巨大物恐怖症は、巨大すぎる建造物や自然物を見ると恐怖を感じてしまう症状のことで、珍しい恐怖症とされています。この記事では巨大物恐怖症の診断画像や、なぜ恐怖を感じるのかの原因、巨大物恐怖症の芸能人や有名人を紹介します。
巨大物恐怖症の概要
怖い。
こういうデカいの怖い。
おっきい観音様とか大仏とか怖い。
遠くから見るのも怖い。
下から見上げるのも怖い。
ひゃあああってなる。
でも見るの好き。
同じ人いますか?
#巨大物恐怖症 pic.twitter.com/7HJc9sd4yf— パンダパンダパン子 (@pandaZOURYO) July 29, 2022
巨大物恐怖症とは、極めて大きな建造物や自然物を見ると異常なほどの不安や恐怖を感じる症状のことで、高所恐怖症や先端恐怖症のような恐怖症の一つです。60以上存在する多様な恐怖症のなかでも、比較的珍しい部類とされています。
巨像恐怖症とも呼ばれますが恐怖を感じる対象は仏像や彫像などだけではなく、重機や天体など多岐にわたり、主に以下の3つの区分にわかれます。
・メガロフォビア…大きなもの全般に恐怖を感じる。
・ルックアップフォビア…見上げるほど大きなものに対して恐怖を感じる。首を上にあげて巨大なものを見ることが特に苦手。
・ペディフォビア…人口の巨大造形物に対して特に恐怖を感じる。特に仏像など人間を模したものが苦手。
巨大物恐怖症の診断画像
巨大な建造物や自然物を目にする機会が少ない環境に住んでいる人のなかには、自分が巨大物恐怖症であることに気づいていない方もいるかもしれません。
ここでは巨大物恐怖症の方々が恐怖を感じるという画像をまとめて紹介していきますので、自分は大丈夫か診断してみてくださいね。
①牛久大仏
日本にある巨像のなかで、とくに怖い、無理という声がネット上で多く見られたのが茨城県牛久市にある牛久大仏です。
牛久大仏は全高120mと世界最大のブロンズ立像で、立像としても世界で6番目の大きさを誇ります。
この規格外の大きさだけでも巨大仏恐怖症の人にとっては衝撃なのですが、牛久大仏の怖さは牛久市内を歩いていたり、何気なく牛久を通る電車に乗っていたりすると、思いがけず目に入ってくるところ。
アングルによって印象も異なるので、SNSでは「この角度はまだ大丈夫だけど、こっちから見るのは無理」「足元が見えないアングルが怖すぎる」といった声も目立ちました。
②ジャンボ鯉のぼり
5月の風物詩として埼玉県加須市などで揚げられているジャンボ鯉のぼり。子どもの健やかな成長を願う鯉のぼりですが、これも巨大物恐怖症の人にとっては恐ろしいものに映ってしまいます。
風に煽られて巨大な物体が予想のつかない動きをするところに、とくに怖さを感じるそうです。
③マーキュリートレイン
マーキュリートレインとは、1930年代から60年代にかけてアメリカ国内を走っていた巨大な列車です。
アールデコを継承したデザインは芸術的価値が高く、現在もファンの多い車両なのですが、あまりにも大きいことから巨大物恐怖症の人にはデザイン以前に怖さを感じさせてしまようです。
④スコットランドのケルピーズ
エディンバラ近くにあるフォースバレーの街に建てられた、2頭の馬の頭部の彫像「ザ・ケルピーズ」。高さ30mという世界最大の馬の彫像です。
ウォーキングツアーも開催されている観光スポットですが、質感と頭部だけという特徴も相まって恐怖を覚える人も少なくないといいます。
⑤スポメニック
出典:https://dailynewsagency.com/
画像の巨大な建造物はクロアチアのザグレブにあるスポメニック(記念碑)で、第二次世界大戦の戦没者を追悼する目的で建てられたものです。
開けた高台にあり、900柱の遺体が眠っているだけあってひときわ巨大で目をひきます。
