東京駅から30分の場所にある千葉県市川市に八幡の藪知らずと呼ばれる禁足地があります。
八幡の藪知らずが禁足地の理由ややばい理由、侵入者のその後や八幡の藪知らず事件の謎や犯人と事件の真相、霊視結果などをまとめました。
この記事の目次
八幡の藪知らずとは
出典:mainichi.jp
八幡の藪知らず(やわたのやぶしらず)とは、千葉県にある禁足地の1つです。昔から「入ると出られない」、「足を踏み入れてはいけない場所」、「侵入したら祟りがある」と言われている場所です。
八幡の藪知らずは、次のように称されることもあります。
・不知森(しらずもり)
・不知藪(しらずやぶ)
八幡の藪知らずの一角には不知森神社(しらずもりじんじゃ)があり、この不知森神社の一角は入ることができますが、それ以外の部分は石造りの囲いに囲まれていて、入ることはできないようになっています。
夏目漱石の「虞美人草」や江戸川乱歩の「孤島の鬼」の中で、迷宮に迷い込んでしまう(何が何だか分からなくなってしまう)という例えとして、「八幡の藪知らず」というワードを使っています。
つまり、夏目漱石(虞美人草は1907年)・江戸川乱歩(孤島の鬼は1930年)から、八幡の藪知らずが禁足地であることは有名だったことが分かります。
八幡の藪知らずは街中にある
八幡の藪知らずは千葉県市川市八幡2-8に位置している雑木林・竹林です。総武線・都営地下鉄新宿線の2路線が乗り入れている本八幡駅から徒歩5分の場所にあり、斜め向かいには市川市役所があります。市内の幹線道路で交通量の多い国道14号線に面しています。
東京駅からは電車で30分の場所にありますし、隣は駐輪場になっているので、八幡の藪知らずは都会にある禁足地と言えるのです。
八幡の藪知らずは小さい
八幡の藪知らずは「入ると出てこられない禁足地」の林ですので、広大な敷地を重い壁るかもしれません。でも、八幡の藪知らずは小さいんです。
八幡の藪知らずは18m四方の土地であり、約300坪しかありません。300坪は広いし大きな土地ですが、「入ると出てこられない禁足地」と考えると小さいですよね。300坪は体育館1個分くらいです。
八幡の藪知らずは近世以前は、今よりももっと広い土地だったようです。
広さ約300坪、北側は千葉街道、東・南・西は人家と境にしていますが、近世以前はもっと広かったと伝えられています。柵内左にある大きな石碑には「不知八幡森(しらずやわたのもり)」と記されており、一度入ったら二度と出られないと語り継がれてきました。
江戸時代にはほぼ現在の広さになっていたようです。
持ち主は葛飾八幡宮
八幡の藪知らずはの持ち主・管理者は、葛飾八幡宮です。葛飾八幡宮は八幡の藪知らずの近くにある神社です。
この葛飾八幡宮の職員も、八幡の藪知らずには入ったことがないと、2021年12月に放送された「奇々怪々!迷信探偵ファイル ~追跡!現代のミステリーゾーン~」では答えていました。八幡の藪知らずは、持ち主も入ったことがないという禁足地なのです。(ただ、竹が切られていたりしているので、管理されている様子はある)
禁足地とは?
禁足地とはどんな場所かご存じですか?禁足地とは、「足を踏み入れてはいけない場所」のことです。
・神聖な場所
・地域伝承で祟りがあるなどは言ってはいけないとされた場所
法律などで禁じられているわけではないものの、宗教的な理由や地域の伝承で入ってはいけないと昔から言われている場所が禁足地となります。
八幡の藪知らずは「地域伝承では言ってはいけない」と言われている場所になります。
八幡の藪知らずはやばい?
