社員の平均年収2,200万円、年4回のボーナスなどの待遇で話題のキーエンス。就職したいという声があがる一方で、なんの会社なのかと訝しむ声もあがっています。キーエンスについて年収が高い理由、やばい、死亡と言われる理由を中心に紹介していきます。
この記事の目次
キーエンスはなんの会社?
キーエンスは大阪府大阪市東淀川区東中島一丁目に本社を構える、電気機器メーカーです。
センサーや各種測定器、3Dプリンタ、画像処理システムなど工場の自動化を図る製品を幅広く製造、販売しています。
近年、急に話題になったことから若い企業かと思われがちですが、前身のリード電機株式会社が創業したのは1974年のことで、現在の株式会社キーエンスという名称になったのは1986年です。
社員の平均年間給与は2000万円超、ボーナス年4回、30歳で家が建てられるなど、日本で一番年収が高い企業として知られます。
キーエンスはやばい?やばいと言われる理由① 年収が高すぎて怪しい
2023年2月発表時点のキーエンス社員の平均年収は、なんと2138万円。製造業のなかでは異例の高さです。
一般的に年収が高いとされている総合商社や金融業と比べても給与が高く、現在の時点ではM&Aキャピタルパートナーズ(3,161万円)に次いで、国内2位の平均年収と発表されています。
しかも、平均して入社7~8年目にはこの年収に到達するといい、2022年の発表ではボーナスも402万円と、東京エレクトロン、三菱商事に次いで国内3位です。
新卒でキーエンスに就職し、定年まで働いたと仮定すると、ざっと計算しただけで生涯年収はなんと7億円を超えます。
名の知れ渡った大企業よりも年収が高く、くわえてキーエンスは社員5,000人を抱える大企業。
そのため、どこからこれだけのお金が出てくるのか、怪しいと囁く声もネット上では多く見られました。
道端のおっちゃん3人が、「入社3年で1500万円もらえるキーエンスって会社があんだ」って話をしてた
怪しいおっちゃんだったし、多分詐欺だな— もうコン(元もうコンサルくん) (@fh24dzpHLZru7KX) September 23, 2023
キーエンスはやばい?やばいと言われる理由② 死亡するほど激務?
年収の高さから「30代で家が建つ」と言われるキーエンス。その一方で、激務ぶりを揶揄して「40代で墓が建つ」と言われています。
キーエンスで働いていた人の口コミによると組織体制はトップダウン、企業文化は体育会系で、合わない人はこれだけでも拒絶反応が出てしまいそうです。
ネット上ではキーエンスは激務でブラックという噂もありますが、どういった点がやばいと囁かれいるのでしょうか。
社員をGPSで追跡している?
キーエンスでは社員のスケジュール管理が徹底して厳しく、外出時には分単位で行動を報告しないといけないとのこと。GPS追跡もされているため、外回りで少しサボったりするとすぐにばれるといいます。
国内の企業の中ではいち早く社用車にドライブレコーダーを取り付けたとされますが、これも事故などを記録する目的ではなく、営業中に車の中でサボっていないかを監視する目的が主であり、疑われるような行動をした際には徹底的に調べられるそうです。
さらに普段のメールも上司が厳しくチェックしているといい、仕事中に無駄な行動をしていないか、効率的に成果を上げているか常に厳しく監視されているといいます。
ただ、これらの点については、「最初はそこまで管理されるの?と驚いたが、普通に働いてれば気にならない」「勤務時間中に働くのは当然のことなので」との声も見られました。
また、キーエンス側は一部の報道で伝わっているこれらの情報について以下のように語っており、「GPSで社員の管理はしていない」と否定しています。
一方、キーエンスの経営情報室長の木村圭一取締役は「カーナビのシステムにGPSはあるが、労務管理のためにGPSを営業車につけたり、利用しているというのはまったくのデマ」と主張する。
勤務時間が長い?過労死ラインを超えた残業がある?
