青木ヶ原は富士山の北西の麓一帯に広がる森林で、富士の樹海とも呼ばれます。
今回は自殺の名所、日本屈指の心霊スポットとして知られる青木ケ原の場所や行き方、起きた事件・事故、都市伝説、怖い話、そして樹海のなかの落とし物についてまとめました。
この記事の目次
青木ヶ原(富士の樹海)とはどんな場所?
青木ヶ原は富士山の北西の麓、富士河口湖町と鳴沢村にまたがる広大な森です。富士山から眺めると木々が風に葉をなびかせる様子が波のように見えることから、「青木ケ原樹海」「富士の樹海」と呼ばれるようになった、という説もあります。
西暦864年(貞観6年)に起きた貞観大噴火の際、富士山の斜面の割れ目から流れ出した溶岩流の上にできた森で、現在の環境に再生されるまで1200年の時間を要しました。
面積はおよそ30平方km。これは、山手線の内側のエリアと同等の面積です。広大な土地にアカマツや檜などの針葉樹とミズナラなどの広葉樹が混生し、噴火に伴ってできた溶岩洞も有するなど手つかずの自然が残ることから、青木ケ原は国の天然記念物にも指定されています。
また2013年には「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」として、ユネスコの世界文化遺産にも指定されました。
青木ケ原に生息する生き物
青木ケ原ではツキノワグマをはじめ、イノシシ、カモシカ、鹿、二ホンアナグマ、ムササビ、リス、ノウサギ、野ネズミ、ホンドタヌキ、ニホンザルなど多様な哺乳類と、40種を超す野鳥の生息が確認されています。
出典:https://www.cbr.mlit.go.jp/
ただ青木ケ原は溶岩で覆われた大地の上に僅か3〜7cm程度の土が重なっただけの、痩せた土壌です。土も水も非常に少なく、植物にとっては過酷な環境と言えます。
樹々が生い茂っているように見えても実がなる植物は育たないため、大型の動物の餌が十分にあるとは考えにくいです。
そのため、地続きになっている富士山の亜高山帯に生息している動物が降りきているのではないか、と考えられています。
青木ヶ原(富士の樹海)への行き方
[googlemaps https://www.google.com/maps/embed?pb=!1m18!1m12!1m3!1d81906.06475814947!2d138.59523471766914!3d35.475431384101604!2m3!1f0!2f0!3f0!3m2!1i1024!2i768!4f13.1!3m3!1m2!1s0x601be721e912db77%3A0xed043493c8ad92e1!2z6Z2S5pyo44O25Y6f5qi55rW3!5e1!3m2!1sja!2sjp!4v1655428106405!5m2!1sja!2sjp&w=600&h=450]
青木ケ原樹海には入り口が定められており、散策をする場合には「富岳風穴」「西湖ネイチャーセンター」など、所定の場所に向かう必要があります。
車で青木ケ原に向かう場合、中央自動車道の河口湖ICで降りて国道139号線経由で20分程度で富岳風穴の入り口につきます。
最寄りのJR富士急行線河口湖駅からはバスも出ているので、公共交通機関で向かうことも可能です。
路線バスを利用する場合、バス停・富岳風穴で下車するとすぐに樹海に続く遊歩道の入り口があります。ただバスは1時間に1本程度しかないため、帰りの時間には注意が必要です。
青木ケ原(富士の樹海)は自殺の名所
青木ケ原、富士の樹海は自殺の名所という印象がありますが、このイメージが定着したきっかけは、1960年に出版された松本清張氏の小説『波の塔』のラストシーンだと考えられています。
『波の塔』はTVドラマ化もされて人気を博した悲恋の物語で、ヒロインの頼子が自分の運命を呪って樹海に入っていくシーンで話が終わります。このシーンの影響で、青木ケ原樹海というのは自死を決意した人が向かう場所なのだ、と思い込んでしまった人が多いのだといいます。
なお、同時期に発表された松本清張氏のミステリー小説『黒い樹海』が、青木ヶ原樹海を自殺の名所にしたきっかけだという説もあるようですが、こちらはタイトルに樹海という単語が入っているだけで、作中に青木ケ原は登場しません。
『波の塔』以降、再び青木ケ原を自殺の名所として定着させたのが、1993年に出版された鶴見斉氏のベストセラー『完全自殺マニュアル』です。
