世の中にはいろいろなホラー映画がありますが、ホラー映画の中でもちょっと異質で気持ちが悪くて、見た人の精神状態が不安定になると言われている映画がミッドサマーです。
ミッドサマーのネタバレや気持ち悪い理由や性の儀式は本当にやっているのか?実話や元ネタ、考察などをまとめました。
この記事の目次
- ミッドサマーとは不気味で気持ち悪い映画
- ミッドサマーのネタバレ
- ミッドサマーが気持ち悪い理由①:色彩による演出
- ミッドサマーが気持ち悪い理由②:グロいシーンがたくさんある
- ミッドサマーが気持ち悪い理由③:ダニーが洗脳されていく様子
- ミッドサマーが気持ち悪い理由④:リアリティ
- ミッドサマーが気持ち悪い理由⑤:理解を超えた光景
- ミッドサマーが気持ち悪い理由⑥:村人に悪意がない
- ミッドサマーは実話ではないが現実世界とミックスしている
- ミッドサマーの性の儀式は本当にやってる?
- ミッドサマーの考察①:ダニーがはまった理由
- ミッドサマーの考察②:ダニーが最後に笑った理由
- ミッドサマーの考察③:女性に人気の理由
- ミッドサマーの考察④:9と13の意味
- ミッドサマーの考察⑤:全部出来レース?
- ミッドサマーのまとめ
ミッドサマーとは不気味で気持ち悪い映画
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ミッドサマーは2019年にアメリカ・スウェーデンで公開された映画です。日本では2020年に公開され、サイコロジカルホラー映画で、映画ファンからは「気持ち悪い」、「めちゃくちゃ怖い」と大きな話題になりました。
・監督:アリ・アスター
・脚本:アリ・アスター
・主演:フローレンス・ピュー
・公開日:2019年7月3日(アメリカ)、2020年2月21日(日本)
ミッドサマーは日本語に訳すと「夏至祭」です。ただ、夏至祭のスペルは「midsummer」ですが、この映画のスペルは「Midsommar」になります。
ミッドサマーはアメリカの学生たちがスウェーデンののどかな田舎の村で行われる夏至祭に参加し、そこで追い詰められていく物語になります。
ミッドサマーのネタバレ
ミッドサマーの登場人物を確認しておきましょう。
・クリスチャン:ダニーの恋人
・ジョシュ:クリスチャンの友達
・マーク:クリスチャンの友達
・ペレ:クリスチャンの友達で留学生。夏至祭にクリスチャンたちを誘う
・サイモン:イギリスから来た学生
・コニー:サイモンの婚約者
ホルガ村で夏至祭に参加
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アメリカの大学生で、クリスチャンと付き合っていましたが、パニック障害を抱えていて、クリスチャンに依存気味でした。そんなある日、ダニーの家族(両親・妹)は一酸化炭素で心中します。その原因は妹の双極性障害でした。
クリスチャンは、以前からダニーと別れたいと思っていましたが、なかなか別れを言い出せずにいて、ダニーを重荷に感じています。
翌年の夏、クリスチャンはスウェーデンから来た留学生のペレに誘われて、ペレの故郷であるホルガ村で90年に1度行われる夏至祭に友達たちと行くことになっていましたが、その計画をダニーに知られたため、話の流れ的にダニーも一緒に行くことになります。
老人2人が崖から飛び降り
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ダニーたちはスウェーデンに行き、ヘルシングランド地方にあるコミューンのホルガ村を訪れました。森に囲まれたホルガ村はとても美しく、白い服を着ている人たちはとても親切で、ダニーたちはホルガ村に魅了されます。ホルガ村ではイギリスから来たサイモンとコニーのカップルに出会います。
