愛の妖精ぷりんてぃんとは未女子日女さんが考案したキャラクターで、公式サイトもあります。
この記事では愛の妖精ぷりんてぃんが検索してはいけないと言われている理由、二代目・未女子日女の孫と現在、宗教や事件と関与している噂について紹介していきます。
この記事の目次
愛の妖精ぷりんてぃんとは
「愛の妖精ぷりんてぃん」とは、未女子日女(みめこひめ)さんという女性が考案したキャラクターです。
ハートを2つ組み合わせたデザインで、「心が結びついた時に生まれる愛の妖精」という設定を持ちます。ネット上では「尻の妖精」と揶揄されることもありますが、ハートが元になっています。
もともとぷりんてぃんは、未女子日女さんが自身の3人の息子たちを寝かしつける時に聞かせていた創作童話の登場キャラクターだったそうです。
この息子たちが成長してから母のイラストを使ってウェブサイトを作り、それが大きな話題となって、ぷりんてぃんもキャラクターとして注目を集めるようになりました。
愛の妖精ぷりんてぃんの公式サイト
出典:http://blog-imgs-40.fc2.com/
愛の妖精ぷりんてぃんの公式サイトは、2001年2月4日頃に開設されました。
2001年というとインターネット黎明期であり、一般家庭におけるネット普及率は44.0%程度です。
この頃には個人が趣味で作成した変わったサイトが複数存在しました。愛の妖精ぷりんてぃんの公式ホームページもその一つで、トップ画面に未女子日女さん(当時60歳前後)の顔写真が大きく表示され、さらに彼女の肉声によるメッセージが大音量で流れという衝撃的な構成でした。
そのため2ちゃんねるなどで存在を知って訪れる人が増えていき、「あまりにも電波」「写真の女性は何者なの?」「トップページで流れる音楽が何気に良曲で怖い」などなど、完成度の高さと目的の不明さから大きな話題を集めるようになったのです。
2004年の秋には年間130万アクセスを超える超人気サイトに成長し、2007年にはニコニコ動画で「週間ぷりんてぃん」というラジオ番組も配信されていました。
愛の妖精ぷりんてぃんは検索してはいけない言葉?理由は?
「愛の妖精ぷりんてぃん」は、検索してはいけない言葉としても話題になったことがあります。しかし公式サイトに有害なコンテンツはありませんし、アクセスするとウイルスに感染するなどの仕掛けもありません。
愛の妖精ぷりんてぃんが検索してはいけない言葉と囁かれるようになった理由としては、以下のようなものがあげられます。
・とにかくページが重い
・ネタとして「精神的ブラクラ(ブラウザクラッシャー)」と呼ばれる
・大音量で音楽が流れるため、閲覧する場所や時間を選ぶ
ぷりんてぃんが話題になった当時はADSL回線でのネット接続が主でした。現在のように一般家庭のPCでストレスなく動画が観られたわけではなく、環境によっては写真が数枚掲載されたニュースサイトを開くのにも時間がかかった程です。
トップ画面で音楽とメッセージが流れる愛の妖精ぷりんてぃんの公式サイトは情報量が多く、「重たい」と呼ばれる部類のサイトでした。
さらに当時の携帯電話のネット接続は従量課金制が主だったので、うっかり外で「愛の妖精ぷりんてぃん」と検索してサイトを表示してしまうと「パケ死」という悲惨なことになりかねませんでした。そのため「検索してはいけない」と言われていたのでは?とも指摘されています。
また、あまりにも個性的なページ構成だったことからネタとして「精神崩壊注意!」「ネット初心者には刺激が強い」と話題になった面もあります。
実際には「辛いことがあると見に行く。元気が出る」「震災後のメッセージとか見ると、とても常識的な人が作ってるサイトなのがわかる」といったように好意的な感想が多く、本心から「検索するな」と言っている人はまず見かけません。
なお、サイト運営側も愛の妖精ぷりんてぃんが検索してはいけない言葉として知れ渡ったことをネタにしており、サイトのエントランス画面で「検索してはいけないサイトを期待してきた人はごめんなさい」と無害なコンテンツであることを訴えています。
愛の妖精ぷりんてぃんの噂① 宗教と関係している?