さまざまな自殺の手段やリスクなどが淡々と解説されていくスタイルの本著のなかで、青木ケ原は「自殺にもっとも適した場所」として紹介されました。
このことは『波の塔』を知らない当時の若者達にも、「樹海というのは自殺した人の死体がゴロゴロ転がっている恐ろしい場所らしい」という印象を植え付けたと考えられています。
実際に青木ケ原での自殺は多い
2020年の山梨県内での自殺者は、181人と全国でワースト1位の数でした。しかもそのうちの3割近くが県外在住者で、県外から山梨を訪れて、青木ケ原で命を絶った人が多かったとされます。
さらに警視庁の発表によると、2021年の1月から6月の間に青木ケ原で見つかった自殺者の遺体は105人と近年稀に見るほど増えています。
この背景には新型コロナウイルスの影響による失業といった社会問題があると考えられており、山梨県では青木ケ原を「自殺のハイリスク地」としたうえで、クリーンな観光地としてアピールするなど自殺の予防に努めているようです。
青木ヶ原(富士の樹海)の都市伝説7選
青木ケ原・富士の樹海には、自殺の名所として有名になった頃から囁かれるようになった都市伝説がいくつかあります。なかでも有名なのが、以下のものです。
- 樹海ではコンパスが使えない、1度入ると方向がわからなくなる
- 樹海には飢えた野犬の群れが出る
- 樹海のなかには自殺志願者が集まって暮らす「樹海村」がある
- 樹海には特殊な新興宗教の施設がある
- 樹海の中は自殺者の遺体だらけ
- 樹海の地面の下には地下通路がある
- 樹海には自殺志願者を狙う殺人鬼がいる
青木ケ原の都市伝説①コンパスが使えない
青木ケ原の地面が溶岩石に覆われていることから流れた都市伝説です。青木ケ原の地面を覆う溶岩には玄武岩が多く、これには四酸化三鉄が含まれています。四酸化三鉄には磁性があるため、方位磁針を狂わせるのです。
ただコンパスを使う場合は通常、自分の手のひらに乗せて胸の高さで見ることが多いため、樹海のなかにいても地面に含まれた四酸化三鉄の影響は受けづらいと考えられます。
派生して「富士の樹海ではスマホのGPS機能が使えなくなる」「電波が遮断されるので電話も使えない」という噂も流れましたが、これらは現在よりも携帯電話の性能が低かった時代に、単に基地局から遠かったり、樹木に遮られて電波が届きにくかったりしたことで発生した障害によるものです。
現在ではGPSの機能も大幅に向上していますので、樹海のなかでもスマホの位置情報は正確に表示されますし、基地局も整備されているので通話も普通にできます。
青木ケ原の都市伝説②野犬の群れが出る
青木ケ原のなかには野犬の群れがいて、迂闊に入ると襲われるという都市伝説もあります。
たしかに富士山や青木ケ原に限らず、山の中や林の中に犬や猫を置き去りにしていく人は少なからず存在します。そのため、青木ケ原の樹海で野良犬に出会うことがあっても不思議ではありません。
しかし、実際に人を襲うような野犬の群れが樹海にいた場合は、狂犬病予防の観点から考えてもニュースになっているはずです。野良犬はいるかもしれませんが、野犬の群れが生息しているとは考えにくいでしょう。
ただ、前述のように青木ケ原ではイノシシや鹿、ツキノワグマなどの目撃情報もあるため、野犬はいなくとも刺激すると危険な野生生物に行き遭う可能性は否定できません。
そーいえば、青木ケ原樹海で熊が目撃されたそうですねぇ。
気をつけなければ。#青木ケ原樹海#熊目撃情報 pic.twitter.com/UC3b2mHT31— neko「秘猿」hien (@Neko11921) June 20, 2021
2010年7月には、青木ケ原からも近い距離にある富士急ハイランドにツキノワグマが現れてニュースにもなっています。いるのかわからない野犬よりも、目撃情報がある熊のほうがよほど怖い存在です。
とくにツキノワグマは朝や夕方の薄暗い時間帯に活発に行動するので、この時間帯に1人で樹海に立ち入るのは避けたほうが無難でしょう。
青木ケ原の都市伝説③「樹海村」がある