夏至祭は粛々と進み、草原のテーブルで全員がそろって食事をしますが、そこに老人男女2人(ダンとエバート)が現れて、何らかの儀式が始まります。そして、老人2人は椅子に座ったまま崖の上に運ばれて行き、その様子を村人やダニーたちが崖の下から見守ります。
老人2人は崖の上から自ら飛び降ります。最初に飛び降りたエバートは顔から落ちて、顔が潰れて即死でした。次に飛び降りたダンは足から飛び降りたため、足がおかしな方向に折れ曲がり、まだ意識がありました。それを見た村人たちはブーイングのような声を上げ、大きな木槌をダンの頭部に何度も振り降ろし、ダンを絶命させたのです。
それを見たサイモンとコニーは抗議の声を上げますが、長老は「この村では72歳になると、みんな同じことをしなければならないのだ」と説明します。それでも、サイモンとコニーは取り乱し、クリスチャンたちは顔をそむけますが、ダニーだけは目をそらすことなくその様子をしっかりと見続けていました。
仲間が行方不明に・・・
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ダニーたちはペレの懇願や学術的な必要性で村に残ることにしましたが、サイモンとコニーは村を出ることに決めます。しかし、サイモンは行方不明になり、コニーは一人で村を出ていくことになりました。
夕食時、クリスチャンの食事の中に陰毛が混ざっていて、しかも1人だけ飲み物の色が違いました。また、マークは村の女性に「一緒に来て、見せたいものがあるの」と言われて連れていかれます。
そして、その日の夜にジョシュはルーン文字で書き継がれてきた村人の指針となる聖なる書「ルビ・ラダー」を盗撮しようとしますが、その背後にはマークのような人物が立っていました。そして、その人物に木づちで頭を殴られ、どこかに引きずり出されていきます。ジョシュを殴った人物は、なんとマークの顔の皮をはいだマスクをかぶっていたのです。
ダニーはメイクイーンに
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翌朝、ダニーは幻覚剤の入った飲み物(ハーブティ)を勧められて飲みます。その後、村の女性総出で行メイポールダンスの大会に参加することになりました。全員で手をつなぎながら、メイポールの周りを飛び跳ねながら何周もひたすら回り、踊り続けます。
そのメイポールダンスでダニーが最後まで残って優勝し、花の冠をかぶって村を行進をし、みんなから讃えられます。
クリスチャンが性の儀式
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その一方、クリスチャンは精力剤を村人から勧められ、マヤという女性に導かれるようにして性の儀式に参加させられます。クリスチャンは服を脱がされ、全裸の女性たちに応援されながら、マヤという女性と性交渉を行いました。
この性の儀式は、近親婚を避けるために外部の血を入れるためのもので、小屋の中に花畑のベッドを作り、その周りを全裸の中年女性が10人程度で取り囲み、笑顔で応援するという異様な光景でした。
そして、女性たちの声を聴いたダニーはその性の儀式を覗き見してしまうのです。
自分の彼氏がほかの女性とセックスしているところを見たダニーはパニック発作を起こし、泣き叫びます。ダニーについてきた女性たちもダニーと同じように泣き叫ぶのです。儀式が終わった後、クリスチャンは全裸で飛び出して村を彷徨いました。さらに、ジョシュやサイモンの遺体を発見して気を失います。
クリスチャンを生贄に指名