ネット上では「そんなに給料が高いのなら、勤務時間が長かったり、休日が少なかったりしそう」との声もありますが、どうなのでしょうか。
休みに関しては年休自体は多いものの、月に1回は休日出勤することが暗黙の了解になっており、ほかに勉強会や研修、年2回の全社員休日出勤の日があり、実際の休みは少ないとのことです。
出勤は8時で退勤は21時半が基本で、これよりも早く帰れることもあれば、事前準備や営業のロールプレイングなどの研修で遅くなることもあるといいます。
勤務時間については「世間で思われるほどの長時間労働ではない」という口コミがある一方で、「30歳で家が建つと言っても、家族との時間を大切にできるような環境ではない。家族持ちにはつらい」「サービス残業も多いし、心身ともに健康でないと無理」といった声も見られました。
いずれにしてもキーエンスの残業時間は一般的に過労死ラインと言われている月80時間を超えているため、激務に耐えられずに退職する人や身体を壊す人がいても不思議ではありません。
また、社風が体育会系であるため飲み会が多く、業務後もプライベートな時間が持てない、オンオフの切り替えがうまくできないなどの理由で心のバランスを崩し、退職する人もいるといいます。
キーエンスはやばい?やばいと言われる理由③ OBが怪しい
キーエンスのOBの中には独立した人も多く、「元キーエンス」という肩書を掲げてスタートアップ業界で注目を集めている人もいます。
ただ、キーエンスのOBは怪しい、こんなに胡散臭い人間がOBを名乗って出てくるのだから会社も怪しいのではないか?という声もネット上では多く見られました。
キーエンスのOBが怪しいと言われるようになったきっかけは、おそらく2019年8月にあおり運転で逮捕された宮崎文夫宮崎文夫(当時43歳)かと思われます。
煽り運転での逮捕時、宮崎文夫は宮崎プロパティマネジメントと株式会社オマスという2つの会社を経営していました。
しかし経歴が明らかになると、大学卒業後にキーエンスに入社していたことが話題に。
ディーラーから借りたBMWであおり運転をした挙句、車から出てきた被害者の男性に暴言を吐いて殴る蹴るの暴行をくわえるという異質な行動が報じられて注目を集めた犯人がキーエンスのOBだったことから、「こんな変な奴を雇う会社も怪しい」と囁かれたのです。
ただ、宮崎文夫はキーエンスをわずか1年で退社しているうえ、元同僚からも「会社でも浮いていた」「営業成績が抜き出て悪く、そのくせビックマウスで付き合いづらかった」との証言も出ているほど会社に馴染めていなかったといいます。
そのため宮崎文夫のような素行の悪いOBがいるからキーエンスが怪しい、というのは行き過ぎた批判のような気もします。
キーエンスはやばい?やばいと言われる理由④ 離職率が高い?
