2ch(2ちゃんねる)の洒落怖スレッドにはたくさんの怖い話や都市伝説が投稿されています。その中でも不気味で、派生した話も多い「くねくね」。
くねくねの詳しい内容や目撃情報・派生話、妖怪説など正体などをまとめました。
くねくねとは2ch発の都市伝説
くねくねとは2chの洒落怖に投稿された都市伝説です。
くねくねはもともと2000年に、インターネット上の怪談投稿掲示板に投下された怪談で、その後に2chのオカルト板の中の「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」(略して洒落怖)というスレッドに投下されました。
くねくねとは、簡単にまとめると、次のようなものです。
・田んぼや川の近くが多い
・くねくねは白い
・人間とは思えない動きをする
・人間くらいの大きさ
・くねくねを遠くから見るくらいなら、特に問題なし
・くねくねの詳細や正体を知ると、精神に異常をきたす
・地元民はくねくねはタブー視されている
確認できる中で、くねくねが洒落怖に初めて投下されたのは2001年です。その後も、くねくねに関する話が洒落怖を中心とした2chに投下されるようになり、くねくねの派生話はたくさん出てきました。
2chでは「オカルト板」だけでなく、「民俗・神話学板」でもくねくねは話題になり、どちらの板でも、くねくね専用のスレッドが立っています。
くねくねの内容:洒落怖スレッドの投稿された話
2chのオカルト板の中の「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」(洒落怖)に投稿されたくねくねの中で、最も有名なくねくねの話を見ていきましょう。
夏休みにくねくねを見つける
夏休みのお盆の時に、秋田県にある祖母の実家に帰省することになりました。僕は大はしゃぎで、兄と一緒に外に遊びに出かけました。
祖母の実家は田舎にあり、僕と兄は爽やかな風を浴びながら、田んぼの周りを駆け回っていました。すると、風はピタッとやみ、今度は気持ちの悪い生暖かい風が吹いてきました。
そのような中、僕が兄を見ると、兄は別の方向をじっと見ていたのです。僕が兄が見ている方向を見ると、そこにかは案山子がありました。しかし、兄が見ていたものはその案山子ではなく、その向こうにあるものだったのです。
案山子の向こうには、人ぐらいの大きさの物体がくねくねと動いていました。僕は、そのくねくね動く物体を、「風で動く新しいタイプの案山子」だと思い、それを兄に伝えましたが、僕の考えは一瞬で間違いであることが分かりました。
なぜなら、風がやんでも、白い物体はくねくねと動いていたからです。
兄が双眼鏡でくねくねを見た
兄はその白いくねくねと動く物体の正体がどうしても気になり、祖母の家に双眼鏡を取りに行きました。そして、双眼鏡で白いくねくねを見たのです。
すると、兄は真っ青な顔をして、冷や汗を流して、持っていた双眼鏡を落としてしまったのです。あまりの兄の変貌に驚いた僕は、おそるおそる兄に「何だったの?」と聞きました。
兄は「わカらナいホうガいイ……」(わからないほうがいい)とゆっくりと答え、そのまま静かに家に戻っていったのです。この時の「わカらナいホうガいイ……」と答えた時の兄の声は、すでに兄の声ではなかったとのことです。
祖父が駆け付ける
変貌した兄は1人で家に帰ってしまったため、そこに僕は1人で取り残されることになりました。そして、足元には兄が落とした双眼鏡が残っていました。
双眼鏡を使って僕もくねくねする白い物体を見たいという思いがある一方で、兄の「わカらナいホうガいイ……」という言葉から、見る勇気が出てきません。
遠くから見ると、「白い物体が奇妙に見えているだけ」で恐怖感は湧いてきません。そこで、僕は勇気を出して、くねくねを双眼鏡で見ることを決意します。
僕が落ちていた双眼鏡を拾おうとしたその時、祖父が慌ててこちらに走ってきたのです。僕が「どうしたの?」と聞くと、祖父は「あの白い物体を見てはいけない。お前は見たのか?」と聞いてきました。
僕がまだ見ていないことを伝えると、祖父は「良かった」とその場で安心したように泣き崩れました。
兄はそこに残ることに・・・
僕は祖父と一緒に家に戻ると、兄は1人で狂ったように笑いながら、あの白い物体のようにくねくねくねくねと乱舞していました。その兄の姿に、僕は白い物体以上に恐怖を覚えました。
そして、祖母の実家をから家に帰る日、祖母は「兄はここに置いておいた方が良い。何年か経ってから、田んぼに話してやるのが一番だ」と言い、兄は祖母の家に残り、僕だけが家に帰ることになったのです。
車に乗り込んで出発する時、変わり果てた兄が一瞬手を振ったように見えた僕は、車の中から双眼鏡で兄の表情を見ました。すると、兄は泣いているように見えたんです。
僕は兄との思い出を回想しながら、そのまま双眼鏡で景色を見続けました。すると、見てはいけないとわかっているものを間近で見てしまったのです。
くねくねは目撃談多数
くねくねの代表的な話は、その終わり方が秀逸ですよね。最後にくねくねを見て、おかしくなってしまった兄の表情を見るために、双眼鏡を使って兄のことを見ていた。そして、そのまま双眼鏡で景色を見ていたら、見てはいけないものを見てしまったというオチ。これで、恐怖が倍増しています。
