日米で活躍したプロレスラーのクリス・ベノワは、嫁と子供を殺害後に自殺で死亡した事も知られています。
この記事ではクリス・ベノワの伝記で暴露された佐々木健介さんが関わる事件の噂や、殺害した嫁のナンシーとの結婚や子供、死因とステロイドとの関連、墓についてまとめました。
この記事の目次
クリス・ベノワのプロフィール
クリス・ベノワのプロフィール
本名 :Christopher Michael Benoit
生年月日 :1967年5月21日
没年月日 :2007年6月24日(享年40歳)
出生地 :カナダ・ケベック州モントリオール
出身地 :カナダ・アルバータ州エドモントン
身長 :180cm
体重 :100kg(現役時代データ)
ニックネーム:凶獣、天空戦士、天馬仮面など
クリス・ベノワ(Chris Benoit)は、1980年代から2000年代にかけて、新日本プロレスやアメリカのECW、WCW、WWEなどで活躍したカナダ出身のプロレスラーです。
180cm、100kgの体格ながらヘビー級で活躍し、数々の名試合を生み出し、多数のベルトを獲得した伝説的なプロレスラーとして知られています。
クリス・ベノワは、今もなお語り継がれるほど日本では人気の高いプロレスラーの1人ですが、その最期は壮絶なもので、自身の嫁と子供を殺害する事件を起こした後、自殺によって40歳で死亡しています。
さらに、このクリス・ベノワの伝記「RING OF HELL」の中で、日本のプロレス界でタブーとされ、あの佐々木健介さんとも関わりのある、とある事件についての衝撃的な内容が暴露されています。
ここではこのクリス・ベノワの闇の側面ともいうべき、これらの事件を中心に紹介していきます。
クリス・ベノワの伝記で明かされた佐々木健介が関わる事件について
クリス・ベノワと、日本のプロレス界ではタブーとされているある事件と、元プロレスラーでタレントの佐々木健介さんとの関連がネット上で話題になっています。
その事件とは、1995年1月26日に新日本プロレスの練習生だった当時22歳の権瓶広光さんが、練習中に脳挫傷で倒れ4日後に亡くなった事件です。
この事件が起こった際の練習時にコーチを務めていたのが佐々木健介さんでした。佐々木健介さんは警察の調べに「練習中の事故」と説明し、そのまま事故として処理されました。
1995年1月26日、新日本プロレスの練習生だった当時22歳の権瓶広光さんが練習中に脳挫傷で倒れ、その4日後に死亡した。この現場でコーチを務めていたのは健介であり、事故の原因になった技を権瓶さんに仕掛けたのも彼だったといわれている。だが、レスラーが試合中やハードな練習によって重いダメージを受けて死亡するケースはまれにあり、この事件も警察の調べで事故として処理されている。
ところが、クリス・ベノワの死後の2008年に発表された、クリス・ベノワの伝記「RING OF HELL」の中に、この事故の真相は行き過ぎた「しごき」による殺人事件であり、その犯人が佐々木健介さんであると匂わせるような内容が綴られていたため、これがネット上で騒動に発展したのでした。
出典:https://m.media-amazon.com/
「RING OF HELL」では、著者(アメリカ人作家のMatthew Randazzo V)がクリス・ベノワから伝え聞いた話として、この事件についての告発が綴られており、佐々木健介さんの名前は伏せられているものの、当時の報道と照らし合わせればそれが佐々木健介さんだと断定できるような内容となっていました。
それを証言した人物とは、日本でも活躍した米国のプロレスラー、クリス・ベノワ(故人)だ。彼は自伝『RING OF HELL』の中で「権瓶広光の殺人事件はプロレスの歴史の中でもおぞましさにおいて1、2を競うものだろう。殺人容疑者が罰せられることもなく、超のつくほどの有名人になっているのだからなおさらだ」と綴り、名指しはしていないものの健介を“殺人容疑者”として告発。
「RING OF HELL」ではさらに、クリス・ベノワの証言として、この事件で死亡した権瓶広光さんの練習時の様子に対して佐々木健介さんが怒りを爆発させ、危険なスープレックスを危険な角度で仕掛けて頭から何度も落とし、その結果権瓶広光さんが脳挫傷を起こして死亡したとする内容が書かれています。
