杉沢村伝説(都市伝説)の真実は嘘?本当?内容やアンビリバボーと映画化も総まとめ

都市伝説の1つである杉沢村伝説は青森県新和村一家7人殺害事件や津山30人殺しが元ネタとも言われています。

 

杉沢村伝説の内容やアンビリバボーでの特集、嘘か本当か、都市伝説の真実と映画化をまとめました。

杉沢村伝説(都市伝説)の内容

 

杉沢村伝説は、1997年ごろからインターネット上で話題になっていた都市伝説です。杉沢村伝説の内容を見ていきましょう。

 

杉沢村伝説とは青森県の山奥にあった村に関する都市伝説です。まずは、杉沢村伝説の概要を確認しておきます。

 

1.青森県に八墓村のもとになった「杉沢村」があった
2.村人の一人が狂って、村人全員を殺して自殺した
3.杉沢村は呪われた村として、行政によって地図上から消されてしまった
4.杉沢村の入り口に古ぼけた鳥居がありい、その下にはどくろのような石が置かれている
5.林道の奥に廃屋があって、壁や床に血がべっとりついていた
6.夜中に杉沢村に行った若者3人が亡霊に襲われて、行方不明になってしまった

 

杉沢村伝説はこのような内容になります。都市伝説ですので、その時々で細かい部分が違うことはありますが、

 

・青森県の山奥の杉沢村で1人の村人が村人全員を殺した。
・杉沢村は地図上から消された。
・呪われた村で心霊スポットのようになっている。
 
これが大まかな杉沢村伝説の内容です。
 

 

1997年に投稿された杉沢村伝説

1997年にインターネットの掲示板に投稿された杉沢村伝説の内容をご紹介します。

 


地図上から抹消された村の話をしましょう。
いつ頃の話か詳しくはわかりませんが、昔、青森県に杉沢村という村があったそうです。
そこは人里離れた山奥にあり、村の人々は一つの集落に住んでいました。
ところがある日、一人の青年が発狂し、村人を一人残らず斧で殺してしまったのです。
その後、青年も命を絶ってしまったとか。

こうして村人の一人もいない、村としては機能しなくなった杉沢村は、おそらく青森市と合併して地図上から消滅したのです。
この話は昔の話ということもありますし、おそらく自治体が覆い隠したということもあって、他府県には全く知れ渡っていません。
また、知っている人もほとんどが年配の方で、若い人は知らない人も結構多いようです。

さて、今の杉沢村はどうなっているのでしょうか。
これは人から聞いた話ですが、実際行ってみる人は多いようです。
また、見にいっても辿りつけなかった人もいるぐらいなので、相当山奥なのでしょう。
場所は青森空港付近と聞いていますが、その集落に行ける道は一本しかなく、その入口には鳥居があり、その辺りで引き返す人も多いとか。

実際に入った人は、その時は数人で行ったそうです。
そして集落はその当時のまま残されており、家の壁にはベッタリと血が付いていたそうです。
そして青年の邪悪な霊か、それとも青年に惨殺された村人の怨念のせいか、その中の一人がいきなり発狂し、あわてて帰ってきたそうです。

他にも杉沢村についてはいろいろ話を聞きますが、九度寺とは違いタブー視された感じがしてなりません。
この話を見て行ってみようと思った人は、絶対にやめるべきです。
青森は恐い話が多いですが、これほど恐ろしく知られていない話は私も初めてです。
血のベッタリついた壁が夢に出てきそうです。

 

引用:消えた村

 

これが都市伝説の杉沢村伝説です。この引用部分の投稿は1997年7月15日のものですが、確認できた限り、この投稿が杉沢村伝説の一番古い書き込みになります。
 

 

杉沢村伝説の詳細

杉沢村伝説の基本的なものは上記の1997年7月15日のものです。しかし、それ以降、インターネットを中心に杉沢村伝説に関する書き込みが増えてきました。

 

そこから次のような内容が付け足されたケースもあるようです。

 

・杉沢村で殺人が行われたのは昭和初期
・杉沢村は隣村に編入された
・杉沢村に向かう途中に「ここから先へ立ち入る者 命の保証はない」という看板がある

 

