深谷大橋は、山口県と島根県の間にある深谷渓谷にかかるアーチ橋です。紅葉の時期には多くの観光客が集まりますが、日本で3番目に自殺者が多い「飛び降りの名所」でもあります。
今回は深谷大橋の場所や周辺で起きた事故や事件、心霊の噂について紹介します。
この記事の目次
深谷大橋とは【自殺の名所】
深谷大橋(ふかたにおおはし)は、山口県岩国市と島根県吉賀町の県境を流れる深谷渓谷にかかる赤いアーチ橋です。
全長は約100m、水面から橋までの高さは80mもあり、大きさでは西日本一を誇ります。1962年に竣工されました。
橋から臨むV字型の深い渓谷の景色は美しく、周辺に天然温泉などもあることから、とくに新緑や紅葉の時期には多くの観光客が訪れます。
また、かつては橋の欄干の外側にフェンスが設けられていなかったため、深谷大橋から谷底を眺めると足がすくむ、絶景とスリルを楽しめるスポットとしても知られていました。
出典:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/
欄干の外側のフェンスは転落防止のために2008年に設置されたものなのですが、事故による転落を防ぐ目的ではなく、飛び降り自殺を防止する目的で設置されたと見られています。
後述しますが深谷大橋は全国で3番目に自殺者が多い場所であり、これ以上、渓谷に身を投げる人が出ないようにと高いフェンスが設けらたのです。
深谷大橋の場所・行き方
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深谷大橋の島根県側の入り口は島根県鹿足郡吉賀町田野原にあり、山口県側の入り口は山口県岩国市錦町宇佐郷にあります。
車で向かう際は中国自動車道の六日市ICから、県道16号を深谷PA方面へ車で15分ほど走ると到着です。
なお、深谷大橋から徒歩30分圏内には鉄道の駅がありません。公共交通機関を利用する場合は蔵木線のバスを利用して、バス停「深谷大橋」で降りて歩くことになります。
深谷大橋はフェンス設置後も飛び降り自殺が起きている
2008年にフェンスが設置されたことで、深谷大橋から飛び降りることは不可能になったかと思われました。
このフェンスは高さ2.5mにも及び、網の目も間違って子どもが転落することを防げる程度に細かいため、衝動的に飛び降り自殺をする人は激減したと考えられています。
しかし、フェンスの横には人が通れる程度の隙間があり、自殺を目的に深谷大橋を訪れ、この隙間から渓谷に身を投げる人は現在もいるといいます。そのため現在でも橋の入口には絶えず花が供えてあるそうです。
途中寄ってきた深谷大橋は自殺の名所らしくいのちの電話の看板が。 pic.twitter.com/IZu45nKC8s
— sepiaman (@xfukuchanx) October 6, 2019
また島根県側の橋の入口には自殺の名所とされる観光地で見ることが多い、いのちの電話の看板も建ててあります。
さらに橋を渡っていくと、フェンスにゲートが取り付けられている箇所が見えてきます。
向こう側には何もないのに、なぜゲート?と不思議に感じられますが、このゲートは飛び降り自殺をした人の遺体を引き上げるためにあるのだそうです。
どちらの県の自殺者として計上するか判断が難しいケースもあるためか、島根県も山口県も、深谷大橋での自殺件数などは公表していません。
しかし、いのちの電話の看板や献花、さらにフェンスに転落者の痛い引き上げ用のゲートがついていることから考えて、現在もここでの自殺者は少なからず存在することが窺えます。
深谷大橋は心霊スポットとしても有名
深谷大橋周辺には自殺者の霊が漂っていて、仲間を探しているという噂があります。ネット上にも橋の欄干から渓谷を眺めていたら、後ろから押された感触があり、振り返っても誰もいなかったという体験談が複数見られました。
また、観光目的で行って自分でも心身ともに健康だと思う状態だったにもかかわらず、橋の上から下を覗き込んでいると、引き込まれるような、飛び込まずにはいられないような衝動を感じて慌てて橋を渡りきって離れた、という体験談もありました。
深谷大橋では事故や事件も起きていた?
