2014年に公開されたジブリ映画の「かぐや姫の物語」。かぐや姫の物語は今までのジブリ作品とはちょっと違う作風の映画です。
かぐや姫の物語の都市伝説や裏設定・豆知識、謎の考察・解説とその後の考察、オリジナルキャラがひどいという噂などをまとめました。
この記事の目次
- かぐや姫の物語は高畑勲監督のジブリ映画
- かぐや姫の物語のあらすじ
- かぐや姫の物語の都市伝説①:かぐや姫は現代人?
- かぐや姫の物語の都市伝説②:エロティックな映画?
- かぐや姫の物語の都市伝説③:翁は毒親?
- かぐや姫の物語の都市伝説④:天皇制を批判?
- かぐや姫の物語の裏設定・豆知識①:キャッチコピーに乗り気じゃない
- かぐや姫の物語の裏設定・豆知識②:悩みのない音楽
- かぐや姫の物語の裏設定・豆知識③:製作費がめちゃ高い
- かぐや姫の物語の裏設定・豆知識④:日テレ会長の希望で実現
- かぐや姫の物語の裏設定・豆知識⑤:竹を切るシーンは田辺修の父の動作
- かぐや姫の物語の裏設定・豆知識⑥:アゴは高畑勲のアイディア
- かぐや姫の物語の裏設定・豆知識⑦:疾走するシーンは水彩
- かぐや姫の物語の裏設定・豆知識⑧:脱ぐシーンはハイジのオマージュ
- かぐや姫の物語の裏設定・豆知識⑨:かぐや姫が速いのは人ではないから
- かぐや姫の物語の裏設定・豆知識⑩:宮崎駿の評価は低い
- かぐや姫の物語の裏設定・豆知識⑪:お迎えは阿弥陀如来の来迎図
- かぐや姫の物語の裏設定・豆知識⑫:監督は本当は平家物語がやりたい?
- かぐや姫の物語の謎の考察・解説:罪と罰とは?
- かぐや姫の物語のその後は?
- かぐや姫の物語は捨丸がひどい?
- かぐや姫の物語のまとめ
かぐや姫の物語は高畑勲監督のジブリ映画
出典:ghibli.jp
かぐや姫の物語は、「竹取物語」を原作としたスタジオジブリのアニメ映画です。
・監督:高畑勲
・原作:竹取物語
・製作:西村義明
・出演:朝倉あき、高良健吾、地井武男、宮本信子
・音楽:久石譲
・制作会社:スタジオジブリ
・公開日:2013年11月23日
・配給:東宝
・興行収入:24.7億円
原作となった竹取物語をほぼそのまま踏襲した内容で、手書き風のタッチの作画が特徴である、「一枚絵が動く」ような画面となっています。
かぐや姫の物語のあらすじ
昔山里に竹を取って暮らすおじいさんとおばあさんがいました。おじいさんはタケノコの中からかぐや姫を見つけ、家に連れて帰り、2人で育てることになります。かぐや姫は成長が非常に速く、近所の少年「捨丸」たちからは「タケノコ」と呼ばれて、自然に囲まれて育ちました。
おじいさんは竹の中から金や豪華な着物を見つけ、「高貴な姫となり、貴公子に見初められることがかぐや姫の幸せ」と信じて、都に豪華な家を建て引っ越します。
かぐや姫は途中で都の家を抜け出し、捨丸たちと暮らした山に帰りますが、そこにはもう誰もいませんでした。
かぐや姫は都で美しく成長し、5人の公達から求婚されると、それぞれに宝物を持ってくることができたら、結婚すると告げます。3年後、5人は結局かぐや姫に指定されたものを持ち帰ることができませんでした。
かぐや姫の美しさは帝の耳にも入り、帝もかぐや姫に会いにやってきますが、かぐや姫は帝を拒否します。帝に後ろから抱きすくめられたかぐや姫は「月に帰りたい」と願ってしまったために、月から迎えが来ることになってしまいました。しかし、かぐや姫はやっぱり月には帰りたくないと嘆き悲しみます。
おばあさんは嘆き悲しむかぐや姫を故郷の山に帰し、捨丸に会わせました。2人は気持ちを通わせることができましたが、かぐや姫は結局都に戻り、月に戻っていくことになったのです。
かぐや姫の物語の都市伝説①:かぐや姫は現代人?
