世界中で愛飲される炭酸飲料「コカ・コーラ」には、古くからたくさんの都市伝説が伝わっていて話題です。
この記事ではコカ・コーラにまつわる都市伝説の中でも、日本国内で知られている代表的なものをはじめ、世界で知られている興味深いコカ・コーラの都市伝説についてもまとめました。
この記事の目次
コカ・コーラには昔から数多くの都市伝説が存在する
世界的シェアを誇る炭酸飲料「コカ・コーラ」ですが、その長い歴史の中で様々な都市伝説が生まれ、都市伝説を示す用語「フォークロア(Folklore)」とかけて「コークロア(Cokelore)」と呼ばれて世界中で語られています。
ここでは、コカ・コーラにまつわる都市伝説の中で代表的な7つを紹介します。
コカ・コーラの都市伝説① コカインが含まれている
コカ・コーラはとても美味しい炭酸飲料ですが、1度その味を知るとハマってしまい、再び飲みたくて仕方がなくなってしまう事がよくあります。
これは、コカ・コーラにコカインが含まれており、その依存性によるものという都市伝説が存在するのです。
事実、コカ・コーラがアメリカ合衆国で発売された当初の原材料には、コカの葉(コカインの原料)が含まれており、それが「コカ・コーラ」という名前の由来になっています。見出し冒頭の画像は、発売当初のコカ・コーラのボトルです。成分表示に「コカの葉」(Coca plant)の表記が確認できます。
しかし、もちろん現在のコカ・コーラにはコカインは一切含まれていません。
コカ・コーラを1度飲むとどうしてもまた飲みたくなってしまうのは、病みつきになる程美味しい炭酸飲料である事に加え、依存性のある化合物であるカフェインが含まれている(ただし、コーヒーよりは少ない量)事が関係しているようです。
コカ・コーラの都市伝説② 飲みすぎると骨や歯が溶ける
日本国内でもよく知られている都市伝説に、コカ・コーラを飲みすぎると骨や歯が溶けてしまうというものがあります。
1970年代から1980年代に、世界中で広まったとされる都市伝説で、発端となったのは、魚の骨をコカ・コーラに漬けてしばらくおくと溶けてなくなってしまうという噂でした。
1970年代にコカ・コーラカンパニーがパンフレットを発行し、魚の骨が溶ける事を認めた上で、人間の骨と魚の骨は成分が違うとし、さらに人間がコカ・コーラを飲んだ場合は消化器系を通る間に別の物質に変化するため骨や歯が溶ける事はないと説明したとする噂も流れました。
この都市伝説はさらに発展して、コカ・コーラの工場で原料タンクに転落した人が溶けて死亡したとか、コカ・コーラの原液を輸送していたタンク車が横転事故を起こし、漏れ出た原液で道路のアスファルトが溶けたといったダイナミックな派生型も生まれましたが、当たり前ですがこれらの噂は全て事実ではありません。
コカ・コーラの都市伝説③ 緊急避妊に使える
続いても、日本国内でもよく知られていたコカ・コーラにまつわる都市伝説の1つです。
それは、コカ・コーラには避妊の効果があり、避妊具なしで行為をしても、後でコカ・コーラでその部分を洗えば妊娠しないというものです。
もちろんこちらも事実ではなく根拠のない噂ですが、1980年代の日本ではこの噂を信じた10代の若者が避妊具なしで行為をして妊娠してしまった者が大勢いるという噂話も広まりました。
コカ・コーラの都市伝説④ 辛口と甘口があり瓶の刻印で見分けられる
こちらも日本国内でもよく知られている都市伝説で、コカ・コーラには辛口と甘口があり、瓶に刻まれている刻印の形で味がわかるというものです。
現在はペットボトルでの販売がメインのコカ・コーラですが、かつてはガラス瓶ボトルでの販売が主流でした。このガラス瓶の下には四角形と丸型のどちらかの刻印が刻まれていました。
都市伝説によると、四角形が刻まれていた場合は、炭酸強めの「辛口」、丸型が刻まれていた場合は炭酸が弱めの「甘口」だという事です。
これは実際には、製造工場によって違う刻印がされていただけでしたが、当時はコカ・コーラの瓶は業者によって再回収されて再利用されていたため、2種類瓶のコカ・コーラが混ざって再出荷され、刻印が2種類あると気がついた消費者が、味が違うのではないかと考えた事から生まれた都市伝説だったようです。
コカ・コーラの都市伝説⑤ アポロ計画の月面中継でコーラ瓶が映り込み
これは日本ではなく、オーストラリアのパーク地方で有名になった、コカ・コーラの都市伝説です。
