千葉県鴨川市北東部に位置する金山ダムは最恐の心霊スポットとして全国的に知られています。
この記事では心霊スポットとなった金山ダムでの心霊現象では何があったのかや心霊写真、実際に心霊話の中で語られる死亡事件や事故はあったのか、歴史や現在の昼間の様子についてまとめました。
この記事の目次
金山ダムは千葉県鴨川市の有名心霊スポット
「金山ダム」は、千葉県鴨川市北東部にひっそりと水を湛える農業用水専用のアースダムで、心霊スポットとして全国的に知られています。
房総半島に数あるダムの中でも金山ダムは「千葉県最恐」との呼び声も高く、怪談界最大の巨匠である稲川淳二さんも過去に金山ダムにまつわる心霊話を語っています。
一方で、金山ダムは灌漑という重要な役割を担い、風光明媚な釣りやハイキングのスポットとして地域住民に親しまれているという、もう一つの顔も持っています。
ここでは、千葉県鴨川市の金山ダムに何があったのかを伝わっている心霊話を中心に紹介しつつ、その背景となる実際の事件や事故はあったのかや、金山ダムの歴史と現在の穏やかな一面にも注目してまとめていきます。
金山ダムで何があったのか① 赤い服を着た女の霊の目撃談
心霊スポットとしての金山ダムにまつわる心霊の噂で最も象徴的に知られているのが、「赤い服を着た女の霊」です。
この赤い服を着た女の霊は、特にダム周辺に点在するトンネル内での目撃談が相次いで報告されています。
金山ダムへ至る道には、素掘りのトンネルやコンクリートで舗装されたトンネルが複数存在しますが、稲川淳二さんの怪談で語られたのも、このトンネルが舞台であったとされています。
噂によると、かつてこの場所で1人の女性が惨殺される事件があり、その無念の魂が今もなお成仏できずに彷徨っているのだとか。
深夜、車のヘッドライトに照らし出された暗いトンネルの中、不意に赤い服を着た女が姿が現れると言われており、その姿は、車に向かって駆け寄ってくる、あるいは、ただじっとこちらを見つめているなど、様々なバリエーションで語られています。あまりの恐怖に運転を誤り、事故を起こしかけたという体験談も後を絶ちません。
金山ダムで何があったのか② 赤い吊り橋にまつわる怖い話
金山ダムのダム湖には、その景観のアクセントともなっている象徴的な赤い吊り橋「金山ダム船代橋」が架かっています。
この赤い吊り橋にまつわる心霊の噂も、金山ダムを心霊スポットとして全国的に有名にする要因となっています。
語り継がれる心霊話では、かつて将来を悲観した若いカップルが、この赤い橋から身を投げて心中を図ったとされています。しかし、皮肉にも男性だけが一命を取り留め、女性だけが帰らぬ人となります。
それ以来、この橋を男性が1人で渡ると、水面から無数の白い手が伸びてきて、水中に引きずり込もうとするのだそうです。
それは、1人だけで逝ってしまった女性の嫉妬と怨念や、助かったはずの男性を、自分と同じ世界へといざなうための呪いなどと囁かれています。
この心霊の噂は、訪れる男性の心に重くのしかかり、橋を渡ることを躊躇させるには十分な恐怖を与えています。
金山ダムで何があったのか③ 女の泣き声と子守唄が聞こえる心霊現象
心霊スポットとしての金山ダムにまつわる怖い噂として、静寂に包まれた夜間のダムで、どこからともなく不気味な声が聞こえてくるというものがあります。
特に金山ダム周辺のトンネルの中では、女性の悲しい泣き声や、すすり泣きが聞こえてくることがあると言われています。
さらに不可解なのは、「子守唄が聞こえる」という証言です。周囲に民家もない山深いダムで、なぜ子守唄が聞こえるのか。一説には、過去にダムで命を落とした母子の霊によるものではないかとも囁かれていますが、その真相は定かではありません。
音の出所が不明であるからこそ、その声は聞く者の不安を極限まで掻き立て、姿なき存在の気配を濃厚に感じさせるのかも知れません。
これらの金山ダムにまつわる心霊の噂は、心霊スポットをまとめたウェブサイト「全国心霊マップ」などでも共有されており、そこには複数の心霊写真とされる画像や、訪れた人々の体験談が数多く寄せられています。
これらが事実であるか否かは別として、金山ダムがこれほどまでに強力な心霊スポットとして認知されている背景には、こうした具体的で物語性に富んだ恐怖譚の存在が大きいと言えるでしょう。
金山ダムで実際に起きた事件や死亡事故の記録は確認できない
数々の恐ろしい噂が語り継がれる心霊スポットである金山ダムでは、女性の殺害やカップルの心中といった話がまことしやかに囁かれていますが、果たしてこれらの噂を裏付けるような事件、事故、死亡例は実際にあったのでしょうか?