八幡の藪知らずは、江戸時代から「禁足地」とされていて、入ってはいけない場所であると言い伝えられていました。
1790年の葛飾記という書物には「藪の中に立ち入れば、たちどころにすくみ、死んで出る者はいない」と記されています。
市川市八幡の地域の人たちは老若男女問わず、八幡の藪知らず人については次のような伝承があることを知っていました。
・絶対に入ってはいけない
・入ると中で死んでしまう
・八幡の藪知らずの木を切ろうとした会社は倒産する
・武士の魂が宿った場所
・死を招く恐ろしい場所
このような伝承がある場所だったのです。そのため、八幡の藪知らずは江戸時代以降も木を切られたり、開発されたりすることなく残り続けました。
出典:bilibili.com
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東京駅から30分の場所で、駅から徒歩5分。さらに幹線沿いで市役所の斜め向かいという一等地で、きちんとした理由がないまま、開発・整備されずに森が残っているというのは、市川市の中ではこの八幡の藪知らずは相当やばい場所として認識されていることが分かります。
交通事故がやたら多い
八幡の藪知らずは本当にやばいの?と思っている人も多いと思います。でも、本当にやばいんです。八幡の藪知らず周辺では交通事故がやたら多いことが分かっています。
「奇々怪々!迷信探偵ファイル~追跡!現代のミステリーゾーン~」によると、八幡の藪知らず周辺では5年の間に27件の交通事故が起こっているそうなんです。
八幡の藪知らずは国道14号線沿いにあり、曲がりくねった細い道沿いにあるわけではありません。それなのに、交通事故が多発しているということは、八幡の藪知らずの祟りなのかもしれません。
番組内では、細いわき道から自転車や歩行者が飛び出してくるために、八幡の藪知らず周辺で交通事故が多いと結論づけていますが、八幡の藪知らずが長年禁足地で、八幡の藪知らずの伝承などを考えると、交通事故が多発しているのは祟りも関係しているのではないか?と思えてきますね。
八幡の藪知らず禁足地になった理由
なぜ八幡の藪知らずに入ってはいけないのか?なぜ禁足地なのか?という理由については、現在も不明なままとなっています。
八幡の藪知らずがやばい理由には次のようなものがあります。
・葛飾八幡宮を最初に勧請(神仏の分霊を他の場所に移して祭る)した神聖な土地
・平将門が朝廷軍と戦ったとき、将門軍の鬼門に当たった場所
・ここにだけ将門軍の死門の一角を残したので、この地に入ると必ず祟りある
・平良将の墓があった
・平将門の墓があった
・平将門の家臣の墓があった
八幡の藪知らずは平将門に関する伝承が多く残っていることが分かります。平将門を征伐した平貞盛と藤原秀郷が、京に帰る前に「この場所は八門遁甲の死門だから、足を踏み入れてはいけない。足を踏み入れたら祟りがある」と告げたとも言われています。
また、平将門自身の墓だった場所だから足を踏み入れてはいけないという伝承もありますし、平将門の6人の家臣が、将門の首を守り、土人形として風化した場所とも言われています。
市川市の公式Webサイトには次のように記されていました。
史実を見ると、この地が行徳の入会地(いりあいち、村や部落などの村落共同体で総有したことで、入会権が設定されている山林原野または漁場など)であり、八幡の住民はみだりに入ることが許されなかったので、「八幡知らず」と言われたのが藪知らずになったのではないかと言われています。
この八幡の藪知らずは八幡の住民は入ってはいけない場所だったので、八幡の住民の間で、長年にわたり語り継がれ、その中で尾ひれがついていき、八幡の藪知らず(禁足地)となっていったのかもしれません。
八幡の藪知らずに侵入するとどうなる?
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八幡の藪知らずは禁足地です。持ち主の葛飾八幡宮の職員ですら、八幡の藪知らずには入ったことがないそうです。でも、侵入したらどうなるのか?気になりませんか?
出てこられない
八幡の藪知らずに侵入すると、出てこられないと言われています。八幡の藪知らずはそれほど広くありませんが、侵入すると、雑木林の中に迷い込んでしまい、出てくることができず、八幡の藪知らずの中で死んでしまうのです。
神隠しが起こる
八幡の藪知らずに侵入すると、神隠しが起こるとも言われています。八幡の藪知らずの中に入ると、迷い込んで出られないのではなく、神隠しに遭って、どこかに消えてしまうというわけですね。
神聖な場所・禁足地で人が突然姿を消してしまうことは、日本全国で報告されていて、神様の仕業と考えられてきました。八幡の藪知らずでも、同じように神隠しが起こり、侵入した人は消えてしまうから、二度と出てこられなくなってしまうのかもしれません。
毒ガス説
八幡の藪知らずに侵入すると、毒ガスを吸って出られなくなるとも言われています。八幡の藪知らずは敷地内の中央部分が窪地になっていることが特徴です。その窪地から毒ガスが噴出していて、八幡の藪知らずに侵入すると、その毒ガスを吸って出てこられなくなってしまうというわけですね。
