愛知県春日井市にある旅館の廃墟「千歳楼」は心霊スポットとしても知られています。
この記事では千歳楼が廃墟と化し心霊スポット化した経緯や、全盛期や昔の画像、白骨遺体が見つかった事件や現在も廃墟や心霊スポットとして人気の件、解体の予定などについてまとめました。
この記事の目次
千歳楼は愛知県春日井市の定光寺駅近くにある廃墟で有名な心霊スポット
千歳楼(ちとせろう)とは、愛知県春日井市玉野町のJR東海・定光寺駅のすぐ近くにある旅館の廃墟で、地元では有名な心霊スポットとして知られています。
千歳楼の創業から倒産まで
千歳楼は元々は100年近く前の1928年に創業した料理店で、1954年に現在の場所(愛知県春日井市玉野町1660-2)へと移転して旅館としても営業を開始しました。
千歳楼は、国鉄(当時)定光寺駅近くの立地の良さに加えて、美しい渓谷(玉野渓谷)に面し、春には桜、秋には紅葉が楽しめる山林に囲まれた景勝地として人気を集め、本格的な日本料理も楽しめる事から「名古屋の奥座敷」とも称されました。
1950年代から1960年代にかけてまでは、主に名古屋からの観光客で賑わいを見せていましたが、自家用車が普及するにつれて飛騨や信州といった近隣の観光地に客を奪われ、時代が下るにつれて往年の活況は失われていきました。
それでも、1980年代には焼き物の町として知られる瀬戸にほど近い事もあって多くの著名な陶芸家が訪れるなど、保養地として人気を集め続けていました。
1994年には年商10億円近くを記録するなど経営は表向きはうまくいっていたようですが、それ以降は詳細な理由は不明ながら急激に経営が悪化し、2003年10月に6億円の負債を抱えて倒産しています。
千歳楼が廃墟化し心霊スポット化した経緯
千歳楼の倒産後、債権者らは、窓ガラスを割って侵入し客室内金庫や高級食器、客の忘れ物の腕時計や宝飾品などを持ち出して行きました。その結果、2005年頃から千歳楼の荒廃化は急激に進み、廃墟化して行きました。
2008年4月5日、荒れ果てた屋上に広がった枯れ草から火が出て建物へと延焼し、エレベーターホールや大広間が焼ける火災が発生。その後も何度も不審火が発生し、2008年8月22日には5時間にも及ぶ大規模火災が起こり、その結果、木造の平屋の浴場と木造の2階事務所にかけて合計200平方メートルが焼けるなどしています。
その後も千歳楼の建物は放置され、屋上には雑草が生え放題となって、窓ガラスは大半が割れて風雨が入り込み、内部も障子が破れ、落書きだらけになるなどの荒れ放題の状態となり、やがてインターネット上で愛知県屈指の心霊スポットとして話題にされるようになって行きました。
廃墟と化した千歳楼を探索する動画
廃墟化、心霊スポット化した千歳楼には、廃墟マニアが訪れたり、肝試しの若者が訪れたりしていて、その時の様子がネット上だ多く確認できます。YouTubeに廃墟化した千歳楼を探索する動画も上がっているので紹介します。
ただし、千歳楼に許可なく侵入するのは不法侵入なります。近隣住民も迷惑しているようで、侵入を防止するフェンスの設置や地元消防によるパトロールも行われているようです。また、防犯カメラも設置されているため、侵入する事はやめておいた方が良いでしょう。
2017年7月には、千歳楼に不法侵入した高校生9人が書類送検される事案も発生しています。
ネット上に上がっている動画や画像などをみて満足しておくのが良いかと思います。
千歳楼(愛知県春日井市の廃墟心霊スポット)の全盛期や昔の画像
インターネット上では、千歳楼の廃墟化心霊スポット化する前の全盛期や昔の画像も話題になっています。
千歳楼の全盛期や昔の画像① 外観
上は千歳楼の昔の画像で、2000年前後の様子だと思われます。広告の垂れ幕や館内に明かりが灯っているのも確認でき営業しているのがわかります。
出典:https://chie-pctr.c.yimg.jp/
上の画像も千歳楼の昔の画像ですが、昔とはいっても2000年代に入ってからのものだと思われます。
上の2枚の画像も千歳楼の昔の画像ですが、こちらも2000年前後に撮影された写真のようです。千歳楼は1950年代から1960年代にかけてからが最初の全盛期で、政府系金融機関総裁や有名な事業家、近隣の寺社の高僧、文人なども顧客で、多くの芸者が呼ばれる活況であったそうです。
残念ながらその当時の昔の画像などはネット上では確認できず、当時の写真が掲載された書籍なども発見できませんでした。
また、売り上げが10億円近くに上った1994年頃も全盛期だと言えますが、この頃を境に急激に経営が傾き、千歳楼は倒産へと向かいました。
上の千歳楼の昔の画像は2003年5月に撮影されたもので、倒産の半年ほど前になります。玄関の奥には「千歳楼(千歳樓)」と書かれた看板に明かりが灯っているのも確認できます。
上は千歳楼の夜間の玄関前の昔の画像です。
千歳楼の全盛期や昔の画像② 内観
上の画像は千歳楼のエントランスの昔の画像です。
上は、2階にあった日本料理レストラン「玉乃川」前の昔の画像です。
千歳楼の全盛期時代のパンフレットを紹介する動画
YouTubeに、全盛期の千歳楼のパンフレットを紹介する動画がアップされているので紹介します。
短い動画ですが、全盛期の華やかな千歳楼の雰囲気がよくわかります。
千歳楼(愛知県春日井市の廃墟心霊スポット)では白骨遺体発見事件も
2012年8月14日、肝試しで千歳楼の建物内に侵入した少年から「白骨遺体がある」と110番通報があり、警察官が駆けつけたところ、千歳楼の1階で実際に白骨遺体が発見されました。
