2016年に秋田県鹿角市で発生した戦後最悪の獣害事件「十和利山熊襲撃事件」が話題です。
この記事では十和利山熊襲撃事件の詳しい経緯、発生場所、被害者や遺体発見時の状況、原因がタケノコ採りで自業自得だという声や、なんJでも話題の件、その後などについてまとめました。
この記事の目次
- 十和利山熊襲撃事件は2016年に発生した4人が死亡した熊害事件
- 十和利山熊襲撃事件の経緯① 5月21日、第一犠牲者の遺体が発見される
- 十和利山熊襲撃事件の経緯② 5月22日、70代夫婦が襲われ夫が死亡
- 十和利山熊襲撃事件の経緯③ 5月26日、50代男性が熊に襲われるも撃退
- 十和利山熊襲撃事件の経緯④ 5月29日、タケノコ採りの女性がお尻を噛まれ軽傷
- 十和利山熊襲撃事件の経緯⑤ 5月30日、60代男性の遺体が見つかる
- 十和利山熊襲撃事件の経緯⑥ 6月10日、70代女性の遺体が見つかる
- 十和利山熊襲撃事件の経緯⑦ 6月15日と30日に熊の襲撃により計2名負傷
- 十和利山熊襲撃事件の発生場所
- 十和利山熊襲撃事件の被害者は死亡者4名と負傷者が少なくとも3人〜5人
- 十和利山熊襲撃事件は警告を無視したタケノコ採りが原因で自業自得の声も
- 十和利山熊襲撃事件はなんJなどネット匿名掲示板でも話題に
- 十和利山熊襲撃事件のその後① 主犯のスーパーK含む熊2頭が殺処分に
- 十和利山熊襲撃事件のその後② 付近の山林は入山禁止に
- まとめ
十和利山熊襲撃事件は2016年に発生した4人が死亡した熊害事件
「十和利山熊襲撃事件」は、秋田県鹿角市十和田大湯の十和利山(とわりさん)の山麓で、2016年5月20日から6月30日にかけて発生した野生の熊による獣害事件です。
タケノコ採りなどを目的に山に入っていた地元住民ら4人が熊に襲われて死亡し、他にも10人以上が襲われて、そのうち少なくとも3人〜5人が重軽傷を負いました。
十和利山熊襲撃事件の経緯① 5月21日、第一犠牲者の遺体が発見される
十和利山熊襲撃事件の経緯を時系列順に紹介していきます。
2016年5月20日、ネマガリダケ(タケノコの仲間)を採取しに鹿角市十和田大湯字熊取平の竹林に入った当時79歳の男性が行方不明になりました。
この男性は捜索に入った秋田県警鹿角署の署員によって、翌21日午前7時頃に、付近の竹林内から遺体となって発見されました。男性の遺体には、顔や左半身に爪痕や噛み痕があった事から熊に襲われたと推測され、専門家からは食害(熊による摂食行為による被害)の可能性も指摘されました。
同じ日には付近で、60代の女性がタケノコ採り中にツキノワグマに襲われて負傷する事件も発生していたため、地元警察は注意喚起の看板を設置しています。
十和利山熊襲撃事件の経緯② 5月22日、70代夫婦が襲われ夫が死亡
第一犠牲者の遺体発見翌日の5月22日の午前7時30分頃、最初の遺体発見現場から北西約800メートルの場所で、タケノコ採りをしていた70代夫婦が熊に襲われました。
妻は逃げて無事でしたが、夫は同じ場所で遺体となって発見されました。遺体の側頭部と腹部に爪傷と咬み傷が確認され、熊によるものと断定されました。
これとほぼ同じ時間帯に、別の女性(氏名や年齢不詳)が熊に襲われ擦過傷を負う被害も発生しています。
相次ぐ熊被害を受けて、東北森林管理局が、現場周辺の林道を6キロメートルを通行止めにし、林道の出入り口に注意を促す看板を設置しています。
十和利山熊襲撃事件の経緯③ 5月26日、50代男性が熊に襲われるも撃退
5月26日、鹿角市十和田大湯田代平で青森県おいらせ町からタケノコ採りに来ていた当時58歳の男性が、熊に襲われますが、咄嗟に近くの笹竹を尖らせて反撃し、約20分間対峙して小競り合いを繰り広げた後に撃退に成功しています。
この男性はテレビの取材を受けて、熊との戦いを武勇伝のように語っていたのが印象的でした。
十和利山熊襲撃事件の経緯④ 5月29日、タケノコ採りの女性がお尻を噛まれ軽傷