確かに、狭い敷地の中で出てこられなくなる理由としては理にかなっている気もします。でも、そうすると、周辺に住んでいる人や歩行者にも何らかの健康被害は出てきそうです。特に、周辺住民は常にその毒ガスを(低濃度とはいえ)吸っているわけですから、健康被害が報告されてもおかしくはありません。
そう考えると、この「八幡の藪知らず毒ガス説」は根拠が少ないと考えられます。
底なし沼説
八幡の藪知らずに侵入すると、底なし沼にはまって出られなくなるとも言われています。八幡の藪知らずは、中央が窪地になっていますので、そこに底なし沼ができていて、侵入者はその沼にはまって出てこられなくなってしまうのではないか?とも言われているんです。
これも、あくまでも推測でしかありません。
八幡の藪知らずに侵入した水戸黄門
出典:bs.tbs.co.jp
八幡の藪知らずに侵入したらどうなるのか?「生きて出てこられない」という噂はありますが、実際に侵入した人の体験談を聞いてみたいですよね。
実は、水戸黄門こと水戸光圀公は、八幡の藪知らずに侵入したことがあるんです。
水戸黄門は、八幡の藪知らずは「将門軍の死門の一角を残したので、この地に入ると必ず祟りある」という伝承があることを聞いて、「そんなわけあるか!馬鹿げている」と思って、八幡の藪知らずに侵入したんです。
すると、水戸黄門の前にたくさんの妖怪が現れ、最後に白髪の老人が現れて、次のように語ったと言います。
そして、命からがら、ようやく八幡の藪知らずから出てくることができたとのことです。白髪の老人は若い女性だったという伝承もあります。
水戸黄門は八幡の藪知らずから出てきた後は、その土地の人に「絶対に八幡の藪知らずに侵入してはいけない」と告げ、それ以外の多くのことは語ろうとしなかったそうです。そして、この水戸黄門の体験は、三枚つづりの錦絵になって全国に広まっていきました。
水戸光圀は1628年~1701年の人物です。こんな禁足地に入るなんて、若い時のことでしょうから、1650年頃のことでしょう。となると、もう400年近く前から八幡の藪知らずは禁足地となっていたと言えるのです。
Youtuberでも侵入した人はほぼいないらしい・・・
Youtuberの中には再生回数を稼ぐために、いろいろな無茶ををする人がいます。「迷惑系Youtuber」というカテゴリーもあるくらいですから。
でも、Youtuberの中にも八幡の藪知らずに侵入した人はほぼいないようです。
外側から八幡の藪知らずの内部を撮影したYoutuberはいますし、八幡の藪知らずを扱った動画はたくさんありますが、実際に侵入している動画はほとんどありません。
唯一見つけたのがこちら。
照明がほとんどなくかなり見づらいですが、いたずら半分で八幡の藪知らずに侵入しているようです。
八幡の藪知らず事件の詳細
八幡の藪知らず事件と呼ばれている事件があることをご存じですか?八幡の藪知らず事件とは、2013年7月11日午後3時すぎにい、千葉県で下校途中の女子高生・中川沙弥香さんが行方不明になった事件です。
中川沙弥香さんは下校途中に忽然と姿を消してしまったのです。通学の時にいつも使っている本納駅(自宅から2km)の防犯カメラには、午後3時15分ごろに姿が映っていました。しかし、その後は自宅に帰ることはなく、行方不明になってしまいました。
所持金は1,500円程度、さらに持っていた交通系ICカードは使われた形跡はありません。そのほか、手掛かりは全くなく、中川沙弥香さんは神隠しに遭ったかのように姿を消してしまったのです。
この事件は発生から約2ヶ月半後に思わぬ展開を見せました。なんと、神社から中川沙弥香さんが発見されたのです。
中川沙弥香さんは自宅からわずか約400mしか離れていない小さな神社の祠の中にやせ細り、横たわった状態で、近所の草刈りの確認のために神社に来た近所の男性に発見されました。
この時、中川沙弥香さんは衰弱していたものの、意識はある状態でした。
八幡の藪知らず事件の謎とは?
出典:asyura2.com
八幡の藪知らず事件は謎だらけの事件でした。八幡の藪知らず事件の謎を見てみましょう。
・犯人は誰なのか?
・何を食べていたのか?
・ずっと神社にいたのか?
・なぜ助けを呼ぼうとしなかったのか?
・どこでどうやって連れ去られたのか?
・なぜ捜索願が出されるのが遅かったのか?
・なぜ本格的な捜査は遅れたのか?
この八幡の藪知らず事件は、行方不明になった経緯も謎がありますし、発見時の状況も謎だらけでした。また、家族の動きにも謎が多い事件なのです。あまりにも謎めいた事件のために、八幡の藪知らず事件と呼ばれるようになったのかもしれません。
八幡の藪知らず事件の真相と犯人
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八幡の藪知らず事件には、犯人はいませんでした。あえて、犯人を挙げるとすれば、中川沙弥香さん本人です。つまり、家出のようなものですね。
発見当時、中川沙弥香さんは警察の「誰かに連れ去られたのか?」という問いには首を横に振り、「ずっとここにいたの?」という問いには首を縦に振っています。そして、「1人でいたのか?」という問いには「1人でいた」と答えているのです。
ということは、八幡の藪知らず事件には犯人はいなくて、事件性はなかったということになります。
事件の真相は宗教絡みか?
