2000年代には大食い番組はいくつかあり、フードファイターたちが人気になっていましたが、最近「大食い番組を見ないな」「大食い番組、少なくなったな」と思っていませんか?
確かに、大食い番組は消えたと言われるほど少なくなっています。なぜ、大食い番組は消えたのでしょうか。大食い番組が消えた理由を探っていきましょう。
この記事の目次
大食い番組が消えた
出典:oricon.co.jp
1990年代~2000年代に大食い番組は人気でした。
人気大食い番組には、テレビ東京の「TVチャンピオン 全国大食い選手権」や「元祖!大食い王決定戦」、TBSの「フードバトルクラブ」などがあり、テレビ番組以外でも全国各地で大食い大会がたくさん開かれていました。
1990年代~2000年代初期は、一般視聴者が参加する大食い番組があり、そこから人気になったジャンボ白田さんなどはタレント活動を行い、大食いのカテゴリーを越えた活躍を見せています。
その後、中学生の大食い死亡事故が起こったことで、一時的に大食い番組は下火になりましたが、その後再び大食い番組が人気になり、菅原初代さんやアンジェラ佐藤さん、もえのあずきさんなどのフードファイターが人気になりました。
しかし、2023年に「デカ盛りハンター」のレギュラーが終了し、大食い番組は事実上消えてしまいました。(※デカ盛りハンターのスペシャルや有吉ゼミのコーナー企画はあり)
なぜ大食い番組が消えたのか?その理由を見ていきましょう。
大食い番組を「嫌い&不快」に思う人が続出
大食い番組が消えた理由の1つ目は、嫌い&不快に思う人が増えたことです。以前は大食い番組を見ていると、「たくさん食べていてすごい」とか「食べっぷりが気持ちいい」と感じる人が多かったのですが、現在は「大食い番組が嫌い」「大食い番組は見ていて不快」という人が増えました。
SNSでも嫌い&不快と思う人が多い
大食い番組を嫌い&不快と思う人は多く、SNSでもそのような意見が目立ちます。
大食い番組が嫌い。
食べ方が綺麗とか汚いとか関係なく、お腹が苦しくなっても食べるという行為には食べ物に対する敬意が感じられない。— えっさん@猫魂 (@yoshi_ikumi) September 4, 2023
https://twitter.com/Kouhei_leopard/status/1749381569167679696
大食い番組ってクソほど嫌いなんだよなぁ
— すばる (@subarulog2) July 26, 2024
以前とは異なり、大食い番組は嫌い。見ているだけで不快な気分になるという人が多くいます。これらの意見が多いということは、それだけ視聴者離れが進んだということでしょう。
芸能人でも「嫌い」と主張する人が多い
出典:crank-in.net
また、テレビに出演する側の芸能人の中にも大食い番組を「嫌い」とはっきり主張する人が出てきました。
黒沢年雄さんは「個人的には嫌い」とはっきり明言しました。
黒沢はこの話題に「誰が一番食べられるかのテレビ番組…賛否両論で話題ですが…個人的には嫌いだし、必要ないと思います」とピシャリ。
また、カズレーザーも大食い番組について「誰も得しない番組」と断言しています。
また、以前から大食い番組が「子どもの教育上よくない番組」と言われているにもかかわらず、いまだなくならない状況についても「なんで大食い番組って許されてるんですかね?」と疑問を投げかけていた。
引用:カズレーザー、「大食い番組は誰も得しない」に大反響! 「撮影現場で吐いてる」の暴露続出、中国では実質禁止に(2021/05/02 10:00)|サイゾーウーマン
このように世間一般でも、芸能界でも、「大食い番組は嫌い&不快」という声が大きくなってきました。
大食い番組を嫌い&不快に思う理由①:時代の価値観に逆行
大食い番組を嫌い&不快に思う理由の1つ目は時代の価値観に逆行していることです。
現代はSDGsなどに注目が集まり、フードロス対策が必要と言われるようになりました。一昔前に比べて「食べ物を捨ててはいけない」、「食べ物を無駄にしてはいけない」と思う人が増えたのです。
大食い番組では苦しそうにしながら、いやいや食べ物を口に押し込んでいますし、食べ残しも発生します。ため息をつきながら、苦しそうに顔をゆがめながら、せっかくの料理を口に運ぶ姿を見て、「食べ物への感謝を感じない」、「食べ物を粗末に扱っている」と感じる視聴者は多くいます。
大食いそのものが、まず健康に良くないですし、食べ物を粗末にしていると捉える人も少なくありません
引用:カズレーザー、「大食い番組は誰も得しない」に大反響! 「撮影現場で吐いてる」の暴露続出、中国では実質禁止に(2021/05/02 10:00)|サイゾーウーマン
「世界には満足に食べるものがない」、「食べたくても食べられない」という人がいる中、食べ物を無駄にすることもある大食い番組は、視聴者に受け入れられなくなったのでしょう。
