ジブリ映画の代表作である千と千尋の神隠し。ジブリ映画の中で、「千と千尋の神隠し」が一番好き!という人も多いと思います。
千と千尋の神隠しには都市伝説や怖い裏設定や謎がたくさんありますので、それを1つ1つ紹介しながら考察していきます。
この記事の目次
- 千と千尋の神隠しはジブリ映画の傑作
- 千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定①:舞台は風俗&ソープ
- 千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定②:事故で臨死体験
- 千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定③:ハクは兄?
- 千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定④:母親が冷たい理由
- 千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定⑤:季節が全部ある極楽浄土?
- 千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定⑥:千尋は生理が来ていた?
- 千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定⑦:沼原駅に節子?
- 千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定⑧:リンは狐?
- 千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定⑨:リンが主人公の予定?
- 千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定⑩:幻のラストシーンがある?
- 千と千尋の神隠しの謎の考察①:電車の乗客が黒く透けているのはなぜ?
- 千と千尋の神隠しの謎の考察②:時間設定は3泊4日だけど・・・
- 千と千尋の神隠しの謎の考察③:カオナシの正体は?
- 千と千尋の神隠しの謎の考察④:現実世界に帰れた理由
- 千と千尋の神隠しの謎の考察⑤:トンネルの色が違うのはなぜ?
- 千と千尋の神隠しの謎の考察⑥:千尋が湯婆婆の難問に正解できた理由
- 千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定と謎の考察のまとめ
千と千尋の神隠しはジブリ映画の傑作
出典:ghibli.jp
千と千尋の神隠し
公開年月日:2001年3月20日
制作会社:スタジオジブリ
原作・脚本・監督:宮崎駿
制作:鈴木敏夫
音楽:久石譲
主題歌:木村弓 「いつも何度でも」
「千と千尋の神隠し」はスタジオジブリの長編アニメ映画です。興行収入は316億8000万円で、2020年に鬼滅の刃に抜かれるまでの約20年間、日本の歴代興行収入第一位に輝いていました。
声優は主演の千尋(千)を柊瑠美さん、ハクを入野自由さんが演じています。また、脇役陣がとても豪華で、夏木マリさん、神木隆之介さん、内藤剛志さん、沢口靖子さん、小野武彦さん、が衆院達也さん、大泉洋さん、安田顕さん、菅原文太さんなどが出演していました。
千と千尋の神隠しの簡単なあらすじ
10歳の少女「千尋」は両親と車で引っ越し先に向かっていましたが、途中でトンネルの先にある無人の街に迷い込みます。
両親は勝手に料理を食べてしまったため、両親は豚にされてしまい、悪夢と思い込もうとした千尋は消滅しそうになりますが、ハクという少年に助けられました。その流れで、千尋はハクが働く「油屋」という名の湯屋で働くことになり、千尋は湯婆婆との契約で名前を奪われ、「千」と名付けられました。
ハクは湯婆婆の命令で、湯婆婆の姉の銭婆から魔女の契約印を盗み出しますが、銭婆の魔法で重傷を負ってしまいます。千尋はハクを助けたい一心で、危険を承知で銭婆のところに謝りに行くことにしました。
その頃、油屋ではカオナシが暴れていましたが、千尋の機転で落ち着かせ、カオナシと一緒に銭婆のところに謝りに行き、銭婆に受け入れられ、紫の髪留めを貰います。
