1997年6月、当時高校生だった北山結子さんが帰宅途中に行方不明となる事件が起きました。
今回は北山結子さん行方不明事件について、彼女のポケベルを巡る奇妙な展開、犯人と思われる露天商の男の名前、事件の真相や現在、霊視の結果についてまとめます。
この記事の目次
北山結子さん行方不明事件とは
1997年6月13日、アルバイト先の学習塾からの帰宅途中で、三重県多気郡明和町に住む北山結子さんが行方不明になる事件が起こりました。
北山結子さんは当時17歳で、事件当日の20時30分頃、アルバイト後に一緒に勉強する約束をしていた友人に「あと10分くらいで着くよ」と公衆電話から電話をしたのを最後に姿を消したとされます。
そしてその後、心配して友人たちが北山結子さんのポケベルに「どこにいるの?」「電話して」といったメッセージを送ったところ、1人の友人のもとに不審な男から連絡がきたのです。
警察は、この男が北山結子さんの行方について何らかの事情を知っているものとして逮捕しました。しかし証拠不十分との理由から起訴には至らず、そのまま釈放したのです。
事件の真相に繋がる手掛かりかと思われた男を釈放して以降は有力な情報もなく、現在に至るまで北山結子さんの行方はわからず、事件の真相も明らかになっていません。
不起訴となった男の挙動が怪しすぎることからポケベル女子高生行方不明事件は「犯人がわかっているのに未解決のままの事件」「闇を感じる事件」とも囁かれています。
北山結子さんの公開情報
事件当日の北山結子さんの服装や彼女の外見の特徴などは以下のとおりです。
- 事件当時17歳(2022年現在は42歳)
- 松阪工業高校3年生在籍
- 身長150cm
- 体格は小柄
- 髪型はおかっば頭
- 服装は白い半袖ブラウスに黒のベスト、黒いプリーツスカート、白いルーズソックスを着用
- 靴は黒い布製で、白い靴紐のものを着用
- 黒いビニール製ショルダーバッグを所持
- バッグの中身は水色の二つ折り財布、百五銀行のキャッシュカード、通学定期、黄色いランチボックス、櫛、鏡、柄が赤色のハサミ
- ブリヂストン社製の黒色自転車に乗っていた(車体番号:C559004、防犯登録番号:17A-02354)
北山結子さん行方不明事件の詳細と時系列
事件当日の1997年6月13日、テストの採点業務を終えた北山結子さんは20時頃にアルバイト先の学習塾を出たといいます。この学習塾には北山結子さんの弟も通っており、普段は母親が軽トラックで迎えに来て、荷台に自転車を積んで帰宅していたそうです。
しかし、この日は送迎に使っていた軽トラックのガソリンが足りなかったため、母親は乗用車で迎えに来ていて、弟だけが車に乗り、結子さんは自転車で帰宅することになりました。
またこの日、結子さんは小学校からの付き合いの親友の家に行き、中間テストに向けた勉強会をする予定でした。
そのため町役場近くの公衆電話に寄り、親友に「あと10分くらいでそっちに着くよ」と連絡をしています。この電話の時間が20時30分前後で、公衆電話は母親と弟と別れた地点からわずか200mほどの距離の場所にありました。
そしてこれ以降、北山結子さんは忽然と姿を消したのです。
なかなか家にやって来ない結子さんを心配した親友は、彼女の自宅に電話をして「結子さんが来ないのだけれど、何かあったんですか?」と両親に尋ねたといいます。
てっきり娘は友達の家にいるものだと思っていた両親も慌てて探しに出ますが、姿は見当たらず、乗っていた自転車すら見つかりません。その後、両親は6月14日午前2時頃に警察に娘の捜索願を提出しています。
友人に連絡をしてきた不審な男
北山結子さんが行方不明になった翌日、友人やクラスメイトらは彼女と連絡を取ろうとポケベルに「どこにいるの?」「電話して」等のメッセージを送りました。
しかし、返事はありません。結子さんが事件に巻き込まれているおそれもあることから、友人らも自分の電話番号などの個人情報は送らないように注意していたといいます。
唯一、高校の友人のうち1人だけが、連絡がつけばという願いから自分の自宅電話番号を結子さんのポケベルに送り続けていました。
すると6月16日になって、その友人の家に無言電話が頻繁にかかってくるようになったのです。電話に出た友人は「結子なの?どこにおるの?」と話しかけたものの、電話はすぐに切れてしまったといいます。
そして数回の無言電話が続いた後、18日になって電話口から男の声で「13日の21時頃、明星駅へ結子さんを送っていった。そこで別れた」「結子さんに5万円を貸した。その担保としてポケベルを預かった」と、彼女の消息をほのめかす話を聞かされたのです。
つづいて男から直接会わないかと持ちかけられた友人は、両親に報告し、警察にも通報したうえで6月20日に松阪市内のショッピングセンター「マーム」で男と会う約束を取り付けました。
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警察も店内で待ち伏せをしましたが男は現れず、友人は再度電話で「ポケベルを返すから、6月25日に一志郡三雲町のバス停に来い」と告げられたといいます。