ベノワは事故当時の状況も書き残しており「権瓶が練習をうまく乗り切れなかったため、佐々木が怒りを爆発させたんだ。佐々木は権瓶に危険なスープレックス(投げ技)を何度も繰り返し、危険な角度で頭から落としていた。練習生たちへの見せしめのために痛めつけようとしただけなのか、それ以上の意図があったのか、それは分からないがやり過ぎてしまった」と綴っている。
このクリス・ベノワの伝記の内容が根拠となって、この事故の真相は佐々木健介さんによる殺人事件だったという噂が、ネット上でまことしやかに囁かれるようになったのでした。
しかし、佐々木健介さんが殺人事件を起こしたというこの噂について、プロレス・格闘技専門誌「Dropkick」の公式ニコニコチャンネルで、掲載された記事では、プロレス誌「紙のプロレス」(kamipro)編集部の松澤チョロさんらが、信ぴょう性が低いとする見解を示されています。
この記事によれば、そもそも原因となった伝記「RING OF HELL」は、クロス・ベノワの死後に勝手に出版されたもので、クロス・ベノワの証言として佐々木健介さん犯人説が書かれているものの、そもそもクロス・ベノワはこの事件当時日本にはおらず、本当に本人がそれを語ったのかどうかすら怪しいという事です。
――その件はクリス・ベノワの本が健介犯人説を指摘したことで、さも事実のようにネット上をさまよってるわけですけど。そもそもあの本はクリス・ベノワの自伝でもなんでもなくて、ベノワ死去後に勝手に出された伝記。クリス・ベノワ本人が実際にそう発言しかどうかも怪しいですし、道場で事故があったときクリス・ベノワは日本はいませんでしたからね。かぎりなく冤罪に近いんですよ。
おそらく、自身がコーチを務めた練習中に亡くなった事故である事自体は事実であるため、佐々木健介さんはその事については後悔しており、あえてこの噂について弁明されていないのではないでしょうか。
ただ、佐々木健介さんは新日本プロレス時代には、若手らに対してかなり厳しい態度で指導にあたっていたとの証言が多数出ており、一部からはパワハラやトレーニングの域を超えた虐待行為、暴力行為があったといった証言まで飛び出しています。
こうした証言が出ている事から、このクリス・ベノワの伝記に記された内容を事実かもしれないと感じてしまう方が少なからずおり、噂となってインターネットで拡散されてしまったという側面があったようです。
クリス・ベノワは嫁と子供を殺害する事件を起こし自殺(一家心中事件)
出典:http://kakutolog.cocolog-nifty.com/
クリス・ベノワは、2007年6月24日に40歳で亡くなりましたが、その死因はアメリカ・ジョージア州の自宅での首吊り自殺でした。
そして、この時自宅ではクリス・ベノワの嫁のナンシー・ベノワ(当時43歳)と、子供のダニエル(当時7歳)も遺体で発見され、その後の警察の捜査で2人はクリス・ベノワによって殺害されたと断定されました。
捜査当局は26日、ベノワがナンシー(Nancy)夫人を22日に、息子のダニエル(Daniel)くんを23日に絞殺し、トレーニングマシンを使って首を吊って自殺した無理心中の可能性があることと、遺体と共にステロイドが発見され、死因との関係を調査していることを明らかにした。
当時の報道によると、クリス・ベノワは2007年6月22日の夜(現地時間)に、帰宅するとリビングルームにて、嫁のナンシー・ベノワの両手をケーブルで、両足をダクトテープで拘束した上で首を絞めて殺害。
その後、クリス・ベノワは寝室へ行って眠っていた子供のダニエル君の顔に枕を押し付けて窒息死させています。ダニエル君の正確な死亡時刻は不明ですが、嫁のナンシー・ベノワが殺害された翌朝(6月23日の朝)と見られています。
事件後の検死で子供のダニエル君の体内からは鎮静剤が検出されており、クリス・ベノワはダニエル君に鎮静剤を投与して眠らせた後に窒息死させたと見られています。一方、嫁のナンシー・ベノワの体内から鎮静剤の成分は検出されませんでした。
また、2人の遺体の傍にはそれぞれ聖書が置かれ、嫁のナンシー・ベノワの遺体はタオルで包まれた状態でした。
