熊本三大心霊スポットの1つ「旧佐敷トンネル」で実際に撮影された心霊動画が話題です。
この記事では旧佐敷トンネルの詳細な場所や造られた歴史、落盤事故の噂や肝試しの若者が何かに足を引っ張られた動画、実際にあった怖い話や人気心霊スポット化している現在などについてまとめました。
この記事の目次
旧佐敷トンネルは熊本県の3大心霊スポットの1つ
「旧佐敷トンネル(きゅう・さしきとんねる)」は、熊本県有数の心霊スポットで、「熊本3大心霊スポット」の1つにも数えられている場所です。(後の2つは阿蘇大橋と田原坂)
この旧佐敷トンネルは、煉瓦積みと石造で作られた古いトンネルでどこか不気味な雰囲気があり、過去に落盤事故で死亡者が出たという噂や、心霊現象の噂も多くあった事などから、元々九州では有名な心霊スポットとして知られていました。
近年になって肝試しに行った人がインターネット上に動画などを公開する事が増え、人気YouTuberにも紹介された事などによって全国的にも有名な場所になっています。
ここでは、この心霊スポット・旧佐敷トンネルについて紹介していきます。
旧佐敷トンネルの場所【地図あり】
心霊スポット「旧佐敷トンネル」のある場所は、佐敷太郎峠という峠道上です。この佐敷太郎峠は、佐敷(芦北町側)から海浦(うみのうら、田浦町側)方面へと抜けるための峠道で、江戸時代に整備された薩摩街道上に位置しかつての国道3号線で、南北に抜ける交通路として使用されていました。
その後、新たに国道3号線が開通し、1965年に新佐敷トンネルが完成したため、現在は国道3号旧道や、旧佐敷トンネルを通り抜ける人や自動車はほとんどありませんが、現在も通行可能なので自動車で旧佐敷トンネルを通り抜ける事が可能です。
佐敷太郎峠に入るためには、佐敷方面からなら「熊本県葦北郡芦北町道川内158」付近にある登り口から入っていけます。途中1つだけ分かれ道がありますが、大きい方の道とは逆の山道の方へと入って行けば、あとは旧佐敷トンネルまでは1本道です。
海浦方面から旧佐敷トンネルのある場所まで行くことも可能ですが、こちらからだといくつか分かれ道があって迷いやすいので佐敷方面から行った方が良いでしょう。
なお、旧佐敷トンネルの場所は住所では「熊本県葦北郡芦北町白岩」付近となります。
また、あまりオススメはできませんが徒歩で行く事も可能で、肥薩おれんじ鉄道線の海浦駅からなら徒歩約19分、肥薩おれんじ鉄道線佐敷駅からなら徒歩約32分ほどで旧佐敷トンネルのある場所までたどり着けます。
旧佐敷トンネルの歴史
旧佐敷トンネルの歴史についても見ていきます。
旧佐敷トンネルは、正式名称は「佐敷隧道」といい、明治36年(1903年)に開通しています。長さは434m、幅は5.5mで、当時としてはかなり規模の大きなトンネルでした。(当時の時点で国内で6番目、九州で2番目の長さ)
旧佐敷トンネルのある薩摩街道は、江戸時代から薩摩国から江戸をつなぐ主要な街道で、薩摩藩の大名行列が参勤交代の時に利用するなど歴史の古い街道でした。
その薩摩街道の途中にある佐敷太郎峠(旧佐敷トンネルがある峠道)は難所として知られており、明治時代になって馬車が利用されるようになると道路整備の必要性に迫られました。そうした事業の中で掘られたのがこの旧佐敷トンネルでした。
旧佐敷トンネルは外国人の技師が設計し、日清戦争の勝利で得た賠償金を使って建設されたと伝わっています。
旧佐敷トンネルの坑口は半円アーチ状で、アーチの両側にはピラスターと呼ばれる西洋式の装飾、帯石、又煉瓦ポータルで施工され、上部分は梁のある冠木門型です。外側の煉瓦の積み方はフランス積が採用され、隧道内部のアーチ部の煉瓦は長手積、側壁部イギリス積という積み方が採用されています。
こうした壁面構造を持つ隧道は明治期に建造された大規模な隧道にしか見られない貴重なもので、2002年8月21日に登録有形文化財(建造物)に指定されています。
旧佐敷トンネルでは工事中の落盤事故で数名が死亡していると言われている