⑥ゴールデンブリッジ
ベトナムのダナンにあるゴールデンブリッジは、「神の手」と呼ばれる巨大な手が橋を支える印象的な建造物です。
標高1,400mのバーナーヒルズに架けられた橋であるため、高所恐怖症の人にとってもキツそうな場所です。
⑦モンスターマンション
中国や香港で見られる超過密・巨大集合住宅(モンスターマンション)に恐怖を感じる人もいます。
ただ、なかには純粋に建物の大きさが怖いわけではなく、「ここでの生活を考えるとゾッとする」という意味で怖がっている人も多いようです。
⑧村上隆の巨大像
カタールのプラス・ヴァンドーム・モールに展示されている、アーティストの村上隆氏を模した巨大像。実在の人物をモデルにした巨大像だけあって、とくにペディフォビアの人には厳しいようです。
⑨ダム
とにかく巨大なダムが怖いという人も少なくありません。ただ、ダムの場合は巨大建造物として怖い人と、ダムの穴が怖い「ダム穴恐怖症」の人の二通りがいるとされます。
⑩巨大重機
上の画像は、日立建機日本のEX8000という世界最大の油圧ショベルのものです。
大型の重機は「この大きさで動く」「こんなに巨大なのに走る」という要素が追加されるため、巨大物恐怖症の人にとっては「こっちに来たらどうしよう」という怖さをいっそう感じさせるといいます。
⑪インドの統一の像
出典:https://milliesaestatis.muragon.com/
インド統一の像はインド建国の父とされる政治家ヴァッラブバーイー・パテールを模した像で、全高182mと世界最大の立像です。
台座を含めると240mにも及び、その大きさはなんと自由の女神の約2倍。インドでは巨大立像の建設がブームになっているそうですが、現地の巨大物恐怖症の人々はたまったものではないでしょう。
⑫太陽の塔
大阪府吹田市の万博記念公園にある岡本太郎氏作の太陽の塔。頭が2つもあること、ライトアップされると目が光ること、下にある顔が怒っているように見えることから、巨大物恐怖症の人以外でもこの作品に恐怖心を覚える人は多い様子です。
⑬毛沢東像
中国・湖南省長沙市に建設された、若き日の毛沢東像。全高32mの像で、頭部のみのものであるため顔の詳細がわかること、地中から胴体が現れ像な不穏な気配がするところに恐怖を感じるという声がネット上では見られました。
なおこの鏡像、日本では「毛沢東より漫画家の荒木飛呂彦氏に似ている」ということで話題になったことがあります。
⑭宇宙での遊泳画像
人類史上初めて命綱なしでの宇宙遊泳を果たした、ブルース・マッカンドレス2世の画像です。この写真を撮った時、彼はスペースシャトルから約100mも離れた場所でたった1人で宇宙遊泳をしていました。
そのため、この画像は海外の掲示板で「最も恐ろしい宇宙写真」として話題になったこともあります。
⑮ヨセミテのハーフドーム
カリフォルニア州マリポサ郡のヨセミテ国立公園内にあるヨセミテハーフドームは、標高2,693mの花崗岩ドームです。
その特徴的な半球形はアウトドアブランド、ノースフェイスのロゴのモデルになったとされます。
⑯風車
風車が怖いと感じる巨大物恐怖症の人は多いようで、ネット上でも「風力発電の巨大な風車が一番怖い」という声が複数見られました。
風車に対しては先端の尖りが怖い(先端恐怖症)、羽が動いていると鋭利な刃物が回っているように見えて足がすくんでしまう、という人も多い様子です。
⑰天体
月や天体の写真も圧倒的な大きさを感じさせるものやスケール感のあるものであれば怖い、苦手という人もいます。
明らかに合成で作ったと思われる月や惑星の写真であっても、正視できないほどゾワッとしてしまうそうです。
巨大物恐怖症の原因・なぜ恐怖を感じる?
