑤:エリート家族が悲惨な運命の意味
- 火垂るの墓の怖い裏設定&謎の考察⑥:節子の死因は栄養失調ではない?
- 火垂るの墓の怖い裏設定&謎の考察⑦:清太の死因は熱中症や脱水?
- 火垂るの墓の怖い裏設定&謎の考察⑧:蛍は人々の魂?
- 火垂るの墓の怖い裏設定&謎の考察⑨:火垂るの墓のタイトルの意味
- 火垂るの墓の都市伝説と怖い裏設定&謎考察のまとめ
火垂るの墓は1988年のジブリ映画
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火垂るの墓
公開日:1988年4月16日
監督:高畑勲
原作:野坂昭如
制作会社:スタジオジブリ
火垂るの墓は1988年に公開されたジブリ映画です。原作は直木賞作家の野坂昭如さんの小説で、脚本・監督は高畑勲さんが務めました。
・監督・脚本:高畑勲
・原作:野坂昭如
・興行収入:11.7億円
キャッチコピーは「4歳と14歳で、生きようと思った」、「忘れものを、届けにきました」です。数年に1回の割合で、終戦記念日前後には日本テレビの「金曜ロードショー」で放送されていて、テレビで見たことがあるという人も多い映画です。
火垂るの墓のあらすじ
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終戦後の1945年9月21日、清太は三ノ宮駅の構内で14歳の若さで衰弱死したところから物語はスタートします。
清太は妹の節子の遺骨が入っていた錆びたドロップ缶を持っていましたが、駅員はそのドロップ缶を草むらに投げてしまいます。そして、そのドロップ缶から零れ落ちた節子の遺骨の周りには、蛍が飛び交っていました。
舞台は兵庫県神戸市、太平洋戦争末期の1945年6月5日に神戸大空襲があり、14歳の清太と4歳の節子は家や母親を失い、親戚の家に身を寄せるようになります。
しかし、戦況が悪化するにつれて、親戚の家の叔母に疎んじられるようになり、清太と節子は親戚の家を出て、防空壕の中で2人で生活するようになります。しかし、配給もなくなり、食料が手に入らなくなったことで、節子は栄養失調になっていきます。
清太は野菜泥棒をするなどなんとか食料を手に入れようとしますが、節子は飢えで倒れてしまいます。清太は食料調達に奔走する途中で、日本の敗戦と父親の艦隊の壊滅を知ります。そして、ようやく手に入れた食料を節子に食べさせましたが、手遅れで節子は8月22日に亡くなってしまいました。
清太は節子を荼毘に付した後、三ノ宮駅でホームレスのような状態となり、戦災孤児の1人として駅構内で亡くなります。そして、ほかの戦災孤児と荼毘に付されて一緒に無縁仏として納骨堂に納められました。
火垂るの墓の原作は野坂昭如
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火垂るの墓はスタジオジブリの映画として有名になりましたが、原作は野坂昭如さんの短篇小説です。そして、ストーリーは野坂昭如さんの実体験がベースとなっているんです。
野坂昭如さんは養子に出されていますが、1945年に神戸大空襲で養父と家を亡くし、養母は大やけどを負います。また、当時1歳の義妹と一緒に親せき宅に身を寄せたり、防空壕で暮らしたこともあります。そして、義理の妹を栄養失調で亡くしました。
野坂昭如さんは火垂るの墓の清太ほどつらい体験はしていませんが、清太のモデルは原作者である野坂昭如さんであり、節子のモデルは栄養失調で亡くなった義理の妹です。
火垂るの墓の都市伝説①:千と千尋の神隠しに節子登場
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火垂るの墓の都市伝説の1つ目は、「千と千尋の神隠し」に節子が登場しているというものです。「千と千尋の神隠し」は2001年に公開されたスタジオジブリの映画です。
