破産者マップ事件を覚えていますか?Googleマップに官報の破産者データを反映させたことで炎上した事件ですが、その破産者マップの管理人はどんな人物かを深堀りしていきます。
破産者マップ事件の概要や破産者マップ管理人の遠藤有人の経歴、家族や結婚、破産者マップは違法なのか、裁判と現在をまとめました。
この記事の目次
破産者マップの管理人は遠藤有人
出典:idrhr.com
破産者マップの管理人は遠藤有人さんです。
破産者マップが公開された時には、管理人の名前を出していませんでした。
破産者マップのTwitter(現在のX)アカウントは「破産者マップ」でプロフィール欄には「破産者マップ(http://hasanmap.tokyo)係長です」としか書かれていないので、管理人が誰なのかを特定することはできませんでした。
また、裁判でも被告の名前(破産者マップ管理人の名前)には閲覧制限がかけられていたので、はっきりと破産者マップ管理人の名前が分かっていたわけではありません。
しかし、破産者マップのサーバーと同じIPアドレスを指しているドメイン名とそのサイトの内容から、破産者マップの管理人が遠藤有人さんであるということは、ほぼ確実にわかっています。
その代表者の「遠藤有人」という人物ではないかということがネットで話題となっていた。
今回の裁判では被告名には閲覧制限がかかっているが、提訴されたのがその人物であることは、もはや公然の秘密である。
また、遠藤有人さんはYouTubeにも「遠藤」という名前と顔を出して出演しています。隠すつもりはないということでしょう。
破産者マップ事件とは官報情報をGoogleマップに公開した事件
破産者マップ事件とは2019年3月にインターネット上に「破産者マップ」が公開された事件のことです。
遠藤有人がインターネット上に「破産者マップ」というウェブサイトを公開しました。
この破産者マップは、官報に掲載されている破産者や再生債務者情報を収集して、それをデータベース化し、Googleマップ上に反映させたものです。Googleマップ上にピンが挿入してあり、そのピンをクリックすると、破産・再生手続きした人の名前や住所が表示されるようになっていました。
この破産者マップは2018年末ごろには開設されていましたが、世間一般にその存在が認知されるようになったのは、2019年3月15日ごろです。破産者マップがネット上で認識されると、大きな話題になり、一気に炎上しました。
そして、サーバーが不安定になるほど多くの人が破産者マップにアクセスすることになり、3月16日にはアクセスが多すぎて閲覧不可になっています。
アクセスが多すぎて、サーバーが落ちたみたいです。ときおり、落ちることがありますので、しばらく時間をあけて、試してみてください。
— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 16, 2019
3月17日には1時間あたり230万アクセスを記録しました。
削除要請が殺到
破産者マップが公開され、その存在が世間一般に認知され、アクセスが集中し、ネットニュースとして取り上げられるようになると、「破産者」として破産者マップに掲載されている人から削除要請が管理人のもとに相次ぐようになりました。
2019年3月17日時点で、15秒に1件のペースで削除申請が来ていたと、破産者マップの管理人は述べています。
破産者マップのサイト閉鎖と謝罪
2019年3月18日、破産者マップの管理人である遠藤有人さんは、サイトを閉鎖することや官報から取得した破産者データを破棄することをTwitter上で報告しました。
(重要なお知らせ続き)
1.サイトを閉鎖します。
2.官報から取得した破産者の情報は削除します。
3.削除申請フォームのデータは削除します。
4.本人確認書類は削除します。
5.ドメインにつきましては、今後、類似サイトが出る恐れがあるため、一定期間保持します。— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 18, 2019
破産者マップの管理人の遠藤有人は、破産者マップを作った意図を次のように説明しています。
1.国や自治体が持つデータを個人を特定できない形にしたうえで、誰もがアクセスできる国になってほしい
2.データに基づいて物事を理解、判断、実行、評価する国になってほしい
削除を決めた理由は、削除申請フォームを読んで判断したとのことです。
今回の決断は、削除申請フォームを読んで判断しました。公開されている情報の形を「文字列」から「点」に変えるだけで、こんなにもインパクトがあることとして受け止められるのかと率直に思いました。
— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 18, 2019
破産者マップは管理人の遠藤有人さんが閉鎖することを決断し、3月19日に閉鎖しました。
この翌日、破産者マップに行政指導が入っていたことが発覚します。
自己破産した人の氏名や住所をGoogleマップ上にプロットした「破産者マップ」に対し、個人情報保護委員会が閉鎖を求める行政指導を行っていたことが分かった。
破産者マップは個人情報保護法に違反する恐れがあると行政指導があったため、閉鎖することになったのです。
破産者マップ事件による削除詐欺が発生
出典:youtube.com
破産者マップは管理人の遠藤有人さんは、専用の削除申請フォームを作り、本人確認書類や破産に至った理由などをきちんと送ってくれた人に対しては削除に応じていました。
もちろん、この削除に関しては無料です。遠藤有人さんは破産者マップの情報削除に関して、金銭を要求したことはありません。
しかし、この破産者マップ事件を利用して、詐欺行為を行う人が出てきました。この詐欺行為は、「削除してあげるから、お金を払え」というものです。
これが事実であれば、例えば破産者マップを悪用し、破産したものに対し「お金を請求」するというとんでもない被害が発生している事が考えられます。請求を受けたという破産者は、既に破産しているのですが、身に覚えのない請求に「またか」と内心不安になり正常な判断ができなくなっている可能性もあり、そこに漬け込む悪い輩の手口が横行。
管理人の遠藤有人さんは注意喚起をしていました。
お金を請求受けたという方へ。絶対払わないでください。被害報告が私のところに報告されています。当初から予想されていたとはいえ、支払わず、無視してください。
— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 18, 2019
破産者マップは2019年3月15日ごろにその存在が認知され、そこから一気に炎上しましたが、詐欺行為が確認され、管理人がTwitterで注意喚起をしたり、ネット上のメディアが注意喚起をしたのは3月18日。
破産者マップの炎上騒動を利用して詐欺行為が行われるまでのスピード感が異常ですよね。
破産者マップ管理人の遠藤有人の経歴
破産者マップの管理人である遠藤有人さんはどのような人物なのか、その経歴を見ていきましょう。
遠藤有人さんはあくまでも一般人ですし、逮捕・有罪になった犯罪者でもありません。
そのため、詳しい経歴はわかっていませんが、ネット上で噂になっているものも含めて、わかる範囲でご紹介していきます。
遠藤有人さんは北海道札幌市出身で、2024年で50歳前後になります。
遠藤有人は超高学歴!
破産者マップの管理人である遠藤有人さんは、超高学歴なんです。
<遠藤有人の学歴>
・東海大学経済学部卒業
・2006年:東海大学大学院医学研究科修了(修士課程)
・2008年:東京医科歯科大学大学院・医歯学総合研究科博士課程に入学
博士課程を修了したかどうかは不明ですが、2013年には東京医科歯科大学所属で「新潟県湯沢町におけるヘルスプロモーションの展開-住民と支援者の協働による活動の10年目評価-」という論文をほかの研究者と共に発表しています。また、2015年時点でも東京医科歯科大学大学院の学生だったようです。
2022年時点では、「学部生になった」と報告していますので、2022年には違う大学の学部に入学して、大学生になっています。
数年ぶりに学部生になり、新しい学生証が郵送で届いた。本当は大学に学生証を取りに行かないといけないが、仕事が忙しく、授業に1回もでれず、学校にいってないため、会社に電話がかかってきた。
遠藤有人さんは高学歴であることは間違いないでしょう。
遠藤有人の仕事歴
遠藤有人さんは東京医科歯科大学大学院の博士課程に入学した後の2012年に医療系コンサルタント会社のメディヴァに入社しました。2013年には医療法人社団プラタナス臨床データ分析・評価室(研究推進室)所属になっています。
メディヴァは医療法人社団プラタナスの経営を設立支援をしていますので、メディヴァから出向という形だったのかもしれません。
その後、2016年からは独立して起業しています。
・2016年:フロネシス合同会社設立
・2022年1月:政治団体オープンサイエンス
遠藤有人は、医療分野、社会学分野のデータに関する研究をしています。情報をよりわかりやすく、より見やすく、よりアクセスしやすく、情報に基づき評価、判断する世界に資する活動をしています。
2022年以降は学生証を受け取りに行けないほど仕事が忙しいようですので、仕事は軌道に乗っているものと思われます。
破産者マップ管理人の遠藤有人の家族は金持ち?