[googlemaps https://www.google.com/maps/embed?pb=!1m18!1m12!1m3!1d2559.429000767244!2d138.6104526652533!3d35.47968808024175!2m3!1f0!2f0!3f0!3m2!1i1024!2i768!4f13.1!3m3!1m2!1s0x601be6e5e4325f6d%3A0x80adbb3d1c9ca828!2z57K-6YCy5rmW5rCR5a6_5p2R!5e1!3m2!1sja!2sjp!4v1655456011627!5m2!1sja!2sjp&w=600&h=450]
青木ケ原には自殺をしようとして死にきれなかった人たちが集まって暮らす通称・樹海村があるという都市伝説もあります。
樹海村というと2021年に公開された清水崇監督の映画『樹海村』のような、おどろおどろしい場所を想像しますが、実際に樹海のなかにあるのは、きちんと整備された集落・精進湖民宿村です。
精進湖民宿村はもともと、富士五湖の1つである精進湖の北側にあった「精進」という集落でした。しかし、1966年に水害が起きた影響で青木ケ原の樹海の中に移ることになったのです。樹海の中に移動した理由は、地盤が頑強で、もとの精進集落の場所からも近かったためだといいます。
移転した頃の精進集落には住民も多く、2011年までは小学校もありました。現在は住人も減少傾向にあるものの、集落のなかで10件程度の民宿が営業していることから精進湖民宿村と呼ばれています
樹海のなかの民宿というと、自殺志願者が訪れるのだろうか?と思う方も少なくないでしょう。しかし、実際には外国人観光客や青木ケ原の環境を調査に来た人、釣りやツーリング目的の人などが利用しているそうです。
ただ稀に自殺志願者と思しき人が精進湖民宿村を訪れることがあり、住民の方や民宿経営者の方が警察に連絡することもあるといいます。
なお樹海の近くで働く人達は、季節や天候にそぐわない服装をしている、荷物が極端に少ない、顔色や挙動がおかしいなどの要因から、なんとなく自殺志願者の見分けがつくそうです。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=g6sjVVp6I9U]
YouTubeにも上のような精進民宿村の様子を撮影してまわった動画が投稿されているので、どんな雰囲気の場所なのか知りたい方は視聴してみてはいかがでしょう。
青木ケ原の都市伝説④樹海には特殊な新興宗教の施設がある
青木ケ原、富士の樹海のなかにはカルト宗教の施設があるという噂も、かなり有名な都市伝説です。
もともと富士山には「富士講」という山岳信仰から生まれた民衆信仰があり、富士周辺の土地は宗教と浅からぬ縁がありました。
富士講では富士山の頂で御来光を拝むと穢れが消える、救われると信じられており、そこからさらに時代が下った1942年には、富士山周辺一帯を神域とする「大東亜建設忠霊神域計画」という計画も持ち上がります。
出典:http://carinobluedoll.blog28.fc2.com/
「大東亜建設忠霊神域計画」は幻に終わりましたが、第二次世界大戦後も富士山の周辺にはさまざまな宗教団体の道場や施設が集まるようになります。
そして、1989年に日本の犯罪史上に名を残すオウム真理教が富士山麓の上九一色村に進出してきたのです。オウム真理教は自分たちの宗教施設のサティアンを青木ケ原樹海のなかにも建てました。(樹海の一部は、旧・上九一色村の土地だったため)。
当然ながら現在ではオウム真理教関連の施設はすべて解体されています。しかし青木ケ原周辺には、オウム真理教が活動の拠点にしていた場所、地下鉄サリン事件で使用したサリンを製造した場所というイメージが残ってしまいました。
その影響で「富士の樹海のなかにはカルト宗教の道場がある」という噂が流れたのではないか?と考えられています。
また実際に、つい最近まで青木ケ原には「乾徳道場」という高齢男性が運営している宗教施設が存在しました。この乾徳道場の建物も「富士の樹海に新興宗教施設がある」という都市伝説の元になっているようです。
乾徳道場について、実はちょっとアレな事実を確認できたんだけど、さすがにアレなので、ツイッタでは沈黙しておくことにする。 pic.twitter.com/zfwFoaQq0n
— ハリジャンぴらの (@harizyan_pirano) August 21, 2021
樹海のなかに建つ一軒家の扉に、「祈りの言葉」が書かれた紙が貼ってあるため、乾徳道場に対して気味の悪さを感じる人も少なくないようです。