「千と千尋の神隠し」では千尋が銭婆に会いに行く時に海原電鉄の電車に乗って行くのですが、沼原駅の描写の中に、節子と思われる女の子が登場するのです。駅の人たちはみんな黒い影のように描かれているのですが、おかっぱ頭の女の子がホームに立っています。
髪型が似ているし、この駅の人たちは「あの世の人たち」と描かれていると言われているので、同じスタジオジブリの映画でコラボして、節子を登場させたのではないか?という都市伝説があります。
火垂るの墓の節子は4歳で、千と千尋の神隠しに出ている節子と思われる女の子は小学生に見えるので、年齢は合いませんので、これはあくまでも都市伝説でしょう。
でも、成長した節子が沼原駅で兄の清太を待っていると考えるとなんとなく夢&妄想が広がりますね。
火垂るの墓の都市伝説②:火垂るの墓はとなりのトトロとの二本立て
火垂るの墓の都市伝説の2つ目は、「火垂るの墓ととなりのトトロは2本立てで同時上映された」というものです。これは事実です。
火垂るの墓ととなりのトトロは、当初はどちらも60分程度の中編映画の予定で、同時上映されることになったんです。でも、製作していく中で、どちらも上映時間がどんどん伸びて行き、最終的にはどちらも長編映画となってしまいました。
火垂るの墓もとなりのトトロも、スタジオジブリの作品ですが、作品のテイストは全く違いますよね。火垂るの墓はバッドエンドの重く暗く、救いがない作品であるのに対し、となりのトトロホンワカしていてハートウォーミングなハッピーエンドの映画です。
この2つを同時上映するスタジオジブリ。なかなかすごいですよね。あまりにもテイストが違う作品のために、「この2つの作品を同時上映するなんて信じられない!都市伝説に違いない!」と考える人が増えて、都市伝説になったのかもしれません。
ちなみに、この同時上映は最初にとなりのトトロ、次に火垂るの墓という順番で見てしまうと、ほんわか気分から一気にどん底に落とされるのできつかったようです。
当時の映画館では同時上映というのは珍しくなく、あえて「火垂るの墓→となりのトトロ」という順番で見る人が多かったそうです。
火垂るの墓の都市伝説③:未完のまま上映された
火垂るの墓の都市伝説の3つ目は、未完のまま上映されたというものです。「映画が未完成ままで上映されるなんてあるの?」と思うかもしれませんが、これも本当なんです。
先述のように、火垂るの墓は当初は中編映画として上映される予定でしたが、製作中にどんどん長くなってしまいました。そして、公開までに彩色の作業がどうしても間に合わなくなってしまったのです。
そこで、ストーリーを破綻させずに演出であると感じられるような部分だけ、色の付かない白味・線撮り状態で、公開してしまったんです。そして、公開後も作業を続け、後に差し替えられることになりました。
公開に間に合わないから白味のままなんて、今では考えられないものですよね。
火垂るの墓の都市伝説④:節子役の女の子が消えた
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火垂るの墓の都市伝説の4つ目は、節子役の女の子が消えたというものです。映画の節子は、当時5歳の白石綾乃さんが担当しています。節子とほぼ同年代だった女の子が演じていたから、あのリアルさが出たんですね。
名作の主役を演じた子役なら、その後も芸能界で活躍しているのかと思いきや、実は白石綾乃さんは消えてしまったんです。
2012年にジブリのイベントで、白石綾乃さんを呼ぼうと思い連絡を取ろうと思ったら、消息不明になっていたとのこと。2009年時点では、「Tomoyuki Tanaka」さんのブログに登場していましたが・・・。
白石綾乃さんは節子役を演じた後は、それほど芸能活動には力を入れておらず、一般人に戻ったようです。
でも、ジブリからもコンタクトが取れない状態だなんて、「節子が消えたのと同じように、白石綾乃さんも消えてしまったのかもしれない」なんて思ってしまいますね。
火垂るの墓の都市伝説⑤:黒澤明が褒めたら苦い顔?