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メイクイーンとなったダニーは、村から悪を追い払うために9人の生贄が必要であると説明を受けます。その生贄はペレとジョシュ、マーク、コニー、サイモンの4人。さらに、最初に崖から身を投げた老人2人。自ら生贄に志願したイングマールとウルフの2人。これで生贄は8人になります。
そして、最後の1人の生贄をクリスチャンにするか、抽選で選ばれた村人にするかの選択を迫られました。
そこでダニーは生贄にクリスチャンを選びます。
クリスチャンは腹を裂かれて内臓を取り出した熊の中に入れられ、黄色の三角屋根の神殿に入り、ようやく意識を取り戻します。神殿に火が放たれ、神殿が焼け落ちていく様子を見て、ダニーは最初は恐怖のあまり泣いていましたが、徐々に笑みを浮かべるようになりました。
ミッドサマーが気持ち悪い理由①:色彩による演出
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ミッドサマーが気持ち悪いと言われる理由の1つ目は、色彩による演出が効果的だからでしょう。
スウェーデンに来る前のアメリカのシーンは、暗くてどんよりとしたものでした。でも、ホルガ村に来ると、一気に画面が明るく美しくなります。
・森の緑
・村人の服の白
・神殿の黄色
・血の赤
・崖から身を投げる人の服の青
・色鮮やかな花冠
色鮮やかでとても色彩がきれいなのに、行われていることはとても不気味です。
「画面は美しいのに不気味」というギャップに脳がついていかず、なんとも言えない気持ち悪さを感じるのでしょう。
ミッドサマーが気持ち悪い理由②:グロいシーンがたくさんある
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ミッドサマーが気持ち悪い理由の2つ目は、グロテスクなシーンがたくさんあることです。
2人の老人が身投げをした時の遺体、それが焼かれるシーン、ジョシュが殴られるシーン、クリスチャンがサイモンの遺体を見つけたシーン。結構グロテスクですよね。特に、身投げシーンはなかなかキツイものがあります。
あそこまでしっかり遺体(もちろん偽物ですが)を見せるのはなかなかありません。しかも、夜の暗いシーンではなく、昼間(白夜なので昼が異常に長い)にグロテスクなシーンがあるというのも、ホラー映画としては珍しいかもしれません。
ミッドサマーが気持ち悪い理由③:ダニーが洗脳されていく様子
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ミッドサマーが気持ち悪い理由の3つ目は、ダニーが洗脳されていく様子です。ミッドサマーを見ると、カルト宗教ではこんな風に洗脳していくのかと思い知らされます。
ダニーは最初はホルガ村に対して恐怖心を持っていました。特にサイモンやコニーがいなくなった時には、恐怖心を隠すことができませんでした。
しかし、少しずつホルガ村に染まっていきます。女性たちに村の料理作りに誘われ仲間意識を持つようになり、そこから、幻覚作用があるハーブティを飲み、一緒にメイポールダンスを行います。この時点で、一体感が出ています。それから、メイポールダンスで優勝して、みんなから讃えられ、祀り上げられます。そして、最後に村人ではなく、恋人のクリスチャンを生贄に指名するのです。
「恐怖心→仲間意識→一体感→特別感→讃えられる」という手順を踏むことで、ダニーはホルガ村に取り込まれていくのです。真綿で首を絞めるかのように、じわじわと取り込んでいくのが、なんとも気持ち悪いですよね。
ミッドサマーが気持ち悪い理由④:リアリティ
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ミッドサマーが気持ち悪くて不安感を抱く理由の4つ目は、リアリティが含まれている点ではないでしょうか。最初の頃のクリスチャンの感情は、リアル感がありませんか?