ハクは意識を取り戻すと、湯婆婆に千尋と両親を解放するようにお願いし、白龍の姿になって千尋を迎えに行きます。千尋はハクが幼いころに落ちた「川」であることに気づきました。
千尋を迎えに行ったハクは湯婆婆に千尋と両親を解放するように迫り、湯婆婆は「豚の中から両親を選べ」と千尋に難問を出しました。千尋は「この中に両親はいない」と正解を答えることができ、千尋と両親は解放されます。
千尋は見送りに来たハクに「振り返ってはいけない」と言われ、2人は再会を約束して別れました。そして、両親はトンネルの前で人間の姿で千尋を待っていて、トンネルを抜けると、異世界での記憶を失います。しかし、銭婆からもらった紫の髪留めは残ったままでした。
千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定①:舞台は風俗&ソープ
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千と千尋の神隠しでは、八百万の神々が客としてくる湯屋「油屋」が舞台となっています。この油屋は実は現代のソープランド・風俗であるという都市伝説があります。
千尋は油屋で「湯女」として働くことになりますが、湯女もともとは垢すりや髪すきのサービスをする女性でしたが、江戸時代に入ると性的なサービスを行う売春婦・風俗嬢を意味するようになりました。
また、湯屋は銭湯・風呂屋の意味ですが、現代ではお風呂屋さんはソープランドの意味もあります。これを考えると、油屋はソープランドだったとも言えるのです。
油屋の赤を基調したインテリア・内装は、吉原・遊郭・風俗を思い起こさせるものです。
宮崎駿監督は「プレミア日本版2001年6月21日号」で次のように語っています。
いまの世界として描くには何がいちばんふさわしいかといえば、それは風俗営業だと思うんですよ。日本はすべて風俗営業みたいな社会になっているじゃないですか。今女性たちは、売春婦が似合いそうな女性がものすごく増えている国なんじゃないかと思いますね。
引用:「プレミア日本版2001年6月21日号」
また、そのインタビュー内では次のように書かれていました。
こお風呂屋さん=ジブリという設定はほほえましさも感じられるが、ここに描かれた広い意味での世間とは、宮崎が見た、風俗営業化してしまったいまの日本にほかならないようだ。
引用:「プレミア日本版2001年6月21日号」
宮崎駿監督がインタビューで語っている内容を見ると、千と千尋の神隠しは裏設定として、当時の日本を物語内に反映させるために、油屋を風俗に見立てていたことは間違いないようです。
千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定②:事故で臨死体験
千と千尋の神隠しは、千尋と両親が車で引っ越し先のニュータウンへ向かう途中に、父親があまり道を確認せずに進んだため、森に中に入りこみます。そして、トンネルをくぐって、油屋がある異世界に迷い込んでしまい、そこから物語が展開していきます。
千と千尋の神隠しの冒頭で、父親はアウディを運転しているのですが、この時に森に迷い込み、石畳のような細い道であるのにも関わらず、「暴走」と言えるくらいかなりのスピードを出して運転しています。父親は前のめりになって運転している描写もありました。
実は、千と千尋の神隠しはこの父親の暴走で事故に遭い、家族3人が重体になる大けがを負い、千尋が死にかけて臨死体験した時の話ではないか?という都市伝説があるのです。
臨死体験でのことだから、あのように不思議な異世界に迷い込んでしまって、不思議な体験をしているのです。また、トンネルを抜けたところには川がありましたが、この川は三途の川なのかもしれません。
そして、千尋が無事に一命を取り留めたから、油屋から解放されて、両親と一緒に元の世界に戻ってくることができました。帰る時にはトンネルの出口にあった川は消えていました。これも、命が助かったから、三途の川は消えたとも考えられますよね。
千と千尋の神隠しは裏設定として千尋の臨死体験での物語だった。これがもし本当なら、とても怖い裏設定ですよね。
千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定③:ハクは兄?
