世界的ファーストフードチェーン「マクドナルド」のマスコットキャラ「ドナルド・マクドナルド」にまつわる都市伝説が話題です。
この記事ではドナルド・マクドナルドの都市伝説や、中の人や正体、怖いと言われる理由やCMなどから消えた理由などについてまとめました。
この記事の目次
ドナルド・マクドナルドはファーストフード店マクドナルドのマスコット
この記事で取り上げる「ドナルド・マクドナルド」は、世界的ハンバーガーファーストフードチェーン「マクドナルド」のマスコットキャラクターです。
ドナルド・マクドナルドは、赤いアフロヘアに白塗りの顔面と真っ赤に染まった口と鼻、黄色を基調に赤白のストライプを組み合わせた派手な衣装に身を包んだピエロ(クラウン)の格好をしています。
なお、ドナルド・マクドナルドは世界中の「マクドナルド」で登場するマスコットキャラクターですが、実はこの「ドナルド」というのは日本限定の名称で、本家アメリカでの正式名称は「ロナルド・マクドナルド(Ronald McDonald)」です。
マクドナルドがある多くの国でも本家のロナルドの方の名称で呼ばれていますが、この記事ではわかりやすいようにできるだけ「ドナルド・マクドナルド」で統一します。
ドナルド(ロナルド・マクドナルド)は1963年に本家アメリカで誕生
マクドナルドのマスコットキャラクター「ドナルド(ロナルド)」は、1963年日本けアメリカで生まれたキャラクターで、ワシントン州のフランチャイズ権を持っていたオスカー・ゴールドスティンという人物が、地元開催の道化師出演イベントのスポンサーについた縁で、そのイベント興行所属のクラウンをマクドナルドのマスコットキャラクターとして雇い、プロモーションに出演させたのがドナルド誕生のきっかけでした。
当時のマクドナルドは、経営戦略として家族向けの店舗にする事を掲げていたため、子供に親しみやすいキャラクターとしてドナルドをコマーシャルに出演させました。このプロモーションは成功し、マクドナルドは全米にチェーンを拡大する事に成功しています。
その後も、ドナルドはマクドナルドを象徴するキャラクターとして活躍し、マクドナルドの世界展開に伴って世界的な人気キャラクターとなりました。
ドナルド・マクドナルドには怖いというイメージも根強く存在
そんな、世界的マスコットキャラクターであるドナルド・マクドナルドですが、そのどこか不気味な風貌に加え、極めて明るく振る舞いつつもどことなく闇を感じさせる言動によって世界中の子供達に恐怖を抱かせる存在としても知られています。
今回はこのドナルド・マクドナルドの不気味な方のイメージに着目し、国内や世界で語られているドナルドの都市伝説や怖いと言われる理由などについてまとめていきます。
ドナルド・マクドナルドの都市伝説① ランランルーという謎の呪文が怖い
ドナルドが出演する日本版のマクドナルドのテレビCMでは、ドナルドがよく「ランランルー」という意味不明の呪文を叫びながら、両腕を胸の前で交差させてから上に掲げるという謎の動きを繰り返します。
このランランルーの意味はテレビCMなどでは説明されず、唐突に行われるため謎が深く、この言葉の意味は「しね(ラン)・しね(ラン)・きえろ(ルー)」というどこかの少数民族で使用される呪いの言葉であるという都市伝説や、この言葉は子供だけに通じる洗脳の呪文で、ドナルドはこれを使って子供達を洗脳してマクドナルドに呼び寄せ、そのままどこかへさらってしまうといった怖い都市伝説が囁かれています。
2004年から2007年にかけて放送されていたテレビCMでは、ドナルド本人が、「ランランルーって何?」という質問に対して、目だけが笑っていない不気味な笑顔を浮かべつつ、「ドナルドは嬉しくなると、ついやっちゃうんだ」と、よくわからない回答をしているため、ランランルーに対する恐怖心はさらに強まっており、さらに怖い数々の都市伝説へと派生してく流れを生み出しました。
ドナルドがランランルーするテレビCMの動画
当時、多くの子供達にトラウマを植え付けたテレビCMの動画です。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=v75p6TYapIg]
テレビの前の視聴者に対して「みんなもやってみよう!」と誘っている事や、実際に子供たちが取り憑かれたようにランランルーを繰り返しているバージョンなども存在した事から、ドナルドはこの呪文を使って子供たちを洗脳しようとしているという都市伝説が生まれました。