彼女のことを負担に感じるけれど、なかなか別れを切り出せない。でも、彼女に依存されて重い・・・。こういう感情を持つことってありますよね。
そして、そのクリスチャンの感情をダニーもうすうす気づいているんです。
そのリアル感があり、その感情がこのミッドサマーの悲劇の引き金になるからこそ、ホルガ村での異様な光景があっても、このミッドサマーの映画全体に説得力を持たせているのと同時に、視聴者になんとも言えない気持ち悪さ、居心地の悪さを感じるのかもしれません。
ミッドサマーが気持ち悪い理由⑤:理解を超えた光景
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ミッドサマーが気持ち悪い理由の5つ目は、理解を超えた光景が繰り広げられていることです。ミッドサマーはホルガ村で行われている夏至祭を舞台にしていますが、その夏至祭で行われている光景が理解を超えているんです。
・72歳になった老人は自ら崖から飛び降りる
・それで死ねなかったら木づちで叩かれる
・外部の血を入れるために性の儀式を行う
・そのために、陰毛と経血を使う
・生贄が必要
・性の儀式を見たダニーと一緒に、なぜか村の女たちも泣く
このようにミッドサマーの夏至祭で行われる内容は、ごく普通の一般的な日本人の理解を超えているのです。理解できないもの、想像の範疇を軽く超えてくるものを見ると、人間はどうしても「気持ち悪い」と思ってしまいますよね。
ミッドサマーが気持ち悪い理由⑥:村人に悪意がない
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ミッドサマーが気持ち悪い理由の6つ目は、村人に悪意がないことです。ホラー映画は基本的に霊やお化け、犯人・悪人が悪意を持っていて、その悪意が原因で怖いことを起こすのが普通です。
でも、ミッドサマーは村人たちに悪気は一切ないように見えます。ダニーやクリスチャンに悪意を持っているわけではありません。72歳になったら飛び降りること。生贄を作ること。外部の血を入れるために、性の儀式をすること。それが普通なのです。そして、それを邪魔するものは、当然のように排除します。それが普通のことだから。
映画を通して、ホルガ村の人たちの表情・振る舞いにほとんど悪意を感じないのに、行われていることはとても怖いから、気持ち悪さを感じるのかもしれません。
ミッドサマーは実話ではないが現実世界とミックスしている
ミッドサマーは実話ではありません。でも、現実世界の要素は取り入れられています。
夏至祭はある
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ミッドサマーはスウェーデンの田舎の村の夏至祭を舞台としていますが、夏至祭は存在します。夏至祭が行われるのは、キリスト教圏のヨーロッパです。
ミッドサマーの舞台となっているスウェーデンでも行われていますし、そのほかフィンランド、ラトビア、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、リトアニア、ノルウェー、オーストリアなどで行われています。
ミッドサマーの内容と似たような部分もあります。
・薬草を神聖視
・花で冠を作る
・男女の縁結び
この辺りの要素がミッドサマーに取り入れられています。
ただ、実際の夏至祭では性の儀式はやらないし、生贄で9人を殺すこともありません。
あくまでも平和に行われます。
ホルガ村もある
ミッドサマーはスウェーデンのホルガ村で行われました。ホルガ村はスウェーデンの首都のストックホルムから北に約200kmのところにあるのどかな村です。
また、映画の中のホルガ村はヘルシングランド地方にある設定ですが、そのヘルシングランド地方には世界遺産「ヘルシングランドの装飾農家群」が存在しています。
監督のアリ・アスターは映画製作前にかなりリサーチをしていたとのことです。
リサーチは非常に大切で、非常に多岐にわたる内容でした。スウェーデンだけでなく、英国やドイツの夏至の伝統も調べましたし、たくさんのスピリチュアル運動やコミュニティについても調べました。
引用:【単独インタビュー】『ミッドサマー』アリ・アスター監督〈一部ネタバレ〉 | Fans Voice〈ファンズボイス〉
そのリサーチで、いろいろなスウェーデンのことを架空のホルガ村や夏至祭を作り上げたのでしょう。
ミッドサマーの性の儀式は本当にやってる?