約束の日にバス停に行くと、たしかにグレーに水色のボタンがついた結子さんのポケベルがゴミ箱の裏手に置いてありました。しかし、彼女がポケベルにつけていたハローキティのチェーンは外れていたそうです。
この日も男との接触は叶いませんでしたが、6月27日に男性が友人に「ポケベルはちゃんと受け取ったか?」と、電話が来たため、警察がこれを逆探知。見事に男を逮捕しました。
北山結子さんのポケベルを持っていたのは露天商の男・刀根幸広
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北山結子さんのポケベルを所持していた男は、三重県嬉野町内の公衆電話前にいるところを警察に発見され、そのまま任意同行を求められました。
男は松阪市茶与町に住む46歳(事件当時)で、職業は露天商手伝い。前科があり、婦女暴行や強盗などの罪状で12年間に及ぶ刑期を終えて出所したばかりでした。
また発見時の挙動も怪しく、夏なのに手袋をして指紋を残さないように警戒している様子だったそうです。この露天商の男は任意同行の翌日、松坂署にて逮捕されています。
露天商の男はアリバイ工作をしていた?
結子さんの友人にかかってきた電話を愛知県警科捜研が分析したところ、露天商の男の声紋と極めて近いことが判明したといいます。
なお、この男が逮捕されて以降、友人の家にかかってきていた不審な男からの電話もピタリと止んだそうです。
また友人に連絡する際に使用した公衆電話も、嬉野町や三雲町といった露天商の男の家から遠い場所のものばかりで、すべて人目につきにくいところにありました。
しかもこの男はアリバイ作りのためか、6月17日から6月18日にかけて結子さんが在籍していた松阪工業高校の周辺に現れ、下校中の学生に「北山結子さんという子を探しているんだけど、学校にいるか知ってる?もう帰った?」などと話しかけていたそうです。
北山結子さんを誘拐した犯人は露天商の男?名前は?
行方不明事件の関係者の可能性があるとして逮捕された露天商の男の名前は、 刀根幸広といいます。
結子さんのポケベルを持っていたこと、そして彼女の友人に対して事件当日の20時30分以降の様子を知っているかのような話をしていたころから、当初は刀根幸広が誘拐事件の犯人で間違いないと思われました。
しかし警察の取り調べに対して、 刀根幸広は「北山さんとは会ったこともない」「ポケベルはどうやって手に入れたのか覚えていない」といった供述を繰り返し、やがて黙秘をするようになったといいます。
そこで警察は物証や目撃証言を集めて刀根幸広に自白を促そうとしました。
物証
・刀根幸広が所有するワンボックスカーのバンパーと前方左側のウィンカーに、破損と傷がある
・刀根幸広が所有するワンボックスカーから、北山結子さんのものと思われる漢和辞典が出てきた
・刀根幸広のズボンから女性物のハンカチが発見される。北山結子さんの母親が「娘のハンカチに似ている」と証言
・刀根幸広は週に1回のペースで松阪市内のガソリンスタンドで給油をしていたが、北山結子さん失踪前後の6月12日、14日、17日に給油しており、普段より車を利用していたことがうかがえる
・刀根幸広の車から「伊勢二見鳥羽ライン」の領収書が発見されている(6月13日以降のもの)
逮捕時、刀根幸広が所有していたワンボックスカーは購入して4ヶ月ほどしか経っていない新車で、周囲の証言によると頻繁に洗車していたといいます。
そのためバンパーとウィンカーの傷は逮捕される直前についたものなのではないか?と見られました。
警察は公衆電話からの連絡を終えた結子さんに刀根幸広が車をぶつけてそのまま拉致したのではないか、その時に車に傷がついたのではないか、と推理したのです。
また車から発見された漢和辞典には、あちこちに逮捕前に刀根幸広が電話でやり取りをしていた結子さんの友人の電話番号が書かれていたそうです。なお、刀根幸広はこの辞典は自分のものだと主張しており、書かれた電話番号の筆跡鑑定をおこなったか否かは報じられていません。
ワンボックスカーから採取した毛髪約100本や繊維片を調査したという話もありますが、鑑定の結果については報道されていません。
証言など
・北山結子さんが行方不明になる直前に訪れた町役場近くの公衆電話の付近で、刀根幸広の車と同じ色の車が停まっているのを見た人がいる
・事件の数日前から北山結子さんは周囲に「最近、白い車に後をつけられている気がする。怖い」と相談していた
警察が発表した物証や証言を見る限り、刀根幸広が北山結子さんの行方を知っている、もしくは誘拐した犯人の可能性は高いと感じられます。
しかしどれも1つ1つが証拠として弱く、北山結子さんのポケベルからも刀根幸広の指紋が発見されず、証拠不十分のまま勾留期限を迎えてしまいました。
警察も7月8日から公開捜査に乗り切るなどしてなんとか刀根幸広を起訴しようとしましたが、結局、起訴をしても公判を維持するだけの証拠が揃っていないという理由から、7月18日に刀根を釈放しています。
北山結子さん行方不明事件の真相は?