八幡の藪知らず事件の真相は、統一教会絡みではないかと言われています。行方不明になっていた中川沙弥香さんのご両親は統一教会の信者で、1988年にソウルで行われた合同結婚式に参加して結婚したという報道がありました。
つまり、沙弥香さんは統一教会二世、しかも「韓日家庭6500双」の二世になるのです。統一教会の中で「韓日家庭6500双」の二世はイエスキリストと同様に、原罪のない神の子という扱いになります。
沙弥香さんは両親や統一教会に日常生活を厳しく管理され、合同結婚式への参加などを強要されていた可能性があります。そして、そのような生活から抜け出すために家出をして、統一教会が忌み嫌う神社に逃げ込んだと見られています。
「もっと遠くに逃げれば良いのに」、「警察に駆け込めば良いのに」という意見もあるかもしれませんが、精神的に追い詰められた状態の10代なら、「とにかく一番見つからないような神社に隠れよう」としか考えられなかったのかもしれません。
八幡の藪知らず事件は「八幡の藪知らず」とは無関係?
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さて、八幡の藪知らず事件の概要と謎・犯人、事件を見て、この事件は「八幡の藪知らず」で起こったのか?と思った人もいると思います。
でも、実は八幡の藪知らず事件は八幡の藪知らずとは全く関係がありません。はっきり言えば、無関係です。
八幡の藪知らずの神社(不知森神社)と沙弥香さんが見つかった神社(日枝神社)は、まったく違う神社です。車で1時間の距離なので、かなり離れています。まあた、沙弥香さんが八幡の藪知らずに、行方不明になる前に立ち寄ったということもありません。
では、なぜこの事件が八幡の藪知らず事件と呼ばれるようになったのか?その理由は複数の要因が絡んでいると推測できます。
・「神隠し」のように忽然と姿を消した
・神社で沙弥香さんが1人で発見された。八幡の藪知らずにも神社がある
・謎が多すぎる事件だった
このような理由が考えられます。同じ千葉県だし、謎が多すぎる事件だし、行方不明になっていた沙弥香さんは、神社で1人で発見された。この情報から、これって「八幡の藪知らず」で神隠しに遭ったのではないか?と思った人が続出したんですね。
千葉県内の地元民なら、八幡の藪知らずと事件が起こった茂原市は遠く離れた場所であることが分かりますが、千葉県外の人にとっては「同じ千葉県内だし、神隠しみたいだし、八幡の藪知らずが関係しているはず!」と思った可能性があります。
確かに、この事件と八幡の藪知らずは無関係ですが、「八幡の藪知らず事件」と名付けても良いくらい、謎は多いですよね。
八幡の藪知らず事件の霊視結果
禁足地である八幡の藪知らずですが、この八幡の藪知らずを霊視すると、どのような結果になるのでしょう。水戸黄門はたくさんの妖怪を見たと言い伝えられています。
電話占い「紫苑」の「霊視能力に定評のある、純粋霊能者」である知子先生が霊視した結果、神聖な禁足地とのことです。
この心霊スポットを知子先生に現地にて霊視していただきました。
『八幡の藪知らず』を霊視された知子先生によると、この場所には伝説に伝えられているようなおどろおどろしい霊気は感じられず、「かつては神社が管理する神聖な禁足地のような所」とのことです。
引用:日本ミステリー紀行
HONKOWAの真闇の検証では、霊能者の寺尾玲子さんが霊視しています。
有名霊能者の寺尾玲子氏が霊視したところ・・・
僅かに「異界に通じる入口」の名残が在るそうですよぉ。
ちなみに、「奇々怪々!迷信探偵ファイル~追跡!現代のミステリーゾーン~」の中では、調査中に「なかなかの妖気を感じる」と言った専門家もいました。
これらの霊視をまとめると、「神聖で異世界に通じていて、妖気がある」ということでしょうか。霊視は霊視する人によって見え方が違うものだとは思いますが、それでも八幡の藪知らずが特別な場所であるということはわかりますね。
八幡の藪知らずのまとめ
八幡の藪知らずの概要ややばいと言われる理由・伝承、侵入者について、八幡の藪知らず事件の謎や犯人、真相、霊視結果などをまとめました。
八幡の藪知らずが禁足地であることは、長年言い伝えられてきたことです。それだけ長い間言い伝えられてきたということは、何かしら「ある」ということでしょうから、興味本位で侵入しない方が良さそうですね。