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愛の妖精ぷりんてぃんの公式サイトにはショップページがあり、お守りや開運待ち受け画像などが販売されています。そのためサイトの独特な雰囲気もあいまって、「新興宗教の布教サイトなのでは?」との噂が流れたこともありました。
とくにサイトが話題になりだした頃には、お守りを1万数千円の価格で販売しようとしたことから批難が集まり、「金儲けが目的の怪しいサイトだ!」と炎上しかけたこともあったといいます。
直後に速やかにお守りの価格を改定し、それどころかフェルト製のぷりんてぃんのお守りを希望者に無償で配るという赤字サービスを開始して事なきを得ましたが、この時の騒動は宗教との関係が噂される一因と考えられます。
また、愛の妖精ぷりんてぃんの公式サイトは個人ではなく埼玉県富士見市にある「ジーズオフィスあまてらす」という合資会社によって運営されています。
このジーズオフィスあまてらすは、ぷりんてぃんの公式サイトのほかに「たかまがはら ねっとランド」というまとめサイトも運営しており、芸能ニュースや天気予報などを配信していました。
現在はたかまがはら ねっとランドと愛の妖精ぷりんてぃんの公式サイトは統合されているのですが、この「あまてらす」「高天原」という言葉の選び方から宗教のにおいを感じた人も少なくなかったようです。
ただジーズオフィスあまてらすは前述のように合資会社であり、宗教法人としての活動はしていません。
また、ぷりんてぃんの公式サイトでは特定の神や個人への信仰を勧めるような記載も見られないことから、新興宗教との関わりはないと思われます。
愛の妖精ぷりんてぃんの噂② 事件を起こしたことがある?
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愛の妖精ぷりんてぃんと検索すると、サジェストに「事件」という言葉が出てきます。しかし、調べてもぷりんてぃんの作者や運営会社がトラブルを起こしたという情報はありません。
唯一、事件と関係していそうなのが2006年に作成されていた「愛と幸せの妖精ぷりんてぃん マジカル☆エンジェルズ」というライトノベルです。
この作品は愛の妖精ぷりんてぃん公式のウェブノベルで、auの携帯電話向け電子書籍サイト「そらゆめBOOKS」にて、人気ランキング1位を記録したこともあるといいます。
ストーリーは悪事を働いているチンピラなどを、3人組の美少女戦士・マジカル☆エンジェルズが更生させる、ちょっとした事件を解決するというもの。「心の汚れたエンジェルさん。あなたに、愛のきらめきよ!」が決め台詞です。
現在は愛の妖精ぷりんてぃんの公式サイトにて全話掲載されており、無料で読むことができます。
ちなみにエピローグまで読んでみましたが、話は終わっていませんでした。本当はマジカル☆エンジェルズは6人いるとのことですが、作中では3人しか見つかっていないので物語は未完なのだそうです。
最後も「おしまい…または、つづく☆」でしめられていることから、続編が作られる可能性も考えられるでしょう。
愛の妖精ぷりんてぃんの噂③ ソースコードが面白い?