大食い番組は変わりゆく価値観によって受け入れられなくなったため、不快に思う人が増え、消えたものと思われます。
大食い番組を嫌い&不快に思う理由②:嘔吐している
嘔吐していることをフードファイターが暴露
大食い番組を嫌いな理由の2つ目は、大食い番組の出演者が実は嘔吐していることが暴露されたからでしょう。
フードファイターの1人である梅村鈴さんは、ブログで大食い番組の出演者たちはみんな嘔吐していると暴露しました。
「食べても太らない体質みたい」
「胃から腸に流れる速度が早く、消化されずに排出している」
「胃の幽門が開きやすい」
「褐色脂肪細胞が活発で新陳代謝が異常に高いから太らない」
全て幻想。
怪物級に食べてもガリガリなのは、嘔吐で、消化吸収する前に出してしまうから。
過食嘔吐の量やタイミング、吐き出す技術に長けたごく一部の「ベテラン摂食障害者」のみが選ばれし「トップフードファイター」として華やかな世界で活躍できるのです。
そして、梅村さん自身も過食嘔吐の摂食障害であることを告白しています。
2010年11月には168cmで27kgしかないと公表しました。かなり危険な状態と思われます。
このブログは2011年1月で更新がストップしているので、その後梅村鈴さんがお元気な状態かは不明です。
コムドットも大食いで嘔吐
人気YouTuberのコムドットも大食い企画で嘔吐し、その様子を投稿したことがありました。
コムドットは「5人で5000キロカロリー食べきれ!」という企画で、お腹がいっぱいになり限界を迎え、嘔吐する様子を投稿しました。
「おえっ……」というやまとの声が上がり、嘔吐する描写こそないものの、「ヤバ動画の爆誕」と、確実に嘔吐したことを示唆するテロップが。しばらくして、今度はひゅうがに腹を圧迫されると、またしても嘔吐。「※絶賛マーライオン中」と字幕が入った。
引用:コムドット“嘔吐動画“に批判の声 ヒカル、HIKAKINら「鉄板YouTuber」たちが次々受ける“向かい風” | Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]
コムドットはフードファイターではなく、大食いはあくまでも企画の1つでしたが、それでも「食べ物を無駄にするな」とか「せめて嘔吐部分はカットしてほしい」などの声が挙がり炎上しています。
大食い番組では嘔吐するという記事もある
また、大食い番組のスタッフの暴露として、「大食い番組の出演者たちは嘔吐している」という内容の記事もたびたび出ています。
その番組の大食い企画にあるタレントが挑戦していたんですが、テーブルの下にバケツが用意されていて、口に入れたものを吐きまくっていたというんです。一気にかき込んだら、しばらくしたらそれをバケツに吐いてしまう――という調子だったそうで、現場でも“酷すぎる”“これだったらやらないほうがいいよ”という声も出たほどだったとか。
引用:(2ページ目) ギャル曽根以外はヤバい!!「全部リバース」“汚すぎる”大食い番組に大ブーイング!SDGsと真逆の非常識現場には業界からも憤りの声|ニュース|ピンズバNEWS
「この人たちはこの後嘔吐するのかも」と思ったら、視聴者が大食い番組を嫌いになるのは仕方がないかもしれません。
大食い番組を嫌い&不快に思う理由③:中国では放送禁止
大食い番組を嫌いに思う理由の3つ目は、中国では放送禁止になったことです。中国では2021年に「反食品浪費法」が成立し、大食い番組の放送や配信動画のアップロードが禁止されました。
中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は22日、食品の浪費を禁じる法案の審議に入った。飲食店が顧客に過剰な注文をさせたり、「大食い」を売りにしたテレビ番組や動画を流したりすることを禁じる。違反者には罰金を科すことのできる規定も盛り込んだ。
大食い番組を放送したり、配信したら、最高で約160万円の罰金が科されることになりました。
このように、中国で大食い番組が放送禁止になった背景には、メディアで食糧の浪費問題が取り上げられ、社会問題化しました。また、大食いの動画を配信している人が完食しているように見せて実は廃棄していることが暴露され、視聴者からの反発が強まったことなどがあります。
このように中国で大食い番組が放送禁止になり、そのニュースが報じられて日本でも食品ロスをやめるように声が強まったことが、大食い番組が消えた理由の1つと言えます。
大食い番組を嫌い&不快に思う理由④:フードファイターが死亡
大食い番組が消えた理由の4つ目は、フードファイターが死亡したことです。
2023年7月に大食いタレントとして活躍していた高橋ちなりさんが死亡しました。
高橋さんは昨年12月に自身のXで、「腰の圧迫骨折+拒食気味の為入院2週間目。」「ガンマGTP(肝臓)の値が平均は70とかなのに私2700とかで今度はそっちが原因で入院続くことになりました…」などと明かしていた。