出典:https://parupunte-life.com/
真犯人だと思われた刀根幸広は「ポケベルは拾った」「北山結子さんの友人に連絡をしたのは、女子高生と知り合えるチャンスだと思ったから」といった供述を残して、勾留期限を終えました。
これ以降、事件の解決につながる情報や人物は出てきていないため、北山結子さん行方不明事件の真相は不明のままです。
行方不明になる前、結子さんは進路に悩んでいたという話もあり、彼女が自ら家出をしたのではないか?とも囁かれました。しかし、家族や友人によると家出をするようなタイプではない、周囲との関係もうまくいっていたとのことです。
そのため現在でも結子さんは何らかの事件に巻き込まれた、そして刀根幸広が関与していると考える人が多いようです。
99%犯人わかってる事件。
被害者の所持品を持つ男を初動で逃した。当時の担当した警察の単なる怠慢当時高3で事件に巻き込まれたか…北山結子さんが行方不明となり24年 警察「どんな小さな事でも連絡を」(東海テレビ)#Yahooニュースhttps://t.co/voP3aje7rk
— 印度カリー男 (@gogawa3104) June 13, 2021
しかし怪しいと判断できる状況証拠が揃っているように見えても、1996年当時は自白がとれなければ公判を維持するのが難しい、とされる時代だったとも言われています。
それゆえ警察も自白にこだわり、勾留期限いっぱい黙秘権を行使した刀根幸広のことを釈放するしかなかったのかもしれません。つまり、刀根の作戦勝ちとも言えます。
なお、警察は釈放後も刀根幸広が犯人もしくは事件の重要参考人の可能性が高いとして、マークし続けているとも報じられました。
北山結子さんの行方を霊視した結果
北山結子さんが姿を消してから10年が経とうとしていた頃、父親の澄雄さんは毎日新聞の取材に応じて「捜査に進展はない。娘の行方が知りたくて、TV番組で霊能力者に見てもらったこともある。けれど、何もわからなかった」と話していました。
澄雄さんが出演されたのは日本テレビ系列で不定期に放送されていた『衝撃リポート!!世界の怪奇現象・大追跡スペシャル』という番組ではないかと見られており、北山結子さんの行方を霊視したのは、同番組で広島一家失踪事件を霊視したとされるノリーン・レニアではないかと思われます。
ただ澄雄さんが言うように、解決に繋がるような情報は何もなかったのでしょう。霊視結果がどのようなものだったのかも現在では不明です。
北山結子さん行方不明事件の現在
平成9年6月13日に行方不明となった北山結子さんの情報を求めています。
北山結子さんに関する情報があれば、松阪警察署(0598-53-0110)まで連絡をお願いします。https://t.co/uTBLxtGeOe pic.twitter.com/ZdB0HBAawu— 三重県警察広報室 (@Mpp_mie) June 5, 2022
行方不明事件から25年以上が経過した現在も、警察は北山結子さんに関する情報の提供を求めています。
また事件の風化を防ぐために、JR松阪駅前でのビラ配りなども継続しておこなわれています。
どんな些細なことでも構わないので、北山結子さんに関する情報をお持ちの方は、松阪警察署 捜査本部:0598-53-0110、またはTwitterなどから警察に連絡をしてほしいとのことです。
北山結子さんと行方不明事件のまとめ
この記事では1997年にアルバイト先からの帰宅途中に行方不明になった北山結子さんと、行方不明事件に関与していると思われる露天商の男についてまとめました。
北山結子さん行方不明事件は調べれば調べるほど、なぜポケベルを持っていた男を釈放してしまったのか、単独犯ではなかった可能性もあるのでは?など疑問が湧くとともに、やるせない気持ちにさせられる事件です。
報道によると、北山結子さんのご両親も御年70を超えるご高齢になっているといいます。なんとかご両親がお元気なうちに、無事な姿の結子さんに会えるよう祈るばかりです。