下の動画の最後の方(「2:50」あたり)では、無表情のドナルドが子供たちを扇動するようにしてランランルーを繰り返している場面があります。「ランランルーってなんなんだ」というナレーションが入った後ににドナルドの乾いた「ハッハッハ」という笑い声が入り恐怖をより一層煽ってきます。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=P9HULx5_-cA]
ドナルド・マクドナルドの都市伝説② 正体は子供をさらい食べる殺人鬼
ドナルドの怖い都市伝説として、夜な夜な子供を襲っているというものがあります。
この都市伝説によると、ドナルドは昼間は店舗で子供達をにこやかに楽しませているが、その特徴的な外見のせいで来店した子供達に馬鹿にされたり、指を刺されて笑われたりする事が多い。そのせいでストレスを溜め込んだドナルドは、夜中に子供達を襲っているのだそうです。
この都市伝説はさらに怖い方向へと派生し、ドナルドは夜な夜な子供を襲ってさらっては食べてしまう怪物で、ドナルドの口の周りが真っ赤なのは子供達を食べた時についた血が染み付いているためという恐ろしい噂にまで発展しています。
ドナルド・マクドナルドの都市伝説③ ミッキーマウスに訴えられ裁判に
ドナルドがミッキーマウスに訴えられて裁判になったという都市伝説も存在します。
この都市伝説の内容は次のようなものです。
マクドナルドのハンバーガーがとても美味しいのに安価で提供されていることを不思議に思ったミッキーマウスが調べたところ、ハンバーガーに使用する肉にネズミの肉が使用されているという秘密を知ってしまいます。
ミッキーマウスは、ハンバーガーに仲間の肉が使用されていた事を知って強いショックを受け、精神的に強い苦痛を受けたとして、ドナルド(およびマクドナルド)に賠償金を求める裁判を起こしました。
この都市伝説については、これは実はマクドナルドとミッキーマウスの所属する夢の国がプロモーションのために結託して起こしたジョークの裁判であり、実際の出来事だったという噂もあるようです。
この裁判では、ドナルドとミッキーマウスが実際に出廷し、ドナルドが選んだ弁護人は忠犬プルートだったのだとか。しかし、そのような記録は残されておらず、そうした噂も含めての都市伝説のようです。
ちなみに、マクドナルドのハンバーガーにミミズの肉が使われているとする都市伝説が、本場アメリカで1970年代後半に広まっており、このミッキーマウスの都市伝説はこれから派生したものだと言われています。
ドナルド・マクドナルドの都市伝説④ 「IT」のペニーワイズはいとこ
ピエロの怪物といえば、ホラー映画「IT/イット」のペニーワイズがよく知られていますが、ドナルド・マクドナルドはこのペニーワイズの「いとこ」だという都市伝説が存在します。
ペニーワイズといえば、その正体は巨大な蜘蛛の怪物でしたが、子供達を誘いよせるためにピエロの姿に擬態していました。
ペニーワイズのピエロ姿で誘き寄せた子供を襲う化け物というキャラクター設定と、ピエロの姿をしたドナルド・マクドナルドが夜な夜な子供達を襲って食べてしまうという有名な都市伝説の類似性から、2人は実はいとこ同士なのではないかという都市伝説が広まりました。
ドナルド・マクドナルドの都市伝説⑤ 正体はひろみちお兄さん
日本では、ドナルドの正体(中の人)は実は体操のひろみちお兄さんだという都市伝説が広まった事があります。
ひろみちお兄さんは、NHKの人気子供番組「おかあさんといっしょ」で、1993年から2005年まで体操のお兄さんとして絶大な人気をを集めましたが、おかあさんといっしょ卒業後の2007年から2008年にかけて少しだけ流行した「ドナルドエクササイズ」を担当しているのではという噂が広まりました。
当時のドナルドエクササイズのプロモーション動画でのドナルドの声や話し方がひろみちお兄さんにとてもよく似ており、当時は体操といえばひろみちお兄さんというイメージも定着していたため、ドナルドエクササイズのドナルド=ひろみちお兄さんだと信じている人も多かったようです。
ただし、あくまでもドナルドはドナルドであり、中の人などいないというのが公式の見解です。したがって、ドナルドエクササイズのドナルドの正体がひろみちお兄さんだったとする説はあくまでも都市伝説です。
ドナルド・マクドナルドの正体と中の人