全国の心霊スポットを紹介するウェブサイト「全国心霊マップ」では、金山ダムで起きた事件や事故のニュースについて「ニュースはありません」と明記されています。
インターネットやの各種ニュースメディアのアーカイブを確認してみても、少なくとも報道されるような殺人事件や、心中の事実が金山ダムで起きたというのは公に記録されているわけではないようです。
しかし、全く何も起きていないわけではなく、2025年3月26日、金山ダム付近の山林内にある太陽光発電所で作業していた65歳の男性が、下山する際に道に迷い、一時行方不明になるという事件が発生しています。
しかし、男性は翌27日の朝、無事に発見されています。とはいえ、この事件は金山ダム周辺が、時に人を寄せ付けない険しい自然環境であることを示していると言えます。心霊現象とは直接結びつかないものの、事件や事故が起こりかねない山間部特有の危険性が存在することは事実だと言えるでしょう。
また、ダムの管理上の注意看板には「この湖沼にてボート遊び及び遊泳等を禁止いたします。尚これをやぶり、事故の発生が有りましても、当方は一切の責任を負いません。」との記載があります。
これは、水難事故防止のための一般的な注意喚起ですが、過去に何らかの事故があった可能性を完全に否定するものではありません。
結論として、現在調査できる範囲では、金山ダムの心霊の噂の直接的な原因となったとされる「殺人事件」や「カップルの心中」といった出来事を含めて、金山ダムで実際に事件や事故が発生し報道されたという記録は見当たりません。
これらの話は、ダムという閉鎖的な水域、暗く不気味なトンネル、いわくありげな橋といった場所の雰囲気から生まれた都市伝説的な側面が強いと考えられます。
しかし、山岳遭難のリスクや水難事故の可能性といった現実的な危険は存在しており、訪れる際には十分な注意が必要です。
金山ダムでの心霊写真もネット上で話題に
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全国的に有名な心霊スポットである金山ダムでは、心霊写真が撮れたという話題もネット上で多く確認できます。
金山ダムの心霊写真で最も有名なのは、2014年にYahoo!知恵袋で公開されたもので、周辺のトンネルの中で前を走行していた車のリアガラスに顔のようなものが写り込んだとするものです。(上の画像)
他にも、実話怪談話でも知られる芸人の島田秀平さんが2015年に心霊企画で金山ダムを来訪した際に女性の霊が写り込む心霊写真が撮れて、それから女性の幽霊に取り憑かれているという心霊話を披露しています。
島田秀平さんの心霊体験で千葉県の金山ダムにいって、そこで撮った写真に女性の霊が写り込んでた
そのあとからずっと島田秀平は左肩が重いらしく、霊能者の方によると指一本で肩にぶら下がってるらしいいや、指一本って
エンターテイメント性高いな— かま (@2646One) August 10, 2015
金山ダムの歴史と役割
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心霊スポットとしての知名度があまりにも高い金山ダムですが、その本来の姿は、地域の農業を支えるために築かれた重要な灌漑施設です。心霊スポットとしての顔の裏側には、先人たちの努力の歴史など、知られざる背景が存在しています。
農業を支えるアースダム
金山ダムは、金山川を堰き止めて造られたアースダム(土を盛り立てて造る形式のダム)です。1952年(昭和27年)に着工し、実に14年もの歳月をかけて1966年(昭和41年)に完成しました。
その目的は、周辺の592ヘクタールに及ぶ耕地へ農業用水を供給する事で、ダムの堤高は28.281メートル、総貯水量は180万トンに及び、千葉県が管理する重要な農業用ダムの1つとして、現在もその役割を果たし続けています。
金山ダムの建設には、日蓮宗の僧侶・玉滝大僧正という人物が尽力したとされ、現地にはその功績を称える「玉滝大僧正頌徳の記念碑」が建てられている。この事からも、ダム建設が地域にとっての一大事業であったことが窺えます。
鎌倉時代の城跡「金山城」