このような尾ひれがつくようになり、杉沢村伝説は大ブームを巻き起こすことになります。

 

 

杉沢村伝説はアンビリバボーで特集

 

杉沢村伝説は1997年ごろからインターネット上で噂になり、2000年ごろには当時の2ちゃんねるでもスレッドが立つなど話題になっていました。

 

ただ、当時は今ほどインターネットが普及していませんでしたので、杉沢村伝説を知っていたのは、ごく限られた人たちだけでした。

 

そのような中、フジテレビのアンビリバボーで杉沢村伝説が特集されたことで、杉沢村伝説は世間一般に一気に広まります

 

2000年8月24日放送のフジテレビ「奇跡体験!アンビリーバボー 2時間恐怖スペシャル」で杉沢村伝説が特集され、杉沢村伝説の検証・杉沢村の場所の特定が行われました。しかし、番組内では、きちんと特定することはできず、「だが、どこかに実在する筈の杉沢村を、番組は今後も探し続ける」として終わっています。

 

地上波のゴールデン番組で杉沢村伝説が特集されたことで、杉沢村伝説ブームが起こり、それ以降、杉沢村伝説に関するビデオも作られています。

 

・杉沢村伝説 完全無削除 絶対恐怖版(2000年、トランスフォーマー)
・地図から消えた村・杉沢村の呪い(2001年、ブロードウェイ)
・日本怨念地図〜検証!!杉沢村の呪い(2002年、ブロードウェイ)

 

このようにして、インターネット黎明期にインターネット発の都市伝説・杉沢村伝説は世間一般に広まっていったんですね。

 

 

杉沢村伝説は嘘なのか?

 

杉沢村伝説は嘘なのでしょうか?杉沢村伝説の概要をもう一度確認しておきましょう。

 

・1人の村人が村人全員を殺害した

 

これがニュースにならないことがあるでしょうか?SNSなんてない昭和初期。それでも、必ずニュースにはなるはずです。

 

それなのに、青森県でそのような事件があったというニュースはありません。また、杉沢村があったという事実もないのです。隣村に併合されたとしても、杉沢村が存在したという記録を完全に消すことは、さすがにないはずです。

 

これらのことを考えると、杉沢村伝説は嘘であると言えるのです。

 

 

杉沢村伝説は本当の部分もある

杉沢村伝説は全部が丸々嘘というわけではありません。本当の部分もあります。

 

本当の部分とは、次の2つです。

 

・青森市郊外に似たような場所・似たような地名がある
・その集落は消滅した

 

杉沢村は元ネタでは青森空港付近としています。そして、青森市から南に約10km行った場所に「青森市小畑沢字小杉」という場所があります。この「青森市小畑沢字小杉」は青森空港から東に数kmの場所にあるんです。

 

 

そして、「青森市小畑沢字小杉」には確かに鳥居がありますし、その近くには石が置かれています。

 

出典:orange.ne.jp

 

 

出典:orange.ne.jp

 

そして、「青森市小畑沢字小杉」は以前は集落がありましたが、現在は消滅しています。

 

「青森県の地名」(平凡社刊)によると、明治初年の記録に「家が四軒。昔は六十軒余り、三百人余りだったが、天明の飢きんで離散し、戸数が減った」との記載があり、れっきとした集落だったことが分かる。Aさんの兄で、市内の別の場所に住むBさん(57)によると「杉沢村」は、住所の小杉から「杉さ行ぐ」がなまってできた通称だという。

 

引用:Web東奥・ニュース20000903

 

その場所は戦後も電気がなく、学校まで1時間半もかかる場所だったため、昭和43年ごろを最後にほかの場所に移り住んで、集落は消滅してしまったそうです。

 

もちろん、集落で殺人事件が起こったという事実はありません。江戸時代の天明の飢きんで、戸数が少なくなり、不便なこともあって、最終的には消滅したということですね。

 

 

杉沢村伝説の真実は?都市伝説ができた5つの理由

杉沢村伝説は基本的に嘘です。しかし、都市伝説として盛り上がり、20年以上にもわたって、インターネット民を中心に話題になり続けています。

 

