ストローおじさんは、検索してはいけないと言われるほど気持ち悪いコピペ文です。この記事ではトラウマになった、グロ画像より無理、と悪名高いストローおじさんについて、内容や実物や動画を見る方法はあるのかをふくめて紹介していきます。
この記事の目次
ストローおじさんとは【胸糞コピペ・検索してはいけない言葉】
ストローおじさんとは、2ちゃんねるに立てられたスレッド「『ストローおじさん』って知ってる?」から誕生した都市伝説です。あまりにも気持ちの悪い描写から「検索してはいけない言葉」の一つに数えられています。
内容としては、むかし映画館に置いてあった痰壺(通行人が吐き出した痰を溜めておく壺)に、ストローをさして吸うおじさんがいたというものなのですが、ストローで吸い上げる描写が細かく、生理的な嫌悪感を誘う文になっているのです。
想像力豊かな人が読むと「グロ画像や集合体恐怖症の人を震撼させる蓮コラよりキツい」と思うといい、ストローおじさんは嫌がらせのようにネット上の様々な場所で拡散されていきました。
以下に実際に2ちゃんねるに投稿されたストローおじさんのコピペをそのまま貼りますが、上記の概要を見ただけでも気分が悪くなった方は、詳細を見ない方がいいかもしれません。
昔、映画館とかに置いてあったタン壺(みんながカ~ッペ!とタンを吐く壺)に
ストロー突っ込んで全部飲み干すらしいよ。ゴックンゴックン!
ストローが透明だから飲んでるのが丸見え!
たまにハナクソが詰まるらしいけど、思いっきり吸って食べるらしい。スッポン!
ちなみにストローは絶対に洗わない方針だそうです。
また、ストローおじさんの文を投稿した人物は続けて「どんぶりおじさん」という、同じく痰壺に溜まった他人の痰を食べるおじさんについても書き込んでおり、こちらもストローおじさんの亜種として「検索してはいけない言葉」にあげられています。
「どんぶりおじさん」もいるようです。
タン壺を熱いご飯にぶっかけてジュルジュル流しこむように食べるそうです。
ごはんの上にハナクソとか鼻毛が丸見え!
汁はご飯の隙間を通って下に溜まるけど、全部飲み干すそうです。ゴクゴク
ストローおじさんはトラウマ製造機・気持ち悪いという声が多数
確認したかぎりストローおじさんが初めてネット上に登場したのは、2010年8月13日です。
10年以上も前の話なのですが、未だにコピペとしてさまざまな場所に貼られることがあり、読んでトラウマになったという人が後を絶ちません。
ストローおじさん多分トラウマTOP3には余裕ではいる気が……
— 那須麻呂 (@nasumaro_17) February 12, 2022
文章だけでここまで人を気持ち悪くさせられるのはある種の天才だ、と作者を評価する声も見られましたが、大半の人が「不快なものを読ませやがって」「ストローおじさんの作者を許さない」と感じるようです。
私は未だに絶対に許せない奴がいる…
それはどこかの掲示板に「ストローおじさん」の話を書いた奴だ…
あいつだけは許さん。トラウマすぎて無理。思い出すだけでもう無理無理無理無理ムリムリムリムリムリムリムリムリムリ知らない人はどうか知らないままでいて— あかな (@Twitch_Akana) September 29, 2018
ストローおじさんに元ネタはある?