出典:asahi.com
破産者マップの管理人の遠藤有人さんの家族について、詳しいことはわかりません。ただ、学歴を見る限り、実家はお金持ちなのでは?と言われています。
0069 名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! 2023/04/01(土) 12:44:26.78
アリーの世代で東海大経済学部卒、東海大の院(医学部のなんちゃら過程)、
医科歯科大の院(医学部のry)これは高学歴でも何でもなく親に金があるだけの馬鹿ですねw
私立大学を卒業後、大学院(修士・博士課程)に進学。さらに、破産者マップ事件以降にまた大学の学部生になっています。
これだけの学歴があり、しかも研究や仕事に脇目もふらずに没頭するわけではなく、破産者マップを作って世間を騒がせる(世間を騒がせることが目的ではないにせよ)自由な時間があるということは、やはりお金持ちの実家だった可能性が高いでしょう。
破産者マップ管理人の遠藤有人は結婚している?
破産者マップの管理人の遠藤有人さんは結婚しているかどうかは不明ですが、ネット上の情報では結婚していて嫁や子供がいるとのこと。
2021/10/27(水) 18:04:37.63ID:ZNTBzMXK0
奥様も一緒に暮らしていてご存知ないのでしょうか。
子どもさんも可哀想ですね
ただ、これは5ちゃんねるの情報ですので、遠藤有人さんが本当に結婚しているかどうかは不明です。
破産者マップ管理人の遠藤有人はメディヴァ社の悪口サイトを運営?
出典:facebook.com
破産者マップ管理人の遠藤有人さんは、2012年に医療系コンサルティング会社のメディヴァ(MEDIVA)社に入社しましたが、2016年にはフロネシス合同会社を設立しているので、メディヴァを退社しているようです。そして、なぜかメディヴァの裏サイト(掲示板)を運営し、メディヴァ社を誹謗中傷しました。
5ちゃんねるには遠藤有人さんが破産者マップだけでなく、このメディヴァ社の悪口サイトを運営していたことに関するスレッドがたくさん立てられています。
遠藤有人さんは破産者マップを運営する前から、問題行動を起こすタイプだったのかもしれません。
破産者マップ管理人の遠藤有人は裁判で訴えられる
破産者マップの管理人の遠藤有人は、2021年9月24日に破産者マップに氏名や住所などの個人情報を晒したとして、民事訴訟を起こされました。
官報は自由に閲覧可能
まず、破産者マップは官報の情報をデータベース化して、Googleマップ上に反映させたものです。
官報とは日本政府の機関紙で、内閣府が発行しています。
ネット上で直近90日分は無料で見ることができますし、官報販売所で購入することも可能です。つまり、誰でも官報の情報にアクセスすることができ、日本政府によって公開されている情報ということになります。
名誉やプライバシーの権利を侵害を主張
破産者マップの管理人を訴えた原告側は、プライバシーと名誉を侵害されたとして訴えました。
まず、掲載されること自体が、その人たちの名誉やプライバシーを侵害します。本件サイトの情報が広まることにより、勤務先を解雇される、ご本人やご家族が偏見やいじめにさらされるなど、生活への悪影響が生じるおそれもあります。
引用:破産者等の情報を大量にインターネットで公開するサイト「破産者マップ」をなくしましょう。 | リーガルファンディング
確かに、公務員や教員、その他信用性が重要な仕事・地位にいる人が破産していたことが破産者マップを通じて世間に知られてしまったら困りますよね。
実際に、破産者マップの削除要請にはそのような人たちからの依頼が多かったようです。
すみません、皆様のご意見をお尋ねしたいのですが、公務員、金融関係、教壇に立っておられる方からの削除申請があり、周りに知られると首になる、お金が扱えなくなり失業する、親御さんに知られてしまう、学会発表で困るという理由です。みなさんなら。どのように考えますか?