杉沢村伝説の真実は、次の5つの理由から作り上げられた都市伝説と推測できます。

 

・青森県新和村一家7人殺害事件
・津山三十人殺し
・野性の証明
・青森のオカルト話
・青森市小畑沢字小杉の集落が消滅したという真実
 
この5つのことがうまくミックスされて、杉沢村伝説は作り上げられていったというのが、この都市伝説である杉沢村伝説の真実と考えられます。

 

 

理由①:青森県新和村一家7人殺害事件があった

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出典:twitter.com

 

青森県では1953年に青森県新和村一家7人殺害事件が発生しました。この事件が杉沢村伝説につながっている可能性があります。

 

1953年12月12日に青森県中津軽郡新和村(現在の弘前市)の小友地区で、リンゴ農家の三男(当時24歳)が実家の父親、長兄と妻・子供2人、祖母、伯母を猟銃で射殺しました。

 

犯人は8人兄弟の7番目でしたが、父親(被害者)は酒癖が悪く愛人を作るような人物で、跡継ぎの長兄(被害者)と一緒になって、財産分与も生活保障も一切ない状態で犯人を含むほかの兄弟を実家から追い出していました。

 

犯人は食べるものも困るような貧困に苦しんでいて、犯行当日は味噌を盗みに実家に侵入し、そこで猟銃を見つけて、「父たちに殺される」と錯乱して犯行に及んでいます。

 

犯行から約1時間後に、被害者の家で火災が起き、長兄の娘(3歳)も焼死し、この事件では全部で8人が死亡しました。

 

その日のうちに犯人は駐在所に自首し、尊属殺人罪・殺人罪・住居侵入罪で逮捕・起訴されました。しかし、裁判で心神喪失状態であると認定され、尊属殺人罪・殺人罪については無罪となり、住居侵入罪は懲役6ヶ月・執行猶予2年の判決となったため、1958年に犯人は釈放されました。

 

そして、その後に犯人だった男性は次兄らに迎え入れられ、32歳で結婚しています。

 

杉沢村伝説との共通点はこちらです。

 

・青森県で起こった
・大量殺人があった

 

青森県でこのような大量殺人があったことが、杉沢村伝説の元ネタになったと考えて間違いないでしょう。

 

 

理由②:津山事件が似たような内容

出典:bunshun.jp

 

杉沢村伝説を初めて知った人は「津山三十人殺し(津山事件)」に似ていると思った人は多いと思います。

 

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津山事件は1938年に岡山県の現在の津山市で起こった大量殺人事件です。犯人の都井睦雄は、わずか1時間半の間に猟銃と日本刀で自分の集落の人たちを次々と襲い、最終的に30名を殺害、3名に重軽傷者を負わせました。

 

犯人の都井睦雄は犯行後に自殺しています。この津山事件は横溝正史の「八つ墓村」のモデルとなった事件で、都市伝説の杉沢村伝説にも少なからず影響を与えていると言われています。

 

・大量殺人があった
・青年1人が村人を次々と殺害していく
・犯行後に犯人が自殺
・犯行場所は山奥の村(集落)

 

上記のような共通点があります。

 

 

理由③:野性の証明もミックス

出典:amazon.com

 

都市伝説の杉沢村伝説は、森村誠一の「野性の証明」も影響を受けていると言われています。

 

森村誠一の「野性の証明」は、東北の村で大量殺人事件が起こり、その場に偶然居合わせた特殊部隊の自衛隊員とその事件の生き残りの少女を主人公としたストーリーです。

 

映画化を前提として作られた小説で、映画では主人公の自衛官を高倉健さんが演じ、大量殺人事件の生き残りの少女を薬師丸ひろ子さんが演じました。薬師丸ひろ子さんはこの野性の証明がデビュー作となります。

 

この野性の証明と杉沢村伝説の共通点はこちらです。

 

・大量殺人事件
・東北の村で起こった事件

 

東北の寒村で起こった大量殺人事件がこの「野性の証明」のベースとなっています。この野性の証明も、杉沢村伝説が作られた1つの元ネタと言えるでしょう。 

 

 

理由④:青森のオカルト話

 