この都市伝説は、1969年7月にアポロ計画による月面着陸が生中継された際に、月面に降り立った宇宙飛行士の1人がコカ・コーラの瓶を蹴り飛ばす映像が映り込んだという内容です。
この都市伝説は、月面にコカ・コーラの瓶が落ちているわけがないし、しかも月面は地球よりも低重力状態のはずなのに、地球上と同じようにコーラ瓶が転がったため、アポロ計画は嘘で実際は地球上で撮影されたフェイク映像だったという内容にまで発展しました。
実はこの都市伝説の大元は、1979年に放送されたオーストラリアのラジオ番組「ザ・サイエンス・ショー」(The Science Show)の中で放送された、月面着陸10周年記念特集番組の中で放送されたジョークエピソードだったようです。
その内容は、アポロ計画の生放送当時、突然罵るようなニュアンスのアメリカ訛りの英語が聞こえたかと思うと、突然画面の横から太い腕が入り込んできて、月面に転がっていたコーラの空き瓶を掴んで取り去ったのを目撃した人がいるというものでした。
このエピソードはエイプリルフールにもからめたジョークでしたが、これを聴いた一部の人達が実際にあった事だと勘違いしてしまい、これが広まって都市伝説化したと言われています。
コカ・コーラの都市伝説⑥ 民主党はコカ・コーラ派で共和党はペプシ派
出典:https://www.sports-sponsorship.jp/
こちらは、アメリカでよく語れているコカ・コーラにまつわる都市伝説です。
アメリカの2大政党は民主党と共和党ですが、それぞれ、民主党を支持しているのがザ コカ・コーラ カンパニーで、共和党を支持しているのがペプシコ(ペプシコーラのメーカー)であるため、アメリカでは広く、政権が交代するたびにホワイトハウスに置かれるコーラのブランドもコカ・コーラとペプシコーラで交代しているという都市伝説が広まっています。
企業が特定の政党を支持するケースはよくあるため、なんとなく信憑性を感じてしまう都市伝説ですが、こちらも事実ではなく単なる噂のようです。
1953年から1961年までアメリカ大統領を務めた共和党出身のドワイト・D・アイゼンハワーは、コカ・コーラ社と親しい関係にあった事が知られていて、上の都市伝説の内容とは相違しています。
また、最近でも2017年からアメリカ大統領を務めていたドナルド・トランプ(共和党)は、コカ・コーラ製品であるダイエット・コークの愛飲者で、毎日12本を飲んでいた事が知られており、トランプ大統領時代のホワイトハウス政務室には、ダイエット・コークを持ってくる執事を呼ぶためだけの専用ボタンが設置されていたと言われていて、これも都市伝説の内容と相違しています。
ザ コカ・コーラ カンパニーとペプシコが、世界中のコーラ飲料のシェアを争うライバル関係にあるのは事実ですが、アメリカの政党がそれぞれの企業を支援しているといった事実はないようです。
コカ・コーラの都市伝説⑦ サンタの服が赤くなった由来
サンタクロースといえば赤い服装に決まっていますが、実は元々の伝承では緑色の服装をしており、コカ・コーラが看板CMで、赤い服装を着たサンタクロースをはじめて登場させた事がきっかけになり、赤い服装のイメージが定着したという都市伝説も世界中で囁かれています。
しかし、こちらも事実ではなく、コカ・コーラの広告看板が出る以前に、すでに赤い服を着た現在のイメージそのままのサンタクロースが絵に描かれています。
また、コカ・コーラ広告発売よりも古い時代のサンタクロース人形もしっかり赤い服を着ています。
まとめ
今回は、世界中で愛される炭酸飲料「コカ・コーラ」にまつわる都市伝説についてまとめてみました。
コカ・コーラの都市伝説は世界中で様々なものが語られており、日本でも、飲みすぎると骨や歯が溶ける、緊急避妊に使える、瓶の刻印で甘口か辛口かがわかる、サンタクロースの服が赤くなったきっかけはコカ・コーラといった内容がよく知られています。
また、アポロ計画の月面着陸生放送中にコカ・コーラの瓶が映り込んだというものや、アメリカの2大政党の民主党と共和党はそれぞれ、コカ・コーラとペプシを支援しており、ホワイトハウスに置かれるコーラは政権交代ごとに変わるという都市伝説も世界で知られています。
これだけの都市伝説が生まれるのも、コカ・コーラが世界中の人々に愛飲されている証拠だといえそうです。