日本では、ドナルドの正体は体操のひろみちお兄さんという噂が、一部で長く信じられて来ましたが、世界でもドナルドの正体が誰なのかはよく話題になっているようです。
ドナルド(ロナルド・マクドナルド)は、1963年にマクドナルドの本場アメリカで生まれていますが、この時に初めてドナルドを演じたのが、道化師のウィラード・スコットという方です。
なので、初代のドナルドの正体はこのウィラード・スコット氏です。(上の画像が初代ドナルドに扮したスコット氏)
しかし、この初代ドナルドはあまりにも見た目が怖すぎて泣き出す子供が続出したなどの理由により、約2年間活動した後に引退となっています。(実際にはこのスコット氏はタレントやコメディアン、ラジオパーソナリティとしても活躍する人気者で、怖い人物ではない)
その後は、ドナルド(ロナルド)・マクドナルドは、マイケル・ポラコフス、レイ・レイナー、キング・ムーディ、スクワイア・フリーデルといったコメディ俳優が演じ、2014年から現在まではブラッド・レノンという方が扮しています。
日本でのドナルド・マクドナルドの中の人や正体は明かされていませんが、テレビCMではアテレコをあてる声優が起用されていて、これまでに富山敬さん(1970年〜1995年)、山寺宏一さん(1996年〜2001年)、加門良さん(2002年)、宍戸勝さん(2003年〜2007年)が担当されています。
ドナルド・マクドナルドが怖いと言われる理由
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本来は楽しく明るいイメージのキャラクターである「ドナルド・マクドナルド」が怖いと言われる理由についても見ていきます。
ピエロ恐怖症
ドナルドが怖い理由としては、ピエロがそもそも怖いと感じる人が多い事が挙げられます。
欧米では7人に1人が「ピエロ恐怖症(道化恐怖症)」と呼ばれる恐怖症だと言われ、ピエロがどうしようもなく怖いと感じる人が大勢いる事がわかっています。
ピエロが怖いと感じる恐怖症になる理由としては、「白塗りの顔から表情を読み取りづらい」事や、欧米ではサーカスや子供むけのイベントなどでピエロが定番の存在であるため、見知らぬものに強い恐怖心を抱く幼い頃にピエロを見て恐怖した経験がトラウマのようになって、大人になっても無意識に強い恐怖を抱いてしまう事などが推測として挙げられています。
日本でもこのピエロ恐怖症の人がいて、心の底からドナルドが怖いため、どうしてもマクドナルドの店内に入る事ができないと悩んでいる人がいるようです。
ランランルーが怖い
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テレビCMで話題になったドナルドが楽しくなるとついやってしまうという謎の呪文「ランランルー」ですが、これが不気味すぎて怖いという声も多いようです。
ドナルドがランランルーを繰り返し、それに合わせて大勢の子供たちがランランルーをしている姿は、確かに怪しげな呪文で子供達を扇動しているように見えて怖いと感じる方もいそうです。
また、ドナルドはテレビCMでランランルーについて、「嬉しくなると、ついやっちゃうんだ」と話していますが、この「やっちゃうんだ」の部分は実は「してしまう」という意味ではなく「殺っちゃう」あるいは「犯っちゃう」という意味だという説が存在します。
映画の怪物や悪役として登場するピエロが怖い
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ドナルドが怖いと感じる理由には、近年はピエロが怪物や悪役として出演するホラー映画などが多く製作されている事も関係していると言われています。
今回の映画で触れた映画「IT /イット」のペニーワイズの他にも、2014年のホラー映画「クラウン」、2016年のホラー映画「テリファー」、ドラマ「アメリカン・ホラー・ストーリー」のシーズン7「カルト」など、ピエロの姿をした怖い怪物(的な人間を含む)が登場するホラー作品は2010年代以降とても多くなっています。
また、バットマンシリーズに登場する悪役「ジョーカー」は人気も高い一方で、凶悪な犯罪者として恐ろしいイメージを持たれています。
こうした作品の影響により、ドナルドに対しても怪物や殺人鬼的なイメージを持つ人が増えたのもドナルドが怖いというイメージにつながっている可能性があります。
ドナルド・マクドナルドがテレビCMやキャンペーンなどから消えた理由