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かぐや姫は月からの来た姫という設定ですが、実は現代人が平安時代にタイムスリップした時の状況を表しているのではないか?という噂があります。
かぐや姫は都に来た後に、「眉毛を抜きたくない」、「お歯黒は嫌!変!」と断固拒否しました。その感覚は、まるで現代人のようですよね。
また、当時ではそれが普通だったのに、「顔も見ないで結婚するなんて」と顔を見ない状態で結婚相手を決めることに疑問を抱いています。これも現代人に通じる感覚です。
平安時代の月の生活もそのようなものだったのかもしれませんが、月から迎えに来た月人たちを見ると、平安時代の文化とほとんど同じようなものですし、眉毛もあまりありませんでした。
ということは、かぐや姫は月から来た姫という設定ではあるものの、「現代から来た姫」という裏設定があったのかもしれません。
かぐや姫の物語の都市伝説②:エロティックな映画?
出典:bilibili.tv
かぐや姫の物語の都市伝説の2つ目は、実はエロティックな性的なイメージが強い映画なのではないか?というものです。
かぐや姫の物語の中には、直接的な性的表現はありません。でも、「あれ?」と思うシーンがいくつかあります。そして、そのシーンの後でかぐや姫は一気に成長するのです。
・イノシシの突進から助けるために捨丸に抱きかかえられた後
・裸になって池に飛び込んだ後
・メロンを盗んで隠れるために捨て丸に覆いかぶられた後
・崖から落ちた時に捨丸に助けられた後
このシーンの後に、かぐや姫は一気に成長したり、髪の毛が伸びたりしています。
特に、崖から落ちた時に捨丸に助けられた時には、捨丸に思いっきり胸を触られています。その後、一気に成長していて、捨丸に「お前また大きくなってないか?」と言われています。
性的なことを思い起こさせるシーンの後に、かぐや姫が成長すると、なんとなくエロティックなものを感じずにはいられません。
かぐや姫の物語の都市伝説③:翁は毒親?
出典:ghibli.jp
かぐや姫の物語の都市伝説の3つ目は、翁は毒親ではないか?というものです。最初にかぐや姫を見つけた翁は、大切に大切にかぐや姫を育てます。しかし、竹の中から黄金を見つけたころから、少しずつおかしくなっていきます。
「高貴な姫に育てて、貴公子に見初められることが女の幸せ」と信じて疑わず、かぐや姫の意向を無視して、少しでも良い結婚相手を見つけようと必死になっています。帝にかぐや姫が見初められた時には、自分にも官位がもらえると知り、狂喜乱舞しています。
お金に目がくらみ、自分の出世のために、かぐや姫を利用しているようにも見える翁は、現代で言う「毒親」なのかもしれません。
そして、自分がお金に目をくらんで帝をかぐや姫に近づけたことが原因で、かぐや姫は月に帰りたいと思うようになり、月に帰ってしまった。最後にはそれを公開し、おばあさんにも「わしのせいで」と謝罪しています。
かぐや姫の物語は、かぐや姫が主役ですが、実は裏主役は翁(おじいさん)で、「お金に目がくらむと本当に大切なものを失ってしまうよ」というメッセージがあるのもかもしれません。
かぐや姫の物語の都市伝説④:天皇制を批判?