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千と千尋の神隠しでは物語の終盤で、千尋が幼いころに川に落ちたけれど、その川の神である「ハク」に助けられたということが判明します。しかし、ハクは「コハク川の神ではなく、千尋の兄」という裏設定があるという都市伝説があります。
千尋は川に落ちた時に、コハク川の神に助けられたのではなく、兄に助けてもらった。そして、その兄は千尋を助けたら力尽きて、川でおぼれて死んでしまったのです。
だから、ハクは最初に会った時から、自分の名前は忘れていても、大切な妹である千尋のことを覚えていたというわけです。千尋は幼かったために、兄がいたことすら忘れてしまいました。
千尋がコハク川でおぼれた時に助けた兄は死んでしまい、兄はコハク川の神となり、ハクとなったのかもしれません。
この都市伝説・裏設定があると考えると、次のさらなる都市伝説・裏設定が納得できるものになるんです。
千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定④:母親が冷たい理由
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千と千尋の神隠しの冒頭で、千尋が両親と車に乗っているシーンや異世界に迷い込むシーンがありますが、この時の母親は千尋に対して、かなりドライに冷たく接しています。
・「千尋、あまり引っ付かないで。歩きにくいわ」と娘に言い放つ
父親に対しては優しい態度を見せていて、むしろラブラブな感じなのに、娘の千尋にはドライで冷たいんです。
宮崎駿監督は、この母親をわざと冷たい性格に描いていると言われています。
・千の父親のキャラクター:問題ごとを話し合いでは無く、力で解決するタイプ
・千の母親のキャラクター:人間関係に冷めた感じ
ただ、裏設定として、先ほどの「千尋の兄は川で千尋を助けるために死んだ」というものを考えると、違った面が見えてきます。
千尋を助けるために兄は川でおぼれて死んでしまいましたが、千尋は兄の存在すら忘れてしまっている状態です。そのため、両親は千尋の前で死んだ兄の話はしません。
母親は頭では千尋は何も悪くないとわかっているのですが、心のどこかで「息子が死んだのは千尋のせい」と思っていて、無意識に千尋に冷たく接してしまっているのです。
ハクが兄であるという裏設定があると考えると、この母親の不自然に冷たい性格に納得ができます。
千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定⑤:季節が全部ある極楽浄土?
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千と千尋の神隠しの都市伝説の5つ目は、千尋が迷い込んだ異世界は極楽浄土を現しているというものです。
千尋がいる油屋などがある世界では、ノウゼンカズラ、フヨウ、キョウチクトウ、ツバキ、ツツジなど、夏・冬・春と様々な季節に咲く花が、同じ時期に咲き乱れています。
季節ごとに咲くはずの花が一気に咲いているということは、これは異世界=極楽浄土を意味しているのではないかとも言われているのです。四季に関係なく、色とりどりの花が咲くのは極楽浄土を描くときによく使われる手法です。
先述の都市伝説である「千と千尋の神隠しは千尋の臨死体験」を考慮すると、この季節に関係なく花が咲く極楽浄土という裏設定にも納得がいきますね。
千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定⑥:千尋は生理が来ていた?
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千と千尋の神隠しの都市伝説&裏設定の6つ目は、千尋の生理です。
千尋が油屋で初めて眠りにつく時、千尋はお腹を抱えてうずくまるシーンがありました。この時、千尋はお腹を痛そうにしていましたが、病気のような描写はありませんでした。これは、千尋に初潮が来た。つまり、生理が来たことを表しているのではないかという都市伝説があります。
千と千尋の神隠しの1つのテーマには、千尋の成長があります。Twitterユーザーがスタジオジブリに千と千尋の神隠しについての質問を送ったら、次のような回答の手紙が来たとのことです。
「映画のテーマは、美少女でもなく、類稀な心の持ち主でもない、ヒョロヒョロの手足とぶちゃむくれの表情の、まさに等身大の現代っ子が、危機に直面して生きる力を獲得するというものでした」
「10歳の少女が世の中というべき中へ投げ込まれ、修行し、友愛と献身を学び、智恵を発揮して生還する物語」
つまり、物語を通して千尋は成長していく。それを1つ表現したシーンが、千尋がお腹を抱えてうずくまるシーンであり、生理が来たことで成長していくことを見せていたのかもしれません。現代の子なら、10歳で整理が来ることは珍しいことではありません。
千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定⑦:沼原駅に節子?