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様々な怖い都市伝説が語られているドナルドですが、2007年に登場したのを最後に、日本のマクドナルドのテレビCMにドナルド1度も登場していないため「消えた」と話題になっています。
ドナルドが消えた理由についても見ていきます。
2010年にアメリカのNPO団体に引退を迫られた
ドナルドが消えた理由として有力視されているのが、2010年にアメリカのNPOである「CAI(Corporate Accountability International)」という企業監視団体が、ドナルドに引退を迫ったため、大々的なプロモーションへの出演を控えるようになったのではないかとする説です。
このNPO団体「CAI」は、ドナルドの子供達への影響力の強さから子供達がマクドナルドばかりを食べて栄養が偏る事を危険視し、「ドナルドは50年以上にわたって、風貌やおもちゃ、ゲーム、ハンバーガーで子供達を楽しませてきたが、その親しみやすさゆえに、子供達を不健康な食生活に馴染ませてしまった」と主張し、アメリカのマクドナルド本社に対してドナルドの引退を迫りました。
しかし、当時のマクドナルドのCEOだったジム・スキナー氏は、「ドナルドはバランスの取れた食生活を提案している、彼の存在は永遠だ」と言って引退勧告を拒否しています。
その後も、NPO団体「CAI」はドナルドの引退を呼びかける広告をネットや新聞に掲載するなど、圧力をかけ続けており、その影響によってドナルドが消えたのではないかという説が囁かれています。
ガチで怖がる子供が続出した
そうした政治的な圧力ではなく、シンプルにドナルドを怖がる子供が続出したために、日本マクドナルドが独自にドナルドのCM出演を自粛したのが消えた理由とする説も存在します。
子供時代にドナルドが本当に怖かったと告白するネットの声は現在でも少なくありません。
幼少期、私はマクドナルドのCMに出てくるドナルドがめちゃくちゃ怖かった。
店に行けばヤツが接客してくると思った私は、どれほど誘われようとマクドナルドに行くことをかたくなに拒んだのだった。 pic.twitter.com/KEtnifeomG
— 静岡ジン🍥 (@szgmt) July 2, 2022
子供の頃、ドナルドが怖かった…
— たいち (@taicchan1976) February 7, 2021
なんとなく覚えるけど、子供の頃に家族で銀座の歩行者天国行ってマクドナルド一号店に行ったことがある。ドナルドめっちゃ怖かった。
— さいくに (NEXT ?) (@saikuni) July 20, 2021
2016年には本場アメリカでも活動を自粛
本場アメリカでは、2016年にドナルド(ロナルド)の使用を自粛する発表が出ました。
自粛の理由は、アメリカでハロウィン前に恐ろしいピエロの扮装をして人を驚かせるイタズラが流行しており、中にはピエロの格好をして犯罪行為に及ぶ者まで出始めて社会問題化した事でした。
米ファストフード大手マクドナルド(McDonald’s)は、全米各地で「不気味なピエロ」が目撃され人々を恐怖に陥れている問題を受け、混同を避けるためにマスコットの「ロナルド・マクドナルド(Ronald McDonald)」(日本名「ドナルド」)の使用を一部自粛することを明らかにした。
この影響もあって、ドナルドが露出する機会が減少し、世界的にも「消えた」という印象へとつながったようです。
まとめ
今回は、世界的ファーストフードチェーン「マクドナルド」のマスコットキャラクター「ドナルド・マクドナルド」の都市伝説などを中心にまとめてみました。
ドナルド・マクドナルドの都市伝説としては、ランランルーという謎の呪文で子供を誘い洗脳しているというものや、正体は子供を襲う殺人鬼という怖い噂、ホラー映画「IT」の怪物ペニーワイズとは、実はいとこ同士といったものがあります。
中の人や正体については、本場アメリカでは扮している俳優が発表されていますが、日本のドナルドの正体や中の人は公開されておらず不明です。
日本ではドナルドは2007年を最後にマクドナルドのテレビCMに出演していないため、消えたと言われています。消えた理由としては、本場アメリカのドナルド(ロナルド)がNPO団体に引退を迫られている事や、本気で怖がる子供が続出している事などが挙げられていますが、実際のところは不明です。