当時の報道によると、この白骨遺体は性別が確認できないほど腐敗しており、目立った外傷は確認できなかったという事です。
また、白骨遺体は座った姿勢で、半袖のシャツにジーパン姿、下着を2枚ずつ重ね着していたとの情報も報じられていました。
朝日新聞の12年8月15日付けの記事によれば、14日午後11時10分ごろに「白骨遺体がある」と16歳の男性から匿名で通報があった。春日井署署員が確認に行くと、建物の1階部分に性別不明の遺体が座った状態で1体見つかった。遺体は半袖シャツ、ジーパン、下着を2枚ずつ重ね着していて、目立った外傷は確認できなかったという。
白骨遺体の正体は廃墟内に住んでいた浮浪者ではないかと言われていますが、未だ真相は不明のままです。
実は、この通報のあった1年前の2011年頃からインターネットの匿名掲示板では千歳楼の中に白骨遺体があるという噂が流れていました。掲示板では白骨遺体発見の事件が報道された後、「ええええー。通報しちゃったのかよ!どこの間抜けだ」といった書き込みも見られ、一部の人は白骨遺体を発見していたものの通報していなかった事を示唆していましたが、真相は不明です。
なお、千歳楼で発見された白骨遺体の正体は、倒産後行方不明になっているオーナーではないかという説もあるようですが、根拠は示されておらず単なる噂です。千歳楼の倒産時の社長は櫻井喜美夫さんという方で借金を抱えて新潟県に逃げたと言われています。
千歳楼(愛知県春日井市の廃墟心霊スポット)の周辺では他にも事件が多発
白骨遺体の発見が話題になった千歳楼でしたが、実は以前からこの周辺では事件が多発している事もよく噂になり、それも心霊スポットと言われる理由の1つとなっていました。
千歳楼周辺で起こった事件としては、近くにかかる橋からトラックが落下し運転手が死亡した事件や、近くに放置されていた車の中から遺体が発見された事件があります。
また、直近では2019年1月に千歳楼側の河原で一部が白骨化した遺体が見つかった事件がありました。
千歳楼(愛知県春日井市の廃墟心霊スポット)は現在も心霊スポットとして人気で心霊現象の報告も多数
心霊スポットとしても話題になっている千歳楼ですが、ネット上では実際に体験したという心霊現象も報告されているので紹介します。
あるグループが肝試しで千歳楼に入って中を探索していたところ、突然奇妙な音が響き、パニックになって走って逃げ出したそうです。逃げる途中に入った部屋の中に、来た時にはなかった場所に椅子が綺麗に並べられているのに気が付きとても恐ろしい思いをしたのだそうです。
また、夜中に千歳楼に入ると、玄関の先にあるフロントに残されている黒電話が突然鳴り響く事があるのだそうです。廃墟となって電気は通じていないはずなのに、突然鳴り響いた黒電話の音に慄いて電話に出ないままでいると、耳元で「なんで出ないの?」という謎の囁き声が聞こえるのだとか。
他にも、千歳楼に肝試しに行くと幽霊が憑いて来てしまうという噂がネット上で囁かれています。これは白骨遺体で見つかった方の幽霊だとも言われていますが詳しいことは不明です。
千歳楼(愛知県春日井市の廃墟心霊スポット)は現在も解体されていない
千歳楼は現在も愛知県春日井市に残されており、解体されていません。
千歳楼は廃墟化して老朽化が進んでおり、何度も不審火も発生しています。また、心霊スポット化した事で深夜に肝試しに訪れる人が多く、近隣人民の中には迷惑している人もいて解体を望む声もあるようですが、現在のところ解体の予定はないようです。
いつも思う事なのですが定光寺 千歳楼では何故犯罪や事件が繰り返されるのか!?厳密的には考えたり一切それに対して徹底的には調べてはいませんがニュースを目にしたのは今回で2度目となります。現在の防犯対策の強化ではもはや限界に近くなると数年後には解体と言う事を考えても良いのでは… pic.twitter.com/GigucMBRc7
— syou +Ruins (@syouhei_ruins) July 30, 2017
千歳楼が解体されない理由は、2003年10月の倒産後にオーナーの櫻井喜美夫さんが行方不明になっており、管財人とも連絡が取らなくなっているためだという事です。
また地形の関係上、解体工事が難しいのではという見方もあるようです。
名古屋のマチュピチュと呼ばれる、ホテル千歳楼跡。地形的にも解体は難しそうだし、これからも残りそうである。 pic.twitter.com/ilayqTnaP1
— azusa70 (@azusa70) June 8, 2021
まとめ
今回は、愛知県春日井市玉野町の定光寺駅のすぐ近くにある旅館の廃墟で、有名な心霊スポットでもある「千歳楼」についてまとめてみました。
千歳楼は廃墟マニアや心霊マニアの間で人気の物件であり、ネット上には営業した頃の昔の画像や、全盛期のエピソードなども見る事ができます。
そんな千歳楼ですが、2012年8月には白骨遺体が見つかり、周辺でも事件が頻発しており、あまり治安が良いとは言えない状態になっているようです。
千歳楼は現在も廃墟や心霊スポットとして人気を集めていますが、近所の住人達は千歳楼に肝試しの侵入者などが集まり、不審火騒ぎなども起きているため警戒しており警察に通報されて書類送検された高校生もいるため不法侵入はやめておいた方が良いでしょう。
千歳楼が美しく魅力的な廃墟である事は間違いありませんが、中に侵入する事は老朽化が進んでおり非常に危険ですし、何よりも違法行為になるので外側から鑑賞して楽しむ事にとどめましょう。