そう思って、兄の元の姿を懐かしみながら、緑が一面に広がる田んぼを見晴らしていた。
そして、兄との思い出を回想しながら、ただ双眼鏡を覗いていた。…その時だった。 見てはいけないと分かっている物を、間近で見てしまったのだ。
このくねくねの代表的な話を中心に、くねくねはいろいろな話が作られ、いろいろな目撃情報が2chに寄せられています。
・バイトの帰り道に車から白いくねくねを見た
・海辺の民宿で白いくねくねを見た
・田舎の田んぼの周りにある線路でくねくねを見た
・学校をさぼって人気のない場所にいたら、黒っぽいくねくねを見た
・土手の近くの橋で全身タイツのような黒いくねくねを見た
・学校帰りにグラウンドの隅でくねくねを見た。見える子と見えない子がいた
・くねくねになった人間のビデオを見た
・家の前のりんご林でくねくね歩きの不気味な人を見た
・高校時代に海沿いの民宿で白いくねくねを見た
・母親が黒いくねくねを見た
・社会科見学中に友達がくねくねを見て気絶した
・秋田県能代市で母親がくねくねを見ておかしくなった
・山登り中にくねくねを弟と一緒に見た
・田舎に遊びに行った時に窓の外にくねくねがいるのを兄と一緒に見た。兄は「知らない方が良い」と言っていた
・友達3人でドライブ中にくねくねを見た。その1人が後日事故に遭って重体になり、後遺症が残った
このようにくねくねに関する目撃情報は、2chの洒落怖にたくさん寄せられているんです。もちろん、全部が実話というわけではないと思いますが、くねくねの専用スレッドができるのも納得できるほど、くねくね関連の派生話はたくさんあります。
くねくねは正体がわからないけれど、日常生活の中に現れるという派生話を作りやすい題材だったことが、くねくねの派生話が多く生まれた1つの要因と言えます。
くねくねの正体は妖怪?
くねくねとはいったい何なのか?その正体を考察していきましょう。
妖怪の可能性
「くねくねの正体は妖怪である」という説があります。
くねくねは東北地方での目撃証言がたくさん寄せられています。代表的なくねくねの話として紹介した先ほどのくねくねも秋田県の田舎の話ですし、そのほか山形県や秋田県の能代でも、くねくねの目撃情報がありました。
そのため、東北地方に伝わる妖怪がくねくねの正体ではないかと言われているんです。
・蛇神
・あんちょ
タンモノ様とは、東北地方に伝わる妖怪のようです。2ちゃんねるには次のように説明がありました。
爺様婆様には「タンモノ様を見ても気にするな」とか「もし見たらすぐに目をつぶってそこから離れて井戸の水を頭から浴びろ」ってガキの頃いつも言われてたよ。特に夏は家出る時毎回口うるさく言われてた。
「見たらメクラになる」「ボケになる」「ヘソを取られる、喰われる」生ハゲとか雷様みたいなもんかと思ってあまり気にしてなかったけど子供心に怖かったよ。
蛇神はその地方に伝わる土着の神様・妖怪的なものです。
あんちょは福島県に伝わる妖怪のようなもののようです。
あたし福島の田舎に住んでるんですけどくねくね知ってます。
小さい頃からよく「あんちょに気をつけろ」って祖父母に言われてて、それ何?って聞くと「白いうにょうにょしてるかかしみていなやつだ。いたらすぐ帰ってこいよ」と言われてました
クラスに知的障害の子がいたんですけど大人はみんな「あんちょのせいだな」っといってました
また、くねくねは日本だけでなく、世界中にいる「何か」で、日本ではくねくねと呼ばれているものという説もありました。バリ、インドネシア、タイなどでくねくねのような目撃情報があるようです。
ドッペルゲンガー?
くねくねは自分のドッペルゲンガー説もあります。
くねくねとドッペルは、以下の点で一致する。
・白あるいは黒のモノトーン。
・目撃直後に目撃者が何らかの確信を抱く。
・目撃者の自我が否定される。
・よりオカルト的には、他者が目撃することもある。
くねくねはもう1人の自分。自分のドッペルゲンガーを見ると、死んでしまうと言われています。くねくねは死ぬことはありませんが、精神崩壊を起こしてしまいます。
くねくねはドッペルゲンガーと似たようなものなのかもしれません。
熱中症の幻覚?
くねくねの正体は、熱中症の幻覚ではないか?という説もあります。くねくねの目撃証言は夏休みなど真夏の屋外のことが多いです。
ということは、熱中症や脱水状態になって、くねくねのようなものが見えたという可能性を否定することはできません。熱中症で幻覚を見て、熱中症で意識障害が起こり、それが精神崩壊したように見えたという説です。
「くねくねを見ても、大丈夫な人がいる」、「くねくねが見えない人もいる」という疑問も、このくねくねは熱中症説で考えると納得できます。
実は本当の人?
くねくねの正体は、実在の人物だった可能性もあります。昔は知的障碍者や精神障碍者(統合失調症)は田舎で預かっていたこともあったようです。
くねくねは何か得体のしれない物体ではなく、実在する人であり、田舎で自由に過ごしていただけ(ほかの人から見ると、おかしな動きをしていた)なのかもしれません。
くねくねのまとめ
2chの洒落怖に投稿された都市伝説くねくねの内容や正体などをまとめました。くねくねは現在でも、5ちゃんねるに時々投稿されることがあります。ホラーブームに乗って、今後映画化される可能性もありますね。