この道場はもとは富士講の修行施設であったもので、戦後に日蓮宗系の信仰を持つご夫婦が新たな借り主となって修練所として使っていたとされます。
そのため乾徳道場の周辺には富士講の祠や石碑、修行用の洞窟などがあり、事情を知らない人が見るとおどろおどろしい印象を受けるのかもしれません。
ただ乾徳道場の主である老人に直接話しを聞いたというルポライターの村田らむ氏によると、建物はきちんと賃貸契約を結んでいるうえ、道場に老人とその妻以外の人がいたことはなく、宗教団体というより老人の個人的な思想、信仰といった印象が強かったといいます。
そのため都市伝説として伝わっているような、危険な宗教団体ではないそうです。
なお乾徳道場は2009年7月1日放送の「ありえへん∞世界」にも登場していますが、2010年代前半の時点で宗教施設として使われなくなり、現在では空き家になっています。
青木ケ原の都市伝説⑤樹海の中は自殺者の遺体だらけ
青木ケ原で命を絶つ方が多いからといって、そこら中に遺体があるわけではありません。そのような状況であったら、ネイチャーガイドと一緒に樹海を散策するツアーなどは存在しないはずです。
ただ、青木ケ原に何度も通っている人のなかには、自殺者のものと思われる白骨死体を発見したという人も少なくないようです。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=spmZ2hru6MQ]
上の動画は先ほど紹介した精進湖民宿村で民宿のオーナーをしているYouTuberのマサヲさんが、実際に樹海のなかで遺体を発見した時のことと、警察に通報する際の様子を紹介しているものです。
マサヲさんは幼少時から精進湖民宿村に住んでいるため、過去にも何度か樹海で遺体を見つけたことがあるそうです。また動画を見ると警察の方々も、遺体を発見したという通報に慣れている印象を受けます。
青木ケ原に行ったら必ず遺体に遭遇するというわけではないものの、発見者になってしまう可能性はあると思っておいたほうが良いでしょう。
青木ケ原の都市伝説⑥樹海には地下通路がある
青木ケ原には大小さなざまな洞穴がありますが、有料で公開している洞穴の1つ、鳴沢氷穴の最深部の地獄穴は江の島の岩屋まで繋がっているという話があります。
鳴沢氷穴から江ノ島まではおよそ80kmの距離があるため、現実的に考えると地下で繋がっているとはとても思えません。
江ノ島側も「江ノ島伝説」として岩屋と鳴沢氷穴が繋がっていると伝えていますが、実際に地獄穴の奥がどこの通じているか調査されたことはないため、樹海の下の巨大地下通路はあくまでも伝説、伝承と考えられるでしょう。
青木ケ原の都市伝説⑦樹海には自殺志願者を狙う殺人鬼がいる
青木ケ原には自殺志願者をターゲットにした殺人鬼が潜んでいる、という都市伝説もあります。
自死を考えている人を殺しても罪にはならない、また樹海のなかで発見された死体の死因は自殺として処理される可能性が高いため、殺人マニアにとっては欲求を満たす最高の場所だというのです。
ただ青木ケ原の広さが30キロ平方メートル、そして1日に樹海にやって来る自殺志願者の数が1人に満たないだろうことを考えると、殺人鬼にとっても樹海に潜むメリットはないような気がします。
また相手が自殺志願者であっても手を下せばもちろん罪に問われますし、これまで樹海に遺棄された死体に事件性が認められ、殺人犯や死体遺棄犯が逮捕されたケースもありますので、警察が死因を探らないということもありません。
そのため殺人鬼が潜んでいるというのは単なる噂だと言えますが、「富士の樹海で変質者を見た」という話はネット上でも見かけるため、とくに女性は明るい時間帯であっても1人で樹海に入らないほうがよいかもしれません。
青木ヶ原(富士の樹海)で実際に起きた事件・事故
単なる都市伝説や怖い噂ではなく、青木ケ原が事件や事故の現場として報道されることも珍しくありません。ここでは近年、青木ケ原で起きた3つの事件、事故について紹介していきます。
青木ヶ原で起きた事件・事故①傷害致死と死体遺棄
2012年4月12日、当時41歳の男性を暴行のうえ殺害、遺体を青木ケ原に遺棄した疑いがあるとして愛知県に住む無職の男ら3名が逮捕されました。