愛の妖精ぷりんてぃんの公式サイトはソースコードにも仕掛けがされており、ところどころに遊び心のあるアスキーアートが仕込んであります。
また、どうしたらネットメディアがTVのようなマスメディアになれるのかを考証した以下のようなpdfファイルまで仕込んであり、運営者側が至って本気でサイト製作をしていたことがわかります。
このように見えないところにまで仕掛けをしているところが、黎明期にネットに親しんでいたマニアたちの琴線に触れたようです。
愛の妖精ぷりんてぃんの現在① 孫が二代目・未女子日女を襲名
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2022年現在も愛の妖精ぷりんてぃんの公式サイトは健在です。ただ2021年になってから公式サイトは初代・未女子日女こと星野韶子(ほしのしょうこ)さんから、10代(高校生)の孫娘に引き継がれたといいます。運営スタッフも若返ったとのことです。
サイトには「祖母が作ったネット伝説(ミーム)を孫が継承」とあり、上の女性の写真が掲載されていました。
二代目に継承されたことについて、SNSでは「孫娘に継承されてから毒気が抜けた」「一時期更新が激減して心配したけど、ちゃんと更新されているようで何より」「襲名制だったんだ…」「二代目の女の子、可愛い」等の反応が見られました。また、2021年以降はスマホからも見やすくなったと指摘されています。
なお、初代の未女子日女こと星野韶子さんは1943年生まれとのことなので、もう80歳近いお年です。しかし、愛の妖精ぷりんてぃんの公式サイトによると病気による引退ではなく、現在もご健勝とありました。
二代目に継承されてからサイトのカラーが変わったとも言われていますが、「この時代になっても、ブログ形式にしていないところに好感が持てる」「ネット黎明期にあった意味不明なサイトのほとんどが閉鎖している今となっては、貴重な存在」と継続していることを評価する声が多い模様です。
愛の妖精ぷりんてぃんの現在② Twitterにも進出している
【お昼のぷりんてぃん♪】 時には両手を大きく広げて、深呼吸! 大空にくるまれ、大自然のエネルギーを全身に受け止めたら、うん! まだまだ、がんばるぞー!だよね! エンジェルのみなさん、昨日に比べて少し肌寒いですね。さあ、午後も元気に、レッツ・ぷりんてぃん!ですよ(^-^)
— 未女子日女 with ぷりんてぃん (@mimeko_hime) October 24, 2022
愛の妖精ぷりんてぃんの情報は「未女子日女 with ぷりんてぃん」というTwitterアカウントでも発信されています。
だいたい1日に2回、朝と昼にポジティブなメッセージを呟いているようです。二代目のお孫さんが襲名してからSNS進出をしたのかと思いきや、アカウント開設は2010年と10年以上運営されていました。
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詳細はこちら https://t.co/6x5dM2QRcc pic.twitter.com/DyhckO5Ffh— 未女子日女 with ぷりんてぃん (@mimeko_hime) June 11, 2016
またぷりんてぃんのLINEスタンプも販売していました。こちらは初代の未女子日女さんがイラストを描いたものらしく、購入者からは「意外にも使い勝手が良くて、おすすめです」というコメントが寄せられています。
愛の妖精ぷりんてぃんの現在③ 商標登録されている
ぷりんてぃんのグッズは多く販売されており、2005年にPHP文庫から『愛と幸せの妖精ぷりんてぃん』という書籍も出ていました。
この本は初代の未女子日女さんからのメッセージブックになっており、奇抜な内容なのかと思いきや普通に心温まる含蓄のある言葉が綴られています。
書籍やグッズが発売されていることから、ぷりんてぃんの著作権はどうなっているのだろう?と疑問に思って調べてみたのですが、管理会社の「ジーズオフィス あまてらす」によってちゃんと商標登録されていました。やはり会社が運営しているので、きちんとしているんですね。
しかし、ぷりんてぃんなどのキャラクターの二次利用については初代の未女子日女さんが許可しているといい、ファンがpixivなどに投稿した二次創作画像が公式サイトで紹介されることもあります。
愛の妖精ぷりんてぃんについてのまとめ
この記事では2000年代初頭に誕生し、ネットをざわつかせた「愛の妖精ぷりんてぃん」について紹介しました。
現在の愛の妖精ぷりんてぃんの公式サイトは、なんJなどの記事を紹介するアンテナサイト化しており、「商売っ気が出た」「グッズも大量に出して、これが完成形なのか」と寂しがる声も上がっています。
しかし延々と動くスクロールバーや、ところどころに散りばめられたイラストなど現在も胸焼けするほどの情報を提供してくれる心意気は変わっていません。
ぷりんてぃんと同時期に「検索してはいけない」と話題になったサイトも、現在は閉鎖しているものがほとんどだといいます。そんななか残り続けている愛の妖精ぷりんてぃんには、これからも末永く更新を続けてほしいですね。