関東の有名温泉地の1つである鬼怒川温泉。鬼怒川温泉に行ったことがあるという人も多いと思います。そんな有名な温泉地の鬼怒川温泉は、今「温泉地」としてではなく「廃墟群」として話題になっているんです。
鬼怒川温泉が廃墟になった理由や廃墟一覧、鬼怒川温泉の廃墟の衝撃度ランキングをまとめました。
この記事の目次
- 鬼怒川温泉は廃墟群で有名
- 鬼怒川温泉が廃墟だらけになった理由
- 鬼怒川温泉の廃墟一覧
- 鬼怒川温泉の廃墟の衝撃度ランキング:第10位 旧藤原町消防署
- 鬼怒川温泉の廃墟の衝撃度ランキング:第9位 旧藤原町役場
- 鬼怒川温泉の廃墟の衝撃度ランキング:第8位 京成電鉄鬼怒川保養所
- 鬼怒川温泉の廃墟の衝撃度ランキング:第7位 マンショングリーンパレス
- 鬼怒川温泉の廃墟の衝撃度ランキング:第6位 岩風呂水明館の太鼓橋
- 鬼怒川温泉の廃墟の衝撃度ランキング:第5位 鬼怒川グリーンパレス
- 鬼怒川温泉の廃墟の衝撃度ランキング:第4位 鬼怒川観光ホテル 東館
- 鬼怒川温泉の廃墟の衝撃度ランキング:第3位 元湯 星のや
- 鬼怒川温泉の廃墟の衝撃度ランキング:第2位 鬼怒川第一ホテル
- 鬼怒川温泉の廃墟の衝撃度ランキング:第1位 きぬ川館本店
- 鬼怒川温泉で廃墟になりかけたホテル ニューおおるり
- 鬼怒川温泉の廃墟のまとめ
鬼怒川温泉は廃墟群で有名
鬼怒川温泉は、栃木県日光市にある鬼怒川沿いにある温泉地です。熱海や箱根と並び「東京の奥座敷」と言われている有名温泉地で、年間200万人の観光客・温泉客が訪れています。
しかし、現在は温泉地と同時に廃墟群としても有名になっています。大型ホテル・旅館が廃業していて、そこが取り壊されずに廃墟として残っていています。しかも、鬼怒川温泉の場合、ほかの温泉地とは違い、廃墟となったホテル・旅館が固まって並んでするんです。
・鬼怒川沿いに建っているので、自然の美しい風景とのコントラストが秀逸
この2つの理由から、鬼怒川温泉は廃墟群として有名になってしまったんです。また、近年の廃墟ブームに乗って2019年に各局のワイドショーが鬼怒川温泉の廃墟を特集したことで、さらに「鬼怒川温泉=廃墟」というイメージが強くなりました。
鬼怒川温泉が廃墟だらけになった理由
出典:twitter.com
有名温泉地で東京の奥座敷と呼ばれていた鬼怒川温泉は、なぜ廃墟だらけになってしまったのでしょうか?