被害者の男性が殺害されたのは2010年12月で、事件が明るみに出たのは加害者のうちの1人が「2年前に人を殺して、富士の樹海に捨てた」と警察に自首したためです。
供述にもとづいて捜査したところ、被害者男性のものと思われる白骨死体が見つかり、合計3人の加害者を逮捕することとなりました。
犯行動機は、被害者と加害者らが勤務していた風俗店で被害者男性が女性従業員の逃亡を手助けしたためだといいます。
被害者男性の殺害は風俗店でおこなったものの、「死体を隠すなら樹海がいいだろう」という理由で、わざわざ愛知県から遺体を運んだとことが供述によりわかっています。
青木ヶ原で起きた事件・事故②自殺幇助と女性の死体遺棄
2015年3月30日、不法投棄の監視をおこなっていた山梨県の職員が樹海のなかで女性の遺体を発見。7月2日に東京都に住む男がこの女性を殺害し、死体を遺棄していたことが判明しました。
加害者と被害者はネットの自殺志願者を募るサイトで知り合い、2人で心中を図ったものの被害者のみが亡くなり、加害者はそのまま自宅に戻って普段の生活をしていたといいます。
加害者は逮捕後、自殺幇助と死体遺棄の罪状で起訴されています。
青木ヶ原で起きた事件・事故③海外YouTuberが遺体をアップ
【悲報】海外の人気YouTuberが青木ヶ原樹海で撮影してたらガチ死体を発見。調子に乗って公開してしまい現在世界各国で炎上中。(動画は既に削除済み)
ショッキングな映像の為当方にてモザイク処理を行っております。 pic.twitter.com/FBZSBHFNg4
— モデルY (本物) (@NAMAZUrx) January 2, 2018
1500万人を超すチャンネル登録者を持つアメリカの大人気YouTuber、ローガン・ポールが2017年末に青木ケ原を訪れた際、首吊り自殺をした遺体を発見して大喜びで動画に収めて公開し、世界規模の炎上を起こしました。
動画に収められた遺体は顔にこそモザイクがかけられていたものの、首から下ははっきりとわかる状態でした。
映像のショッキングさと他人の遺体を「これはすごい!Youtubeの歴史に名を残すぞ!」と大はしゃぎで扱うローガン・ポールの配慮の無さに批判が殺到、動画はすぐに削除されました。
青木ヶ原(富士の樹海)での心霊体験・怖い話
この場所で命を絶つ方が多いためか、青木ケ原は日本全国でも屈指の心霊スポットとして知られています。ここではネット上にも数多く報告されている心霊体験と、樹海内の心霊現象多発地帯について紹介していきます。
青木ケ原の心霊スポット①国道139号線
静岡県富士市から東京都西多摩郡を結ぶ国道139号線。この道は青木ケ原を通過して静岡と西東京を結んでおり、深夜に国道139号線で青木ケ原を通りかかると以下のような心霊現象が起きることがあるようです。
- 夜中の道路沿いにニヤニヤ笑った人が一定の間隔で立っている
- 車の後部座席に白い服を着た女の霊が乗りこんでいるのが、ミラー越しに見えた
- 車のボンネットに人(霊)が落ちてきた
青木ケ原の心霊スポット②富岳風穴付近
樹海の入り口の1つでもある富岳風穴。深夜でも開いているうえ、整備された遊歩道が続くことから自殺志願者が使うことが多い入り口だといいます。
富岳風穴から樹海に入った自殺志願者はあまり遠くには行かず、比較的入り口から近くの、遊歩道から外れた場所を最期の場所に選ぶケースが目立つそうです。
そのせいか富岳風穴付近でも不思議な体験をする人が少なくありません。白い手に引っ張られた、夜中に風穴付近でうずくまっている女の子がいたので、心配して声をかけたら樹海の奥深くに走り去っていったなどの体験談が見られました。
なお、富岳風穴付近に限りませんが、「夜中に樹海のなかを通ったら女性の悲鳴らしきものが聞こえた、ひょっとして自殺者の霊かな?」という疑問もネット上で見かけましたが、これの正体は鹿の鳴き声かもしれません。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=0siOKfa8yec]
上の動画でも鹿の鳴き声が聞けるのですが、女性や子どもの甲高い悲鳴のような声を出しているのがわかります。
鹿は青木ケ原でも頻繁に目撃されている野生動物です。とくに発情期を迎える9~11月の時期にはこの声で鳴く個体が増えるため、夜間に聞こえる不気味な声の正体は鹿の鳴き声かもしれませんね。
映画「青木ケ原」のワンシーンに幽霊がいる?