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ミッドサマーの中で大きなインパクトがあったのが、「性の儀式」のシーンですよね。あのシーンはとても不思議なシーンでした。そのシーン自体は非現実的なものでしたよね。
小屋の中に花を敷き詰められて作られたベッドがあり、そこで裸になったマヤが横たわってクリスチャンを待っている。その周りには12人の女性が全裸で肩を組んで立っている。
どう考えても、おかしい光景です。
しかし、性交渉の様子はなんとなくリアル感がありました。性の儀式をのシーンを見た人は、「あれは本当にやってるの?」と感じることもあったようです。
また、映画館ではなく、ネットフリックスで配信されたモザイクなしのディレクターズカット版では、クリスチャンの局部に血液が付着しているのが見えるシーンもあり、生々しくて「本当にやってるかも」と思えてきます。
この性の儀式のシーンの撮影は2週間もかかったそうです。
「毎日仕事に行き、個人的に信じられないほど屈辱的で動揺するようなものを撮影し、その中で自分について考え、自分をその立場(クリスチャンの立場)に置こうとする…ハードコアな出来事だった」と語った。
引用:『ミッドサマー』“性の儀式“の裏話!撮影に2週間、精神崩壊ギリギリの舞台裏【ネタバレ】 (2/2) – フロントロウ | 楽しく世界が広がるメディア
また、クリスチャンが全裸になったのは、クリスチャン役のジャック・レイナー本人のアイディアです。今まで女優が同じような状況で全裸になってきたのと同じような状況を自分に課すのが大切であると思ったそうです。
観客にとって、このキャラクター(クリスチャン)が可能な限り弱く、屈辱的な状態で出てくるのは重要だと思った
引用:『ミッドサマー』“性の儀式“の裏話!撮影に2週間、精神崩壊ギリギリの舞台裏【ネタバレ】 (2/2) – フロントロウ | 楽しく世界が広がるメディア
クリスチャンが全裸で性の儀式に臨んだからこそ、あのシーンは不気味さ&気持ち悪さが出て、さらに「本当にやってるかも」と思えるようなリアルさが出たのでしょう。クリスチャンが全裸だからこそ、その後の村の中を全裸で彷徨うシーンがよりクリスチャンを弱く、かつ滑稽に見せたのだと思います。
ミッドサマーの考察①:ダニーがはまった理由
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ミッドサマーでは、最初は恐怖心を抱いていたダニーでしたが、次第にホルガ村にはまっていきます。なぜ、ダニーは村に馴染んで、村にはまっていったのでしょうか?その理由はダニーは心に傷を負っていたからだと思われます。
ダニーの妹は躁うつ病を抱えていて、両親と一緒に一酸化酸素中毒で無理心中しました。一人取り残されたダニーは心に大きな傷を抱え、パニック障害を患います。そのことを彼氏のクリスチャンは重荷に感じていて、クリスチャンが自分のことを重荷に感じていることをダニーは気づいていたはずです。
精神的に不安定で、さらに本来なら支えてくれるはずのクリスチャンにも疎ましく思われている。そのような不安定な状態で夏至祭に参加しました。
そして、恐怖はあったけれど、料理を作って仲間に迎え入れられ、メイポールダンスでは優勝して村人全員から讃えられ、メイクイーンとして特別な存在になった。これらの流れで、ダニーは見事に洗脳されていったのだと思います。
不安定な状態から特別な存在へ。それを自然な流れで体験していったら、何の疑問もなく受け入れるのでしょうし、その状態に居心地の良さを感じるのではないでしょうか。
そもそも、ダニーはこのホルガ村での夏至祭と親和性が高かったと思われます。
老人が崖から身を投げた時、サイモンやコニーは抗議し、マークなどは顔を背けていましたが、ダニーだけは目をそらすことなく、最後まで身を投げ、木づちで殴る様子も見つめていました。
精神的に不安定だからこそ、カルト的な村と親和性が高く、洗脳されていったのでしょう。
ミッドサマーの考察②:ダニーが最後に笑った理由
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ダニーは生贄に恋人のクリスチャンを指名し、クリスチャンは腹を切り裂かれた熊の中に入れられ、神殿ごと燃やされます。それを見たダニーは最初こそ恐怖の表情を浮かべていましたが、次第に吹っ切れたような表情になり、笑顔を浮かべて終わります。
なぜ、ダニーは最後に笑顔を浮かべたのでしょうか。