旧佐敷トンネルでは、掘削工事中に落盤事故が発生し、その際に数名の犠牲者を出しているという噂があり、これが心霊スポットとされている根拠にもなっています。
しかし、旧佐敷トンネルは明治時代に建造された古いトンネルという事もあって記録があまり残されておらず、そうした死亡事故があったという記録は特に見つかりません。しかし、現在のように発達した掘削機械のない明治時代における、手掘りによる大規模なトンネル掘削工事なので、作業員の中に殉職者が出ていても不思議ではありません。
また、旧佐敷トンネルのある佐敷太郎峠は古くから難所として知られており、長い歴史の中では崖下への転落事故などを起こして死亡した人は少なからずいたと思われます。
旧佐敷トンネルの坑口の近くには、地蔵や神様を祀った小さな祠が建立(いずれも江戸時代に建立された事を示す文字が刻まれている)されているので、これらが何らかの事故の犠牲者を慰霊するためだったり、何らかの災いを鎮めたりする目的で建立された可能性などは十分に考えられそうです。
旧佐敷トンネル内で何かに足を引っ張られる心霊現象も話題に
2019年7月に旧佐敷トンネルに肝試しに行った若者グループのうちの1人が、トンネル内で何かに突然足を引っ張られるという心霊現象に遭遇し、その時の様子を撮影した動画をTwitterに投稿して大きな話題になりました。
この動画は、若者グループのうち男性2人が先を歩いてトンネルに入っていき、トンネル入り口付近に留まっている2人(おそらく男性1人と女性1人)が後ろからその様子を撮影した2分ほどの短いものです。
動画では、前を行く2人はかなり怖がっている様子で寄り添うようにしながらトンネルを奥へと進んで行くのですが、10数メートルほど中へ入ったところで左側を歩いていた男性の右足が突然右側に跳ね上がるような動きをし、その反動で男性は転倒してしまいます。そして、動画は突然の出来事に驚いた2人が慌ててカメラ側に駆け戻ってくるところで終わります。
転倒した男性の右足の動きはどう見ても不自然で、目に見えない何者かに足を掴まれて思い切り右方向へ引っ張られたように見えます。
足を引っ張られた人のTwitterでの投稿によると、誰かに足を引っ張られたような感触が確かにあり、握力が強い男性の腕に引っ張られたような感触だったそうです。
この2人がイタズラで演技をしているようには見えず、本物の心霊現象の瞬間を捉えた動画ではないかと話題になりました。
旧佐敷トンネルで撮影された若者が足を何かに引っ張られる動画
下が、旧佐敷トンネルで撮影された、肝試し中の若者が目に見えない何者かに足を引っ張られるような動きをして転倒する瞬間を捉えた動画です。
足が引っ張られる現象が起こるのは動画終わり近く「1:50」くらいです。
旧佐敷トンネルではその他にも心霊現象の噂が多数
肝試しに訪れた若者が足を引っ張られた心霊動画で話題になった旧佐敷トンネルですが、石と煉瓦で壁面が作られた古めかしいトンネルで、内部には照明が1つもなく、天井からは湧き出した水が絶えず滴り落ちていて不気味な雰囲気があり、足を引っ張られる動画がネットに出回る以前から熊本県屈指の心霊スポットとして知られていました。
そんな旧佐敷トンネルには、心霊現象の噂も数多く存在します。
トンネル内では、浮遊する女性の幽霊がよく目撃されている他、歩いて通ると、周囲から不気味な呻き声や幽霊に話しかけられるといった噂があります。
また、旧佐敷トンネルにまつわる有名な怖い話として、北側(田浦町側)の入り口からトンネルに向かう途中の峠道には、「幽霊坂」と呼ばれる場所があり、昼間は何事もないが、夜間にその場所を車で通過しようとすると、本来ない道が現れ、そこへ入ろうとすると崖下へと転落してしまうといいます。
実際、この幽霊坂と呼ばれるポイントでは自動車が崖下に転落する事故が多発しているらしく、それはどれも、自分から躊躇なく崖の方向へと飛び込んでいったとしか思えない事故で、生存者は1人もいないという事です。
この旧佐敷トンネルで実際に起こったとされる心霊体験話もいくつか語られているので順番に紹介していきます。