深谷大橋では殺人事件や死体遺棄事件などの刑事事件は起きていません。
しかし2021年4月に、深谷大橋付近を1人で歩いている20代の青年を見かけた地元の70代の男性が、島根県警津和野署と連携を取りながら青年の保護に成功。同署から感謝状が贈られたというニュースが報じられました。
保護された青年は行方不明者として捜索願が出されており、彼を発見した男性は「表情を見て、これは深谷大橋から飛び降りるつもりかもしれない」と直感して、足止めを図ろうとしたといいます。
深谷大橋の周辺は毎日のように警察や消防が巡回していて、1人で来ていて、明らかにハイキングやツーリング目的ではないように見える人などには、職務質問をしているそうです。
ネット上でも「心霊動画が撮れるかと思って深谷大橋に行ったら、警察官に声をかけられた。正直に話したら怒られずにすんだが、ここで亡くなった人たちのために手をわせてもらえないか?と言われて、警察官と一緒に手をあわせた」といった書き込みがあり、警察官や地元の方に声をかけられることは珍しくない様子です。
飛び降りようとしている人はいないか、危なそうなことをしている人はいないか、自殺を防ぐために毎日、深谷大橋をパトロールしている警察や消防の方々の地道な活動には頭が下がります。
深谷大橋のような場所で飛び降りたくなるのは正常?
深谷大橋で橋の下を覗いていると急に飛び降りてみたくなった、自分は心が病んでいるのだろうか?それともここで亡くなった人の霊に呼ばれているのだろうか?という疑問がネット上でも複数見られました。
たしかに深谷大橋に限らず、見晴らしの良い高い場所にいる時にふと「ここから飛び降りたい」「飛び降りたらどうなるのか知りたい」と思ってしまう、という経験をした方は少なくないと思います。
やってしまったら命がなくなるかもしれない危険なことに魅力を感じてしまう現象を、フランスでは「ボイド(空虚)の呼び声」と呼ぶのだそうです。
2010年代のはじめにアメリカで、学生431人を対象に過去に1度でもボイドの呼び声を経験したことがあるか、という調査がおこなわれました。
すると自殺願望はまったくないと答えた学生の約半数が、ボイドの呼び声を経験したことがあると回答したのです。
つまり、深谷大橋のような下を見ると足がすくんでしまうような高い場所にいて、「落ちたら死ぬんだろうな、落ちてみたいな」という衝動に駆られるのは、自殺願望とは無関係の衝動だと考えられます。
また、2020年にボイドの呼び声について研究したルール大学ボーフムのトバイアス・テイスマン氏らは、「ボイドの呼び声は、脳の恐怖をつかさどる神経が出した危険信号を受け、体が無意識に危険から離れようとしたところで、脳が遅れて危険信号を受信することにより起きる誤認識ではないか」との見解を示していました。
体が危険信号に反応した後に脳がさらに体に指示を出すため、「この危険なことは、やってみたかったことなのだ」と誤認識してしまうというのです。
ボイドの呼び声が脳の誤解で起きているとすると、生きたい、危険を避けたいと潜在的に思っている人にこそ起きる現象といえます。
そのため深谷大橋から渓谷を覗いていて、突然「飛び込んでみたい」と思ってしまうことがあっても、至って健全な反応だと考えられるでしょう。
深谷大橋周辺の心霊スポット① かもめ荘(解体済み)
かもめ荘は島根県出雲市にある宿泊施設で、およそ40年前に閉業して以降、廃墟として残されてきました。
廃墟になってからは「もともとは結核患者の隔離施設だった」「霊能力者の宜保愛子も、かもめ荘のお祓いはできなかった」といった噂とともに、島根県最大の心霊スポットとして有名になっていきました。
肝試しに訪れる人も後を絶たなかったため、周辺の住民からは「治安が心配だ」との声もあがっていたといいます。
閉業後、かもめ荘の土地と建物は雲南市の建設会社がオーナーから引き継いで所有していました。しかし買い手が見つからないうえ、解体にも多額の費用がかかるために放置していたそうです。