青森県に伝わるオカルト話も、この杉沢村伝説が都市伝説として広まったことに関係しています。

 

2011年よりエンタメ〜テレで放送されているホラー番組「北野誠のおまえら行くな。」では、番組の第2回目「青森編2〜幻の村を探せ〜」で、杉沢村伝説の謎に迫っています。

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その結果、番組では次のような杉沢村伝説の真実にたどり着いています。

 

子供の頃に杉沢村の隣に住んでいたおばあさんか聞いた話として、青森県に住むオカルト好きの男性が次のような証言をしていました。

 

戦争中に村の若者が出征し、村には若い嫁と父親(嫁の義父)が残された。そして、出征した若者は戦死したという知らせが届いた。その後、父親は戦死した息子の嫁と男女の関係になってしまった。

しかし、実は息子は戦死しておらず、「戦死」は誤報で、戦後に息子は村に戻ってきた。息子の嫁と関係を持っていた父親は、若い嫁を手放すのを惜しいと思い、邪魔になった息子を殺害してしまった。

父親(義父)の犯行に気付いた嫁も殺害します。そして、犯行の騒ぎに気付いた村人も次々に殺害してしまった。

 

これが青森県のオカルト話で、杉沢村伝説の真実ではないか?と「北野誠のおまえら行くな。」の中で結論づけられたものです。

 

このオカルト話を話してくれた男性は、この事件の裁判記録を確認したとのことですが、この事件はインターネットで検索してもヒットしません。

 

おそらく「戦死が誤報で復員して、裁判記録まで確認できる」ということは戦後(1945年以降お)の可能性が高いです。戦後の犯罪、しかも大量殺人なら、インターネットでいくらでもヒットしそうなものですが、ヒットしないのです。

 

その復員が日露戦争ものだったとしても、大量殺人なら、何かしらの記録は残っていて、インターネットに犯罪マニアが概要だけでもアップしていそうなものですが、それらしき事件は見当たりません。

 

ということは、このオカルト話は「真実」かどうかは疑問が残ります。それでも、青森県でこのオカルト話があるということは、これも杉沢村伝説が作られた1つの要素・元ネタと言って良いでしょう。

 

 

理由⑤:真実を混ぜることでリアル感が出た

 

杉沢村伝説は「なんとなくリアル感がある」というのが、これだけ広まった要因だと思います。

 

杉沢村伝説は基本的な骨組みは「青森県新和村一家7人殺害事件」、「津山三十人殺し」、「野性の証明」などをミックスしたものですが、真実を混ぜ込むことで、リアル感を出しているのです。

 

杉沢村伝説は、先ほど説明したように全部が嘘ではありません。青森空港近くの「青森市小畑沢字小杉」の集落が消滅した(みんな移住した)という本当の要素も混ぜ込まれています。

 

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嘘の中に真実を混ぜ込むことで、都市伝説はリアル感を増し、「あれ?これ本当の話かも」と思わせて、都市伝説がどんどん広がっていくのです。だから、杉沢村伝説の都市伝説は1997年からずっとインターネット上で話題に上がり、さらにテレビやその他メディアでも取り上げられるようになったんですね。

 

 

杉沢村伝説は映画化された

出典:amazon.co.jp

 

杉沢村伝説は映画化されています。2014年に公開された「杉沢村都市伝説 劇場版」です。

 

青森県の山中にあったと噂される謎の村「杉沢村」に足を踏みいれた女性たちが体験する恐怖を描いた。

 

引用:杉沢村都市伝説 劇場版 : 作品情報 – 映画.com

 

主演は当時、乃木坂46のメンバーだった伊藤寧々さんで、監督は鳥居康剛さんです。

 

 

Amazon Primeなどで見ることができますので、杉沢村伝説に興味を持った方はぜひ見てみてください。

 

 

杉沢村伝説のまとめ

都市伝説の杉沢村伝説の内容やアンビリバボーでの特集、嘘か本当か、杉沢村伝説の真実、映画化などをまとめました。

 

ネット発の都市伝説の中でも、杉沢村伝説は犬鳴村伝説と並ぶ「怖い都市伝説」として知られています。あなたも杉沢村を探しに行ってみてはいかがですか?

 

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