さらに数日後の5月29日の朝方、十和田大湯字田代平山林にタケノコ採りに入っていた青森県新郷村の当時78歳の女性が熊に襲われてお尻を噛まれて軽傷を負いますが、同行していた当時50代の男性が、タケノコ掘りのために持っていたナタで反撃し撃退しています。
十和利山熊襲撃事件の経緯⑤ 5月30日、60代男性の遺体が見つかる
5月30日午前11時5分頃、5月25日朝からタケノコ採りをしに田代平に入ったまま行方不明になっていた青森県十和田市の男性(当時65歳)が、同竹林の中で遺体となって発見されました。
遺体は死後数日が経過しており、熊の食害にあったためか激しく損傷していました。
十和利山熊襲撃事件の経緯⑥ 6月10日、70代女性の遺体が見つかる
6月10日午前10時40分頃、6月7日から山菜採りに出かけたまま行方不明になっていた当時74歳の女性が十和田大湯の山林内で遺体となって発見されました。遺体には食べられた痕跡が残されていました。
遺体発見から約3時間後の同日14時頃、女性の遺体発見現場から約10メートルの場所で地元の猟友会が体長約1.3メートルの雌のツキノワグマを発見し射殺しています。
6月13日にこの雌熊は司法解剖され、胃袋の中から遺体の一部が発見されています。
十和利山熊襲撃事件の経緯⑦ 6月15日と30日に熊の襲撃により計2名負傷
食害をしていた雌の熊が射殺された後も、別の熊による被害者が発生し続けました。
6月15日、山菜採りやタケノコ採りに同地域の山林に入っていた4人グループが、熊に襲撃されてうち1人が負傷しています。
6月30日には、4名が遺体となって発見された一帯の場所からは約9キロメートル離れた大清水という場所で、男性が熊に襲われて頭部に重傷を負っています。場所が離れていた事から、一連の事件とは別の熊ではないかと推測されましたが、のちの調査により田代平で遺体で発見された男性の食害に参加した熊である可能性が高まりました。
十和利山熊襲撃事件の発生場所
十和利山熊襲撃事件が発生した場所は、秋田県鹿角市十和田大湯(とわだおおゆ)に所在する十和利山の山麓で、急斜面が少なく採取がしやすい事から、タケノコ採りの人気スポットだったようです。
この場所には以前からタケノコを採取して業者に売って金銭を稼ぐ地元や近隣の人々が訪れていたようです。
十和利山熊襲撃事事件は、第一犠牲者が熊に襲われて死亡し、付近にいた複数の熊がその遺体を食害した事で味をしめて、その後もその場所に留まってタケノコ採りなどに訪れた人々を次々と襲ったのが原因ではないかとする見方も出ています。
十和利山熊襲撃事件の被害者は死亡者4名と負傷者が少なくとも3人〜5人
十和利山襲撃事件の被害者は、死亡者が4人、負傷者が少なくとも3人〜5人発生しています。
被害者のうち死亡したのは、最初に発見された当時79歳の男性、夫婦で襲われた当時78歳の男性、タケノコ採りをしていた当時65歳の男性、山菜採りをしていた当時74歳の女性の4人でした。
死亡した4人以外にも熊に襲われた被害者は10名以上おり、そのうちの3人〜5人が熊によって重軽傷を負っています。
十和利山熊襲撃事件は警告を無視したタケノコ採りが原因で自業自得の声も
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十和利山熊襲撃事件は4人が死亡した痛ましい事件ですが、一部では、被害者達は自業自得という声も見られるようです。
というのも、被害者のうち最初に亡くなった1名は仕方がないにしても、他の被害者らは、地元当局が警告を発した後に山に入って被害に遭っているためです。
この地域の人々が危険を冒してまでもタケノコや山菜を採りに山へと入ったのは、それを業者に売って生活費を稼いでいる人々が多かった事も原因だったようです。この地域では、タケノコ採り以上に稼げる仕事はほとんど無いそうで、それも命を賭けてまでタケノコ採りに挑んだ理由の1つだったようです。
ただ、いくらそうした事情があったにせよ、実際に熊が出没しており、被害者が続出している状況の中で山に入るというのは、流石に命知らず過ぎるとして自業自得ではないかという声が多く上がったようです。