巨大仏恐怖症については研究途上であり、原因もまだはっきりと明かされていません。
不確かながらも現在の時点で有力視されているのが、太古からの遺伝、哺乳類の進化の過程に原因があるのではないかという説です。
哺乳類は恐竜が絶滅してから地球に登場したと思われがちですが、実は私たちの最も古い祖先は恐竜とともに生活していました。
最古の哺乳類とされているアデロバシレウスは、体長10〜15cmほどのネズミのような小さな生物で、三畳紀の後半に生息が確認されています。この小さな生物が見上げるほど大きな恐竜の恐怖にさらされながら着実に子孫を残し、進化を続けた結果、現在の私たちが誕生したわけです。
そのため巨大物恐怖症は、最初期の哺乳類が巨大な生物に感じていた恐怖や防衛心が遺伝子のなかに残っていることから、出てくる症状なのではないかと指摘されています。
また別の説では、幼少期に親や教師などの大人に激しい叱責や虐待を受け、トラウマを持ってしまった人が巨大物恐怖症になりやすいのではないかとも言われています。
巨大物恐怖症の克服方法
巨大物恐怖症の克服方法として有効とされているのが、無理のない範囲で巨大物やその画像を見て大きな物体に慣れることです。
巨大物恐怖症の人のなかには大きな彫像などを見ると「襲われそうで怖い」「こっちに倒れてきたらどうしよう」という恐怖を感じる人も多いとされます。
これらの恐怖が杞憂であり、「実際には巨大な物に襲われることはない」と脳に覚え込ませれば巨大物恐怖症を克服できるのではないかと考えられています。
巨大物恐怖症の芸能人・有名人
珍しい恐怖症のためあまり多くはありませんが、芸能人や有名人にも巨大物恐怖症の人はいます。ここでは巨大物恐怖症に悩まされている芸能人、有名人を紹介していきます。
安藤なつ
年齢聞かれたときに本来の年より一個上に言っちゃってそのまま暫く気づかないって事あるよね~じゃ仮面パーティでも行こうかしら。スマイルランドさん、ありがとうございます。魔法が解けませんように。 pic.twitter.com/O9on83Ii6M
— 安藤なつ(メイプル超合金) (@mapleandonatsu) July 28, 2017
お笑い芸人・メイプル超合金の安藤なつさんは極度の巨大物恐怖症だそうで、大きな仏像などはもちろんのこと、煙突、スワンボート、規格から外れた大きさのポストなど、ありとあらゆる「大きめ」のものに恐怖を感じてしまうのだといいます。
タイに行ってみたいけれど、巨大大仏が怖すぎてためらっているという悩みも持っているそうです。
トータス松本
ミュージシャンのトータス松本さんは「大きい大仏が怖い」とのことで、なかでも白い大仏やライトアップされた大仏に強い恐怖を感じることを公表しています。
トータスさんは閉所恐怖症も自覚しているそうで、「大きな彫像も圧迫感が無理なのかも」と語っていました。
田上よしえ
※顔面ケーキ後みんなで美味しくいただきました。 pic.twitter.com/B3oGiH25ah
— 田上よしえ🐾 (@TANOWAVE) December 27, 2022
2013年のR-1グランプリでファイナリストになった人力車所属のお笑い芸人、田上よしえさんも巨大物恐怖症であることを公表しています。
田上さんは過去に牛久大仏を見に行ったことがあるといい、感想は「気絶するかと思うほど怖かった」とのことです。
巨大物恐怖症についてのまとめ
今回は恐怖症の一つ、巨大物恐怖症の診断画像や原因、克服方法、この恐怖症を自覚されている有名人について紹介しました。
巨大物恐怖症は珍しい恐怖症のため、たとえば心の底から「大仏が怖い」と言ってもふざけているのかと誤解されてしまうこともあるようです。
もしも日常生活に支障が出るほど巨大物恐怖症に悩まされているという場合には精神療法による症状の改善も可能とされているため、どうしても治したいという方は専門の医療機関に相談してみるのもよいでしょう。