きぬ川館本店の昔と現在!廃墟の場所と経営者の夜逃げ・心霊スポット化したその後まとめ

きぬ川館本店は栃木県日光市にあった鬼怒川温泉のホテルで、現在は廃墟となっています。

 

経営者が夜逃げをして、取り壊すこともできないのです。この記事では心霊スポットとして知られるきぬ川館本店の場所やピーク当時の全盛期、昔の様子、廃業からその後の様子をまとめました。

きぬ川館本店の場所や概要

 

 

きぬ川館本店は、1942年に開業した観光ホテルです。地下1階、地上9階建てで客室は70室。住所は栃木県日光市藤原2となります。

 

きぬ川館本店のある栃木県日光市はバブル全盛期までは大人気の観光地で、年間におよそ341万人もの観光客が訪れていました。

 

しかしバブルが崩壊すると客足も途絶え、きぬ川館本店も経営に陰りが見え始めました。そして1999年6月には完全に廃業したのですが、その後も経営者の消息がつかめず取り壊しにかかる莫大な費用を捻出できないことから、きぬ川館本店は廃墟として残り続けています。

 

 

 

 

きぬ川館本店の昔・全盛期当時の様子

 

出典:https://livedoor.blogimg.jp/

 

きぬ川館本店は温泉観光地の鬼怒川のなかでも早い時期に創業しており、周辺では2、3番めに古い歴史を持つ老舗のホテルでした。名物は「かっぱ風呂」で、屋内には温泉プールも備えていました。

 

全盛期には北側に別館を増築、さらに鬼怒川公園駅前近くに第二別館を増築するなどしており、多くの宿泊客が訪れたとされます。

 

出典:https://livedoor.blogimg.jp/

 

当時の館内マップを見ても、宿泊可能人数を増やすために増設をしていった様子がうかがえます。

 

バブル全盛期の鬼怒川は黙っていても、とくにPRなどしなくても、観光客を大勢乗せた旅行代理店のバスが次から次へと押し寄せてくるような状況だったそうです。

 

そのためホテル側も独自のカラーを出す工夫などをせず、やって来た団体客をさばくだけで十分な収入が得られていたといいます。

 

 

きぬ川館本店の廃業・経営者の夜逃げ

 

1990年代に入ると徐々に鬼怒川を訪れる観光客自体が減っていきました。しかし、これまで努力せずとも団体客だけを相手にしていれば経営が成り立っていたため、鬼怒川の老舗ホテルは「客はすぐに戻ってくるだろう」と楽観視していたといいます。

 

また、この頃から団体でやってくるツアー客や社員旅行などの客よりも、家族や友人など小規模な個人グループでやって来る旅行客のほうが増えてきていたのですが、これまで団体客をメインに受け入れていたホテルはすぐにサービス内容を変えられなかったとされています。

 

食事一つとっても大広間や宴会場で流れ作業的に配膳していたため、個人客を丁寧にもてなすことができませんでした。さらにどこのホテルにもかっぱ風呂のような大浴場が名物である一方で、客室には風呂がついておらず、これも小規模なグループ客を遠ざける原因となりました。

 

きぬ川館本店もこの観光客の変化に対応することができず、どんどん経営が傾いていったといいます。

 

これまでは創業者の星堯を代表とする星一族の放漫経営でもやってこられたものの、慢性的な赤字状態に陥り、ついに1999年に負債総額30億円を抱えて倒産したのでした。

 

 

なお、きぬ川館本店は鬼怒川周辺で最初に倒産したホテルであり、これを皮切りに周辺の大規模宿泊施設も同様の理由で相次いで閉業していきました。

 

 

倒産後も営業していたきぬ川館本店

 

しかし、きぬ川館本店は倒産した後も営業していました。倒産といっても経営者が夜逃げをしていなくなってしまったため、従業員には何も知らされていなかったのです。

 

残された従業員は倒産後も予約客を受け入れ、売上があれば食材や必要なものの仕入れをして自転車操業でなんとか職場を守ろうとしましたが、1990年6月には完全に閉業することとなりました。

 

出典:http://www3.ic-net.or.jp/

 

また鬼怒川公園駅前近くに建てた第二別館は鬼怒川温泉キャトルセゾンと名称を変えて営業していましたが、こちらも閉業しており、現在は跡地にマンションが建っています。

 

 

きぬ川館本店の経営者のその後

 

 

2006年に閉業したのち、きぬ川館本店の建物は日光市藤原にある老舗旅館・元湯星のやが管理していました。

 

しかし、元湯星のやも2010年に閉業しており、それ以降はきぬ川館本店を管理する人がいなくなったとされています。

 

もともときぬ川館本店を経営していた星一族は地元の名士で、一族のなかには町長を務めた人物も複数人いました。元湯星のやの初代館主も星一族で、付近で源泉を発見したことがきっかけで元湯星のやが建てられたといいます。

 

そのような社会的な地位を持っていたにもかかわらず、きぬ川館本店の経営者は1990年に夜逃げをして以降、一切の消息が不明となっています。

 

現在では星一族の名前は商工会の名簿にも載っていないという話もあり、探すのは困難なようです。

 

 

きぬ川館本店は現在廃墟に

 

 

取り壊そうにも6億円もの費用がかかることから、きぬ川館本店は2022年現在の時点でも廃墟として放置されています。

 

通常、廃墟や空き家であっても管理者がいるため容易に建物の中へ入ることはできませんが、きぬ川館本店は管理者もおらず、ロープは張られているものの監視カメラ等も設置されていないため、建物内に入って撮影をおこなう廃墟マニアが跡を絶ちません。

 

また上の動画の空撮映像でわかるように、きぬ川館本店だけではなく周辺のホテルも閉業した後に放置されているため、川沿いに一大廃墟群ができており、これに魅了される人も少なくないようです。