出典:ghibli.jp
かぐや姫の物語の都市伝説の4つ目は、天皇制を批判しているのではないか?というものです。「かぐや姫の物語」の中の帝は、あまり良い描かれ方をしていません。
異常にアゴが長いし、肩幅が異常に広いです。また、いきなりかぐや姫を後ろから抱きすくめるなど、ちょっとヤバい奴として描かれています。後ろから抱きすくめられたかぐや姫の顔は、本当に恐怖を感じていますし、生理的に嫌悪していることがわかります。
しかも、原作の竹取物語では、かぐや姫が月に戻る時にはかぐや姫は帝に想いを寄せて和歌と不死の薬を残していますが、「かぐや姫の物語」にはそのようなシーンはありません。ただただ嫌悪感を示すだけです。
このように帝のことを悪く描いていることから、高畑勲監督は天皇制に反対という思想を持っていて、それを表現しているのではないか?という噂があります。
かぐや姫の物語の裏設定・豆知識①:キャッチコピーに乗り気じゃない
出典:mainichi.jp
かぐや姫の物語のキャッチコピーは「姫の犯した罪と罰。」というものでした。このキャッチコピーは、プロデューサーの鈴木敏夫氏がつけました。原作の「竹取物語」の内容を誰もが知っている中で、ちょっと刺激的なキャッチコピーをつけることで、興味を引こうとしたようです。
しかし、このキャッチコピーに高畑勲監督は不満を持ちました。「迷惑である」と断言していますし、このキャッチコピーのためにセリフを一部変更することもあったと語っています。
また、DVD化する時にはこのキャッチコピーが嫌だったため、爆笑問題の太田光さんに依頼して、「あヽ無情」というキャッチコピーに変更しています。
かぐや姫の物語の裏設定・豆知識②:悩みのない音楽
出典:ghibli.jp
かぐや姫の物語のラストには、月から天人たちがかぐや姫を迎えに来ますが、その時に特徴的な音楽が流れます。
なんとなく、ディズニーランドの「エレクトリカルパレード」などを思い起こせるもので、さらに電子音が入っていて、当時の平安時代には似つかわしくない音楽になっています。
この音楽について、「かぐや姫の物語」ロマンアルバムの中で、高畑勲監督が「平安時代の人は聞いたことがない」、「全く悩みのない音楽にしたかった」と語っています。
そのような監督の意図があったから、楽しげだけどあのような異質な雰囲気のある音楽になったんですね。
かぐや姫の物語の裏設定・豆知識③:製作費がめちゃ高い
出典:ghibli.jp
かぐや姫の物語の裏設定・豆知識の3つ目は、制作費がめちゃくちゃ高いことです。かぐや姫の製作費は51.5億円!「アニメ映画の製作費がどのくらいかかるのかわからない」という人も多いと思いますが、代表的なジブリ映画の製作費を見てみましょう。
・ハウルの動く城:24億円(興行収入196億円)
・崖の上のポニョ:34億円(興行収入155億円)
かぐや姫の物語の製作費が突出して高いことがわかります。もののけ姫の1.5倍です。ちなみに、かぐや姫の物語の興行収入は24.7億円・・・。完全赤字です。
この結果について、鈴木敏夫プロデューサーは「ちょっと厳しかった」、「とてもおもしろがってくれた人たちがいた反面、一般的な広がりがそれほどでもなかった」と話していました。
製作費をかけた分、作品としては非常に良かったけれど、それが興行収入につながらなかったということでしょうか。
かぐや姫の物語の裏設定・豆知識④:日テレ会長の希望で実現
かぐや姫の物語は、日本テレビ会長の氏家齊一郎氏の希望で実現した映画です。氏家氏は高畑勲監督の大ファンで、鈴木敏夫プロデューサーに「死ぬ前に高畑さんの作品をもう一本みたい」と懇願し、一年間説得を続けたそうです。
鈴木敏夫プロデューサーとしては1999年の『ホーホケキョ となりの山田くん』で高畑勲監督の作品は最後だと思っていたそうですが、氏家氏の説得に根負けして、かぐや姫の物語の企画がスタートしたそうです。
ただ、氏家齊一郎氏は2011年に亡くなっています。かぐや姫の物語は2013年後悔でしたので、氏家氏は「死ぬ前にもう一本見たい」という願いには間に合わなかったということになります。
かぐや姫の物語の裏設定・豆知識⑤:竹を切るシーンは田辺修の父の動作