引用:大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題|日刊ゲンダイDIGITAL
高橋ちなりさんは、拒食症とアルコール依存症の症状があり入院していました。大食いタレントが拒食症とアルコール依存症とは・・・。前述の梅村さんのケースもそうですが、大食いタレントは身体にだけでなく、メンタルにも大きな負荷がかかるのかもしれません。
大食いタレントが拒食症を患い死亡したとなると、大食い番組を不快に思う視聴者が増えるのは当然のことですよね。
また、海外では大食いインフルエンサーがライブ配信中やその翌日に死亡するケースも報告されています。
視聴者と交流しつつ大量の食べ物を食べるオンライン放送「モクバン」で著名だった中国出身の女性パン・シャオティンさんが、7月14日のオンラインチャレンジ中に帰らぬ人となった。
引用:24歳の“大食い女性インフルエンサー”ライブ配信中に死去 10時間で10キロの食べ物を胃に…/海外スターバックナンバー/芸能/デイリースポーツ online
ちなみに、大食いタレントの菅原初代さんも2023年に死亡していますが、菅原さんは拒食症など大食いに直結するような病気ではなく、大腸がんで死亡していますので、大食いと死因は関係していないと思われます。
大食い番組が消えた理由①:ルールが適当で成り立たない
大食い番組が消えた理由には、大食い対決のルールが適当で勝負として成り立っていないこともあるでしょう。
例えば、骨付きチキンが出て、骨にこびりついている肉もキレイに食べている人もいるのに、皮や肉が骨に残ったままで次の肉を食べている人もOK(スルー)している番組もありましたし、ラーメン対決ではどんぶりの中の食べ残しをチェックしなかったりと、杜撰なルールの中で番組が進められ、視聴者は「公平とは言えない」と疑問を持つこともありました。
また、日本人と外国人の大食い対決では日本人に有利な「海苔巻き」や「ラーメン」などのメニューが続き、視聴者をしらけさせることもあったんです。
《海苔や海藻類、消化できない人たちだったらどうするの?とかなぁ・・。今回の大会は外国人フードファイター潰しに見えたわ・・。決勝もラーメンとか外国人に食べにくいメニューとか・・。見たの後悔》
引用:(3ページ目)大食いはオワコン?テレ東番組トレンド入りも批判ズラリ 不満は「もったいない」だけじゃない|日刊ゲンダイDIGITAL
その他、しゃぶしゃぶを大食い対決のメニューにしたことで、時間制限に焦った挑戦者が、きちんと肉を加熱しないまま食べていたこともあり、安全面で疑問視する声も挙がています。
一昔前のルールもコンプライアンスも緩い時代であれば、大食い番組は気楽に見ることができていましたが、コンプライアンスが厳しくなったことで、視聴者の目も厳しくなり、いろいろと粗が目立つようになったものと思われます。
大食い番組が消えた理由②:テレビ番組の需要の定価
大食い番組が消えた理由の最後は、テレビで大食い番組を放送する必要性がなくなったということもあると思います。
人がたくさん食べているのを見ることに快感を感じる人は一定数います。だから、大食い番組はある程度需要はあるはずなのですが、視聴者離れが進んでいる理由は「テレビでなくても大食いを見られる」とことだと思います。
一昔前は大食い番組をテレビ以外で見るなんて考えられませんでした。でも、今はYouTubeで大食い動画を配信しているYouTuberはたくさんいます。YouTubeで「デカ盛り」とか「大食い」などを検索すると、たくさんの動画が出てきます。
大食いというコンテンツは、YouTubeの中でも人気コンテンツであり、再生数を稼ぎやすいし、低予算で誰でも簡単に動画を作成できるというメリットがあります。デカ盛りは見栄えもするし、YouTuberにとっては企画を考える必要がなく、ただ美味しそうに食べれば良いだけですので、考える必要も工夫する必要もありません。
視聴者にとっても、テレビで大食いを見るよりも、自分の好きなYouTuberが美味しそうに食べているのを見たいと思うはずです。YouTubeなどの動画配信なら、テレビのように視聴時間に縛られることなく、いつでも好きな時に見ることができますし。
だから、大食い番組を好きな視聴者はYouTubeに流れていったので、テレビの大食い番組の需要は少なくなり、結果として消えたということになります。
大食い番組を嫌い&不快に思う理由や消えた理由のまとめ
大食い番組を嫌い&不快に思う理由や消えた理由をまとめましたが、いかがでしたか?ギャル曽根さんのようにきれいに残さず食べる人ばかりであれば、大食い番組を不快に思う人は少ないのかもしれませんが、嘔吐するほどがむしゃらに大食いしている姿は見ていて気持ちの良いものではありません。
コンプライアンスが厳しいこの時代、大食い番組はなかなか難しいのかもしれませんね。