ストローおじさんの話には元ネタがあると考えられています。ここではこのコピペの元ネタと考えられる2つの作品について紹介していきます。
①俗物図鑑
『俗物図鑑』は1972年に出版された筒井康隆氏のSF小説で、盗聴評論家、性病評論家、放火評論家など倫理的にどうかと思うような評論家が集まるプロダクション・梁山泊を中心とした物語です。
この作品の中には「吐しゃ物評論家」という、他人の嘔吐したものからその人の職業や罹患した病気などがわかるという人物が出てくるのですが、この人物がストローおじさんのモデルになったのではないかと指摘されています。
ちなみに『俗物図鑑』事態は筒井氏らしいブラックユーモア溢れる作品で、読んでいて生理的な嫌悪感を覚えるような内容ではありません。
②四八(仮)
四十八(仮)は、PS2のゲームで2007年のクソゲーオブザイヤーに輝いた伝説の作品です。
未だに根強いファンを多く持ち、続編が作られている名作ホラー『学校であった怖い話』のゲームデザイナー・飯島健男氏(別PN・飯島多紀哉氏)の作品とあって期待と注目を集めてリリースされましたが、発売されるや否や困惑するゲーマーが続出。
ジャンルはアドベンチャーゲームで、「契力」というポイントを使って47都道府県の都市伝説を一つずつ開放していき、最後にプレーヤー自身に訪れるシナリオが発生するという内容です。
これだけ聞くと「面白そうじゃないか!」と思う方もいるのではないでしょうか。実際、発売を楽しみにしていた人々もそう思っていたはずです。
しかし、このゲームは肝となる「47都道府県の都市伝説」の出来ばえが酷く、「うちの県はこんなじゃない!」「侮辱するな!」という感想が多く出ることとなりました。
なかでも多くのプレイヤーを気持ち悪がらせた伝説のシナリオとして、「とろろ」という別名で知られる『信州信濃の名物は』という長野県の話が知られているのですが、この話がストローおじさんのコピペに似ているのです。
以下に、問題のシナリオの部分だけをプレイしている動画を紹介します。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=DRWmdRv63dU?si=H4zDopKEj_JZiFs0]
内容としては、長野の山奥で道に迷った男が民家に泊めてもらうこととなり、名物のとろろご飯を振る舞われて美味しさに舌鼓を打つものの、絶品だと感じたとろろの正体が家主の老人の痰だったという、なんともはやなストーリーです。
話題になった時期的にも『俗物図鑑』ではなく『四十八(仮)』がストローおじさんの元ネタではないかと思われます。
ただ、『信州信濃の名物は』のストーリー原案は『俗物図鑑』の作者でもある筒井康隆氏であるため、ストローおじさんを追っていくと筒井氏に辿りつくという結末は変わらないと言えるでしょう。
四八(仮)のとろろの話書いたライター、ぜってぇ許さねぇ
— 骨霧島たいし (@mtaisi) June 6, 2019
また、ストローおじさん同様に『信州信濃の名物は』がトラウマになってしまった人は少なくないようです。
ストローおじさんは実在する?画像や動画を見る方法は?
2ちゃんねる発祥のコピペから有名になったストローおじさんですが、本当にコピペのような行動をすることは可能だったのでしょうか?
ここでは痰壺や映画館、ストローの歴史などと照らし合わせつつ、ストローおじさんが実在した可能性について検証していきます。
そもそも痰壺って何?
ストローおじさんのコピペを見て「そもそも痰壺って何?」と思った方も多いのではないでしょうか。
実は昭和の時代には本当に通行人が口の中の痰を吐き出すための痰壺が、国鉄(JR)の駅構内などに設置されていました。
これは結核予防対策として行われていたことで、痰の中に多数の結核菌が潜んでいる危険性があるとの考えから、道端ではなく決められた場所で痰を吐くことが推奨されるようになったのです。
そこで人が多く集まる駅構内などに設置されたのが痰壺でした。痰壺は正式名称を唾壺(ダコ)といい、明治37年2月4日に施行された「肺結核予防規則」で以下の場所への設置が義務付けられました。
・公立学校
・病院
・工場
・国鉄の駅構内
・国鉄の客車内
・船舶の待合所
・興行小屋
明治37年といえば日本は日露戦争に突入した頃ですから、兵士を育て、戦争に勝つためにも国内での結核の封じ込めは急務とされていました。
それにしてもこんなに痰壺がいたるところに設置されていたなんて、昔の日本人はなんて不潔でモラルがなかったのだろうかと衝撃を受けるかもしれませんが、これにも事情があります。
当時の日本では現在のように水道が整備されておらず、庶民は井戸や水瓶から必要な分だけ水を洗面器に汲んで、使用していました。
そのため痰が絡んだらうがいをして、洗面所で流すということもできなかったのです。したがって駅や学校、病院などに痰壺を設置して、公衆衛生を保っていたわけです。
痰壺は映画館にもあったのか
ストローおじさんについて調べていると、「痰壺が置かれていた時期には日本には映画館はなかった。だから嘘」という書き込みを発見しました。
しかし、日本最古の映画館は1903年に開館した浅草六区の「浅草電気館」であるため、時期的には「肺結核予防規則」が施工されていた時期と合致します。
また、同規則には痰壺の設置を義務付ける場所として興行小屋があげられており、映画館はこれに含まれると考えられるでしょう。
そのため、ストローおじさんのコピペは時代背景的におかしい点はないと言えます。
ではストローおじさんは実在したのか?