クリス・ベノワは嫁と子供を殺害した後、地下のトレーニングルームへと移動してトレーニングマシンにロープをかけて首を吊って自殺しました。クリス・ベノワが死亡したのは6月24日と見られています。
翌6月25日、連絡が取れない事を心配した仕事関係者からの依頼により、地元警察がクリス・ベノワの自宅を捜索して3人の遺体が見つかり、事件が発覚したという経緯でした。
クリス・ベノワが殺害した嫁のナンシー・ベノワのプロフィールと結婚経緯
クリス・ベノワの嫁・ナンシー・ベノワのプロフィール
生年月日:1964年5月17日
没年月日:2007年6月22日(享年43歳)
出身地 :アメリカ・マサチューセッツ州ボストン
クリス・ベノワが自殺する直前に殺害した嫁のナンシー・ベノワは、20歳だった1984年にアメリカのプロレスのインディー団体(フロリダ・チャンピオンシップ・レスリング)で女子マネージャーとしてデビューし、同団体のモデルやプロモーションに活躍しました。
「ウーマン」のニックネームで知られ、アメリカのプロレス界では有名な存在でした。
1985年には同団体のプロレスラー、ケビン・サリバンと2度目の結婚(1度目の結婚は1982年で、1985年に離婚)をしましたが、1997年の初め頃にクリス・ベノワと不倫関係に陥りました。
この不倫騒動の最中に、クリス・ベノワとケビン・サリバンはリングで対戦もしており、この時には「女性をめぐる因縁の対決」などと宣伝されました。
そして、1997年の終わりにナンシー・ベノワはケビン・サリバンと離婚してクリス・ベノワと婚約。2000年2月25日には子供のダニエル君が生まれ、2000年11月23日にクリス・ベノワとナンシー・ベノワは結婚しています。
しかし、結婚から3年後の2003年には、嫁のナンシー・ベノワはクリス・ベノワとの離婚手続きを開始(後に取り下げ)するなど、結婚生活は円満なものではありませんでした。
クリス・ベノワと嫁のナンシー・ベノワの子供のダニエル君は、生まれつき脆弱X症候群という遺伝性の精神障害を持っており、夫婦は子供の育児や教育方針をめぐってすれ違いが起きていたようです。
クリス・ベノアが嫁のナンシー・ベノワと子供のダニエル君を殺害し自殺した事件の前には、夫婦はダニエル君の幼稚園卒業後にどこの小学校に入学されるかで意見がぶつかり揉めていた事もわかっています。
嫁のナンシー・ベノワは、クリス・ベノワにプロレスを続けてほしいと言いつつも、ダニエル君の面倒を1人で見る事が難しいため、できるだけ巡業に出ずに自宅にいて欲しいと求めており、クリス・ベノワがこうした結婚生活にストレスを溜めた事が事件につながったのではとの憶測も当時の報道では出ていました。
クリス・ベノワには過去にも結婚歴があり前の嫁との間に2人の子供も
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クリス・ベノワは、ナンシー・ベノワと結婚する前に1度結婚と離婚を経験しています。
クリス・ベノワの1度目の結婚は1988年で、嫁はマルティナという女性でした。クリス・ブノワと1人目の嫁・マルティナとの間には子供が2人誕生しています。
クリス・ベノワの1人目の子供は長男のデイビット、2人目の子供は長女のミーガンでした。
2013年末には、クリス・ベノワの長男のデイビットがプロレスデビューを予定して準備している事を現地メディアが報じ、日本のスポーツ紙もそれを伝えています。
元WWEヘビー級王者の故クリス・ベノワさんの前妻の長男デビット(20=カナダ)がプロレスデビューに向けて練習を開始した。11月29日(日本時間同30日)に米メディアが報じた。新日本参戦中のIWGPタッグ王者デイビーボーイ・スミスJr(27=カナダ)らの指導を受けながら、将来的には父が活躍したWWE参戦を目指しているという。
しかし、結局この話は流れてしまい、2021年にも再びデイビットのプロレスデビューの話が持ち上がりましたが、最終的にこれもキャンセルとなって現在もまだプロレスデビューは果たされていません。
クリス・ベノワの死因は自殺だがステロイドとの関連を疑う声も