鬼怒川温泉は1929年に電車が通るようになって、温泉地として発展していきました。高度成長期に入ると、団体旅行客が増え、それに対応できる大型リゾートホテルに改築する旅館が増えていきました。そして、日本はバブル期に突入します。
バブル期になった鬼怒川温泉はさらに大型ホテル・旅館が増え、ホテルもどんどん設備投資するようになりました。
そして、バブルは崩壊し、日本は大不況に陥ります。温泉客の客足は減り、さらに時代の移り変わりで団体客も減少したため、鬼怒川温泉のホテル・旅館は経営が悪化していきます。今までの投資分を回収することができなくなり、破産が相次いだのです。
また、2011年3月11日に発生した東日本大震災と福島原子力発電所事故の影響で、「福島に近い温泉地だから」という風評被害が出て、客足はさらに落ち込みました。また、周辺の観光施設も閉園するところが増え、さらに客足が減りました。
このような理由で、廃業した鬼怒川温泉のホテル・旅館は増えていったんです。そして、解体するお金もないという理由から廃業になったホテルが・旅館が廃墟になっています。
鬼怒川温泉の廃墟一覧
鬼怒川温泉には色々な廃墟がありますが、廃墟となった建物を一覧でまとめました。
・鬼怒川第一ホテル(現存)
・元湯 星のや(現存)
・鬼怒川観光ホテル 東館(現存)
・伊東園ホテル鬼怒川グリーンパレス(現存)
・岩風呂水明館の太鼓橋(現存)
・マンショングリーンパレス(現存)
・京成電鉄鬼怒川保養所(現存)
・旧藤原町役場(解体済み)
・旧藤原町消防署(解体済み)
この鬼怒川温泉の廃墟を見るとわかりますが、鬼怒川温泉は温泉旅館やホテルだけではなく、旅館やホテルの周辺にある建物・施設も廃墟になっているんです。
鬼怒川温泉の廃墟の衝撃度ランキング:第10位 旧藤原町消防署
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旧藤原町消防署
住所:栃木県日光市藤原1
閉鎖時期:2016年3月15日
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旧藤原町消防署は現在は更地に
鬼怒川沿いにあり、鬼怒川観光ホテル東館のすぐ近くに旧藤原町消防署はありました。
2006年に日光地区消防組合・今市市消防本部・藤原町消防本部を統合し、日光市消防本部を開設されましたが、その後も藤原町消防署として残っていました。
しかし、2016年3月に建物・設備が老朽化したことがあり、藤原町消防署は鬼怒川温泉駅近くの日光市鬼怒川温泉大原1419-2に新築移転したため、藤原町消防署は廃墟となりました。
2018年ごろまでは旧藤原町消防署は廃墟として残っていましたが、現在は既に解体されていて、跡地は完全な更地となりました。
鬼怒川温泉の廃墟の衝撃度ランキング:第9位 旧藤原町役場
出典:twitter.com
旧藤原町役場
住所:栃木県日光市藤原1
閉鎖時期:不明(2016年3月?)
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旧藤原町役場は現在は更地に
旧藤原町役場は、鬼怒川沿いにあり、先ほど紹介した旧藤原町消防署の隣に位置していました。鬼怒川観光ホテル東館の近くで、鬼怒川温泉の有名な廃墟群のすぐ近くです。
藤原町は2006年3月に日光市・今市市・足尾町・藤原町・栗山村が合併して、日光市となりました。それを機会に旧藤原町役場は事実上消滅しています。しかし、建物は日光市藤原総合支所として使われていましたが、日光藤原総合支所は鬼怒川駅前に新築移転しています。
この旧藤原町役場は2018年ごろまでは廃墟として残されていましたが、現在は旧藤原町消防署同様に解体されて更地になっています。おそらく、消防署の移転と同時期に、新しい建物に移転したと思われます。
鬼怒川温泉の廃墟の衝撃度ランキング:第8位 京成電鉄鬼怒川保養所
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京成電鉄鬼怒川保養所
住所:栃木県日光市鬼怒川温泉滝859‐2
閉鎖時期:2008年?