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火垂るの墓の都市伝説の5つ目は、黒澤明監督が火垂るの墓を褒めちぎったというものです。名監督の黒澤明監督は、火垂るの墓を見て感動し、「スタジオジブリの映画だから」と宮崎駿監督に賞賛の手紙を送ったということです。
しかし、宮崎駿監督は手紙を貰って苦い顔をしたそうです。あの黒澤明監督に褒めてもらったのに、なぜ苦い顔をしていたのでしょうか?それは、宮崎駿氏は火垂るの墓の監督ではないからです。
火垂るの墓の監督は、高畑勲さんです。それなのに、黒澤明監督が「宮崎駿が監督だろう」と勘違いして、手紙を送ってきたものですから、宮崎駿氏は苦い顔をしたんですね。
自分の作品ではないのに、あの黒沢監督からの賞賛の手紙を貰ってしまったら、悔しいし複雑な気持ちになって、苦虫を噛み潰したような気持ちになるのも当然ですよね。特に、同時上映で自分が監督を務めた「となりのトトロ」が上映されていたのですから、「火垂るの墓」より「となりのトトロ」をほめてくれ!と思ったに違いありません。
火垂るの墓の都市伝説⑥:ヤバイ実写映画の可能性があった
火垂るの墓はスタジオジブリのアニメだけではなく、実写化されています。2005年には松嶋菜々子さんが出演して、日本テレビで終戦60年スペシャルドラマとして放送されましたし、2008年には日本で映画化されています。
ちなみに、それまでにも実写化の話は出ていて、一番ヤバい実写映画の話は1980年代にありました。アメリカのアリゾナ州で撮影予定で、保存されていたB29を使い、出演者たちに断食させて、飢餓状態にして、リアルな様子を映画にしようとしたそうです。相当ヤバイ映画ですよね。
しかし、この実写化の話は実現することはありませんでした。この企画は、KKベストセラーズ創業者の岩瀬順三が持ち出したのですが、撮影が進む前に岩瀬順三は亡くなったため、企画はとん挫したとのことです。
出演者を飢餓状態にするなんて、ヤバい映画になることは間違いありません。ヤバいリアルな実写映画だったら、火垂るの墓は今のように世間に認知されることはなかったかもしれません。スタジオジブリのアニメで、少しかわいさが残っているから、子供でも見る映画になったのだと思います。
火垂るの墓の都市伝説⑦:火垂るの墓のメッセージは反戦ではない?
火垂るの墓は終戦前後の日本の厳しい状況をリアルに表現した映画です。この映画を見ると、反戦映画ではないか?監督の高畑勲さんは、反戦のメッセージを伝えるために、この映画を作ったのんではないか?と思うかもしれません。
でも、火垂るの墓のメッセージは反戦ではないという都市伝説があります。インターネットでもいろいろな考察がありますが、高畑勲さんは「反戦アニメなどでは全くない、そのようなメッセージは一切含まれていない」と述べています。
全体主義の中で社会から離れて孤立し、社会生活に失敗した若者たちの姿を描いたそうです。反戦ではなく、現代に通じる若者たちの姿を描いた映画だったんですね。
火垂るの墓の怖い裏設定&謎の考察①:火垂るの墓のポスターにB29
火垂るの墓の怖い裏設定の1つに、ポスターの中のB29の姿があります。火垂るの墓のポスターには、いろいろな種類がありますが、下記のポスターの中には、神戸大空襲を起こし、母の命や家を奪ったB29がうっすらと描かれているのです。
上記ポスターの明度を上げてみましょう。そうすると、清太と節子の頭上には・・・、
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B29の機影が!!!これ、めちゃくちゃ怖いですよね。
1枚目の普通のポスターでは、丸い光は蛍の光のように見えますが、ポスターの明度を上げてB29の姿が見えるようにすると、蛍の光に見えていたものが、B29から落とされる焼夷弾のように見えてきます。
本当に怖いポスターです。このポスターについて、スタジオジブリは次のように回答しています。
このポスターは公開当時作られたものの一つと見られるが、アニメを制作したスタジオジブリは4月16日、ポスターについて、「当時を知る人が少なくなっており、確証を得られるものがありませんので、お答えは控えさせて下さい」とJ-CASTニュースの取材に答えた。
引用:「火垂るの墓」ポスターに隠された意味 夜空の影は…「ほんとだ」「知らんかった」: J-CAST ニュース【全文表示】
この回答も何かしら裏があると感じてしまって、余計に怖くなってしまいますね。
火垂るの墓の怖い裏設定&謎の考察②:清太はお金持ちだった
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火垂るの墓の謎には、清太がお金持ちだったというものもあります。清太と節子は食べるがなく、節子は栄養失調で死んでしまいます。でも、清太は7000円の貯金があったんです。
1945年の銀行員の初任給は80円です。現在の物価に直すと、1700万円くらいでしょうか。清太は超お金持ちだったんです。
14歳と4歳の兄弟が1700万円も持っていれば、いくらなんでも餓死しないように思いますが・・・。一体どういうことなのでしょう?