また、熊被害が大々的に全国ニュースになった後も、地元民だけではなく隣接県からもわざわざタケノコ採りに訪れる人々が後をたたず、こうした人々に対しても被害に遭っても自業自得だといった批判的な声が上がりました。
これぞ「自業自得」です。助けに行かないよ、勝手にしなさい。
秋田県鹿角市で4人クマに襲われ死亡・・・それでも、依然としてタケノコ採りの入山者が続々。クマに襲われても助けに行かないよ!!— MBA48 (@kaoru3_) June 12, 2016
個人的に怖いのは三毛別と福岡大ワンゲル同好会、幌新沼田。逃げようがないのは乗鞍岳。自業自得だけど、笑えないのは十和利山ですかね。
— frandoll★🐉 (@frandollu8) June 18, 2021
十和利山熊襲撃事件はなんJなどネット匿名掲示板でも話題に
十和利山熊襲撃事件は5ちゃんねるの「なんJ」板などの匿名掲示板でも話題になり、現在もなんJまとめなども多く作成されて人気です。
こうしたなんJなどの匿名掲示板でも、十和利山熊襲撃事件は被害者達の自業自得という意見が多くなっています。
20: 名無しさん 2019/01/25(金) 06:39:30.66 ID:E/Kr6hax0人喰い熊がいるの分かってるのに欲かいて山に入ってくんだから自業自得だろ
41: 名無しさん 2019/01/25(金) 06:48:14.55 ID:8Ubr79cD0熊取平なんて名前がついてる土地に「怖いですけど、実際に見たことがないから」と言って
高価なタケノコ目当てに入っていく欲ボケした田舎者が悪いんだよ持ち家欲しさに、地名に「沢」や「谷」がついてる場所に家を買って水害で流される連中と同じ
321: 名無しさん 2019/01/25(金) 08:14:56.96 ID:x95RXepx0クマは悪くない
ある意味そこの先住民
そこに私利私欲で押し入る人間味が悪い
十和利山熊襲撃事件のその後① 主犯のスーパーK含む熊2頭が殺処分に
十和利山熊襲撃事件のその後、最初に人間を襲ったと推測される雄熊通称「スーパーK」が、2016年9月(事件発生から約3ヶ月後)に捕獲されて殺処分されています。
ただ、そのぼも専門家は十和利山熊襲撃事件で遺体を食害した可能性がある、熊3頭が依然として山林内に生息している可能性があるとして警告を発しています。
事件の“主犯”とみられる雄グマ「スーパーK」は昨年9月に捕獲され、駆除(殺処分)されたが、遺体を食べた可能性がある「人食いグマ」が3頭生き残ったと推測される。
十和利山熊襲撃事件のその後② 付近の山林は入山禁止に
十和利山熊襲撃事件のその後、被害者の出た場所一帯は入山禁止区域に指定され、現在も看板が設置されています。
ただ、その後は熊被害が発生していない事もあってか、入山禁止を無視してタケノコ採りや山菜採りのために山に入っていく人が後を絶たないといった情報も見られます。
まとめ
今回は2016年5月から6月にかけて秋田県の十和利山の山麓で発生した野生の熊による獣害事件「十和利山熊襲撃事件」についてまとめてみました。
十和利山熊襲撃事件は、タケノコ採りなどのために山林内に入った地元や近隣の人々が熊に襲われた戦後最悪とも言われる獣害事件で、被害者は、死亡4人、負傷者少なくとも3人〜5人にものぼりました。
遺体には熊に食べられたような痕があり、複数の熊が食害に及んだと推測されています。
十和利山熊襲撃事件の被害者に対しては、警告が出されているのにタケノコを採るために山に入るものが続出した事から、自業自得という声も出ており、なんJなどでも話題にされました。
十和利山熊襲撃事件のその後、被害者らを襲った熊のうち2頭が猟友会によって射殺されていますが、依然として3頭が同じ場所に生息している可能性があるとして専門家は警告を発しています。
その後、事件のあった場所は入山禁止とされていますが、現在もタケノコを採るために山に入る者が後を絶たないそうです。