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かぐや姫の物語の裏設定・豆知識の5つ目は、映画冒頭の竹を切るシーンです。
かぐや姫の物語の冒頭で、翁が竹を切っていて、その途中でタケノコの中からかぐや姫を見つけますが、この時の翁の動きはなんとなくリアル感がありますよね。
あの動きは、人物造形・作画設計の田辺修氏の父親のものだそうです。
竹を切るシーンのイメージがわかない田辺修氏が実家に帰った時に父親に質問した時に、父親が実演してやってくれたそうです。
だから、あのシーンはリアル感があったんですね。
かぐや姫の物語の裏設定・豆知識⑥:アゴは高畑勲のアイディア
出典:daily.co.jp
かぐや姫の物語の裏設定・豆知識の6つ目は、帝のアゴについてです。かぐや姫の物語を見ていて、帝が登場すると思わず「クスッ」と笑ってしまって、帝のアゴにくぎ付けになった人は多いと思います。
この帝のアゴは、高畑勲監督のアイディアです。高畑勲監督が「美男だけど一ヶ所バランスを崩してみたらどうか。たとえばアゴとか」とアドバイスしてできたそうです。
ちなみに、かぐや姫の物語が地上波で放送された時、視聴者はアゴにくぎ付けになりました。
今夜の金ロー「かぐや姫の物語」の帝のアゴを計ってみました、67度です! pic.twitter.com/jAUwLxr5Mw
— ちりめんじゃ子 (@jako_t) March 13, 2015
かぐや姫の物語
今日のハイライトはもう間も無く。#かぐや姫の物語 #帝 #アゴ pic.twitter.com/vi4jsF2YKw— keiyan (@314_mkh) May 18, 2018
「帝」 #今日のレゴ pic.twitter.com/24d32acTJ1
— Moko (@LEGOdouMoko) March 19, 2015
これだけ人気になるなんて、かぐや姫の物語のMVPは実は帝かもしれません。
かぐや姫の物語の裏設定・豆知識⑦:疾走するシーンは水彩
出典:ghibli.jp
かぐや姫の物語で印象的なシーンは、かぐや姫が都の屋敷から故郷の山に走って戻るシーンです。あのシーンは疾走感がありましたよね。
一般的に、アニメ映画の色彩はデジタル処理で行われますが、かぐや姫の物語のあの疾走シーンはすべて水彩で塗られたそうです。これはこの作品のプロデューサーである西村義明氏が明かしています。あのシーンだけで、何百枚という絵があり、それを一枚一枚手作業で水彩で塗っているとのこと。気が遠くなるような作業です。
ただ、手作業で水彩で塗ったからこそ、あれだけの疾走感と絶望感・刹那感が出たのかもしれませんね。
かぐや姫の物語の裏設定・豆知識⑧:脱ぐシーンはハイジのオマージュ
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かぐや姫の物語でかぐや姫が都の屋敷を抜け出して、山に戻ろうとする時、着ている着物を一枚ずつ脱ぎながら駆け出しています。あのシーンは「アルプスの少女ハイジ」のオマージュです。
アルプスの少女ハイジにも似たようなシーンがありますが、実はアルプスの少女ハイジは若き日の高畑勲監督と宮崎駿氏が作ったアニメなんです。
『かぐや姫~』には、『ハイジ』へのオマージュともとれるシーンが度々登場するといい、鈴木Pは「見比べると面白いですよ」と期待感をあおっていた。
このシーンのほかにもハイジをオマージュしたところがあるそうなので、探してみると楽しいかもしれません。
かぐや姫の物語の裏設定・豆知識⑨:かぐや姫が速いのは人ではないから
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かぐや姫が都から故郷の山に走って戻るシーンで、かぐや姫の走るスピードが異常に速いことに驚いた人も多いのではないでしょうか?おそらく、普通の人なら何日もかかるところを、かぐや姫は一晩で駆け戻っています。
これは、かぐや姫が「人間」ではなく「月人」である、つまり「人ではない」ことを表しています。このシーンのスピード感は、高畑監督がかなりこだわったそうです。
かぐや姫の物語の裏設定・豆知識⑩:宮崎駿の評価は低い
出典:mainichi.jp