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千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定の7つ目は、沼原駅の少女の影です。
映画の終盤に千尋はカオナシたちと銭婆に会いに行くために海原鉄道の電車に乗りますが、その電車の途中に乗客たちが降りる沼原駅が出てきます。
この沼原駅に少女の黒い人影が映るのです。この沼原駅にいる少女は、「火垂るの墓」の節子ではないか?という都市伝説があります。確かに、おかっぱ頭ですし、なんとなく小学生に成長した節子に見えなくもありません。
ご存じのように「火垂るの墓」も、スタジオジブリの映画です。だから、千と千尋の神隠しと火垂るの墓をコラボさせて、節子を出演させたのではないか?という都市伝説です。
火垂るの墓の中で、節子は栄養失調で死亡しています。今までのご紹介した都市伝説でもあったように、この異世界は臨死体験の世界・極楽浄土を現しているとも言われています。となると、その場に節子がいてもおかしくはありません。
そんな世界に、栄養失調で死亡した節子をさりげなく登場させたことで、より「死に近い世界」を表現したのかもしれません。
千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定⑧:リンは狐?
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千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定には、リンの正体が白狐であるというものがあります。リンは油屋で働く14歳の少女で、サッパリとした姉御肌の性格で、千尋のことを認め、いろいろと千尋を気遣い優しく世話を焼いてくれる役です。千と千尋の神隠しのファンからも、人気が高いキャラクターですね。
油屋で働く女は、みんなナメクジをモデルとしているのですが、リンだけはナメクジではなく白狐がモデルと言われています。確かに、色白ですし、ナメクジをモデルとしたほかの湯女よりも目がつりあがっていて「キツネ顔」です。
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イメージボートのラフ画にも『リン(白狐)』と描かれているので、リンのモデルが白狐というのは都市伝説ではなく、宮崎駿監督の中にアイディアとしてあったということですね。
白狐は幸運・福ををもたらす霊獣で、稲荷神の騎獣とされている徳の高い動物です。千尋を助けるリンという存在は、千尋にとって幸運・福であるという意味で白狐なのかもしれません。
千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定⑨:リンが主人公の予定?
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千と千尋の神隠しの都市伝説にはリンが主人公になった可能性があったというものです。千と千尋の神隠しで主人公になるというわけではなく、違う映画でリンが主人公になった可能性があったようなんです。
1998年に、宮崎駿は「煙突描きのリン」という新作映画の企画をスタートさせました。「煙突描きのリン」とは、大地震に見まわれた東京を舞台にした映画で、銭湯の煙突に絵を描く18歳の画学生のリンが、東京を影で支配する集団と戦うという物語でした。
そして、敵対する相手の60歳の老人と18歳のリンが恋に落ちるというラブストーリーの要素もあり、しかも60歳の老人は宮崎駿監督を反映させたキャラクターだというのです。
今の時代だと、未成年の18歳と60歳のラブストーリーはちょっとヤバそうな気がします。
この「煙突描きのリン」はかなり企画が進んでいましたが、同じころに大ヒットしていた「踊る大捜査線The Movie」を見たプロデューサーの鈴木敏夫氏が、若者のリアルに衝撃を受け、宮崎駿が描く若い女性と現代の若者にギャップあると感じました。
そのことを宮崎駿に匂わせたら、宮崎駿はきっぱりと「煙突描きのリン」をボツにして、千と千尋の神隠しの企画がスタートしたとのことです。
もし、「踊る大捜査線The Movie」がなかったら、リンは「煙突描きのリン」で主役としてデビューしていたのかもしれません。
千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定⑩:幻のラストシーンがある?