待遇が良くともキーエンスの離職率は高いと噂されており、「同期の8割が激務に耐えられずに辞めていった」という声もあります。
平均年齢35.8歳、平均勤続年数の12.1年と発表されており、定年まで働く社員が非常に少ないことからも「ブラックだから社員が定着しないのではないか?」と囁かれているようです。
キーエンスで働くと営業力がつく、ファーストキャリアには最適な職場と言われることがある一方で、「完成されている営業手段を頭に入れて遂行するだけなので、マニュアル通りの仕事しかできない」「発展性がない」との口コミも見られました。
また、マイクロスコープ事業部などは一機種のみを任されるため、毎日同じことの繰り返しになるうえ、押し売りのようなしつこい営業をすることになるといいます。
ネット上でも、キーエンスの営業がしつこくて辟易したという声は多く見られました。
KEYENCEの営業凄いな。営業電話くるたびに着信拒否にしていたら、8時20分に会社に来たとようだw
まだ自宅なので顔合わせてないけど。
KEYENCEさんしつこいので迷惑してます。そのくらい押さないと売れないんだろうけどさぁ。— 森本安宏@ばね屋💉x0 (@yume657) August 28, 2023
社員側も「型にはめる式の営業だから、とくに若手社員のモチベーションが上がりにくい」「ノルマが厳しすぎて、上場企業とは思えないような営業をせざるを得なかったのがつらい」など、仕事内容に不満を感じる人は少なくないようです。
そのため世間からは高給取りのエリートというイメージがあるにもかかわらず、やっている仕事は同じ商品の押し売り営業というギャップに慣れずに退職する人も多いとのこと。
転職市場ではキーエンスの元社員は人気が高いため、やりがいやスキルを求めて退職する人が多いとされています。
キーエンスの営業が凄いと言われる理由
キーエンスの強さは社員の営業力だと言われています。キーエンスの営業には以下の3つの特徴があるとのことです。
・飛び込み営業、接待なし
・再現可能性をつきつめる
・カリスマ経営ではない
これらの特徴について詳しく見ていきながら、キーエンスの営業がなぜ凄い、特徴的だと言われるのか説明していきます。
飛び込み営業、接待なし
「営業の電話がしつこい」という声から、キーエンスでは飛び込み営業をしているのだろうなという印象を受けますが、実際には1980年代から一貫して飛び込み営業は行っていないのだそうです。
また、取引先への接待も行っておらず、飛び込み、接待をしないことで営業に関する支出を抑えているといいます。
再現可能性をつきつめる
キーエンスの営業は毎日の自分の行動や社会の動向などを細かく記録にとっておき、どういった時に受注がとれる傾向にあるのかを分析しているのだそうです。
さらにこのデータは自分だけが利用するのではなく、社員間で共有することで部署全体の成績をあげるのだといいます。
キーエンスでは営業に関して「スーパースターは必要ない」というスタンスで、少数の優れた社員が売り上げを伸ばし、会社をけん引していく必要はなく、社員全員が一丸になって会社を底上げしていくという方針をとっているとのこと。
成功した営業の手法を全員でシェアすることで、「社員の誰が行っても再現できる営業」を確立し、効率よく成果が出せるようになっているとされます。
カリスマ経営ではない
「スーパースターは必要ない」という理念は社員のみならず経営者にも適用されているといい、キーエンスでは上層部が変わったからといって経営に変化が出ないよう、経営者にもカリスマ性がある必要はない、というスタンスをとっているそうです。
1974年の創業以降、キーエンスは4回社長が代替わりしているのですが、どの社長も先代社長の考えにとらわれすぎることなく、時代にあわせて柔軟な経営方針を採用しているといいます。
また、このような方針をとることで「今の社長が退任したら後継者をどうしたらいいのか」といった後継者問題とも無縁という強みもあります。
キーエンスの年収はなぜ高い?
上記のように効率化した営業手法を社員全員が同じように行うことにより、キーエンスは無駄な時間やコストを省いて売り上げを伸ばしてきたとされます。
2022年度3月期の発表ではキーエンスの社員1人あたりの売上高は約8710万円にも上るといい、これを還元することで高い年収が実現しているのです。
キーエンスの給与は基本給に、業績にあわせて2~8までの段階にクラス分けされた業績連動賞与が毎月加算されて支払われるといいます。
OBの口コミによると、基本給だけならば同業他社の給与と大差なく、この業績連動賞与が大きいのだそうです。
また、現役で働いている最中に多くの給与を支払う一方で、退職金があまり出ないという特徴もあるとのことです。
キーエンスについてのまとめ
今回は「日本一給料が高い会社」として話題になっている株式会社キーエンスについて、やばいと言われる理由や、年収が高い理由を中心に紹介してきました。
ネットで囁かれているようなブラックな社風ではないものの、いくら給与が高くても長く勤務するのは無理だと感じる人も少なくないというキーエンス。経済原則が重要視されるという社風が肌に合う人にとっては、最高の職場なのかもしれません。