日本アニメ界の巨匠である宮崎駿監督は、このかぐや姫の物語をあまり評価していません。
この『かぐや姫の物語』に対し「この映画で泣くのは素人だよ!」と声を荒げた人物がいる。そう、高畑の同志である宮崎駿だ。
引用:宮崎駿が高畑勲『かぐや姫』を「あれで泣くのは素人」とディス!? でも本音は… (2015年3月13日) – エキサイトニュース
かなり辛辣な評価ですよね。ほかにも2014年の文芸春秋での対談でも、宮崎駿監督は高畑勲監督やかぐや姫の物語について、かなりぼろくそに言っています。
しかし、2人は不仲というわけではないようです。
宮崎駿監督は鈴木敏夫氏に「高畑勲に自分の全青春を捧げた」と泣きながら語ったこともあります。
「おれは」と言い出すから、何を言うかと思ったら、「高畑勲に自分の全青春を捧げた。何も返してもらっていない」。これには驚かされました。ぼくも言葉が出ないし、それ以上は聞かなかった〉
引用:宮崎駿が高畑勲『かぐや姫』を「あれで泣くのは素人」とディス!? でも本音は… (2015年3月13日) – エキサイトニュース
もしかしたら、宮崎駿監督は高畑勲監督のことが大好きで、ツンデレタイプなのかもしれません。
かぐや姫の物語の裏設定・豆知識⑪:お迎えは阿弥陀如来の来迎図
出典:ghibli.jp
映画の終盤に月からかぐや姫を迎えに来る印象的なシーンは、阿弥陀来迎図をモチーフにしています。
クライマックスの場面は、阿弥陀が雲に乗って迎えに来る「阿弥陀来迎図」をイメージしたという。
「月からの使者が阿弥陀様だということではありませんが、伝統にのっとってそうしました。
引用:彼女はなぜ地球に 一枚の絵が動き出す 高畑監督14年ぶり長編「かぐや姫の物語」+(2/2ページ) – MSN産経ニュース
確かに、あのシーンは月からのお迎えが神々しく「人間ではない」ように見えますよね。
かぐや姫の物語の裏設定・豆知識⑫:監督は本当は平家物語がやりたい?
出典:ghibli.jp
かぐや姫の物語の裏設定・豆知識の12個目は、本当は平家物語がやりたかったというものです。
このかぐや姫の物語の企画がスタートしたのは、2003年ごろでした。高畑勲監督は最初は竹取物語ではなく、平家物語をやることを希望したそうです。ちなみに、それは鈴木敏夫さんも賛成していたそうですが、高畑勲監督が指名したアニメーターの田辺修さんが暴力的なシーンの描写をやりたくないと主張したことで、平家物語ではなく竹取物語に変更になりました。
この時、田辺修さんが反対しなかったら、ドロドロで血まみれシーンがあるジブリ作品が誕生してしまったのかもしれません。
かぐや姫の物語の謎の考察・解説:罪と罰とは?
出典:ghibli.jp
かぐや姫の物語のキャッチコピーは、「姫の犯した罪と罰」です。では、かぐや姫の犯した罪と罰とはいったい何でしょうか?
高畑勲監督は、姫の犯した罪と罰について、次のように語っています。
地球が魅力的であるらしいことを密かに知ったからなんですよ、きっと。しかしそれこそが罪なんだと。しかも罰が他ならぬその地球に下ろすことなんです。なぜなら、地球が穢れていることは明らかだから、姫も地上でそれを認めるだろう。
つまり、かぐや姫の罪とは、地球を魅力的だと感じ、地球に行きたいと思ってしまったこと。そして、その罰として地球に来たということのようです。
ただ、映画の中で地球に来たことは、かぐや姫にとって罰にはなっていません。だからこの設定は、天人視点での罪と罰でしょう。確かに、帝に迫られた時にはかぐや姫は「月に戻りたい」と願ってしまいました。しかし、それからかぐや姫は「やっぱり地上に戻りたい」と考えを変えます。そして、どうしても帰りたくないと翁と媼に泣きつくのです。
そして、月からお迎えが来た時にも、かぐや姫は地球のすばらしさを語っています。
それを考えると、かぐや姫の本当の罰とは「地球の良さを知ってしまったのに、月に戻らなくてはいけないこと」と考えることができるのではないでしょうか。
となると、かぐや姫の罪は「(本当は素晴らしい)地球に行きたいと思ってしまったこと」、そして罰が「地球の良さを知ってしまったのに、月に戻らなくてはいけないこと」となのかもしれません。だからこそ、最後の最後、地球を見た時にかぐや姫は涙を流したのでしょう。
かぐや姫の物語のその後は?