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金山ダムがある地域の歴史をさらに遡ると、ダムへ向かう最初のトンネルの手前には「金山城址」と刻まれた石碑が立っています。
文献は多くないものの、鎌倉時代にはこの地に豪族・東条氏の支城としての「金山城」が存在したとされています。城という軍事拠点が置かれていたという歴史は、この場所がかつて戦略上の要所であった事を物語っています。
金山ダムの建設によって、その多くは湖底に沈んだか、あるいは地形が変わり往時の姿を偲ぶことは難しくなっていますが、古の城跡という歴史的な背景が、金山ダムの持つ神秘的でミステリアスな雰囲気を一層深めている要因の1つであることは間違いないでしょう。
このような側面を知る事で、金山ダムは単なる心霊スポットではなく、地域の農業と発展を支えてきた歴史的建造物であり、さらに遡れば鎌倉時代の城跡という深いルーツを持つ場所としてより深みを増してきます。
金山ダムの現在
「千葉県最恐」の心霊スポットというおどろおどろしい評価とは裏腹に、現在の金山ダムは多くの人々が訪れる穏やかな一面も持っています。夜の闇が支配する時間帯とは全く異なる、昼間のダムの姿についても紹介していきます。
金山ダムの現在① 釣りスポットとして人気
金山ダムは、房総半島における貴重な淡水の釣り場として、多くの釣り人から人気を集めています。ブラックバスやブルーギル、ヘラブナ、コイなどが生息しており、休日には静かに釣り糸を垂れる人々の姿が見られます。
金山ダムの現在② ハイキングコースとしても人気
また、金山ダム周辺はハイキングコースとしても整備されており、特に春には桜の名所として知られ、美しい景観を楽しむ事ができます。ダム湖に架かる赤い吊り橋「金山ダム船代橋」は、絶好の撮影スポットであり、訪れる人々の目を楽しませています。
周辺には複数のトンネルが点在し、一部は素掘りのままで残っているため、トンネル探訪を楽しむマニアも訪れています。
このように、昼間の金山ダムは心霊スポットの雰囲気は薄れ、自然豊かな市民の憩いの場として機能しているのです。
金山ダムの現在③ 県によるダムの管理と注意点
金山ダムは、現在も千葉県によって管理されており、その貯水状況は県のウェブサイトで定期的に公開されています。これは、金山ダムが現在もなお地域の農業にとって不可欠なインフラであることを示しています。
一方で、訪れる際にはいくつかの注意点があります。ダムへ至る道は狭く、トンネル内でのすれ違いが困難な場所もあります。駐車スペースも限られているため、マナーを守った利用が求められます。
また、ゴミのポイ捨て問題も指摘されており、美しい自然環境を維持するための配慮が必要不可欠です。そして何より、前述の通り山間部としての危険も伴うため、特に天候が悪い日や夜間の訪問には十分な注意と準備が求められます。
心霊スポットとしての顔と、憩いの場としての顔。2つの側面を持つ金山ダムは、訪れる時間や目的によって全く異なる表情を見せるのも大きな魅力だと言えます。
まとめ
今回は、千葉県鴨川市に位置し、心霊スポットとして全国的に有名な金山ダムについてまとめてみました。
金山ダムで何があったのかについては、心霊スポットとしては、赤い服を着た女の幽霊の目撃談や、ダム湖にかかる赤い吊り橋にまつわる怖い噂、不気味な女の声や子守唄が聞こえるという心霊体験などが囁かれています。
しかし、こうした心霊話の中で語られる「女性の殺害」や「カップルの心中」といった具体的な事件・事故を裏付ける公的な記録は確認できず、事実に基づいたものでなくあくまでも都市伝説として形成されて語り継がれていた可能性が高いようです。
一方で忘れてはならないのは、金山ダムが地域の農業を支える重要なインフラであり、昼間は多くの人々が釣りやハイキングに訪れる風光明媚な場所であるという事実です。
肝試しというスリルを求めるだけでなく、このダムが持つ本来の役割や、その地に刻まれた歴史、そして豊かな自然の美しさにも目を向けることで、金山ダムという場所の持つ多層的な魅力をより深く理解できるのではないかと思います。
心霊スポットとして興味本位で夜間に訪れる際には、現実的な危険性も十分に認識し、節度ある行動を心がける事が大切です。