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千と千尋の神隠しの都市伝説には、「幻のラストシーンがある」というものもあります。千と千尋の神隠しのラストは、千尋が両親に呼ばれて車に乗り、引っ越し先のニュータウンに出発するシーンで終わります。
しかし、インターネットで検索をすると、幻のラストシーンというものが存在するようなんです。
1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/11/21(金) 09:32:46.04 ID:R2BYzI01K.net
多くの人はトンネルから抜けだし髪留めがキラリと光り車を走らせて物語は終わり。だと思っているでしょうが本来この後には続きが存在します。ちなみに映像化、アフレコもされており公開当時映画館でも一部で実際に流されていました。
現在何故以下のラストシーンが無かったかのように扱われているかは謎である・千尋が車の中で来る前に着けていた髪留めが銭婆から貰った髪留めに変わっていることに気が付き不思議がる(何故かは覚えていない)
・新居に向かう途中、丘から引っ越し業者が既に到着しているのが見え母親が「もう業者さん来ちゃってるじゃないのー」と父親に怒る
・新居に到着後、引っ越し業者の1人から「遅れられると困りますよー」と注意される
・千尋が1人何気なく新居の周りを歩いていると短い橋の架かった緑ある小川があることに気付く
・橋から川を眺めていると千尋は一瞬ハッと悟ったかのような状態になりこの川がハクの生まれ変わり、新たな住み処であることに気付いた?かのように意味深に物語が終わる以上が千と千尋の神隠し本来のラストシーンです。今回の地上波放送でもこのラストシーンが流れることは恐らく無いでしょう
このラストシーン、この2ちゃんねるの書き込み以外にも、「このラストシーンを見た記憶がある」いう書き込みがTwitterやYahoo!知恵袋に複数見られました。
千と千尋の神隠しの幻のラストシーン、私もなぜかすごく具体的に観た記憶がある。
しかも出回ってる内容と全く同じ。不思議だね・・・— まくら くらま (@ohg_m3) August 16, 2019
次のようなシーンが全部ミックスされたので、記憶が混同してしまい、幻のラストシーンが頭の中で作られたのではないか?という冷静な意見もありました。
・髪飾りに気付いてハッとするシーンは終盤にある
・引っ越しは序盤で話していたし、となりのトトロの引っ越しと混同している?
・となりのトトロでサツキとメイが短い橋の上から川をのぞき込んでいた
公開1週間だけ、しかも一部の映画館だけで上記のようなラストシーンが上映されたとは考えにくいので、上記のようなシーンの記憶が混同し、2ちゃんねるの書き込みを見て、「そういえば、そんなシーンがあったかも」と思ってしまったと考えるのが普通です。
でも、複数の人が「そのシーンを見た記憶がある」、「しかも、具体的な記憶がある」のように言っているので、幻のラストシーンは存在したのかもしれません。
千と千尋の神隠しの謎の考察①:電車の乗客が黒く透けているのはなぜ?
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千と千尋の神隠しの謎の1つ目は、海原電鉄の乗客が黒い影のように、しかも透けているのはなぜなのか?というものです。
銭婆のところに行くとき、千尋は海原電鉄の列車に乗るのですが、乗客たちはみんな黒く影のようでいて、しかも透けていました。
宮崎駿監督は宮沢賢治の大ファンで、「銀河鉄道をやりたい」と思っていたそうです。
「自分の中でいつか『銀河鉄道の夜』をやらなきゃいけないと思い続けてきた」
「今回でそれに答えられたと思う」
「テーマは、自分が生きているとき、それは誰かが自分を生かしてくれたのだ、という事実があるということ」
銀河鉄道では主人公のジョバンニ以外の乗客はみんな死者です。つまり、死者を運ぶ電車ということになります。この設定を宮崎駿監督は千と千尋の神隠しに反映させたと考えられます。
海原電鉄に乗っている乗客が黒く透けているのは、死者を表しているから。そして、都市伝説であったように、千と千尋の神隠しの異世界は千尋の臨死体験の世界で「あの世」であるという設定があるから、乗客たちはみんな死者になるということになるのです。
海原電鉄は死者を運ぶあの世行の電車と言えるかもしれません。
海原電鉄は銀河鉄道をオマージュしていることは間違いありませんが、宮崎駿監督は一番入れたいシーンは、映画の中には入れられなかったようです。