出典:ghibli.jp
かぐや姫の物語は、かぐや姫が月に戻る時に振り返って地球を見て、月をバックに赤ちゃんが映って終了となります。
その後は、一体どうなるのでしょうか?かぐや姫が地球を見た時に、地上での日々を思い出すのかどうか?そこが気になりますよね。ここは意見が分かれるところかもしれませんが、私は地上での日々を思い出したと考えます。
なぜなら、最後に涙を流したからです。あのシーンで涙を流したということは、地球を見て、地上での日々を思い出したのでしょう。また、高畑勲監督は次のようにインタビューで述べています。
かぐや姫は月に帰った時点で地球での記憶が消えるはずなのに、またなぜか思い出したりするかもしれません。永遠にその繰り返しなんです
引用:彼女はなぜ地球に 一枚の絵が動き出す 高畑監督14年ぶり長編「かぐや姫の物語」+(2/2ページ) – MSN産経ニュース
高畑勲監督も、かぐや姫は地球でのことを思い出すと話していますね。いつも思い出すわけではないけれど、ふとした時に地球での日々を思い出すのかもしれません。
まさかこれがかぐや姫にとっての罰なのではないでしょうか?地球での楽しい日々、豊かな彩、愛してくれた翁と媼、そして捨丸。これらをずっとずっと思い出し、望郷の思いを抱え続ける。これが、かぐや姫にとっての罰なのではないですか?
月の世界は不老不死。だから、死ぬまで思い出すのではなく、永遠に思い出し、永遠に「戻りたい」と願う。これが、かぐや姫に与えられた罰なのだとしたら、あまりにも恐ろしい気がします。
かぐや姫の物語は捨丸がひどい?
出典:ghibli.jp
かぐや姫の物語では原作の竹取物語に沿ったストーリーとなっていますが、オリジナルキャラクターとして「捨丸」が出演しています。
捨丸はかぐや姫の初恋の相手であり、捨丸もかぐや姫のことが好きという両想いの相手です。しかし、かぐや姫が都に行くことで離ればなれになるのですが・・・。
この捨丸は子供の頃のかぐや姫を守る兄のような素敵な人物かと思いきや、最後はひどい奴として描かれています。
月に帰る前、媼の計らいでかぐや姫は捨丸に会いに行きます。その時、捨丸は結婚していて子供がいました。それなのに、かぐや姫から「あなたとなら幸せになれた」と言われて、一気にかぐや姫の方に気持ちを寄せ、「逃げよう」と駆け落ちを提案するのです。
しかし、かぐや姫が消えてしまうと、何事もなかったかのように子供を抱き、奥さんと家に帰ります。
捨丸兄ちゃん、ひどいです。結婚しているのに、憧れの美人に脈ありと思えば、そちらに傾き、やっぱりダメだったら元サヤに戻る。ダメ男の典型です。
捨丸は、かぐや姫に本当の恋愛をさせるために登場させたオリジナルキャラクターだと思いますが、ちょっとモヤっとしてしまいます。
かぐや姫の物語のまとめ
かぐや姫の物語の都市伝説や裏設定・豆知識、謎の考察・解説とその後の考察やひどい人物などをまとめました。
かぐや姫の物語は絵が流れるようできれいですよね。媼も帝も捨丸もいまいちですが、唯一媼だけがかぐや姫の味方であることが救われますね。