2000年3月に千葉県茂原市で発生した「茂原市重機オペレーター殺害事件」は「TVのチカラ」がきっかけで解決した事件として話題です。
この記事では茂原市重機オペレーター殺害事件の詳細な経緯と内容、被害者や犯人2人の名前、犯人の判決と現在などについてまとめました。
この記事の目次
茂原市重機オペレーター殺害事件の詳細
「茂原市重機オペレーター殺害事件」は千葉県で2000年3月に発生した殺人事件です。
被害者の男性は千葉県茂原市に住む重機オペレーターの江澤重雄さん(当時49歳)で、2000年3月11日の午前1時頃に自宅近くの居酒屋を出たのを最後に行方不明になっていました。
2004年、被害者の娘がテレビ朝日「奇跡の扉 TVのチカラ」に情報提供の呼びかけを依頼し、視聴者から有力な情報が寄せられた事で2005年3月16日に犯人2人の逮捕につながりました。
茂原市重機オペレーター殺害事件の詳細な経緯① 被害者の当日の足取り
茂原市重機オペレーター殺害事件の被害者の江澤重雄さんは、2000年3月10日の20時頃、自宅近くの居酒屋で1人で飲食した後に23時頃に退店。この時はいつもと変わらない様子でした。
その後、23時頃に2軒目の居酒屋に入店し、ビールを3本ほど飲んでカラオケを歌っています。その後、日付が変わって3月11日の午前1時頃に店を出て、1人で車を運転して自宅の方向へと帰っています。
茂原市重機オペレーター殺害事件の詳細な経緯② 娘が訪ねて被害者の失踪が判明
3月11日の昼過ぎ、被害者の江澤重雄さんの娘のかおるさん(当時18歳)が、父親の自宅を訪ねました。(江澤重雄さんは離婚していて一人暮らしだった)
ところが、江澤重雄さんは不在で、昼過ぎだというのに部屋の灯りがつけっぱなしになっており、食卓の上には醤油がかけられた小松菜のおひたしが1口食べられた形跡がある状態で置かれ、炊飯器にはご飯が炊かれていました。
娘のかおるさんは江澤重雄さんの携帯に電話をかけますが留守電につながってしまいます。夜まで待っていても一向に帰らないため、22時頃に旦那さんに迎えにきてもらうため部屋にあった固定電話の受話器を取りました。ところが、電話は不通になっておりおかしいと思い調べてみると電話線が刃物で切断されている事に気が付きました。
翌12日、江澤重雄さんが仕事先を10日以降無断欠勤している事がわかり、かおるさんは再び父の自宅へと向かいますが、ドアを叩いても反応はありませんでした。
いつもは鍵をかけていないドアが何故か施錠されていたため、かおるさんは父が中で倒れているのではないかと心配し、梯子を使って裏のベランダから部屋に入りますが中は11日に訪れた時のままになっていました。
また、江澤重雄さんがが使っていた車(会社から貸与されていた)も行方がわからなくなっていました。
娘のかおるさんは父が事件に巻き込まれたのではと心配し、3月15日に警察に捜索願を提出しています。
茂原市重機オペレーター殺害事件の詳細な経緯③ 娘が「TVのチカラ」に依頼
その後も被害者の江澤重雄さんの行方はわからず、娘のかおるさんは、テレビ朝日の生放送事件報道番組「奇跡の扉 TVのチカラ」に情報提供の呼びかけを依頼、TVのチカラは2004年10月11日と10月25日に2度にわたってこの事件を取り上げました。
そして、その生放送中に江澤重雄さんが最後に目撃された居酒屋の関係者の女性から「江澤さんが店内で暴行されるのを見た。酒瓶などで血だらけになるまで殴っていた」との情報提供がありました。
この情報提供者の女性は、犯人の2人とも顔見知りで、この2人から「被害者の江澤重雄さんは生きてる」と聞いていたため、警察への通報を行わなかったという事です。しかし、「TVのチカラ」を見て、江澤重雄さんがその日以来行方不明になっている事を知り慌てて番組宛に情報提供を行ったと説明しています。
番組は犯人の逃亡や証拠隠滅、情報提供者が危害を加えられる恐れなどを考慮して放送を自粛し、秘密裏に番組に寄せられた情報の警察への提供を行いました。
茂原市重機オペレーター殺害事件の詳細な経緯4人無職の男2人が逮捕
有力な情報提供を受けた警察は捜査を開始し、2005年3月16日に事件発生当日に江澤重雄さんに暴行を加えていた男2人を傷害逮捕しました。逮捕されたのは、内山俊範(逮捕当時38歳)、中山貴雄(逮捕当時30歳)の2人で、いずれも逮捕時は無職でした。