それは『銀河鉄道の夜』の僕のイメージなんですよ。それを、入れたくて、入れたくて、入れたくて、たまらないんですけど、ストーリーボードを描いていくと、どうしても入らない。なんとかして入れたくて、なんせ映像を挟み込むだけなんだから、ガバッと勇気を出して、入れてしまえばいいんだけど、入らない。ど―――うやっても入らない。結局、いちばんやりたかったシーンを外したんです。
引用:『千と千尋の神隠し』で再現しようとした『銀河鉄道の夜』のワンシーン | スタジオジブリ 非公式ファンサイト【ジブリのせかい】 宮崎駿・高畑勲の最新情報
千と千尋の神隠しの謎の考察②:時間設定は3泊4日だけど・・・
千と千尋の神隠しの謎の2つ目は、時間設定です。千と千尋の神隠しで、千尋が油屋にいたのはたった3泊4日です。
・2日目:油屋で働いて河の神様の接待をする
・3日目:銭婆のところに行く
・4日目:湯婆婆の難題を解いて、油屋から解放される
でも、たった4日の設定の割には、細かい描写では謎が多いんです。劇中では月の満ち欠けがあり、満月のシーンもあれば、上弦の月になっているシーンもあります。
月齢カレンダーなどを見ると分かる通り、満月や新月から上弦の月や下弦の月になるまで、約1週間程度の期間を要します。3泊4日では大潮1回、小潮2回が起こることは現実世界ではありえないことです。
また、異世界に迷い込む前と出てきた後の車を停めた場所の描写の違いを見てみましょう。まずは、入り込む前のシーンです。地面がしっかり見えています。
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次に、異世界から出てきた時のシーンです。草が伸びていて、地面が全く見えません。
この草の伸び方を見ると、3泊4日とはとても思えません。草が伸びやすい夏の時期だったとしても、1ヶ月以上は経っていることは間違いありません。ただ、車のバッテリーは上がってませんので、経過した時間は1年以内と考えられます。
こちらの世界と異世界では時間の流れが大きく違い、こちらの世界の10倍くらい、異世界では時間が早く経過するという設定になっているようです。
千と千尋の神隠しの謎の考察③:カオナシの正体は?
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千と千尋の神隠しの中で、みんなが気になるのはカオナシの正体でしょう。カオナシはみんなに大きなインパクトを与えたキャラクターでした。
宮崎駿監督はカオナシについて、次のように語っています。
宮崎駿監督いわく「カオナシなんて周りにいっぱいいますよ。(中略)ああいう誰かとくっつきたいけど自分がないっていう人、どこにでもいると思いますけどね」とのこと。
引用:宮崎駿「カオナシなんて周りにいっぱいいますよ。誰かとくっつきたいけど自分がないのがカオナシ」 : まとめ部.5ch
■千と千尋お得情報メモ
カオナシさんとは一体何者なのでしょうか。宮崎駿監督いわく「カオナシなんて周りにいっぱいいますよ。(中略)ああいう誰かとくっつきたいけど自分がないっていう人、どこにでもいると思いますけどね」とのこと。☞続く #カオナシ pic.twitter.com/1e8aHnxBJE— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) January 20, 2017
https://twitter.com/kinro_ntv/status/822436649661440000
カオナシは現代の若者の象徴として出てきたキャラクターなのかもしれません。「くっつきたいけれど、自分がない」というのは若者に多いです。
・顔がない=自分がない
・砂金など金目のもので、千尋の気をひこうとする
・思い通りにならないと暴れる
まさに現代人の象徴であり、誰の心にも潜んでいる人間の欲・人間の心の弱さを現したキャラクターがカオナシです。純粋な子供の千尋と、弱くて大人の嫌な部分の象徴のカオナシ。この2つを対比させていると言えます。
千と千尋の神隠しの謎の考察④:現実世界に帰れた理由
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千と千尋の神隠しでは、千尋は湯婆婆と契約して、名前を奪われてしまいます。名前を奪われると、自分の名前を忘れてしまうため、現実世界には戻れません。
でも、千尋はハクの助けがあったとはいえ、無事に両親とともに現実世界に戻ることができています。それはなぜなのでしょうか?