クリス・ベノワは2007年に突如として、嫁のナンシー・ベノワと当時7歳の子供のダニエル君を殺害し自殺によって亡くなりました。
クリス・ベノワの死因は首吊り自殺による窒息死ですが、事件現場となった自宅からは筋肉増強剤であるステロイドが発見されており、彼がこうした行動をとった原因としてステロイドの副作用との関係が疑われているとする報道が日米の両メディアから出ていました。
こうした報道によれば、ステロイドにはうつ病になったり、突発的な怒りや攻撃性と起こす副作用があるとされている事から、クリス・ベノワがステロイド摂取の影響で精神錯乱を起こして事件を引き起こした可能性があるとして、当局が捜査を進めているという事でした。
ベノワ選手が筋肉増強剤としても用いられるステロイドを使用していた疑いがあり、ステロイドはうつ状態になる副作用があることから、当局が調べている。
ベノワさんの自宅にあった処方薬からは筋肉増強剤の一種であるステロイドが発見されている。米国では、ステロイドの使用が突発的な怒りや攻撃性と関連付けられる例がある。
クリス・ベノワの嫁子供殺害事件と自殺は外傷性脳損傷が原因説が有力に
クリス・ベノワが嫁と子供を殺害し自殺した事件の原因はステロイドの副作用による精神錯乱の可能性があるとして、地元当局が捜査を進めているとの報道が出ていました。
しかしその後の調査により、この事件の原因はステロイドの副作用ではなく、プロレスラーとしての過酷な生活で長年蓄積された頭部へのダメージによる外傷性脳損傷の可能性が高いとの見解が、クリス・ベノワの遺体を解剖した神経学者らから発表されています。
ことし6月に自宅で妻子を殺害した後自殺した米人気プロレスラーの故クリス・ベノワさん(享年40)について、医療専門家らは、ステロイドの使用ではなく長年のレスラー生活で蓄積した脳へのダメージが無理心中に到った原因との見方を示した。
ベノワさんの脳を解剖した神経学者らは、うつ状態や認知症、一貫性のない行動の原因になる慢性的な外傷性脳損傷の痕跡を発見したとしている。
いずれにしても、クリス・ベノワが嫁や子供を殺害し自殺するという異常な行動の原因は、何らかの外的な要因によって精神が影響を受けた事によるものとの見解が専門家から示されています。
クリス・ベノワはその死の前には極度のアルツハイマー状態に陥っていたとの見解も発表されています。
クリス・ベノワの墓
クリス・ベノワの墓の場所は公開されておらず不明です。
英語で検索してみてもヒットしないため、アメリカのファンの間でもクリス・ベノワの墓の場所は知られていないようです。(同姓同名の人物の墓はヒットするものの、レスラーのクリス・ベノワのお墓ではない)
まとめ
今回は、新日本プロレスを経て、WWEなどのアメリカのメジャーなプロレス団体で活躍したクリス・ベノワにまつわる事件を中心にまとめてみました。
クリス・ベノワは、1995年に新日本プロレスの練習生が練習中の事故で死亡した事件で、当時新日本プロレスのプロレスラーで練習のコーチを務めていた佐々木健介さんが関わっている事を暴露したと噂されています。しかし、これはクリス・ベノワの死後に勝手に出版された伝記に記されていた内容であり、事実かどうかは疑わしいようです。
クリス・ベノワは2007年に、当時の嫁のナンシー・ベノワと、当時7歳だった自身の子供のダニエル君を自宅で殺害した後に、自宅のトレーニングルームでの首吊り自殺により40歳で死亡しています。
クリス・ベノワの死因は首吊りによる自殺ですが、こうした異常な行動を取った原因はステロイドの副作用の可能性があるとする見解が示され、地元当局はそれについても捜査していました。
しかしその後、クリス・ベノワが事件を起こした原因はステロイドによるものではなく、プロレスラー生活の中で蓄積された頭部へのダメージによる、外傷性脳損傷の影響によるものだった可能性が高い事が調査にあたった専門家から発表されています。
嫁と子供を巻き添えにし、あまりにも悲惨な亡くなり方をしたクリス・ベノワですが、プロレスラーとしての実績は輝かしいものである事から、今も国内外に多くのファンが存在する人物です。しかし、その死に様もあってかそのお墓の場所は公開されておらず、アメリカのファンの間でも知られていないようです。