ところが2021年8月末に事態は急転し、国からの補助金が採択されて現所有者の建設会社が解体に着手。2022年2月には解体が終了したとされます。
跡地がどう活用されるのかは正式なアナウンスはありませんが、もともと日本海が一望できる好立地ですから、キャンプ場になるのでは?との声もあるようです。
深谷大橋周辺の心霊スポット② 猪目洞窟
猪目洞窟は、出雲市猪目町の海岸沿いにある洞窟です。出雲国風土記に「夢に磯の窟の辺(猪目洞窟のこと)が出てきたら死ぬ。この穴は黄泉に通じている」という記載があり、不吉な場所とされています。
神話のなかの存在だと思われていた猪目洞窟が実際に発見されたのは、1948年のことです。
この場所で漁船の船置き場の拡張工事をおこなうために堆積土を運んでいた際に、どかした堆積土の奥から洞窟が現れたといいます。
しかも堆積土からは弥生時代から古墳時代のものと思われる人骨や副葬品が発掘され、その後の調査で猪目洞窟は墓所であったことが判明しました。
現在は予定通りに漁船の船置き場として使われているため、黄泉に続く穴、という荘厳な印象はあまりないようです。
しかし興味本位で立ち寄ると頭が痛くなる、熱が出るなど体に変調が出るという噂もあります。
深谷大橋周辺の心霊スポット③ 石見畳ケ浦
島根県浜田市の石見畳ケ浦は、1600万年前の地層を歩くことができる国の天然記念物です。波の浸食によってでてきたノジュールや約49,000㎡も広がる千畳敷と呼ばれる波食棚などが見られ、天然の博物館と称されるほど、地質学的に価値の高い場所とされます。
ここでハートの形のノムラナミガイの化石を3つ見つけると幸せになる、と言われており、現在では恋愛成就のパワースポットでもあります。
その一方で石見畳ケ浦は、潮の流れの関係で水死体が流れ着く場所であるために小さな祠が多く建立されており、古くから心霊スポットとしても有名です。
また千畳敷に向かう際に通る「賽の河原」という洞窟は、古今東西の水子の霊が流れ着く場所との伝承があり、洞窟内には観音菩薩像や石の塔、石の仏像などが並びます。
もとは水の事故で亡くなった子どもを供養するためにできた場所なのかもしれません。
しかし、現在では賽の河原は島根県で最も怖い心霊スポットと呼ばれており、「どこからか子どもの声がした」「洞窟内で写真を撮ると子供の霊が写りこむ」といった心霊現象が報告されています。
深谷大橋周辺の心霊スポット④ 佐波川ダム・佐波川トンネル
佐波川ダムは山口県山口市徳地野谷にある佐波川水系のダムです。そしてダムを渡った場所にある素掘りのトンネルが、佐波川トンネルです。
佐波川ダムでは建設時に死亡事故が起きたといい、敷地内にはその時に犠牲になった5名の作業員の慰霊碑が建立されています。
そのため亡くなった作業員の霊が出る、佐波川トンネルには手招きをする男性の霊が現れ、ついていくとダムの水底に連れて行かれるといった怖い噂が複数あります。
また実際に肝試しに行ったら、男性ではなく女性の霊に手招きされたという心霊体験もネット上では見られました。
深谷大橋についてのまとめ
この記事では島根県と山口県の県境にかかるアーチ橋、深谷大橋について、自殺の名所と言われる現在の様子や心霊体験などを紹介しました。
自殺者が後を絶たないことから対策としてフェンスが設置されたという深谷大橋ですが、地元の人達や観光客からは「このフェンスで安全が確保されるとは思えない。幼児はすり抜けられるのではないか?」「もっとしっかりと頑丈なものを設置してほしかった」との声もあがっているようです。
幅が広いものであっても、フェンスには飛び込み自殺の抑止に一定の効果があるとされています。しかし、現在も警察がパトロールしていることを考えると、せっかくの景観なのだし、何より自殺志願者に思いとどまってもらうためにも、完全に飛び込めなくするような柵はつけられなかったのだろうか?と疑問を感じます。