それは、湯婆婆との契約時に、千尋は自分の名前を間違って書いているのです。契約時に自分の本当の名前とは違う名前を書いたから、名前を忘れることなく、現実世界に戻ることができたのではないでしょうか。
千尋は湯婆婆との契約に「荻野千尋」と書くところを、「荻」の漢字の「火」のところを「犬」と書いているのです。しかも、わざわざそのシーンを映画の中でしっかり入れています。ということは、この漢字を間違えたというのは大きな意味があると考えて良いでしょう。
千尋は10歳なので、「萩」の漢字は難しいかもしれませんが、それでも10歳で自分の名前の漢字を間違えるとは考えにくいです。
千尋は賢い子供なので、なんとなく勘が働いて、わざと間違った名前を書いた可能性が高いです。もしくは、事前にハクから契約すると名前を奪われるから注意するように教えてもらえていたのかもしれません。
千と千尋の神隠しの謎の考察⑤:トンネルの色が違うのはなぜ?
千と千尋の神隠しの謎の5つ目は、トンネルの色が違うことです。異世界に入る前は、モルタル製の赤茶色のトンネルでした。
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でも、異世界から現実世界に戻ってきた時のトンネルは石造りで植物に覆われたようなトンネルでした。
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なぜ、行きと帰りでトンネルが違うのでしょうか?行きは異世界へ続くための魔法がかかっていて、帰りはその魔法は解けてしまったと考えられます。
千尋はハクに言われた通り、振り返らずに進み、トンネルを抜けました。そして、魔法も解けて、もう二度と異世界には戻れないようになったということを表すために、トンネルの色を変えたと考えられます。
千と千尋の神隠しの謎の考察⑥:千尋が湯婆婆の難問に正解できた理由
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千と千尋の神隠しの謎の考察、最後は千尋がなぜ湯婆婆の難問に正解できたのか?です。湯婆婆は千尋が現実世界に戻る前に、豚を集めて「この中で両親を当てろ」という難問を出しますが、千尋は「この中にいない」と正解を答えるのです。
千尋はどうやって、集めた豚の中に両親はいないとわかったのでしょうか?普通に考えて、豚を見分けるのも難しいし、両親を見分けるなんてもっと難しいです。
どうやって両親がその中にいないとわかったのか?これは、千尋が成長したからと宮崎駿は答えています。
こちらの引用は、スタジオジブリからの手紙をもらったTwitterユーザー(鍵アカウント)が公開した文の一部です。
千尋が特別な能力を身につけたから、両親を豚と見分けることができたのではありません。10歳の女の子が数々の危機をくぐり抜けて、「生きる力」を獲得したら、みんな自然とそれができるはず、というのが宮崎監督の答えです。
「成長して生きる力を獲得したら、誰でもできる」という答え。とても素敵ですよね。千尋も油屋の経験で成長して、生きる力を獲得できたから、両親を見分けることができたんですね。
千と千尋の神隠しの都市伝説&怖い裏設定と謎の考察のまとめ
千と千尋の神隠しの都市伝説や怖い裏設定と謎の考察をまとめました。千と千尋の神隠しは不思議な物語なので、都市伝説や怖い裏設定がたくさんあります。また、映画を見ていて、細かい部分の謎も多いですね。
もう一度、千と千尋の神隠しを見直して、自分なりの考察をしてみてはいかがですか?