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京成電鉄鬼怒川保養所は現存している
京成電鉄鬼怒川保養所は、2008年ごろに廃墟となっていますが、現在でも建物はきれいな状態で残されていますし、外側から見る限り、そこまで「廃墟」という雰囲気はありません。
建物は残されていて保存状態は良いものの、京成電鉄の保養所のウェブページには鬼怒川保養所はありませんので、現在は使われておらず、廃墟となっています。
鬼怒川温泉の廃墟の衝撃度ランキング:第7位 マンショングリーンパレス
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マンショングリーンパレス
住所:栃木県日光市鬼怒川温泉滝859-30
閉鎖時期:2013~2018年の間
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マンショングリーンパレスは廃墟になった
マンショングリーンパレスは国道121号線沿いにあるマンションで、先ほど紹介した京成電鉄鬼怒川保養所の隣にあります。
マンショングリーンパレスは2013年ごろまでは人が住んでいたようですが、2018年にはすでに閉鎖となり廃墟となっていて、賃貸物件も出ていません。7階建てもマンションで、2~7階が居住地域となっています。
このマンショングリーンパレスは、このランキング5位の鬼怒川グリーンパレスの関連施設という情報もあります。立地も非常に近いですので、もしかしたら従業員の寮・社宅として使われていて、鬼怒川グリーンパレスの廃業に伴って、このマンショングリーンパレスも廃墟になったのかもしれません。
鬼怒川温泉の廃墟の衝撃度ランキング:第6位 岩風呂水明館の太鼓橋
出典:ameblo.jp
岩風呂水明館の太鼓橋
住所:栃木県日光市藤原
閉鎖時期:2000年
出典:ameblo.jp
橋だけが残る不思議な廃墟
岩風呂水明館の太鼓橋は、鬼怒川にかかるくろがね橋のすぐ近くにある廃墟です。
岩風呂水明館は、くろがね橋のすぐ近くの鬼怒川沿いに建っていた温泉旅館でした。お城のような10階建ての複雑な造りの建物が建っていましたが、2000年に廃業して閉館しています。
建物自体は廃業後もしばらく残っていて廃墟となっていましたが、2006年に解体しています。しかし、なぜか太鼓橋だけは残されていて、くろがね橋から太鼓橋を見ることができます。
太鼓橋は岩にっくっついたように作られているので、解体するのが難しく(面倒くさく?)、太鼓橋だけ解体せずに残されたのかもしれません。
鬼怒川温泉の廃墟の衝撃度ランキング:第5位 鬼怒川グリーンパレス
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鬼怒川グリーンパレス
住所:栃木県日光市鬼怒川温泉滝857-1
閉鎖時期:2015年12月
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鬼怒川グリーンパレスは現存する廃墟
鬼怒川グリーンパレスは鬼怒川沿いに建つ客室は119室(定員680名)大型ホテルでした。鬼怒川沿いの中でも目立つ場所に建っています。
鬼怒川グリーンパレスは、1970年代からあさやグリーンパレス株式会社が運営していましたが、2008年11月30日に鬼怒川第一ホテルが廃業になったことに伴い、伊東園に経営権が渡り、リブランドして、「伊東園ホテル鬼怒川グリーンパレス」として再出発しました。
しかし、2015年12月1日に耐震工事・設備点検のために営業休止となって以降、ずっと営業することなく現在に至っています。工事をしている様子もなく、ホテルは営業停止のまま。さらに、すぐ近くにあるマンショングリーンパレスも廃墟となっていますので、事実上廃業となっています。
また、廃業後の建物は廃墟となっていますが、2015年までは営業していたこともあり、外観は比較的きれいな状態で残されています。
鬼怒川温泉の廃墟の衝撃度ランキング:第4位 鬼怒川観光ホテル 東館
出典:google.com
鬼怒川観光ホテル 東館
住所:栃木県日光市藤原1
閉鎖時期:2008年
出典:google.com
鬼怒川観光ホテル東館は鬼怒川温泉廃墟群の一角
鬼怒川観光ホテル東館は、鬼怒川沿いにあり、写真などで有名な鬼怒川温泉の廃墟群の一角を作り上げているホテルです。
鬼怒川観光ホテル東館はあのホテルチェーンで有名な岡部ホテルグループが運営していたホテルで、1953年に開業しました。
当時の鬼怒川温泉駅の駅前という好立地だったが、1964年に鬼怒川温泉駅が現在地に移動してしまい、駅から約1kmも離れてしまったために、客足が遠のき、2008年には廃業し廃墟となりました。
現在も建物は残っていますが、看板が取り壊されたり、窓ガラスが割られたりしています。