これは終戦前後の混乱期を描くためには必要なことだったのかもしれません。終戦前後はインフレがすごかったですし、物々交換も多かった時代です。
何よりすべての物資・食べ物が不足していました。だから、いくらお金を持っていても、社会から外れて生活していた清太と節子は食べ物を手に入れられなかったのです。
・社会から外れたら、お金があっても生きて行けないと伝えるため
高畑勲さんは、これらの目的のために、清太は7000円を持っているお金持ちであると描いたのかもしれません。
火垂るの墓の怖い裏設定&謎の考察③:清太はプライド高いヒモ男
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火垂るの墓の怖い裏設定や謎の考察の3つ目は、清太の性格についてです。清太は14歳ですので、現在の価値観で考えると、大人の庇護下に置かれるのは当然のことです。
でも、当時は戦時中で子供でも生きるために必死に働かなくてはいけない時代でした。
それなのに、清太は叔母のお家に身を寄せている時には働かず、家のことも手伝うことなく、叔母に小言を言われていました。もし、清太が積極的に叔母の家のことを手伝い、何かしら少しでも働いていたら、また違った結果になっていたかもしれません。
今風に言えば清太はクズ&ヒモ素質がある男だったと言えます。なぜ、働かなかったのでしょうか?
火垂るの墓の設定として、清太はいわゆるお坊ちゃんだった可能があります。父親は昭和11年の時点で海軍大尉ですので、エリートだったと思われます。その息子の清太はおそらく甘やかされて育ってきたのでしょうし、「働くよりも勉強をしろ!。お前も軍人になるんだ」と言われてきたに違いありません。
だから、叔母の家に居候している時も、自ら働こうとはせずに、ゴロゴロしていたのでしょう。
火垂るの墓の怖い裏設定&謎の考察④:清太は成仏できない幽霊
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火垂るの墓の怖い裏設定の4つ目は清太は成仏できていない幽霊であるというものです。火垂るの墓の映画は、幽霊となった清太が「僕は死んだ」というナレーションから始まっています。そして、現代の三ノ宮から過去の三ノ宮に切り替わる映像があります。
これは、清太は三ノ宮駅で野垂れ死んだあと、幽霊となり、成仏することができず、空襲から死ぬまでの数ヶ月間を、死んでから現代までずっと繰り返し見ていると考えられます。
母親も死に、日本も戦争に負けて父親の艦隊も壊滅したという絶望。さらに、節子を死なせてしまった後悔があり、成仏することができていないのかもしれませんね。ずっと繰り返し、一番つらい思い出を見続けるなんて、あまりにも悲しい状態です。
そして、そんな兄の清太を節子は千と千尋の神隠しの沼原駅で待ち続けているのかもしれませんん。
火垂るの墓の怖い裏設定&謎の考察⑤:エリート家族が悲惨な運命の意味
火垂るの墓の怖い裏設定や謎の考察の5つ目は、エリート家族の悲惨な運命の意味です。火垂るの墓では、母親は何かあった時のために清太と節子に7000円もの大金(現代の1700万円以上)もの大金を残せるほど、戦況が悪くなる前までは経済的に裕福でした。
そして、父親は昭和11年の時点で海軍の大尉でしたので、その後もある程度出世しているはずです。つまり、現代で言うエリート一家だったのです。
それなのに、空襲で母と家を亡くし、妹は栄養失調で死に、自分も野垂れ死ぬことになりました。
なぜ、あえてエリート一家に悲惨な末路をたどらせたのでしょうか?これは、戦争の悲惨さを描くためではないでしょうか?太平洋戦争末期は、経済的な裕福さエリートなんて関係なく、不可抗力の大きな悲惨な波に飲み込まれてしまい、抗うことができなかった。そのくらい、戦争は悲惨だったということを表すために、火垂るの墓はあえてエリート一家にしたのかもしれません。
火垂るの墓の怖い裏設定&謎の考察⑥:節子の死因は栄養失調ではない?