— 破産者マップ (@hasanmaptokyo) March 16, 2019
遠藤有人は全面的に争う
プライバシーと名誉の侵害で訴えられた管理人の遠藤有人さんは、全面的に争う姿勢を見せました。
遠藤有人さんはすでに公開されている官報の情報をGoogleマップ上に転載しただけなので、違法性はないという主張のようです。
このように、本件では、「既に公開されている事実を『拡散』させる行為が名誉棄損に当たるのか」という点が大きな争点となることが予想されます。
引用:閉鎖に追い込まれた「破産者マップ」何が問題? – 法務情報 │ 新潟の弁護士による法律相談|弁護士法人一新総合法律事務所
過去の判例でも、すでに公開されている情報を転載しても名誉棄損には当たらないとするものもあれば、名誉権侵害であるとするものもあり、弁護士の間でも意見は分かれる微妙な裁判のようです。
破産者マップ管理人の遠藤有人の現在:裁判は終結!違法ではない?
破産者マップの裁判は終結
破産者マップの管理人の遠藤有人さんは、2021年に裁判を起こされましたが、2024年6月に破産者マップ関連の裁判はすべて終わったようです。
このXのアカウントは遠藤有人さんのものとされています。
2019年3月破産者マップ裁判の結果が確定。プライバシー侵害と名誉毀損は裁判所に認められなかった。これが結論。
— マップおじさん (@map_ojisan) June 14, 2024
遠藤有人さんのウェブサイトには次のような記事が掲載されていました。
2019年3月頃、破産者情報を地図上に表示し話題となった「破産者マップ」に、氏名や住所が掲載され、プライバシー権と名誉権を侵害されたとして、破産者3名が、サーバー契約者とされる男性に賠償を求めていた裁判で、東京地方裁判所が、裁判を終結させていたことが13日わかった。
関係者によれば、サーバー契約者とされる男性が認諾したことで、裁判が終結したということだ。
「認諾」とは被告が原告の訴えを認めて裁判を終わらせることです。つまり、遠藤有人さんが原告側の訴えを認めたということになります。
ただ、遠藤有人さんが「裁判を終わらせた」というだけで、裁判所が破産者マップとその管理人の遠藤有人さんが「プライバシーと名誉を侵害した」と認めたわけではありません。裁判所としては何の判断もせずに、裁判は終わりました。
この裁判では22万円が請求されていますので、この22万円に裁判費用などを加えても、遠藤有人さんが支払うのは50万円程度。それに対し、原告側は弁護団を組んで対応しているので、大赤字になると思われます。
遠藤有人さんは裁判後に次のように取材に答えています。
裁判長は、認諾により、裁判を終結すると宣言した。法廷はすぐに閉廷。一瞬の出来事だった。原告代理人は、最初、何が起きたかわからなかったようで、茫然としていた。原告代理人はしばらくその場を動けなかったようだ。
これが本当だとしたら、事実上遠藤有人さんの勝利と言えるかもしれません。
遠藤有人は後継サイトを運営
遠藤有人さんは、破産者マップは2019年3月19日に閉鎖しましたが、その後継サイトとも言える「破産者情報通知サービス」を運営しています。この破産者情報通知サービスは官報に公告されている破産者情報を提供するサイトです。
ただ、このサイトも2022年3月23日に個人情報保護委員会からサイト停止命令を受けています。この命令によって、破産者情報通知サービスはサービスを停止していますが、遠藤有人さんは停止命令の取り消しを求めて裁判を起こしました。2023年11月には東京高裁が控訴棄却をしていますので、停止命令はまだ続いたままになっています。
最高裁に上告したとのことですが、最高裁での判決がどうなるのか注目です。
破産者マップ管理人は遠藤有人のまとめ
破産者マップ事件の概要やそれに伴う削除詐欺、遠藤有人の経歴や家族、結婚の有無、破産者マップは違法なのか、裁判と現在をまとめました。破産者マップ管理人の遠藤有人さんは、なぜそこまで破産者マップにこだわるのか、その点は不思議ですね。