鬼怒川観光ホテルは現在、別館だった場所が「鬼怒川観光ホテル」として営業していて、西館はすでに解体しています。
鬼怒川温泉の廃墟の衝撃度ランキング:第3位 元湯 星のや
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元湯 星のや
住所:栃木県日光市藤原2
閉鎖時期:010年秋
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元湯 星のやは源泉かけ流しだった廃墟
元湯 星のやは鬼怒川観光ホテル東館の隣に位置していた温泉旅館です。
規模は客室が24室とそれほど大きくないものの、鬼怒川温泉では源泉かけ流しの温泉で、鬼怒川沿いの景観も素晴らしく、温泉ファンからは人気がある温泉旅館でした。
2010年秋ごろには廃業していますが、建物はそのまま残されていて廃墟となっています。
しかし、オーナーが住んでいるという情報もあり、外観はそこまで「廃墟」となっているわけではありません。実際、Googleのストリートビューでも軽自動車が映りこんでいることもあり、住んでいるかどうかは不明ですが、人の出入りは定期的にあるようです。
鬼怒川温泉の廃墟の衝撃度ランキング:第2位 鬼怒川第一ホテル
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鬼怒川第一ホテル
住所:栃木県日光市藤原2
閉鎖時期:2008年11月30日
出典:google.com
鬼怒川第一ホテルは鬼怒川温泉の代表的な廃墟
鬼怒川第一ホテルは、鬼怒川温泉の廃墟の中でも代表的な存在の廃墟です。
鬼怒川第一ホテルは鬼怒川沿いに建っています。
1956年にあさやホテルの支店としてオープンし、「鬼怒の八湯」と呼ばれる八つの温泉が人気となりました。しかし、2006年には集団食中毒が発生し、営業停止処分を受けることになりました。
その後、あさやホテルは2004年に産業再生機構を受けるほど経営が悪化し、2008年11月30日で鬼怒川第一ホテルは廃業しています。廃業後も建物は残されていて、廃墟となっています。道路側から見ると、そこまで荒廃した印象は受けませんが、鬼怒川に面しているところは「廃墟」という言葉にふさわしい不気味な外観となっています。
鬼怒川温泉の廃墟の衝撃度ランキング:第1位 きぬ川館本店
きぬ川館本店
住所:栃木県日光市藤原2
閉鎖時期:1999年6月
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きぬ川館本店は鬼怒川温泉で最も不気味な廃墟
きぬ川館本店は戦前の1942年に星堯が創業した温泉旅館です。鬼怒川の流域内に「かっぱ風呂」を作り人気の旅館となりました。
しかし、団体客に特化した構造にするために巨額の投資をしたため、バブル崩壊後は一気に経営が傾き、1999年には倒産しました。きぬ川館本店がが鬼怒川温泉で初めて倒産した旅館です。
廃業後は、廃墟としてそのまま残されています。
2012年のテレビアニメ「未来日記」ではこのきぬ川館本店の外観が忠実に再現されました。また、ワイドショーでは鬼怒川温泉の廃墟を紹介する時に、きぬ川館本店がクローズアップされることが多く、鬼怒川温泉の廃墟と言えばきぬ川温泉というイメージがつきました。
現在は所有者と連絡が取れない状態で、建物の一部が崩れ落ちていますが、解体することも尾できず、そのまま放置されたままとなっています。
鬼怒川温泉で廃墟になりかけたホテル ニューおおるり
ホテル ニューおおるり
住所:2021年8月31日
閉鎖時期:栃木県日光市鬼怒川温泉滝37
ホテルニューおおるりは廃墟を回避!
ホテルニューおおるりは、栃木、群馬、静岡3県で温泉ホテル・旅館12館を展開する「おおるりグループ」が経営していましたが、2021年8月31日に閉館しました。
このままホテルニューおおるりも鬼怒川温泉の廃墟となるのかと思われていましたが、2022年6月に奇跡の再オープンを果たしました。ホテルニューおおるりは格安の料金プランが人気のホテルです。
外はやや古ぼけていますが、内装はキレイとの口コミが多いです。
ただ、再オープンしたものの、新型コロナウイルスの流行は終わっていませんから、どこまで持ちこたえられるか?廃墟になってしまうのか否かに注目が集まっています。
鬼怒川温泉の廃墟のまとめ
鬼怒川温泉に廃墟群ができた理由や鬼怒川温泉の廃墟一覧、鬼怒川温泉の廃墟の衝撃度ランキングをまとめました。新型コロナウイルスの流行によるダメージで、さらに今後廃墟が増えていくかもしれません。
廃墟ブームに乗って、廃墟マニアに人気の鬼怒川温泉ですが、廃墟を見学する時にはルールを守って、許可なく勝手に敷地内に入らないようにしてください。廃墟めぐりをする時には、敷地外から見学するようにしましょう。