ストローおじさんのコピペでは「透明なストロー」を使って痰を吸い上げていたとの描写がありますが、実は現在使われている半透明のポリプロピレンストローが世界で初めて誕生したのは1957年のこと。日本で流通し始めたのは1960年代に入ってからだそうです。
それまでは喫茶店などでも麦のストローを使っていたとのことです。
出典:https://item.rakuten.co.jp/
ポリプロピレンストローが定番化した頃には日本国内でも次々に下水処理場がつくられ、水道の整備も進んでいたことから、痰壺の設置数も減っていったといいます。
完全に痰壺が公共の場から消えたのは、なんと2005年になってからとのことなので、透明なストローが使われていた時代に痰壺がなかったとは言い切れません。
しかし、そもそも痰壺は政府の結核予防として設置されていたわけですから、ここにストローを挿そうとした時点で逮捕されるはずです。
そのため時代設定はおかしくないとしても、ストローおじさんが実在した可能性はゼロに近いと思われます。
ストローおじさんの画像や動画は見られる?
実在する可能性の低いストローおじさんを見る方法というのは、当然ながらありません。
前述のように2005年には「肺結核予防規則」が改正されて痰壺の設置が廃止されたことから、ストローおじさんどころか痰壺の存在自体が都市伝説化しています。
そのためストローおじさんの動画や画像も見ることはできませんし、そもそも存在しません。
仮に現存する痰壺を探してストローおじさんの真似をする動画をアップしても、公衆衛生上の問題から削除されてしまうのではないかと思われます。
ストローおじさん(コピペと無関係)なら動画がある
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=UIejQ69wpc0?si=ZSrN_U2iouQtZ88o]
コピペ発祥の都市伝説ではなく、ストローを使って演奏をする音楽家の「ストローおじさん」は実在します。
ストローおじさんの愛称で親しまれているのは、リコーダー奏者神谷徹さんという方で、京都大学理学部宇宙物理学科在学中に趣味でリコーダーをはじめ、テレマン室内管弦楽団のメンバーとして活躍されています。
現在はプロの奏者として活動する傍ら、自作の「ストロー笛」で童謡や誰もが知る有名アニメソング、歌謡曲など親しみやすい曲を演奏し、音楽会も開催しているとのことです。
ストローでハーモニカやトランペットのような多彩な音を再現する姿は、ネット上で「本物のストローおじさん」とも言われており、コピペのストローおじさんと違い、見る人を幸せな気持ちにさせてくれます。
ストローおじさんについてのまとめ
今回は2ちゃんねるのコピペから有名になった都市伝説・ストローおじさんについて紹介しました。
どんなグロ画像を見ても平気だったけど、ストローおじさんの話だけは吐いた、しばらく食欲がなくなったという声もネット上では見られましたが、想像力が豊かな人ほどこの都市伝説はトラウマになってしまうのでしょう。
ただストローおじさんが実在した可能性は低いため、文章を読んで気持ち悪くなった人も「あれは作り話なんだ」と自分に言い聞かせてなんとか嫌悪感を抑えてくださいね。