旧佐敷トンネル内で忽然と消え現在も行方不明のままの女性がいる
過去に、女性1人と男性複数人のグループが、旧佐敷トンネルに肝試しに訪れました。
グループは車2台で訪れていたため、トンネルの両側に車を停車させて、両方向から車のヘッドライトでトンネル内を照らすようにしていました。
トンネル内に女性が1人でいる状況で、男性たちは女性を驚かせようと、両側の車のライトを同時に消灯しました。
トンネル内は途端に真っ暗になり、当然ながら女性は怖がって大きな悲鳴をあげました。男性らはしばらく面白がって笑ったあと、車のヘッドライトを再び点灯させました。
しかし、どういうわけかトンネル内にいたはずの女性の姿が忽然と消えており、どこからも見つかりませんでした。現在に至るまで、この女性は行方不明のままだという事です。
バイクのミラーに映る人影
ある男性が友人と夜間にバイクで旧佐敷トンネルを通りました。この男性は旧佐敷トンネルに向かう間中嫌な予感がしていましたが、気のせいだと言い聞かせながらそのままトンネルの内部へとバイクを走らせました。
するとその直後、バイクのミラーにトンネル入り口近くに人影のようなものが佇んでいるのが映り込んでいる事に気がつきます。
怖いと思ったものの、暗く狭いトンネル内で急加速をしては危険なため、そのまま徐行しながらバイクを走らせたそうです。ところが、どれだけ進んでもミラーに映る人影の大きさは全く変わらずに、まるでそのままバイクの後を同じスピードで付いてくるような感じだったそうです。
この後で、一緒にバイクを走らせていた友人にこの話をしたところ、この友人も全く同じ現象に遭っていたそうです。
トンネル近くに殺人事件があったと噂される廃小屋
学生ら数人が旧佐敷トンネルに肝試しに訪れたものの、特に恐ろしい出来事は起きずに拍子抜けをして帰路に着く途中、近くにボロボロの廃墟化した小屋を見つけました。
ちょうどいいと思い、学生らはこの小屋の中に肝試しに入りますが、ここでも特に何も起こりませんでした。
しかしその数日後に、小屋に入った時に一番はしゃいでいた1人が車の事故を起こして死亡したそうです。
後で調べたところ、この小屋で過去に女性が殺害される殺人事件があったという噂があったそうです。(事実かどうかは不明)
囁きかけた後にトンネルの壁の中に消えていく人影
旧佐敷トンネルに肝試しに訪れたある若者グループの1人がトンネル内で突然耳元にささやき声で話しかけられ、驚いて振り返ると、人影のようなものがトンネルの壁の中へとスーッと消えていったという体験をしたそうです。
旧佐敷トンネルの現在…全国的有名心霊スポット化してYouTuberも来訪
旧佐敷トンネルは、肝試しに行った若者が、何かに足を引っ張られているような不気味な動画がネット上で広まって以降、全国的に有名な心霊スポットとなり、現在も肝試しに訪れる人が多いようです。
「フィッシャーズ」や「ダラシメン」といった人気YouTuberも動画で取り上げていて、これも現在の人気心霊スポット化につながっているようです。
まとめ
今回は、熊本三大心霊スポットの1つで、近年は全国的にも有名な心霊スポットとなっている「旧佐敷トンネル」についてまとめてみました。
旧佐敷トンネルは、熊本県葦北郡芦北町の佐敷太郎峠という峠道の山頂付近の場所に掘られたトンネルです。明治時代に建設されたかなり歴史の古いトンネルで、登録有形文化財(建造物)にも指定されています。
このトンネルの掘削工事中に落盤事故が発生し、何人かの犠牲者を出したという噂があり、幽霊出没や不可解な現象が起こる心霊スポットとして知られています。
以前から熊本県では有名な心霊スポットだった旧佐敷トンネルですが、2019年にTwitterにここへ肝試しに訪れたグループが、見えない何かに足を引っ張られて転倒するという心霊現象を捉えた動画が投稿され、これをきっかけにして全国的に有名な場所になりました。
人気YouTuberが動画で取り上げた影響などもあって、現在も人気心霊スポットになっていて、全国からも肝試しに訪れる人が多いようです。