その後の取り調べで、犯人2人は居酒屋で居合わせた江澤重雄さんに、日本刀の柄で頭や顔を殴るなどの暴行を加えた後、車で山中に運んでさらに暴行して重傷を負わせた上、意識の無い状態の江澤重雄さんをガードレール越しに崖下に投げ捨てたと供述。
さらに犯人2人は、江澤重雄さんが取り上げられた「TVのチカラ」を視聴しており、これを見て証拠隠滅のために、江澤重雄さんを投げ捨てた現場に向かって遺体を探しに行ったが、遺体を発見できなかったという内容も供述しました。
犯人2人は、同年4月6日に殺人の容疑でも再逮捕されています。
なお、警察は犯人が供述した江澤重雄さんの遺棄現場を捜索しましたが、遺体は見つからず、現在に至るまで被害者の江澤重雄さんの遺体は見つかっていません。
茂原市重機オペレーター殺害事件の被害者の名前は江澤重雄さん
「茂原市重機オペレーター殺害事件」の被害者の名前は江澤重雄さんである事が「TVのチカラ」や犯人逮捕時の報道で公表されています。
「TVのチカラ」で紹介された情報によると、被害者の江澤重雄さんは重機オペレーターとしては優秀で、給料も月に30万円以上もらっていてギャンブルなどもしませんでした。
しかし、1999年9月の時点でサラ金(消費者金融)から100万円を借り入れている事が判明し、金銭トラブルで事件に巻き込まれた可能性も指摘されていました。また、酒癖が少々悪かったとの事で、酒によって喧嘩になり事件に巻き込まれた可能性も指摘されていました。
また、娘のかおるさんは事件当時結婚していて妊娠しており、被害者の江澤重雄さんは孫の誕生を楽しみにされていたそうです。この事から、事件発生当時は自発的な失踪はあり得ないとされていました。
茂原市重機オペレーター殺害事件の犯人の名前は内山俊範と中山高雄
「茂原市重機オペレーター殺害事件」の犯人の名前は、内山俊範と中山貴雄です。
千葉県茂原市の重機オペレーター江沢重雄さん(53)が2000年から行方不明になる事件があり、茂原署特別捜査班は16日、江沢さんに暴行したとして千葉市中央区矢作町、無職内山俊範(38)、同市緑区大椎町、同中山貴雄(30)の両容疑者を傷害の疑いで逮捕した。
この犯人2人は、居酒屋で被害者の江澤重雄さんに居合わせて暴行したと報じられていますが、なぜ、江澤重雄さんを暴行したのかについての動機は報道では明かされていません。
居酒屋で突発的な喧嘩が起きたのか、それとも犯人2人と被害者の間で以前から何らかのトラブルがあったのかなども明かされておらず不明です。
茂原市重機オペレーター殺害事件の判決
「茂原市重機オペレーター殺害事件」の犯人2人はその後殺人の容疑で起訴され、2006年5月23日に千葉地裁から、主犯格の内山俊範に懲役13年の判決が、共犯の中山貴雄に懲役10年の判決がそれぞれ言い渡されています。
ただ、この後については報道が出ておらず、犯人の2人が控訴したのかどうか、この判決が確定したのかどうかなどは不明です。
しかしおそらく、続報がないという事は、この一審での判決が確定し、犯人2人はそのまま刑務所に入った可能性が高いと思われます。
茂原市重機オペレーター殺害事件の現在
「茂原市重機オペレーター殺害事件」の現在についても情報はなく不明です。
ただ、犯人の内山俊範と中山貴雄は2人とも現在は既に刑期を終えて出所しているはずです。犯人2人が今現在どこで何をしているのかはわかっていません。
被害者の江澤重雄さんの娘の現在についても情報がありませんが、茂原市重機オペレーター殺害事件が発生した2000年3月の時点で妊娠7ヶ月だったと「TVのチカラ」で明かされていたため、被害者の江澤重雄さんの孫は現在は既に成人を迎えているはずです。
まとめ
今回は、2000年3月に千葉県の茂原市で発生した「茂原市重機オペレーター殺害事件」についてまとめてみました。
茂原市重機オペレーター殺害事件は、当時49歳だった重機オペレーターの江澤重雄さんが、居酒屋で居合わせた2人の男に激しい暴行を受け、車で山中へと連れ去られて意識の無い状態で崖下に投げ落とされたという事件でした。
被害者の娘が、テレビ朝日の「TVのチカラ」に情報提供の呼びかけを依頼した事がきっかけになって犯人2人が逮捕される展開となりました。
犯人2人の名前は、内山俊範と中山貴雄で、逮捕後に殺人容疑で起訴され、それぞれに懲役13年と懲役10年の判決が下されています。
現在については情報がなく不明ですが、犯人2人は既に出所しているはずです。