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火垂るの墓の怖い裏設定の考察の6つ目は、節子の死因です。節子の死因は、一般的には栄養失調が原因とされています。実際に、映画の中でもそのような描写はたくさんありました。
しかし、節子の死因は何らかの化学物質による中毒死ではないか?と思える描写もあったのです。節子は左目をこすって、目を痛みを清太に訴えるシーンがありました。
これは、実は何らかの化学物質が目に入り、それが原因で目が痛くなって、そこから化学物質の中毒を起こして、節子の体が急激に衰弱して、死亡したのかもしれません。
・軍需工場からの化学物質が目に入った
この2つのケースが考えられますが、あくまでもこれは考察です。一般的に考えれば、節子の死因は栄養失調で間違いないでしょう。ただ、あの左目をこするシーンと痛みを訴えるシーンはその後のストーリーには大きな影響がなく、唐突に出てきた伏線であるとも考えられます。
火垂るの墓の怖い裏設定&謎の考察⑦:清太の死因は熱中症や脱水?
火垂るの墓の怖い裏設定や謎の考察の7つ目は、清太の死因についてです。清太は神戸の三ノ宮駅の構内で野垂れ死んでいました。普通に考えれば、清太の死因も、節子と同じく栄養失調による衰弱死です。
でも、熱中症や脱水で死亡した可能性があるんです。5ちゃんねるに次のような考察がありました。
俺が脱水症状や熱中症の可能性を提唱したのは、
(1)節子死亡後(台風が去った後)、清太が死ぬまでの期間があまりにも短いこと、
(2)僅か数日で清太の服装がボロボロになっていたこと、
(3)西宮から三ノ宮に移動したこと、
確かに、この考察を見ると、清太が亡くなった直接的な死因は、熱中症や脱水の可能性があります。もちろん、もともとが栄養失調でしたし、最愛の妹を亡くして、気落ちしていて生きる気力をなくしていたというこもあるでしょう。
節子を荼毘にふしてから、失意の中でフラフラと歩いていたら、西宮から三ノ宮に移動していて、力尽きたということでしょうか。そのような最期だったから、成仏することができずに幽霊になって、現代になってもずっとあの数ヶ月のことを繰り返し、繰り返し見続けているのかもしれません。
火垂るの墓の怖い裏設定&謎の考察⑧:蛍は人々の魂?
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火垂るの墓の怖い裏設定のや謎の考察の8つ目は、蛍が飛び交うシーンです。夜に蛍が飛び交うシーンがありました。無数の蛍を節子は眺めていましたが、これは人間の魂を表しているのかもしれません。
神戸大空襲では約7,500人もの死者を出しました。その犠牲者たちの魂を表し、鎮魂の意味を込めたシーンだったのではないでしょうか。そして、その後すぐに節子と清太も亡くなるので、その魂を模した蛍になってしまうと思うと、とてもはかなく、切ないシーンですね。
火垂るの墓の怖い裏設定&謎の考察⑨:火垂るの墓のタイトルの意味
火垂るの墓の裏設定、最後はタイトルの意味です。タイトルの「火垂るの墓」、普通は「蛍の墓」と書きますよね。でも、野坂昭如さんは「火が垂れる」と当て字にしました。
「火が垂れる」という意味は、B29による神戸大空襲の悲劇を表していたのかもしれません。焼夷弾による火事を「火が垂れる」と表し、魂のような「蛍の光」にかけ合わせて、ダブルミーニングにしたのかもしれません。
思い出して下さい。先ほど紹介したB29が映っているポスターの映像を。
出典:twitter.com
このポスターを見ると、「火が垂れている」という表現がとてもしっくりくることが分かります。原作者の野坂昭如さんは、戦争の悲惨さを表すために、「火垂るの墓」というタイトルにしたのかもしれませんね。
火垂るの墓の内容を考えると、「蛍の墓」よりも「火垂るの墓」という方がピッタリですね。
火垂るの墓の都市伝説と怖い裏設定&謎考察のまとめ
火垂るの墓の都市伝説と怖い裏設定&謎考察をまとめました。火垂るの墓は本当に悲惨で悲しいお話です。ただ、戦争の悲惨さを現代に伝えてくれる貴重な作品だと思います。都市伝説と怖い裏設定を知ってから、もう一度見ると、また違った見方ができて、面白いですよ。