 

きぬ川館本店に隣接している鬼怒川第一ホテルも2008年に閉業しており、現在は廃墟となっています。

 

 

行政も対処に悩んでいる

 

このように廃墟ホテルが増え、さらに不法侵入をする人が急増したことから、日光市も2021年になって建物内に検査に入るようになったといいます。

 

宇都宮大学と合同で検査に入った日光市の職員によると、廃墟となったホテルの壁はアスベストがむき出しになってとても危険な状態にあったそうです。

 

また外装も20年以上手入れがされていないことで老朽化が進んでおり、いつ倒壊しても不思議ではない状態だとも指摘されています。

 

 

現在、観光庁では「既存観光拠点の再生・高付加価値化推進事業」として、廃ビルや閉業したホテルなどを撤去するために一棟あたり一億円の補助金を支給しているのですが、ここまで大きな建物になると一億円では到底壊すことができず、費用の大部分を自治体が負担することとなります。

 

さらにこのような大きな建物は抵当権がついている可能性も高く、権利関係が複雑になっているケースも多いために簡単に撤去できないようです。

 

日光市は「危険なのはもちろん、観光のイメージダウンになるので何とかしたい」としているものの、具体的な方針はまだ決まっていないといいます。

 

 

きぬ川館本店は心霊スポットとして話題

 

長らく放置されているうえ、館内には鹿の剥製やオーナー家族が置いていった仏壇などが散乱しているせいか、きぬ川館本店は心霊スポットとしても知られています。

 

しかしネット上では実際にきぬ川館本店に肝試しに行って恐怖体験をした、霊を見たという報告は見かけません。

 

同じ鬼怒川にあるホテルが事故物件サイトの「大島てる」に紹介されていた、2015年9月の関東・東北豪雨の際に死者が出たホテルがある、といった噂はありますが、きぬ川館本店についてはそのような話もありません。

 

それよりもきぬ川館本店に関しては、建物の木造部分から野生動物が入り込んでいることや、冬に降った雪のせいで天井が崩落している箇所があることなど、立ち入ると大怪我をするおそれがあることのほうが危険視されています。

 

 

きぬ川館本店の今後

 

きぬ川館本店が建っている一帯が廃墟群になっている理由として、立地も関係していると指摘されています。

 

鬼怒川沿いに並ぶきぬ川館本店、鬼怒川第一ホテル、鬼怒川観光ホテル東館の3軒の廃ホテルは、川と山に挟まれた非常に狭い土地に建っています。そのため普通の平坦な場所に建っている建物よりも解体が困難なのです。

 

また、解体して更地になったとしてもきぬ川館本店の第二別館のように、跡地にマンションを建てることも立地的には難しいと言えます。

 

土地自体の用途が限られてしまい、再開発に向かないことからきぬ川館本店が建っている一帯は「既存観光拠点の再生・高付加価値化推進事業」の補助金支給の対象外になる可能性さえあるのだそうです。

 

眼下に渓流を望めるという鬼怒川全盛期にウリになっていたポイントが、今となっては皮肉なことに解体を困難にする理由の一つになっているのです。

 

そのため「壊せないのであれば、廃墟群をテーマパーク化して入場料をとったらどうか」「サバイバルゲームフィールドとして開放してお金をとったらどうか」といった意見も出ています。

 

 

実際に閉業したラブホテルがサバイバルゲームフィールドとして生まれ変わり、成功している例もあるので、需要はあるのかもしれません。

 

しかし、きぬ川館本店一帯の廃墟群に観光客を入れるとなると修復工事が必須です。修復にかかる費用も高額のため、そのお金をどこから捻出するのかが問題になります。

 

「いずれにしても放っておけば倒壊して鬼怒川をせき止める危険性もあるのだから、国が全額費用を負担して撤去するべきではないか?」という声もあるのですが、これについてもすべての廃墟を国が撤去することになると負担が大きすぎるため、他の場所にある廃墟や空き家との線引はどうするのかという指摘が寄せられています。

 

 

きぬ川館本店を安全に見たい場合は

 

現在、きぬ川館本店の周辺は不法侵入を防ぐために警察のパトロールが強化されており、外から写真を撮るのもはばかられる状況だといいます。

 

そのため、きぬ川館本店を含む廃墟群をゆっくり鑑賞したい場合は、温泉街にかかる滝見橋という吊橋から眺めるのがおすすめです。

 

 

また鬼怒川をはさんで対岸にある「あさやホテル」の窓からも、きぬ川館本店の外観がよく見えます。

 

 

あさやホテルもバブル崩壊後に倒産の危機に陥ったのですが、2004年に産業再生機構の支援を受けることが決定し、その後は見事に高級ホテルとして再生に成功しています。

 

豪華絢爛なあさやホテルから鬼怒川を挟んで廃墟群が見えることに対しては「景観が良くない」「家族で泊まるとなると、窓の外の景色が不気味で考えてしまう」等の否定的な意見もありますが、廃ホテルを鑑賞することを目的にあさやホテルに宿泊する人も少なくないようです。

 

 

きぬ川館本店のまとめ

 

今回は栃木県日光市にある巨大廃墟、きぬ川館本店について創業からの歴史や廃墟となった後の様子についてまとめました。

 

観光客として訪れて楽しむぶんには異様な迫力と退廃的な魅力を感じさせる廃墟群ですが、近隣で暮らす人にとっては、いつ壊れるかわからない恐ろしい存在だと思われます。また管理されていない建物というのは治安が悪化する原因にもなります。

 

いつかは国や自治体が費用を負担してでも、きぬ川館本店を取り壊す日が来るのでしょう。それまで大きな災害や倒壊事故、事件がないよう願います。

 

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