監督のアリ・アスターは「ダニーは狂気に堕ちた者だけが味わえる喜びに屈した。ダニーは自己を完全に失い、ついに自由を得た。それは恐ろしいことでもあり、美しいことでもある」と脚本に書いています。
ダニーは最後にすべてから解放されたのでしょう。アメリカで家族が無理心中をしたというつらい過去も、それを支えてくれなかったクリスチャンもすべて燃やされて解放され、自由になった。ダニーの視点で考えると、おそらく「本当の自分になることができた」、「生まれ変わった」ということなのだと思います。
ミッドサマーの考察③:女性に人気の理由
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ミッドサマーは女性に人気があるホラー映画と言われています。なぜ、女性に人気があるのか?それは、共鳴力かもしれません。
ダニーはクリスチャンが性の儀式をしているところを除いてパニック障害になった時、取り巻きの女性たちがダニーを支え、一緒に叫び、一緒に泣いてくれます。
ダニーはずっと自分の心理を理解してくれる人が欲しかった。彼氏のクリスチャンではなく、ホルガ村の女性たちがダニーに共鳴して、ダニーを救ってくれたのです。
女性は共感力・共鳴力が高いと言われていますが、ミッドサマーはそれをしっかり描いているのです。見ている女性視聴者も、同じようにいつの間にかダニーに共鳴しているのかもしれません。
また、ミッドサマーの衣装はメチャクチャかわいいですよね。白い衣装や花の冠はガーリーで、見ているだけでウキウキするような女性受けが良い衣装なので、女性に人気が高いのかもしれません。
ミッドサマーの考察④:9と13の意味
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ミッドサマーを見ていて、数字の「9」と「13」が気になりませんでしたか?ミッドサマーには「9」と「13」がたくさん出てきます。
・「90」年に1度開かれる「9」日間の夏至祭。
・72歳になったら飛び降りる(7+2=9)
・9人の生贄。
・性の儀式には13人の裸の女性
・メイクイーンになったダニーに13人の侍女
このようになっています。
9はキリスト教では「ノベナ」と呼ばれる数字重要な数字です。逆に13は忌むべき数字です。ユダは13番目の弟子、キリストの処刑日は13日の金曜日でしたから。
性の儀式や生贄にクリスチャンを指名したメイクイーン(ダニー)の侍女を13人にしたことで、ホルガ村の風習=悪魔という意味を持たせたのかもしれません。
しかし、ホルガ村はキリスト教ではありませんので、9と13は逆の意味を持たせている可能性もあります。色々と考察できますが、ミッドサマーで9と13が多用されていることは間違いありません。
ミッドサマーの考察⑤:全部出来レース?
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ミッドサマーを見ていて、1つ気になったのは全部出来レースだったのではないか?ということです。
・ペレは外部の人間を連れてくる役割だった
・外部の血の入れるためにクリスチャンの彼女のダニーをメイクイーンにした
ペレはホルガ村の出身ですから、あの村の夏至祭で何が起こるかは知っていたはずです。そのうえでクリスチャンたちを誘いました。ということは、生贄や性の儀式のための人材を外部から連れてくる役割を担っていたことになります。
また、メイポールダンスでダニーが優勝するところ、なんとなく不自然ではありませんか?まるで出来レースで、ダニーを優勝させるために最後わざと負けた感じがします。ダニーをメイクイーンにすれば、クリスチャンを性の儀式に参加させることが簡単になります。
村人全員で仕掛けた出来レース。すべては夏至祭のため。ダニーが性の儀式を見た時にパニック発作を起こして一緒に泣いてくれた女性たちの行動も全部演技だった。
そう考えると、めちゃくちゃ怖いと思いませんか?そして、夏至祭が終わった後のダニーの運命は・・・。ダニーは恋人のクリスチャンよりもホルガ村の人たちと一緒にいることを選んだのにン、ホルガ村の人たちの態度は全部演技だったとなれば、夏至祭の後のダニーは用済みとして処分されるかもしれません。
ミッドサマーのまとめ
ミッドサマーのネタバレや気持ち悪い理由、実話なのか?性の儀式は本当にやってるのか?内容の考察などをまとめました。ミッドサマーは男性が見るか、女性が見るかで、その捉え方は変わってくる映画だと思います。
ちょっと変わったホラー映画を見たい人は、ミッドサマー、おすすめです。