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=rfSBoMDJ-wY]
2012年に公開された映画「青木ケ原」のワンシーンに、幽霊が写り込んでいると話題になりました。
問題のシーンは上の動画にある青木ケ原で遺体捜索をおこなう場面で、首から上がない人間のように見える黄色い物体が画面の左、木の陰にチラチラ見えているのがわかります。
このシーンでは主演の1人である矢柴俊博さんが黄色い服を来ているため、エキストラやスタッフにも黄色い服は着用しないように指導を徹底していたそうです。
当初は首を吊って亡くなった方の遺体が偶然入り込んでしまったのでは?とも考察されていましたが、人間だとすると身長が高すぎる、撮影前にスタッフが遺体に気づかないことなんてあるのか?と反論が出て意見が割れ、現在も黄色い物体の正体は不明なままです。
青木ケ原では生きた人間のほうが怖い?
青木ケ原では亡くなった人の霊よりも生きた人間のほうが怖い、明らかに怪しい人がうろついていて危険だという指摘もあります。殺人鬼やレイプ魔まではいかなくても、置き引きや変質者が樹海に潜んでいるのはあり得る話でしょう。
昼間に舗装された遊歩道を歩く、観光スポットの風穴や氷穴を訪れる程度であれば怖い思いをすることもないでしょうが、人気のない場所や夜間に樹海に入るのはやはり危険です。
鳴沢村の看板:ゴミの違法投棄がある模様 pic.twitter.com/Uvg5vpevV2
— SIRATORI Kazutaka (@gingakotei) May 5, 2018
不審者情報が多いためか青木ケ原の一部がある鳴沢村では、そこここに上の画像のような「不審者を見たら警察に連絡を」という看板が見られます。
青木ヶ原(富士の樹海)の落とし物
樹海のなかを歩いていると、持ち主はどこに行ったんだろう?なぜこんなものが?と思うような落とし物を見つけることも少なくありません。
少し前までは樹海のなかに置いてあるものというと、不法投棄された大型のゴミ(廃車や電化製品など)が多かったようですが、青木ケ原が世界遺産に登録されてからは巡回が厳しくなったこともあり、不法投棄は激減したといいます。
現在、樹海のなかの落とし物として目立つのが自殺者の方の遺品と思われるバッグや靴、上着などです。なかには樹海での自殺方法のページを開いた『完全自殺マニュアル』や睡眠薬の錠剤のシート状の空き容器など、より死を感じさせる落とし物もあります。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=pEDxb_ZSyWs]
上のように青木ケ原で見つけた落とし物をまとめて紹介する動画もあるので、興味がある方は視聴してみてはいかがでしょうか。
なお、樹海のなかには財布が落ちていることもありますが、中身は抜き取られて空になっているケースが非常に多いそうです。やはり遺品を漁りに来ている不審者がいるのかもしれません。
また自殺者の遺体を警察が回収する場合、首吊りに使ったロープはそのまま現場に残していくこともあります。そのため、靴などの落とし物が発見された場所の近くには、ロープがかかったままの樹があるかもしれません。
検索してはいけない言葉「樹海のおとしもの」とは
勉強になるサイト…。
『樹海のおとしもの』 pic.twitter.com/lup5xyrNTw— 翔じゃね? (@admjgptwadmd) May 28, 2015
「樹海のおとしもの」は、ネットで検索してはいけないと言われている言葉の1つです。2000年代の半ばまで実在したウェブサイトの名前なのですが、コンテンツの中に青木ケ原で発見した遺体の写真が含まれていたことから、2ちゃんねるで「ヤバいサイトがある!」話題になったのです。
「樹海のおとしもの」を運営していた方は、「樹海で死ぬことの悲惨さと壮絶さを伝えることで、自殺を考えている方に思いとどまって欲しかった」とサイトを開設した理由を明かしていました。
しかし2chで話題になったためか、サーバーの契約を更新せずに2005年にサイトを閉鎖しています。
現在でも「樹海のおとしもの」のアーカイブは残っているため、当時アップされていた写真を見ることはできます。ただ、白骨化が進んでいる途中の遺体の写真など衝撃的な画像もあるので、面白半分での閲覧はおすすめできない内容です。閲覧の際にはくれぐれもご注意ください。
青木ケ原(富士の樹海)のまとめ
この記事では富士山の麓にある青木ケ原、富士の樹海が自殺の名所と呼ばれる理由や都市伝説、心霊現象などをまとめて紹介しました。
日中の青木ケ原は遊歩道から外れずに歩けば道もなだらかで観光客も多く、決して危険な場所ではありません。しかし遊歩道を外れると急に道も険しくなり、100m先に進むのさえ難しい場所もあるといいます。
青木ケ原に行く際には人気のない方向に向かわず、順路を守って観光を楽しみましょう。